実在と現実

https://karapaia.com/archives/52205856.html 【ファンタジー世界はリアルに実在する。ディズニー映画の舞台となった18の現実の場所】より

 ディズニー映画の中に出てくるファンタジーな美しい場所は、実在する場所にヒントを得て作られている。現実は常に空想世界に影響を与え続けているのだ。

 ディズニーのもっとも象徴的な場所と現実の場所を比べてみると、魔法は本当にあると信じたくもなるだろう。ディズニーのアーティストたちが現実の場所にどの程度インスパイアされたのかはわからないが、実際に存在する場所とディズニー映画に出てくる舞台を見比べてみると、なんらかの影響を受けていることがわかる。

眠れる森の美女

── ノイシュヴァンシュタイン城、ドイツ バイエルン州

 『眠れる森の美女』の城は、ドイル、バイエルン州にあるノイシュヴァンシュタイン城がモデルだ。この城は1892年にバイエルン州のルードウィッヒ二世によって、個人的な隠れ家として、お気に入りの作曲家リヒャルト・ワグナーへの敬意の証として建築された。白鳥王としても知られたルードウィッヒ二世は、芸術を熱心に支援し、バイエルン中に美しい城をいくつも残した。

美女と野獣

── フランス アルザス

 『美女と野獣』の小さな村の広場は、フランス北西部の絵のように美しい地域、アルザス地方にヒントを得たもの。ここはヨーロッパの歴史のほとんどにおいて政治的にはドイツだった。そのせいか、ふたつの文化が混合し、さまざまな場所の名前や、特に美しい田園風の建造物の中にその影響を見ることができる。

塔の上のラプンツェル

── モン・サン・ミシェル、フランス ノルマンディー

 『塔の上のラプンツェル』の王国コロナは、フランスはノルマンディーのモン・サン・ミシェルにヒントを得たもの。この独特な島は、潮の満ち引きによって本土から切り離されたり、つながったりするため、要塞化した修道院として理想的だった。今日、その美しく壮麗な姿が多くの観光客を惹きつけている。

カールじいさんの空飛ぶ家

── アンヘル滝 ベネズエラ

 『カールじいさんの空飛ぶ家』のパラダイス・フォールは、ベネズエラのアンヘル滝(地元の言葉ペモン語でKerepakupai Venaとして知られる)からヒントを得た。979メートルを直下する滝は世界一落差のある滝。ベネズエラのテーブルトップマウンテンのひとつ、アウヤンテプイの山頂から流れ落ちている。アラジン

── タージ・マハル、インド アグラ

 『アラジン』のスルタンの宮殿は、インド、アグラにあるタージ・マハルがモデル。ここは宮殿ではなく、実際にはムガール帝国皇帝シャー・ジャハーンが1632年に建造を始めた、最愛の妃ムムターズ・ハマルの壮大な墓。白い大理石に覆われ、豪奢な庭に囲まれている。

ラマになった王様

── マチュピチュ、ペルー クスコ

 『ラマになった王様』のパチャの村は、ペルー、クスコのマチュピチュからヒントを得た。この謎めいたインカの土地は、ペルーの標高2430メートルの山の上にあり、インカの皇帝パチャクテクの住まいだったと考えられているが、スペインの征服後、外界からは忘れ去られ、1911年に再発見された。

ムーラン

── 紫禁城、中国 北京

 『ムーラン』の皇帝の住まいは、中国の北京にある紫禁城がモデル。現在は観光客に公開されているが、かつては明・清朝の皇帝の住まいだった。この広大な宮殿には、許可なしには誰も入ることはできなかったことから、"禁断"の広大な宮殿と考えられていた。ノートルダムの鐘

── ノートルダム大聖堂、フランス パリ

 『ノートルダムの鐘』の大聖堂は、パリのノートルダム大聖堂以外のなにものでもない。この壮大な大聖堂は世界のゴシック建築の例としてあまりにも有名。200年をかけて完成し、ヨーロッパで初めて飛び梁を採用した建造物。飛び梁とは、建築物の外壁の補強のため、屋外に張り出す形で設置される柱状部分のこと。

リトル・マーメイド

── シヨン城 スイス ジュネーブ湖

 『リトル・マーメイド』のエリック王子の城は、スイス、ジュネーブ湖にあるシヨン城がモデル。この城の歴史はローマ帝国時代にさかのぼり、アルプスを抜ける道を監視するために使われていた。以来、常に美しく化粧し直され続けてきた城であるだけでなく、ジュネーブ湖畔に直接面している立地が、完璧なおとぎ話の世界をつくり出している。シュガー・ラッシュ

