Facebook清水 友邦さん投稿記事· ·
農民芸術の綜合
……おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか……
まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう
しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きてゐる ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である 青い松並 萱の花 古いみちのくの断片を保て『つめくさ灯ともす宵のひろば たがひのラルゴをうたひかはし 雲をもどよもし夜風にわすれて とりいれまぢかに歳よ熟れぬ』詞は詩であり 動作は舞踊 音は天楽 四方はかがやく風景画
われらに理解ある観衆があり われらにひとりの恋人がある 巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなすおお朋だちよ 君は行くべく やがてはすべて行くであらう
Facebook宇山博明の軌跡さん投稿記事
「まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう」
宮澤賢治「農民芸術概論綱要」の中の「農民芸術の綜合」にこの一節はあります。
「農民藝術の綜合」を転記します。
農民芸術の綜合
……おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか……
まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きてゐる ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である
青い松並 萱の花 古いみちのくの断片を保て『つめくさ灯ともす宵のひろば たがひのラルゴをうたひかはし雲をもどよもし夜風にわすれて とりいれまぢかに歳よ熟れぬ』
詞は詩であり 動作は舞踊 音は天楽 四方はかがやく風景画 われらに理解ある観衆があり われらにひとりの恋人がある 巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなす
おお朋だちよ 君は行くべく やがてはすべて行くであらう
理崎啓氏はこの一節を次のように読み解きます
「これは法華経の一念三千そのもの、宇宙と個々の生命を指している。各々が自身の内の仏の生命を発揮して、各地の各分野にちらばって輝いていく。そうすると、大宇宙全体も明るく輝くというのである。しかも、それは全体に埋没するわけではない、個々がその個性を発揮するのである。」
「一念三千」については、『「赤い経巻」とは何か 宮沢賢治と法華経』で吉丸蓉子氏が次のように解説しています。
一念三千…一念に三千世間が具足されているということ。(中略)一念とは凡夫が日常におこす一瞬一瞬のこころをさす。三千とは、十界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天・声聞・縁覚・菩薩)のそれぞれが互いに他の九界を具足しあっているから百界、その百界のひとつひとつに十如是があるから千如是、千如是は三種世間(五、衆生、国土)のそれぞれにわたるので三千世間となる。極小と極大の相即した統一的宇宙像を示す。
また、理崎氏は「一念三千」を以下のように表現しています。
法華経薬草喩品に三草二木の譬えがある。大中小の草にも大小の木にも雨は降り注ぐ。雨は一様に降るが、それによって成長する草木はそれぞれ違っている。雨を仏の慈悲に例え、草木を衆生に例えている。つまり、仏の慈悲の元にそれぞれ個性を発揮して各別に生きているというのである。個々がそれぞれ独立して、尚且つ全体と調和している。
宮澤賢治を敬愛した宇山博明氏が花巻の玉川旅館の依頼を受けて各客室の掛け軸に揮毫した時、賢治の「農民藝術概論要綱」のこの一節も選んだ。
詩ではないがこの一節は「農民藝術概論要綱」の核となる文で賢治の想いが凝縮しているように感じます。
宇山氏の墨跡も力強く賢治の熱い想いを載せているようです。
『宇山博明の軌跡』は宇山氏の作品を紹介し皆様と共有していきたいと思います。何かをお感じになりましたら「いいね」「シェア」と是非感想を書き込んでください。よろしくお願いいたします。
FB管理人 伊藤 雅子
Facebook松本 聰さん投稿記事
逆風の中のヨットのように - 前川喜平
「実は私は、小学校3年生の時に不登校になったことがある。転校先の東京では、それまで暮らしていた奈良とは言葉遣いが違っていたし、先生もどことなく冷たい感じがした。決定的だったのは、奈良ではなかったプールの授業で溺れかけたことだ。2学期以降、学校に行こうとすると、吐き気や腹痛がするようになった」
「これまで公の場で語ったことは一度もないが、文科省時代の私のノートパソコンの待ち受け画面は、チェ・ゲバラの肖像写真だった。アルゼンチン生まれで医師でもあったゲバラは、圧政に苦しむ人々を見捨てておけず、世の中を良くしようと革命運動に身を投じた人だ。政府軍との戦闘によって負傷した味方だけでなく、敵兵まで治療したという逸話が残されている」
「10代の私に強い印象を残したもう一人が、宮沢賢治だった。賢治は『農民芸術概論綱要』で、『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』と書き記している。賢治は同じ作品の中で、こういう言葉も綴っている。『まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう/しかもわれらは各々感じ各別各異に生きてゐる』」
★前川喜平/寺脇研 著『これからの日本、これからの教育』goo.gl/Y6Ej46
◎青空文庫 | 宮沢賢治「農民芸術概論綱要」goo.gl/bckTZC
0コメント