問題解決

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)

人生の軸がブレていると思うときは 何かを探したり習ったりするより心をカラにして基本に戻るべきです。

「私はどんな人でいたいのか?」「私が人生で一番大事に思っている価値や原則は?」

こうした問いに戻り答えを求めてこそ次の一歩を踏み出す方向が見つかるのです。

問題とは何でしょう?

生きている限り 私たちは色々な人々、色々な出来事に出会います。起きて欲しくないことも山のように起きてしまいます。

一般には意に叶わない全てを問題と呼びます。

問題は「私たちが世界に勝手な価値判断をし、勝手な期待を抱くことによって生まれる」と言えるのではないでしょうか?

問題とは期待・自分の望みに反する出来事とも取れます。

然し 望まなかったできごとが 成長の力になったことは 誰もが体験していることです。

カウンセリングでは過去と、相手と、できごとは変えることができないというのが鉄則です。変えることができるのは自分の関わり方のみです。       

問題だと感じた時 自分の問題か、相手の問題か(相手への期待外れ)を整理することは大切です。

相手に変わって欲しい問題の場合は、コミュニケーションしかありません。

相手を責めるのではなく、アイメッセージで感じていること、望んでいること、自分にできることなどを伝えましょう。

自分の問題の場合は感情への対処が必要か、事柄への対処が必要かを検討しましょう。

否定的な感情を浄化したいときは怒りを鎮める方法が役に立ちます。

事柄への対処はマインドマップが役立ちます。


問題解決のための心理療法2例をご紹介します、

【NLP神経言語プログラム】                   

私たちは 自己イメージ通りに生きる傾向があります。イメージしたことも、実際に体験したことも 脳には同じインパクトを持つ情報となるからです。

NLPでは自己イメージも自由に書き換えることができます。NLPが脳の地図と言われる所以です。情報の記憶は 「客観的、事実的な情報」と、それに載せられた「感情的エネルギー」が一緒に取り入れられたものです。

客観的、事実的な情報は学習した経験として大事ですが感情的な記憶は 自らを不自由にすることがよくあります。

NLPでは さまざまな技法を使い 自己を制限する感情的記憶をリリースしたり、リフレーミングしたりしながら本来の自己を取り戻すことができます。

NLPにはミルトン・エリクソンの催眠療法も組み込まれています。表層意識を攪乱しながら、深層意識にアプローチすることもできます。

ソリュウションフォカストアプローチにより目標達成のために 必要なリソースを特定し生み出す技法もあります。

リフレーミングには意味のリフレーミングと状況のリフレーミング があります。


【スリーインワン コンセプツ】

https://lifeskills.amebaownd.com/posts/categories/4720521 【スリーインワン コンセプツ】

スリーインワンとは?

ストレスや学習障害を含め、ほとんどの問題には感情がからんでいます。

スリーインワンは、筋肉反射テスト(バイオフィードバック)を用いて奥深い心に働きかけ、問題の原因となっている心の傷(トラウマ)をやさしく開放し、エンパワーします。

ボディを含めた、ホリスティックな、クライアントセンタードアプローチです。

そして心と身体と魂の統合をめざします。

方法は?

筋反射テストと呼ばれるテクニックを使います。「筋肉はストレス下において弱くなる」という原理を利用して、身体に話しかける方法です。Oリングテストをご存知でしょうか?その精密版です。

なぜ筋反射テストを使うのですか?

体は「以前起こったこと」を「起こった通りの形」で記憶しています。

その人に必要なこと全てを知っているし、セッションにおける最善の方法を知っています。

筋反射テストは、この肉体レベルの意識に働きかけるのです。

これによって問題の本質を歪曲したり、合理化したりする顕在意識レベルや潜在意識レベルをくぐり抜け、トラウマそのものに直接ふれることができるからです。

どのようにして生まれたのですか?

