https://www.historist.jp/articles/entry/philosophy/006358/ 【世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない・・まずもろともにかがやく宇宙の微塵となりて、無方の空にちらばろう。】より
詩人・童話作家 宮沢賢治『農民芸術概論要綱』
宮沢賢治は宇宙のすべてのものは、あるものが他のものを引き起こし、おたがいが縁となって網の目のように一つにつながっているという、仏教的な宇宙観をもっていた。過去に生きた命も、未来に生まれるであろう命も、銀河系の中でひとつの縁の絆で離れがたく結ばれ、つながっている。そのような目に見えない不思議な縁の絆によって結ばれた命の世界を、賢治は『銀河鉄道の夜』で美しく形象化して描いた。銀河の星々のように輝く無数の命の背後には、無限の過去から未来へと連なる大きな業のいとなみをもつ永遠の仏の命がある。そう考えた賢治は、銀河系をみずからの中に意識し、それに応じて、世界ぜんたいの幸福のために生きよと呼びかける。そのために我われは輝く宇宙の微塵となって世界にちらばり、一人ひとりがそれぞれの持場で自分の仕事に励むのである。その一つひとつの微塵のごとき仕事は、じつにささやかなものであろうが、かけがえのないものであり、それらが網の目のようにつながって人の世をつくり、過去から未来へとつながり、世界の幸福を生み出すのである。
Facebook田島 伸二さん投稿記事
宮澤賢治は、125年前の1896年、岩手県で生まれ37歳の若さで亡くなった。生前に出版されたのは童話集「注文の多い料理店」と詩集「春と修羅」のみ
『春と修羅 〜青森挽歌〜』
まことのことばはうしなはれ 雲はちぎれてそらをとぶ ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ 『春と修羅』
もうけつしてさびしくはない なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて ひとはとうめいな軌道をすすむ
宇宙は絶えずわれらによって変化する 誰が誰よりどうだとか
誰の仕事がどうしたとか そんなことを言つてゐるひまがあるか
新たな詩人よ 雲から光から嵐から 透明なエネルギーを得て 人と地球によるべき形を暗示せよ まづもろともに かがやく宇宙の微塵となりて 無方の空にちらばらう
*かけた情けは水に流し 受けた御恩は石に刻め
*世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
Facebook大和田加代子さん投稿記事
昨日は高田高校祭を覗いてみました。一応、卒業生でもあります。
入口に石碑が2つ。どちらもいいですね~。想いがしっかり伝わってきます。
ちなみに文字盤が小さい方は宮沢賢治の農民芸術概論綱要の一節。「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という1文が載ってることで知られてます。
今宵は読書の秋の風情を楽しみ、宮沢賢治の世界を覗いてみましょう!
「まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きてゐる ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である 青い松並 萱の花 古いみちのくの断片を保て 『つめくさ灯ともす宵のひろば たがひのラルゴをうたひかはし 雲をもどよもし夜風にわすれて とりいれまぢかに歳よ熟れぬ』
詞は詩であり 動作は舞踊 音は天楽 四方はかがやく風景画 われらに理解ある観衆があり われらにひとりの恋人がある 巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなす
おお朋だちよ 君は行くべく やがてはすべて行くであらう
この前段、後段もあります。読みたいと思った方は農民芸術概論綱要で検索してみて下さい。
宮沢賢治メモリアルDVD制作実行委員会 詩碑建立60周年を迎え宮沢賢治の思い後世に
完成間近のDVDのデザインを話し合う会員
岩手が生んだ偉人、宮沢賢治が農民救済のため技師として働いた東北石灰工場や、賢治を慕う青年たちによって建立された詩碑などが残っている東山町。今なお賢治とゆかりのある人たちが暮らしている地域です。
「みんなの幸せ」のためにまい進した賢治の精神と、賢治と深いかかわりのあった東山の歴史を次世代に残したいとの思いから、19年4月、東山町を中心とした有志により宮沢賢治メモリアルDVD制作実行委員会(鈴木須美子委員長、会員26人)が組織されました。
市の地域おこし事業の補助を受け、昨年6月から本格的に取り組みがスタート。鈴木委員長を中心に賢治とゆかりのある人たちの「声」と「映像」、「オリジナルBGM」で構成するDVD制作に取り組んできました。
まずもろともに
かがやく宇宙の微塵となりて
無方の空にちらばらう
市役所東山支所の裏手にある新山公園内の詩碑には、賢治の「農民芸術概論綱要」の一節が刻まれています。この碑は戦後の混乱期に賢治の精神を生きる指針にしようと、地元青年団員の手で昭和23年に据えられたもの。建立から60年目を迎え、詩碑建立に携わった当時の青年団員の皆さんに協力をもらい、賢治とゆかりのある人たちの生の声を映像としてDVDに収録しました。
「DVDは、市内の小中学校と図書館に寄贈する予定です。市内各地域での完成試写会の開催も考えています。特に東山町では試写会と併せコンサートも開催できれば」と鈴木委員長。「そして、このDVDが少しでも賢治の精神を伝えることに役立つことを願っています」と笑顔で語ります。
実行委員会は完成したDVDを基に、20年度には音楽劇の台本を作成する予定。小さな音楽劇からスタートして継続的に取り組み、最終的には市民ミュージカルに発展させる計画です。
「東山町に新しくできる東山地域交流センターの『こけら落とし』として、ミュージカルを上演することができたら素晴らしいですね。将来的には、センター自主事業のお手伝いになれば―」と今後の夢を描く鈴木委員長です。
活動メモ
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