サルノコシカケ 胡孫眼 polypore

http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/situ/TOK/neda/hanashi/hanasi42.htm 【サルノコシカケの話】より

 「猿の腰掛け」は私の好きなネーミングだ。現実には無いだろうが、老猿が大きなサルノコシカケに座り、物思いにふける一幅の水墨画を思い浮かべてしまう。私がきのこに興味を持ち始めた頃は、まだ癌に効くという評判がなかった。このため当時は、近所の公園や雑木林で大きなサルノコシカケを見つけることもあった。

 サルノコシカケの名前は二〇〇年以上前からあるが、食用にならないからだろうか、日本の文献にはあまり登場しない。中国では胡孫眼という漢字をあてていた。胡孫は猿のことである。眼とは傘の裏の管孔を意味しているのだろうか。

 サルノコシカケのなかまでは、桑黄とも呼ばれるメシマコブが古くから知られていた。本草綱目啓蒙には、「桑樹に発生するサルノコシカケである。肥前平戸の海中の雌島(女島?)にある。ゆえにメシマコブという。桑その他の樹木、土石に発生する。木に生えて形が円く、内部が黄色で光るものは平戸で宝コブあるいは宝コンブともいう。桑上に生えるものが上等とされる。土石上に生えて、形が偏平で、内部が黄色のものは、平戸で花コブあるいは花コンブという。やや赤黒色を帯びるものは平戸で古コンブという。今薬屋で売られているものは丹後産が多い。」とある。また菌譜には「桑寄生(桑黄)、胡孫眼の一種で桑樹上に生えるものである。その色は淡黄色で、よく中風の偏枯(半身付随)を治す。」とある。さらに怡顔齋菌品には「桑黄、達(著者)が考えるには、桑樹間の陰湿の所に生える。黄色で肉質は軽く、味は淡い。よく淋病を治す。」とある。メシマコブの薬効については近年見直され、栽培が宮崎県などで試みられている。

 エブリコも薬用きのことして有名だが、カラマツなどに発生する北方の菌なので、文献には登場せず、もっぱら民間薬として知られてきた。外腹痛、眼病に効き、健胃剤、下痢止めとしても利用した。蝦夷草木譜には「エブリコ。蝦夷人腹の諸病に用い、また馬の鞍ズレに用いる」とある。ドイツではレルヒェンシュワム(カラマツタケの意味)と呼び、薬用にしていた。薬用主成分はアガリチンで制汗剤として利用される。イギリスでは、粉末にして煎じて肺病薬にしていた。エブリコの学名のofficinalisは、薬用の意味である。エブリコの名前は北海道松前の方言で、他にトボシとも呼ばれる。

 ツリガネタケの薬効は知られていない。ヨーロッパでは発火の際のほくちとして利用される(特産情報九年四月号参照)。百年前にはドイツに大きな製造工場があり、輸出もしていた。ツリガネタケは、ほくちにするほか、なめし革のように加工して工芸品としても使われる。江戸時代にオランダから伝わり、日本では暖皮と呼んでいた。樹木の材と外皮の間に伸びた菌糸が密に絡まりあってなめし革状になることがあり、この菌糸の組織からも暖皮が作られる。またツリガネタケ以外の菌による暖皮もある。

 国産の暖皮もあり、飛騨の三浦山で採れる「木の綿」と呼ばれる物は、暖皮である。天保三年に薩摩の出水口でイスノキの大木から幅三尺、長さ一丈の暖皮が採れた。地元民は正体がわからなかったが、裁断して着物の襟などにしたそうである。寛政十二年に信州高井郡奥山田で松にできた暖皮は、須坂の殿様が手にいれて琴の袋にした。


https://www.babakanpou.co.jp/contents/minkan/sarunokosikake.html 【サルノコシカケ類(サルノコシカケ科)】より

■ 解説

山地の枯れ木やその根元の地上部に着生するキノコ類であり、時に身近な場所の枯れ木に見つかる場合もあります。近年、ガンに対する働きに注目が集まっており、漢方薬店で"梅寄生(ばいきせい)"名でサルノコシカケが販売されていたり、"霊芝(れいし)"名で売られている高級品は、サルノコシカケ科のマンネンタケになります。カワラタケも今まではあまり使用される機会が無かったのですが、最近は脚光を浴びて商品化されています。これらは全てサルノコシカケ科という類に含まれるもので、山歩きの機会にまれに手に入ることもあります。

■ 薬用途

一般的によく用いられるのは"霊芝"とよばれるマンネンタケです。これはガン以外にも慢性気管支炎・気管支ぜんそく・白血球減少症・冠状動脈硬化性心臓病・不整脈・がん・急性ウイルス性肝炎・ノイローゼ・胃かいよう・消化不良などの慢性病に、その他の生薬と配合して用いられます。霊芝のみで用いるときは一日量15~20gを煎じ、3回に分けて食間に服用します。古来より大変重宝されてきた霊芝ですが、難点は希にしか自然発生せず、とても入手が難しいことでした。しかし、昭和46年に、わが国で人工栽培に成功し、その後、中国や世界各地で多量に、しかも品質の安定したものが比較的容易に入手できるようになりました。実際に、当薬局で服用いただいている方達の多くはガン治療中の方や、ガン再発予防にという方達が殆どですが、霊芝には飲みすぎによる副作用は殆どありませんし、他薬との併用も特に問題ないようです。その上、場合によっては他の漢方薬と併用することによって霊芝の効果が増強するようになる場合もありますので、詳しくは漢方の専門家によくご相談されると良いでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=amr4G2Ic4QY

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