スリーインワンのシステムは、カイロプラクティックや東洋医学などの幅広い知識と経験を活かしたアプライドキネシオロジー(応用運動機能学)を基礎に、ゴードン・ストークス、ダニエル・ホワイトサイド、キャンデス・キャラウエイの三氏によって開発されたものです。

スリーインワンのコンセプトは、あらゆる問題を感情的ストレス、トラウマ(心理的な外傷)と結びつけ捉えています。その開放と癒しのために色々なセラピー、脳生理学、エネルギーワークなどを統合させた、全く新しい ホリスティックなアプローチとして生まれました。  これにパーソノロジーとして知らされていた構造機能学を合わせて完成されたのです。

スリーインワンのスリーは、身体、心、魂をあらわし、ワンはそれらが一つに統合された姿、また全能がフルに機能することをさしています。


http://www.3in1concepts.ne.jp/about/ 【3in1concepts】より

スリーインワン・コンセプツとは

[スリーインワン・コンセプツ®の歩みと活動]

スリーインワン・コンセプツ®のプログラムは、1980年代に米国スリーインワン・コンセプツ社の創始者である、ゴードン・ストークスと、ダニエル・ホワイトサイドによって、開発されました。当初は子供たちの学習障害を改善する方法としてスタートしましたが、その後の研究によって、大人のストレス解消(軽減)や、能力アップにも高い効果が立証されました。現在では、アナスタジア・トモコ・ワダ社長のもと世界26ケ国、25万人以上の人々が、このプログラムに参加し、実生活に生かしています。

私たち(有)フォンス・アモーリスは、米国スリーインワン・コンセプツ社の承認を受け、このスリーインワン・コンセプツ®のプログラムを企画・運営しています。同時に全プログラムのテキストの翻訳と出版、さらに、日本国内におけるスリーインワン・コンセプツ® ジャパン情報センターとしても、活動を展開しています。

[スリーインワン・コンセプツ®という名称の由来]

スリーインワン・コンセプツ®は、Spirit,Body,Mindの3つを1つに統合する(3in1)という理念に基づいています。大脳生理学や行動遺伝学に基づいて開発した、やさしくて安全な技法を用います。 mind_body_sprits

[スリーインワン・コンセプツ®が目指しているもの]

スリーインワン・コンセプツ®は、独自に開発した技術を使って、ストレスを解消し、Spirit,Body, Mindを統合するための、様々なプログラムを提供します。

個々の能力を今以上に発揮し、日常生活や職業生活を楽しみながら、より充実した人生を目指すあなたをサポートします。

[スリーインワン・コンセプツ®の特徴]

私たちインストラクター/コンサルタント・ファシリテーターは、問題を解決したり、ストレスを解消する治療家でも、セラピストでもありません。スリーインワン・コンセプツ®は、問題を感じている本人自身の中に全ての答えがあると考えています。私たちは、クライアント自身がストレスを解消し、実生活にポジティブな状態を創り出し、さらに、健康に生き生きと生きる力を取り戻して、自分が生きたい人生を自分自身で創り出せる事実を、世界中で実証してきました。

私たちはスリーインワン・コンセプツ社が開発した、優しく、穏やかな技法を用いて、赤ちゃんからご年配の方まで、全ての人たちが、ポジティブな変化を手に入れるためのサポート・システムを、世界各地で提供しています。

[スリーインワン・コンセプツ®の技術・技法]

スリーインワン・コンセプツ社が独自に開発した数多くの技術・技法は、どれをとっても、安全で優しく、穏やかでありながら、非常にパワフルなものばかりです。その中でもスリーインワン・コンセプツ®の柱になっているのは、次にあげる3つの技法です。

その1 バイオフィードバック(精密筋反射テスト):

身体はストレスに対して敏感に反応します。敏感に反応している身体は、脳のストレス状態を現しています。バイオフィードバックは、この生理学的な反応を利用して、ストレスの度合いを調べたり、ストレスの原因や問題を正確に特定していく技法です。両腕に優しく触れ、脳からの影響を現している筋肉の反応を読み取ります。

