https://sansai-hack.com/pine-dew/ 【激レア!幻のきのこ【松露/ショウロ】について徹底解説いたします】より
ショウロ
【松露/ショウロ】という、傘も軸もないお饅頭のような形をしたキノコを見た事があるでしょうか?
松露は、「松の露」と書きますが、松の養分で育つので、ほんのりとマツの香りがして、シャキシャキとした歯触りが絶品のきのこです。
中には松茸に似た風味という方もいらっしゃいます。
松林や、海岸の松原の周辺に自生しますが、最近ではほとんど収穫が無く手に入れる事が困難になりました。
また、町の名産にしようと栽培する試みもあるようですが、安定した栽培方法が確立していないため、市場に出回ることが尚のこと無いので『幻のきのこ』の一つとなっているのです。
松露は、スーパーなどで簡単手に入れる事が難しいため、饅頭やあんこ玉などのお菓子として形を似せて、販売されているほど、憧れの強いキノコなのです。
松露は、だいたい直径1~3㎝位のお饅頭みたいな形をしているのよ。
カサも足も無いきのこは珍しいでリス!
【松露/ショウロ】って何科の植物?
松露って何科
【松露/ショウロ】は、担子菌門のヌメリイグチ亜目・ショウロ科・ショウロ属に属するキノコの一種です。
松露は、よく見るキノコと違って、傘や軸が無く、丸い饅頭のような形をしていて、表面にはヒゲ根状の菌糸が這っています。
最初は白色ですが、成長に伴って黄褐色や茶褐色になります。
松露の中はスポンジ状になっていて、はじめの頃は白く弾力がありますが、成熟するに従って褐色になり最後には黒くなり粘液状になります。
こうなると、とてもキツイ臭いを放つようになり食用は出来なくなります。
きのこにも、傘や軸と呼ばれる部位がないものが、いくつも存在するのよ。
きのこは、傘の下に足がある形が普通だと思ったでリス!
【松露/ショウロ】生えている場所は?
松露の生える場所
松露/ショウロの生えている場所は、本州と四国、九州に分布が確認されています。
松露は砂地を好み赤松や黒松などの、松林で見かけられます。
場所によっては、砂に浅く埋もれた状態で生息していますが、砂から半分顔を出しているものもあります。
また、開拓などにより砂地が掘り起こされた林道にも顔を出す場合があります。
以前、家の近くにある松の街路樹の根元に、松露が出来た事があったわ。
え~?そんな身近に生えるでリスか?
【松露/ショウロ】の旬の時期っていつ?
松露の時期
【松露/ショウロ】は、年に2回収穫の時期があります。
場所によってのばらつきはありますが、概ねの目安で…
春
3月~4月頃に旬を迎えます。
北の方では5月に摂れたという情報もあります。
秋
9月~10月頃に採取できるようです。
全体的に春の松露は色白が多いですが、秋の松露は褐色のものが多い様です。
松露は、褐色よりも白色の方が好まれ、その価値も上がります。
すまし汁などにすると、春松露はおつゆが澄んでいますが、秋松露は少し濁りが出ることがあります。
松露は、春休みや虫の鳴き始めた頃、にお爺さんに連れられてよく採りに行ったわ。
春と秋の2回も摂れるなんて、何だか得した気分でリス!
【松露/ショウロ】の選び方
松露の選び方
松露/ショウロは、色が白い方が新鮮且つ希少です。
外側が白い松露は中身も白く、米松露と呼ばれ、味も香りも食感も、全てが美味しいです。
松露は、成熟すると共に褐色から濃い褐色になります。
これを麦松露と言いますが、褐色が進むと同時に、風味も食感も落ちてしまいます。
米松露は、最上級品として料亭などで出されているのよ。
料亭で出される、最上級品の松露、食べてみたいでリス!
【松露/ショウロ】の主な栄養は?
松露の栄養
実は、松露/ショウロの栄養についての資料などが、ほとんど無いため、松露に特化した栄養の情報は無いのですが、キノコ全体に言える栄養素で言うと、水分や食物繊維、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
食物繊維 … お腹の調子を整え、便秘予防に効果が期待できる
ビタミンD … カルシウムの代謝に大きく関わり骨粗しょう症を予防する効果が期待できる
ミネラル … 身体の発育や代謝に大きく関わり、神経や筋肉機能を正常に保つ効果が期待出来る
βグルカン … 免疫力を活性化し、ウィルスなどへの抵抗力を示す効果が期待できる
キノコは、育ち盛りのお子さんや、生活習慣を気にする方、美容に気を遣われる方など多くの人が摂りたい食材ですね。
キノコは身体に嬉しい栄養が沢山詰まってるでリス!
【松露/ショウロ】には似たような有毒のキノコがあるので注意が必要!
松露の注意点
松露/ショウロには、とても良く似た「ヒメカタショウロ」や「ウスキニセショウロ」という有毒のキノコがあります。
「ウスキニセショウロ」は、嘔吐や貧血症状、悪寒、頭痛などの中毒症状が見られ、「ヒメカタショウロ」は、痙攣や知覚異常などの症状が見られます。
また、有毒ではありませんが食に適さない「シラタマダケ」や「コツブダケ」という松露に似たキノコがいくつか存在しています。
キノコや山菜は、いくら図鑑や画像で見ても実際のものとは違う場合が多々ありますので、分からない場合は触らず、摂らないようにしましょう。
中には、触るだけで皮膚が炎症を起こしたりする、危険なキノコや山菜もありますので、くれぐれも注意しましょう。
キノコや山菜は、似ていても全く別物と言うものが沢山ありんので気を付けましょうね。
分からないキノコや山菜には触らないでリス!
