免疫を呼び起こす腸内細菌と秘められたきのこの驚くべきチカラ

https://www.hokto-kinoko.co.jp/kinokolabo/science/44396/2/ 【歴史が育んだ、きのこの効果と人体の秘密】より

腸内環境を整えることが免疫機能正常化につながる!

免疫とは、端的にいえば体全体で働く防御システムのこと。ウイルスなど、体に有害な病原菌や物質が侵入した時に排除し、体を正常な状態に保ってくれます。

その反応が低下すると免疫不全が起こり感染症などに繋がります。かといってむやみに上げすぎると、花粉症に代表されるアレルギー反応など、免疫異常を引き起こす。つまり、免疫は正常な「バランスを保つ」ことがなにより重要なのです。

その中で、腸内細菌は免疫そのものとして働くのではなく、免疫細胞を活性化させる役割を果たします。その機能を左右するのは腸内環境。前回紹介したように健康的な体であれば、腸内は善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%のバランスで保たれています。日和見菌は善玉菌、悪玉菌どちらかの優勢な方になびくので、常に善玉菌が優勢になるように腸内環境を整えることが大事です。

善玉菌の代表格はビフィズス菌と乳酸菌。

ビフィズス菌が生成する酢酸は腸管運動を活発にして、早く排便を促します。さらに、悪玉菌の繁殖を抑えます。ヒトの健康に寄与する機能を持つビフィズス菌や乳酸菌は、免疫細胞に直接働きかけ、その機能を調整します。

また、近年注目されているのが、免疫機能や腸管粘膜の正常化に寄与する「酪酸(らくさん)」。それを生み出す酪酸産生菌は、誰もが持っている腸内細菌であり、がん細胞を抑制する効果があるなどのチカラが眠っています。その秘められたパワーを呼び起こし、活性化させるのが、きのこに多く含まれる食物繊維なのです。

腸を整えるために食物繊維が欠かせないワケとは?

人の健康を司る腸内環境を整えるのに、最も有効なのは食品です。

食物繊維やオリゴ糖など、有用な善玉菌の成長を促す食品成分を「プレバイオティクス」と言います。きのこは食物繊維が豊富なため、プレバイオティクスとして、腸内細菌を活性化する効果が期待できます。

また、健康を維持する生きた微生物は「プロバイオティクス」と呼び、代表的なものはビフィズス菌や乳酸菌、麹菌などの発酵食品が挙げられます。

プロバイオティクスは2〜3日で体内から排出されるため、既に腸内に存在している善玉菌に働きかけたり、腸内バランスを整えるためには、プレバイオティクスである食物繊維を摂ることで効果が出ることが期待できます。

食物繊維は大きく分けて2種類あります。「不溶性食物繊維」は、水に溶けにくい繊維を指します。大腸内で水分を吸収し、腸を刺激して便通を促進。一方で「水溶性食物繊維」は水に溶けやすい繊維で、ヌルヌルとしているため、大便をスムーズに出す働きをします。

さらに食物繊維は、腸内で酪酸産生菌のエサとなることで酪酸濃度を高めて腸内環境を整え、免疫機能向上に役立ちます。

料理の主役にも名脇役になるきのこの多様なチカラが、人知れず私たちの体をサポートしているのです。

β(ベータ)グルカンが豊富なきのこは、免疫機能に欠かせない存在!

また、きのこの細胞壁に含まれる不溶性食物繊維の一種「βグルカン」には、腸管にいる免疫細胞を促進させる働きがあることで知られています。たとえば腸管にすみつき、外敵を食べる細胞「マクロファージ」の働きを活性化させます。

他にもβグルカンは、抗コレステロール、血糖値の上昇をゆるやかにするといった作用もあるといわれています。

さらに、摂った栄養を体に行き渡らせて代謝を助けるビタミンB1とB2、カルシウムの吸収を助け免疫機能を調整するビタミンD、摂り過ぎたナトリウム(塩分)を排出するカリウムなど、きのこに含まれる様々な栄養素は、ヒトの免疫機能の正常化に密接に関わっているのです。

そういったきのこは、古来より漢方において生薬として使用されてきた歴史があります。漢方の最も古い書物「本草綱目」に記された霊芝(マンネンタケ)、約600年前の明(ミン)の時代に妙薬としてシイタケが使用されていた記録が残されています。

ヒトの器官の中で、免疫に深く関わる腸を守り、助けている腸内細菌——。

そして太古の時代から、その腸内細菌に大きく寄与しているきのこは、ヒトが健康になるために欠かせない存在なのかもしれませんね。

監修:辨野義己(べんの よしみ)