その2 振る舞いのバロメーター®:

ストレス解消の第一歩は、ストレス下で感じている自分の気持ちに、ハッキリ気づくことです。このスリーインワン・コンセプツ社が独自に開発した、振る舞いのバロメーター®を使って、ストレスを感じているときの自分の振る舞い(行動)や、感じている気持ちに気づいていきます。さらに、この振る舞いのバロメーター®から、ストレス下では気づくことが難しい、望んでいる状態も知ることができます。

その3 構造/機能®:

構造/機能®は行動遺伝学をさらに発展させたもので、生まれながらにもっている自分の個性と能力の素晴らしさ、周りの人たちの個性と能力の素晴らしさを知るためのものです。人の個性を形作っている顔の構造は、脳細胞の比率と関係し、それは脳の機能(見方、感じ方、表現)を反映しています。私たちは1人ひとり顔の構造が違うので、見方、感じ方、表現も全く違います。構造/機能®を理解することによって、それぞれが持っている能力(機能)に気づき、独自性を尊重して、前向きに生きる手がかりが手に入ります。構造/機能®は実生活の中で、一人ひとりの個性を認め、自分らしく関わっていくために必要なものです。

その他にも、様々な技法や技術を用いますが、すべて、大脳生理学、行動遺伝学、神経学、生理学、解剖学などの研究の成果と実績を基に、開発された効果的なものです。

(以下略)

https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/79585.pdf 【平成27年度授業づくり拠点校 実践事例】より

1 本校が捉える活用する力とは

本校では、一人で悩むのではなく、友達の意見を聴きながら、自分の考えを深めていく「学び合い」の授業を実践している。人と人とが支え合い、助け合って生きていく上で、他者の良さや違いを認め、寄り添うことができる人は、周りからも信頼される。そのような大人になるために、授業では学習内容を理解することはもちろん、友達とともに学び合う中で、人と関わる力を身に付けさせたい。

生徒アンケートをみてみると、9割弱の生徒が学び合いの授業は理解できると答えている。また、『学び合いを通して自分にはどんな力が身に付いたと思いますか』という問いに対して、「人の話や意見などをよく聴いて、それに対して自分はどのように考えるのか、どういった表現をするべきなのか振り返ることができた」、「考える力を身に付け、鍛えることが自然とできた」、「他の人と自分の意見を比べてみて、間違ったときにどうしてそうなるのかを考えようと、自分から問題に取り組んでいく姿勢をもつことができるようになった」などの回答があった。

そこで、本校では【活用する力】を下の2つに分類した。

① 基礎的な知識・技能を使用して、課題解決を行う力

② 身に付けたことを実生活に利用する力

生徒の回答にもあるように、学び合いの授業を通して、これらの【活用する力】を育むことができると考えている。具体的には、根拠を明確にして、自分の考えをもつ姿(思考力)、問題解決に必要な条件や情報を選択している姿(判断力)、問題解決の方法や理由を表現する姿、友達の考えを読み取り説明している姿(表現力)を授業の中でみとることができるように、校内研修等をすすめている。

2 公開授業指導案

3年3組 国語科学習指導案 平成27年11月6日(金)5校時(指導者)金田 博文

(1) 単元名 いにしえの心と語らう 夏草~おくのほそ道~

(2) 指導の立場

生徒は、これまでの古典学習で、その作品の歴史的背景に興味をもったり、仮名遣いや文章の特徴に気付いたりしながら、その文章に表された古人のものの見方や考え方に中学生なりの感じ方で触れてきた。音読活動に多くの時間を充て、名文暗唱も取り入れ、とにかく古典に慣れ親しませることを学習の中心においてきた。しかし、今回の指導過程では新たに、言語活動の充実を意図し、教材文章の理解を土台とした修学旅行作文を書くことにチャレン ジさせてみたいと考えた。コンクール応募の作文や、授業・宿題での書く活動の取組ぶりを振り返ってみると、本学年の生徒の中には、文章を工夫したり練り上げていったりする意欲や粘り強さが十分ではない生徒も多い。推敲の学習経験もあまりなく、虚構を取り入れて文章を書くような楽しみを味わったことのある生徒は小説家志望の生徒しかいないと思う。