── グランドセントラル駅、アメリカ ニューヨーク

 『シュガー・ラッシュ』のゲーム・セントラル・ステーションは、ニューヨークのグランドセントラル駅がモデル。この駅は一度は取り壊され、1913年に現在のようなスタイルに再建された。爆弾テロの脅威にもかかわらず、今日まで利用客が多いにぎやかな駅。

美女と野獣

── シャンボール城、フランス ロアールエシェール

 『美女と野獣』の野獣の城は、フランス、ロアールエシェールにあるシャンボール城がモデル。1547年にフランソワ一世によって、狩猟用の城として建設された。煙突と尖塔が林立したその独特な屋根が、城というより町の地平線のように見えると多くの人が言う。

アナと雪の女王

── 聖オラフの教会、ノルウェー バレストランド

 『アナと雪の女王』のチャペルは、ノルウェー、バレストランドの聖オラフの教会がモデル。Knut Kvikneという愛する男性と、近くの山に住んでいたマーガレット・グリーンというイギリス女性が作った英国教会として知られている。英国教会のとても敬虔な信徒であったマーガレットは、恋人と一緒に教会の建設を始めた。残念ながら、完成前にマーガレットは亡くなった。プリンセスと魔法のキス

── アメリカ ルイジアナ州バイユー

 『プリンセスと魔法のキス』のニューオリンズのバイユー(細くてゆっくり流れる小川)は、ルイジアナ州に実際ある特有の沼沢地からヒントを得ている。ここは、アリゲーターやナマズ、カメなどの沼の生物の生息地で、飢えた怪物たちの不気味な話の元となっている。

メリダとおそろしの森

── スコットランド エラン・ドナン城

 『メリダとおそろしの森』の城は、スコットランドのエラン・ドナン城がモデル。ゲール語でドナンの島の意味のあるエラン・ドナンにある現在の城は、1932年に再建されたものだが、この城には古くからの歴史がある。6世紀か7世紀には修道院だったが、のちにスコットランドの氏族マッケンジー一族を守る城となったという。

カーズ

── ユードロップ・イン、シャムロック、テキサス州

 『カーズ』の中でラモーンのボディアートの店のモデル。ルート66が使われなくなってから、この宿は閉鎖され、放置されたが、今は国を象徴するようなアールデコの建築記念物で、テスラの電気自動車用チャージスタンドなっている。アトランティス 失われた帝国

── アンコールワット、カンボジア アンコール

 『アトランティス 失われた帝国』のアトランティスの町は、カンボジアのアンコールワットがモデル。アトランティスは海に沈んだと言われているギリシャの島伝説がもとになっているが、その実在ははっきりしないものの、見た目のインスピレーションはとてもリアルだ。アンコールワットはヒンドゥー教の寺院として始まり、のちに12世紀に仏教の寺院建物となった。ともあれ、世界でもっとも巨大な宗教遺跡。

アナと雪の女王

── ホテル・ド・グラース、カナダ ケベック市

 『アナと雪の女王』でエルサの氷の宮殿は、このホテルがモデル。毎年冬にケベック市郊外にお目見えする氷のレンガでできた季節ホテル。毎年その様相は変化する。厳しい気候だからこそできるホテルは、この映画の氷の宮殿にぴったりだ。

白雪姫

── セゴヴィア城、スペイン

 『白雪姫』の女王の城は、スペインのアルカサルにあるセゴヴィア城がモデル。何百年にも渡って、さまざまなスペインの君主たちによって所有されてきたが、1862年に火事によって崩壊した。二本の川の合流点にある崖の上に建っていて、船の舳先のように見える。


https://www.amorc.jp/alice-in-wonderland/?fbclid=IwAR3FYnm3C0dtp1G9csCvK98mx937nAWk-dzHdM1t14syJHAYKRkQw1aEjGk 【『』(ルイス・キャロル著)-文芸作品を神秘学的に読み解く40】より

森和久のポートレート

森 和久

ある暑い夏の日の午後、アリスはお姉さんと土手の上に座っていました。お姉さんは、挿絵も会話もない本を読んでいます。それは7歳のアリスには全く面白みがなく、退屈この上ないです。

暑さのせいもあり、アリスはとても眠くなりました。そこに一匹の白ウサギが通り過ぎていきました。好奇心あふれるアリスはその白ウサギの後を追って、ウサギの巣穴へ飛び込んだのです。