1948年生まれ。酪農学園大学獣医学科を卒業。東京農工大学大学院をへて特殊法人理化学研究所入所 研究員。独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター・微生物材料開発室室長。現在は、同所科技ハブ産連本部辨野特別研究室特別招聘研究員。十文字女子大学客員教授、農学博士(東京大学)。受賞歴は、日本獣医学会賞(1986年)、日本微生物資源学会賞 (2003年)、酪農学園大学獣医学部同窓会「三愛賞」(2007年)、文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)(2009年)、Top Ten New Species Award (2009)


Facebook竹元 久了さん投稿記事 土壌も人間の腸も同じ

土が世界から消えているという話をした。同じことが人間の腸でも起きている。最近、『土と内臓』という本が出た。土壌細菌と腸内細菌の機能はそっくりで、生物多様性は私たちのお腹の中にもあり、掌や肌にもある。外なる生態系と内なる生態系のどちらでも生物多様性が失われようとしている。その原因の一つに遺伝子組み換えがある。遺伝子組み換えがどのような作用を与えているのか考えてみたい。

 遺伝子組み換えはタネではなく細胞を操作する。精密な方法だと思われるだろうが、じつはパーティクルガン法といって、遺伝子銃で大豆のなかに大腸菌の遺伝子の一部をぶち込むというような方法が使われている。銃ででたらめに撃っていれば100回のうち数回はちゃんと入って農薬をかけても枯れない大豆ができる。またバクテリアを使って細胞を運ぶアグロバクテリウム法もある。こちらも100回のうち数回が成功という精度の低い方法だ。

 遺伝子組み換え食品を食べても問題は起きないというのがアメリカと日本政府の見解だ。だが今、アメリカの市民はこれを完全にウソだと考えるようになった。要因はアメリカにおける慢性疾患の急増だ。

糖尿病患者の推移をみると、ちょうど1996年、遺伝子組み換え農業が始まった年から急激に増えている。アメリカにおける大豆・トウモロコシの遺伝子組み換えの割合だ。1996年に始まり2010年には90%をこえており、現在は95%になっていると考えられる。真ん中の折れ線グラフが遺伝子組み換え農作物に使われるモンサント(バイエル)が開発したグリホサート(商品名ラウンドアップ)の農薬だ。これらが増えれば増えるほど、糖尿病患者が増えている。それだけでなくさまざまなガンも増え、子どもたちの健康が非常事態になっている。アメリカも日本も同じだ。自閉症が90年代後半から急激に増加しており、高齢者の認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病なども増えている。

 アメリカでは今、警告として「私たちの子どもたちは私たちと同じだけ生きられない」という言葉がくり返されている。実際に2015年以降、年々わずかだが平均寿命が短くなっている。殺人などさまざまな要因があり一概にはいえないが、顕著なのは40代未満の人たち、とくに子どもたちの健康がとても悪くなっていることだ。「40代未満」というのは重要だ。遺伝子組み換えは24年前に始まった。そのときすでに成人していた世代は、遺伝子組み換えが出てくる前に免疫をつくってしまっているが、その後に生まれた人たちは遺伝子組み換えを食べながら免疫をつくっている。そこでさまざまなアレルギーなどが生まれる可能性がある。日本でも発達障害などで特別な支援が必要な子どもの数は急激に上昇している【グラフ参照】(リンク)。

◆虫の腸を破壊するBt毒素とグリホサート

 では、遺伝子組み換えを食べるとどのような問題があるのか。例えばほとんどの遺伝子組み換えトウモロコシでは、虫が食べると死ぬようになっている。食品であると同時に殺虫剤でもある。このなかにはBt毒素が入っていて、虫が食べると腸の内壁に穴をあけて殺してしまう。

 また、遺伝子組み換え農作物には農薬・ラウンドアップが使われている。モンサントはラウンドアップを「世界で一番環境に優しい」「人間の健康にも影響を与えない」と宣伝してきた。これは、主成分のグリホサートが植物の葉などから吸収されると、「シキミ酸経路」(光合成をしてアミノ酸をつくる仕組み)をブロックし、アミノ酸をつくれなくしてしまう。そのため植物は枯れてしまうという仕組みの除草剤だ。確かに人間や動物は光合成をしないのでシキミ酸経路を持っていない。モンサントは「だから人間や動物には毒性が低く、安全な農薬だ」という。しかし本当なのか。

 私たちの体の中には大事なパートナーがいる。腸内細菌だ。腸内細菌は植物の仲間なので、ラウンドアップは植物を枯らすのと同様に、腸内細菌を殺してしまうことがあり得るのだ。しかし、すべての腸内細菌が殺されるかというとそうではない。大腸菌やサルモネラ菌など悪玉菌は強く、ラウンドアップをかけても影響をうけず、乳酸菌などの善玉菌がダメージを受けてしまう。そうなるとどのような問題が起こるか考えたい。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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