そんな生徒たちに、「おくのほそ道」で最も感じさせたいことの一つは、芭蕉の文学にかける執念のような思いである。文学史上、屈指の名文とされているこの教材は、芭蕉の俳諧や旅に対する純粋な思いを虚構も交えてロマンチックに表し、執筆過程で幾度も推敲がなされた点にも、一つの言葉に敏感であろうとする態度を生徒に学ばせることのできるものであろう。また、今回の古典学習を通しても、日本文化の中に脈々と息づいている美意識や価値観に触れることは、日本に生きる自分自身や現代の社会を見つめ直す上で、有益であると考える。芭蕉の生き方が示されたこの文章に、魅力を感じたり共感したりする生徒もいるとみている。

そこで、ひととおりの読解学習を終えて、第四次では、芭蕉の文章を高めようとした執念のうち、「織り交ぜられた虚構」「重ねられた推敲」「文章と、思いを凝縮した詩の融合」の3つにポイントを定め、真似をして自分の作文を書き、他者の推敲も経て発表し合う活動(学びにおける他者活用)に入るように学習を構成した。その活動により、「おくのほそ道」における芭蕉の文章に、よりいっそうのドラマチックさを生徒は感じられるし、彼の文章における工夫を整理でき、知識と読みも深まっていくのではないだろうか。次時で他者推敲を取り入れたのは、他学習者の文章を高める責任と貢献への意欲が生まれ、お互いのよさを認め合える授業づくりを意図しているためでもある。

(3) 指導過程(総時数10時間)

第一次 「おくのほそ道」との出会い

芭蕉の生きざま(旅に生きて、芸術に生きる)・・・・・・・1時間

第二次 「旅立ち」の読解と暗唱・・・・・・・・・・・・・・・・・2時間

第三次 「平泉」の読解①・・・無常観と人間讃歌・・・・・・・・・3時間

第四次(活用に主眼をおいた第四次)・・・・・・・・・4時間(本時3/4)

第四次の主眼

松尾芭蕉の文学にかける執念を学び、それに触発され自分に取り入れて、簡単な文章を書く活動を通して、本文の読解学習に終わるのではなく、工夫しながら言語活動を充実させて生活するように高まる。

① 芭蕉の「推敲の跡」と、「文章と詩の融合における相乗効果」について

学習内容・学習活動 

○ 推敲によって文が研ぎ澄まされていった跡を追い、必要性を実感する。

○ 文章と詩の相乗効果を感じる。

予想される生徒の反応

・ 既習事項で「閑かさや」や「最上川」の句が推敲された跡を思い出すと思われるが、そ

の事実のみを知っているだけで、その効果にまで考えが及んでいないであろう。

・ 書き手の思いをキュッと凝縮したような詩(芭蕉の句)に対して自分たちが作成した修

学旅行ブックにおける「写真」のような効果を捉える生徒もいるかもしれない。

 教師の支援

・ 「五月雨や年々降るも五百たび」の句を提示して、「五月雨の降り残してや光堂」と比べさせ、芭蕉の思いや、推敲の効果について話し合わせる。

・「もし俳句がなかったら、どんな感じか」または「俳句だけがならんでいたら」を 考 え る き っ か け と し て話し合わせることにより、文 章 に 込 め ら れ た 思 い を詩が顕わにし、また、詩の情 景 を 文 章 が く わ し く イメ ー ジ さ せ る 効 果 を 感 じ取らせる。

② いったん修学旅行作文を書いてみて、他者の見方・意見をきく。

③ 「虚構の挿入」について(本時)

