Facebook相田 公弘さん投稿記事
日本人は風鈴の音を聞くと、「風が吹いている」と感じて、体感温度が下がるそうです。
それは日本人だけだそうです。
梅干しを見ると唾液が出るのと同じような、条件反射なのでしょうね!
そんな条件反射が身に備わってるなんて、とても素敵なことです。
ニューヨークセントラルパークには蛍がいるそうですが、日本人のように季節感を感じず、光る虫としか思わないそうな。
最近は気候変動が騒がれるが、四季を味わう日本人の感性を大切にしたいものです。
https://artscape.jp/exhibitions/17863/ 【涼を呼ぶ美と文化】より
明治神宮ミュージアム 会期 2024年07月20日~2024年09月23日
豊かな四季に恵まれた我が国は、自然を通して季節の移ろいを感じることができます。
中でも厳しい暑さが続く夏、古来自然と共生しながら暮らした人々は暑さをしのぐ為、調度や衣類に風通しの良い素材を用いるなど様々な工夫を凝らして涼を取り入れたほか、爽やかな色彩や、風鈴の音色など五感から涼を感じとり夏を楽しみました。そのような工夫は我が国ならではの夏の楽しみ方のひとつであり現在にも受け継がれています。
本展では、明治神宮が所蔵する明治天皇・昭憲皇太后御物を中心に、涼しさを連想させる清涼感ある品々をご紹介いたします。
作品を通して「涼」のひとときをお楽しみ頂ければ幸いです。
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/lreport/article/003/14/ 【松山市出身 俳人 神野紗希さんが選ぶ「涼しさを呼ぶ俳句」】より
2024年07月02日
俳句
松山市
7月の「俳句でポン!」では、兼題『涼しさを呼ぶ俳句』に全国から313句寄せられました。松山市出身の俳人神野紗希さん選の俳句を解説とともに紹介していきます。
特集の内容はNHKプラスでご覧いただけます。
画像をクリックすると見逃し配信が見られます!7/8(月) 午後6:59 まで
特選
井戸水に曇る蛇口やかたつむり
高知県 毬雨水佳
この句からわかるポイントは【涼しさを「見える化」する】です。井戸水が冷たいから、それが出てくる蛇口も曇るんですよね。かたつむりもやっぱり、どこか濡れてひんやりしている。涼しさは目に見えないものですが、蛇口の曇りやかたつむりによって、それを目に見える形で差し出すことで、より実感の伝わる句となりました
番組紹介句(神野さん選10句)
【自然の涼しさを取り込んだ5句】
風穴の豊かな苔こけや登山靴 (松山市 久保田凡)
座敷まで風吹き抜けて帰省かな (松山市 もぐもぐ)
川床かわゆかへ遠く艪ろの音ひのきの香 (松山市 ほろよい)
清流の大きな岩で昼寝かな (野中泰風)
明浜の風波涼し子守唄 (西予市 平田球坊)
「風穴」、座敷を吹き抜ける「風」、「川床」の水辺の気配、「清流」、「海の「風波」、いずれも風や水をたっぷり感じることで、自然の中に立った涼しさが言葉の向こうから吹いてきます
【暮らしの涼しさを詠んだ5句】
萩焼のこまかな泡や生ビール(西条市 砂山恵子)
ヌン活やつるんと喉のどを越すゼリー(滋賀県 近江菫花)
ビル街の冷やし中華の旗二本(今治市 馬越あずき)
コンコロコンこおりとコップのふうりんだ(松山市 こうの みずひと)
祖母の家土間の一歩の涼しかり(今治市 香舟)
一句目、器がビールの泡をよりきめこまやかにしてくれて、おいしそう!二句目はヌン活、カフェのアフタヌーンティーサービスを楽しむ活動ですね。ビール、ゼリー、冷やし中華、飲食も涼しさと密接にかかわりますね。四句目は小学校1年生の息子さんの感想だそう。コップに氷が鳴る音を、風鈴みたいと捉えた感性が素敵です。聴覚からも涼しさは感じられます
添削
真夏の瀬戸内/海風かおる島 (今治市 たかのり(小五))
↓
瀬戸内の真夏よ島の海風よ
✏添削のポイント
1つ目のポイントは、【単語を抽出、語順を検討】です。暑い夏、海岸を散歩するときの、海からの風の涼しさを詠んでくださったそう。575のリズムに乗せるために、単語を切り出して、パズルみたいに入れ替えてみましょう。「真夏」「瀬戸内」「海風」「島」を……〈瀬戸内の真夏よ島の海風よ〉ふたつ並べて対比することで、真夏、それに対して海風の涼しさも際立ってくれます
盛る夏ロールアップで踏み出して(松山市 直線的)
↓
万緑へロールアップで踏み出して
✏添削のポイント
2つめのポイントは【時候×ファッションは避ける】です。さわやかで生活実感があります。ただ、「盛る夏」のようなシーズンを表す季語は、ファッションと組み合わせると、暑くなったからこういう格好にした、という理屈が見え易くなるので避けたいです。夏の勢いを感じる、植物や天文などの季語を探してみましょう。〈万緑へロールアップで踏み出して〉夏の日差しのもとに生い茂る緑の木々へ、一歩踏み出してゆく、いきいきとした感じがまた出てきますね
佳作
水にただよう梅花藻ばいかもの白さかな(松山市 一走人)
青苔あおごけや水琴窟すいきんくつの音のこぼれ(松山市 しずく姫)
朝靄もやを駆け来て馬の目の涼し (大分県 樫の木)
夏の風穴龍神の息遣ひ(松山市 ひでやん)
かき氷はじめましたと糸電話 (石川県 竹内一二)
空色のチュニック白南風しろはえの正午 (東京都 とひの花穂)
緑蔭やピアノソナタの聴こえくる (松山市 かすみ鈴)
山椒さんしょうにじゃこ炊き込めば口涼し (松山市 折口也)
喜雨来たる告げる予報士青いシャツ (松山市 イレブン-セブン1975)
星涼し温泉宿の夜愉たのし(埼玉県 たかはしゆう)
神野さんの1句
涼しい教室/くちびるは葉のかたち
紗希
この句に込めた想いは、【自然に同化する涼しさ】です。だいたい、人間同士の中にいると暑苦しいんですね。でも、人間がひしめく教室もくちびるが葉っぱのかたちだと思うと、ちょっとみんなが植物的になって、森の涼しさが教室に満ちるのでは、と思い詠みました。自然の気配をいかにとりこむかが、涼しさを詠むポイントかもしれません
📝今回の極意「言葉で心に涼しさを」
実際に体で感じる涼しさもあれば、風鈴の音や海の青さなど、心で感じる涼しさもあります。俳句も、言葉の力で、心に涼しさを与えることができるんですね。この夏も、暑さ対策はしっかりしながら、さらに言葉のもたらす涼しさにも、感度をあげていきましょう。
NHKプラス配信終了後は、下記の動画でご覧いただけます。
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/lreport/article/003/14/
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