【松露/ショウロ】まとめ
まとめ
香りが高く、歯ごたえもシャキシャキと、とても美味しい【松露/ショウロ】は、古くから珍重されて来ましたが、入手は容易ではないので、とても希少なキノコです。
最近では松林の環境の悪化などにより、尚更松露の育つ環境が失われつつあり採取が出来なくなってきています。
そのためスーパーなどの市場にはほとんど出回ることもありません。
松露に似せた饅頭やあんこ玉や羊羹など、お菓子になるくらい一度は食べてみたい『憧れキノコ』なのです。
また、トリュフを「セイヨウショウロ」と呼ぶことから、松露とトリュフは同じ仲間と思っている方もいるようですが、
松露は ヌメリイグチ亜目 ショウロ科 ショウロ属 なのに対しトリュフは チャワンタケ目 セイヨウショウロ科 セイヨウショウロ属と 全くの別物なのです。
松露は煮物や卵とじ、松露ご飯、茶碗蒸しに串焼き…と美味しいレシピが沢山あるのよ。
中々手に入らない松露だけど、どれも沢山食べてみたいでリス!
http://www.labornetjp.org/news/2016/0401matu 【藤田省三「松に聞け」】より
この標題には、(註)があります。「不遜にも、松尾芭蕉の名言『松のことは松に習え』(三冊子)を一個の比喩として扱って『拡大利用』したもの」云々と。そして、1963年、乗鞍岳に、観光施設として自動車道路を開発するため、高山地帯固有の「ハイマツ」、厳しく苛酷な条件に屈服することなく、岩面に「這う」ようにして生きてきた「這松」を、いかに悲惨に「殺害」したかについて、傍題にあるように、「現代文明へのレクイエム」として語った、わずか数ページの文章です。(写真=藤田省三さん)
ところで、犠牲となった木の一本一本を集めて、その「悲惨な屍体の解剖」により、「一つの葬い」を行った人がいます。それによると、標高2550メートル地点で殺害された95本のハイマツの平均樹齢は、109年、1年ごとの成長を示す年輪幅の平均は0.37ミリ。このようにして、標高2650メートル地点で、平均樹齢110年のハイマツが98本、標高2750メートル地点で、平均樹齢77年のハイマツが61本、殺害されたのです。「厳しい存在に対する感受性の欠落であり、さらに正確に言えば厳しさと優しさの両義的共存に対する感得能力の全き消滅」と、藤田さんは語っています。
この乗鞍岳開発によるハイマツの大量虐殺に象徴される「高度成長の所産」は、いまなお、日本全土を掩っているのではないでしょうか。藤田さんが列挙しただけでも、「第三次産業」の国境の飛躍的拡張、土木産業と土木機械業の新たな急成長、「行楽人口」と「行楽距離」の増大がもたらす消費活動の急膨張、GNPの上昇、自動車販売市場の急速な拡大etc。しかし何よりもまず問題なのは、「人知れず横たわる」ハイマツを横目に、「便利」と「享楽」を求めて殺到する人びとの群れです。のちに藤田さんが喝破した「安楽への全体主義」です。にも拘らず、藤田さんは、おわりに、この危機の時代における認識を支えるものは「犠牲者への愛」であり、「他者の認識」としての犠牲者に対する「鎮魂歌」こそが「蘇生への鍵」であると、一縷ののぞみをわたしたちに托して、エッセイを閉じています。
さてここで、わたしも芭蕉と藤田さんの名言を「一個の比喩」として、「拡大利用」し、このごろの日本と韓国で起こっている一事件――朴裕河氏の著書『帝国の慰安婦』(朝日新聞出版)と、それをめぐる一部の日米の学者・ジャーナリストの反応について、大急ぎで、抗議のひとことをつけ加えざるを得ません。朴氏の著書に対し、「ナヌムの家」に暮らす9人の女性が、名誉棄損で告訴、勝訴しました。当然のことです。くだらない古山高麗雄氏の戦争小説などを援用したりして、日本軍「慰安婦」を、日本軍の「同志」「協力者」に仕立て上げようとした著書は、まさに「犠牲者への侮辱」以外の何ものでもありません。朴裕河氏よ、「松に聞け」、辛うじて生き残っている日本軍「慰安婦」に、「愛」をこめて耳傾けて欲しいというほかありません。
さらに愕然としたのは、朴氏の起訴に対し、日米の知識人65人が、「学問や言論の自由」を看板に、抗議声明を出したことです。その中にはわたしの存じ上げている方もいて、ユーウツですが、ここに名を連ねた一人である大江健三郎氏はかつて、柳美里氏の『石に泳ぐ魚』の出版禁止事件の折、「発表によって苦痛をこうむる人間の異議申し立てが、あくまで尊重されねばなりません。」と表明したとのことです。今回の抗議声明への加担とは、全く逆ではないでしょうか。なんでも、「学問・言論の自由」を唱えていればコトが済むと思っている方たちよ、まずみずからの「感受性の欠落」を見つめ、「犠牲者への愛」を学問・言論の根底に据えて欲しいと願います。
(この事件については、鄭栄桓(チョン・ヨンファン)氏の『忘却のための「和解」―-『帝国の慰安婦』と日本の責任』世織書房刊が、純理をつくして論じており、感動的です。朝日新聞社は、こういう本にこそ「大佛次郎賞」を上げるべきでしょう。)
*「松に聞け」 初出=『戦後精神の経験』1 1996年2月(影書房)/藤田省三著作集7『戦後精神の経験』1 1998年5月(みすず書房)再録
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