④ 他者推敲も取り入れて自分の文章を吟味し完成させ、小グループで発表し評価し合う。

(4) 本時の主眼

虚構を挿入した芭蕉の思いにふれることを通して、虚構手法を用いて文章を変化させる楽しみを味わうことができる。

(5) 準 備

「楚良日記」の一節、宿題になっていた各自の修学旅行作文、ワークシート

(6) 学習過程

学習内容・学習活動 

ウォーミングアップ「平泉」「旅立ち」の斉読や現代訳対応暗唱(開始5分前活動)

予想される生徒の反応

・ うまくできれば、本時に取り組むモチベーションも上がるだろう。

 教師の支援

・ 既習の、生徒にとってある程度自信の持てる課題を発声させることにより、気持ちの解きほぐしを図る。

本時の<めあて>の提示

芭蕉の、文章を高めたいとする執念と工夫をもう一つ取り入れて、自分の修学旅行作文を変化・アップさせよう。

1【共有の課題】

楚良日記と芭蕉の文章を注意深く比べて、違和感を覚える点を見つけよう。 ~楚良日記の提示から、虚構挿入の発見~

学 習 内 容 ・ 学 習 活 動

2 虚構を取り入れた芭蕉の意図や、その効果について話し合う。【4人組】

3【ジャンプの 課題】自らの作文 に 着手する。

【個別の学習時間】

構想がまとまったら、作文の骨組みを発表し合う。

「虚構」の取り扱いについて、注意すべきこと

① 自分の文章は、虚構で加味した方が効果的なのか、不要なのか、よく吟味する。

② 「何でも、嘘でも書いていいんだ」という感覚になることがないように、自分の言葉に責任をもつ態度をもたせる。

予 想 さ れ る 生 徒 の 反 応

・ 「経堂は見られませんでした」と書くよりも、光堂の方を比較の中で際立たせたいから。

・ 晴天よりも、雨が降っていた方が、光堂の輝きや光堂への感動が、ロマンチックだから。

・ 自分の思いや感じたことを、より濃く映し出した文章へと高めるため。

・ ドラマチックにしたいから。

・ 自分の理想とする「平泉の世界」を文章の中で味わいたかった。

・ どう取りかかったらよいか、分からない。手を付けられない。

・ ただの日記風の文章にしかできない。

・ 課題に対する自信が持てず、仲間(他の生徒)の発表をガイドラインとしたい。

  教師の支援

・ 共有の課題を基にして(経堂が開帳されていたこと

・五月雨の降り注ぐ光堂であったこと)考えさせる。

・ 既習事項(芭蕉の人間観と無常観)をなぞることでも、平泉の文章に虚構を求

めた芭蕉の思いに導きたい

・ 平泉の文章は「風景」のみならず「情景」である(書き手としての楽しみ)ことを押さえる。

・ ワンシーンを思い浮かべ、まず、強調したい(膨らませたい)ことや用いたい虚構の内容を考えるようにアドバイスする。次に、詩(俳句)を変化させる。それらを数名に発表させる。

・ 難しいと思われる課題だが、取り組めない生徒を教室の一角に集めて、「あなたの作文に、先生だったらこういう虚構を盛り込む」のアイディアを例示できるとよいと考えている。

本時の<振り返り>場面の変わりとして

・ 文章を変化させる楽しみ(①虚構 ②他者のアドバイス)があったか、ワークシートに記入させる。

(7) 評 価

・ 「虚構を交え」たり、「推敲を重ね」たり、「詩を挿入し」たりする手法を体験し、文章創作の楽しみを味わえたか。(書く)

・ 芭蕉の創作への執念を、改めて確認できたか。(読みとる)

・ 次時の、他者の生み出す文章を楽しみにしているか。(関心・意欲)

3 授業後の考察

本時の授業は、「既習のことから新しい観点を取り出し、それを活用させていく力」を磨くように意図した。古文の中からヒントを得て、現代文である自分の作文を手直しするという学習内容であったが、古文の中から得るヒントが「虚構」ということで、参観していただ いた先生より次の2点のアドバイスを受けたので、今後に生かしたい。