こうしてアリスの冒険は始まりました。ワンダーランド(不思議の国)を巡る冒険です。その冒険の数々は12の章立てによって綴られています。その内容を章ごとに見ていってみましょう。

第1章/ウサギの穴へ落ちて

アリスは白ウサギを追いかけトンネルを通り、鍵の掛かったドアが並ぶ広間へ。ドアを開けてみると、細い抜け道が。しかしアリスの身体では大きくて、ドアを通ることは出来ません。

そこで飲み物を飲むと体が小さくなりました。しかしテーブルの上にあるドアの鍵を取れなくなります。そのときテーブルの下に、小さなガラスの箱に入ったケーキを発見します。

[外界認識]

第2章/涙の池

アリスがケーキを食べると、身体が大きくなり、大きくなりすぎてアリスは泣いてしまい、深さ10センチの大きな涙の池が出来ます。ウサギが落とした扇を使ってみると、身体が縮みました。しかし鍵は、テーブルの上に置いたまま。さらにアリスは、足を滑らせて涙の池に落ちてしまいました。

自分の変化に得心できないアリスは自分が別の人間になったのでないかと不安になります。

[身体認識]

第3章/レースと長いお話

池にはまった皆で岸へ上がり、コーカス・レースをやり身体を乾かすことに。みんなが優勝し、ネズミの長いお話を聞きます。アリスがペットの猫(ダイナ)の話をすると、みんないなくなります。

[共通認識]

第4章/白ウサギ、トカゲのビルを送り込む

白ウサギに使用人と間違われたアリス。白ウサギの家へ行き、ビンの飲み物を飲むと、アリスはどんどん大きくなっていき、腕が窓の外へはみ出しました。

巨大なアリスに驚いた白ウサギは、トカゲのビルをけしかけたり、家ごと燃やそうとしたり、小石を投げたり。床に落ちた小石がケーキに変わっていて、それを食べたアリスの身体は縮みます。

[他者認識]

第5章/芋虫からの助言

芋虫におまえは何者だと聞かれ、答えられないアリス (芋虫:Who are you? → アリス:I’m not myself.) 。自分で自分が解らない。

芋虫にキノコの片側を食べれば背が高くなるし、その反対側を食べれば低くなると教えられますが、キノコのどこを食べれば良いのかわかりません。きのこをいろいろ試して、ようやく元の大きさに戻ることが出来ました。

[自己認識の崩壊]

第6章/仔ブタと胡椒

公爵夫人の家にたどり着くと、中では料理人の女が大騒ぎをしています。女王様とのクロケー遊びへ出掛ける公爵夫人は、赤ちゃんをアリスへ預けますが、その赤ちゃんは、実はブタ。

アリスは人間の子だったら醜いが、ブタにしては可愛いと思う。チェシャ猫が現れ、消えるときは、笑いが身体より後まで残っています。

[常識の崩壊]

第7章/狂ったお茶会

三月ウサギの家を発見。家の前のテーブルで三月ウサギと帽子屋とヤマネがお茶会中。同じ時間を繰り返しているのでいつもお茶の時間だと言う。言葉の間違い、時計の間違い、話しの間違いを延々と話しています。

[常識の欠如]

 第1章から第7章までは、主に「認識」についての記述を読み取ることが出来るでしょう。

共通認識から「常識」というものは形作られていきます。普段何気なく使っている「時間」も「空間」もそうです。そして「常識」の範囲も共通認識からできあがっています。

例えば、他人が入ってくると不快に感じる距離感であるパーソナル・スペースも国や地域、文化、ジェンダーで違ってきます。それを少女アリスは冒険という形で身につけていきます。(下図を参照ください)

不思議の国のアリスの最初の7章と認識についての図

第8章/女王様のクロケー場

庭の入口に咲いている白いバラを庭師たちが、赤く塗り替えています。ハートの王様と女王様が登場しクロケーを始めますが、グランドは溝だらけ、ボールはハリネズミ、バットはフラミンゴ。みんなが同時にゲームを始めて、まったく収拾がつきません。女王様は「首を切れ」とわめき立てています。

[不条理]

第9章/ウミガメモドキの話

女王様に勧められて、グリフォンとウミガメモドキの話を聞きます。学校の時間割の話。毎日1時間ずつ減っていき、ついには休みになり、そしてその次の日は?

[論理の破綻]

第10章/ロブスターの踊り

ウミガメモドキとグリフォンがロブスターの踊りを踊ってみせますがちぐはぐで、果ては踊りの歌詞も支離滅裂になります。

[ナンセンス]

第11章/タルトを盗んだのは誰?

ハートの王様と女王様による裁判が始まります。裁判官は王様と女王様で陪審員はいろんな生き物たち。茶番の証人喚問が行われます。

[制度の形骸化]

第12章/アリスの証言

なぜかアリスが証言台に立たせられます。そしてアリスは巨大化していました。王様は都合の良い法律をでっち上げ、アリスに退廷を迫ります。アリスは従わず、王様は全く意味のない詩を証拠として採用します。女王様は陪審員の評決の前に刑の執行を促します。

身体が大きくなったのは、実は自己を確立したアリスの意識の姿です。トランプたちは、アリスに「ただのトランプのくせに!」と現実を突きつけられ、アリスに襲いかかります。アリスは夢から覚め元の世界に戻ります。

[権威の失墜]

トランプたちがアリスに飛び掛かるシーン。アーサー・ラッカムの挿絵(1907年)、 Public

第8章から第12章は、外界との関わりが述べられます。アリスは社会性を確立し自立した人間になります。

それには「実在」と「現実」が大きく関わってきます。「実在」と「現実」は同じものではありませんが、相反するものでもありません。「実在」を認識すると「現実」になります。ただし、認識の仕方は多様ですので、「現実」も多様になります。

逆に言えば、認識というフィルターが介在するので、「実在」そのものを知ることは出来ないのです。これはプラトンの言う『イデアの世界』にも量子力学の理論にも通じることわりです。

第12章の終わりに、アリスの冒険譚を聞いたお姉さんもその場で夢を見始めると、アリスの言っていたワンダーランドの世界をまざまざと感じることができるのでした。

「白ウサギが急いで通り過ぎると、彼女の足元で長い草がカサカサ音を立てました。おびえたネズミは隣の池を飛び跳ねました。三月ウサギとその友達が終わりのないお茶会をしているとき、ティーカップのカタカタ音が聞こえました。」

「客人を処刑するよう命じる女王の声、豚の赤ちゃんが公爵夫人の膝の上でくしゃみをし、食器が周りでぶつかり合います。グリフォンの金切り声、トカゲの石版鉛筆のきしむ音、押さえつけられたモルモットが窒息し、遠くで悲惨なウミガメモドキのすすり泣きが…」

でも目を開けるとそこには、普段の現実があることが分かっていました。

「草はただ風にそよぎ、水たまりは葦の波打つ音に変わり、カタカタと鳴るティーカップは羊の鈴の音に変わり、女王様のかん高い叫び声は羊飼いの少年の声に変わり、赤ちゃんのくしゃみ、グリフォンの悲鳴、その他すべての奇妙な音が普段聞こえる音になるのです…」

そうです、アリスの見てきたワンダーランドはアリスの現実でした。ただ、実在は常にそこにあるのです。これは「現実」と「実在」の関係性をわかりやすく例えているともいえるでしょう。

お姉さんは大人になったアリスのことを想像し、こう思うのです、「子どもたちを集めお話をして聞かせ、その時きっと、自分自身の子ども時代を、そして幸せな夏の日々を思い出すことでしょう。」

この物語は1865年に出版されました。イギリスの数学者チャールズ・ルトウィッジ・ドジソンがルイス・キャロルというペンネームで書いたもので、友人の娘、アリス・プレザンス・リデルをモデルにしたものです。

執筆されたとき、アリス・リデルは10歳になっていましたが、物語上のアリスは7歳です。続編のアリスが女王になる物語の『鏡の国のアリス』が完成したときアリス・リデルは、18歳になっていましたが、物語の中でのアリスは、7歳半のままです。

「Alice」と言う名前は、古フランス語の「Adelais」、古ドイツ語の「Adalheidis」から来ており、「気高い、高潔な」という意味を持ちます。「アリス」は永遠の美少女のポップアイコンなのです。

再び本庄です。

話題になっていた実在と現実について補足します。

辞書(デジタル大辞泉第二版)には、このように書かれています。

【実在】:(哲学で)

① 意識から独立に客観的に存在するもの。

② 生滅変転する現象の背後にあるとされる常住不変の実態。本体。

【現実】:いま目の前に事実として表れている事柄や状態

何となく分かったような気がしますが、この2つは哲学上の大問題です。実在などというものは存在しないという説もあります。

また、神秘体験によって「認識するもの」と「認識されるもの」が統一され、人は実在を認識することができるという説もあります。

哲学に興味のある読者の方、バラ十字会の通信講座を学んでいる方は、ぜひ考えて見てください。この場合認識されるものは、先ほどの辞書の①なのでしょうか、②なのでしょうか。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000