① たとえば、紀行文、俳句、説明文、小説…など、「虚構」を扱うときには、どのような場合にどの程度扱うのがよいのか、使える場面を教える必要がある。

② 「虚構」を取り入れるときの文章の目的(おもしろくするのか、美しさを伝えるのか、事実を印象的に伝えるのか、など)をはっきりさせた上で推敲させる方が、文章の何がよくなったのかが評価しやすい。

また、授業中の場面についても、次の3点が反省点としてあがる。

① <前半>「虚構」に気付かせる場面

芭蕉の文章だけでなく、楚良の文章も前時までによく読み込ませ、解説しておく方が、深く突っ込んだ意見が出てくる可能性があった。

② <中盤>「虚構」の良さに気付かせる場面

意見を発表させる際に、「先生対全体」になってしまう。「他にないか」と問うのではなく、再度、班に戻して考えさせる(生徒どうしをつなぐ)方が、生徒各人の中に新たな意見が膨らんだり、自分の意見に自信をもったりできる。

③ <終盤>互いの作文を改良し合う場面

文章とはある程度読み込んでこそ、深い意見交換ができるものなので、初めて聞く文章の一部の改良点をいきなり取り上げても、そのよさを感じるのが難しかった。方法として、推敲対象作品を一つに絞って、班の他者の推敲の結果を聞くことができる方が、実感がわいたであろうと思われる。

4 研修の成果

○ 活用する力の共通理解

今回の研究では、まずは【本校の活用する力】を校内研修職員会で検討した。

教科の特性により多少の差異はあるものの、 今年度の本校の研修の柱である「聴く力」と「伝える力」に焦点をあてて取り組むことで、【活用する力】を高めることができるのではないかということにおいて、事前に共通理解することができた。本校では、年に3回実施している公開授業研究会に際し、全教員が生徒役となって参加する授業検討会を実施している。今回、改めて子どもたちに身に付けさせたい力を共通理解し、他教科の授業に触れ、意見交換することで、教員としての視野を広げ、授業力向上に繋がったものと考えられる。

○ 学校評価生徒アンケートより学 び 合 い の 授 業 に つ い ては 、 1 学 期 末 よ り も 2 学 期末 の 方 が 、 理 解 で き る と 答え て い る 生 徒 が 8 % も 増 えた 。 互 い に 考 え を 交 流 さ せる 学 び 合 い の 授 業 が 生 徒 の理 解 の 深 ま り に 繋 が っ て いる と 考 え ら れ る 。 ま た 、 難し い 課 題 に 挑 戦 し た り 、 自分 の 考 え を 伝 え 合 っ た り する 中 で 、 既 習 事 項 を 活 用 する力が少しずつ身に付いた結果であるともとらえられる。また、分かる喜びを実感することで、次なる課題への意欲も高まったものと予想される。

○ 全国学力・学習状況調査

今年度の全国学力・学習状況調査では、A問題もB問題も全体として、本校の正答率が全国、山口県の正答率をともに上回り、良好な結果である。特に、B問題の正答率が高く、もっている知識を活用して解答することができている。わずかではあるが、今年度の研究における実践が活用する力の向上に繋がったものと考えられる。また、評価の観点の「国語への関心・意欲・態度」に関わる問題の正答率も、全国、山口県の正答率を上回っていたり、記述式問題の無回答もたいへん少なかったりすることより、理解の深まりが生徒の学習意欲の高まりに繋がっているものととらえられる。

5 今後の課題

今回の研究では、生徒の活用する力の向上については、一定の成果がみられた。しかし、魅

力ある課題や教師のあり方など、検討すべきこともみえてきた。今後も教科の本質をしっかりととらえ、生徒が解きたいと感じることのできるようなレベルの高い課題を設定していきたい。

また、活用する力を高めるために必要となるグループ活動では、仲の良い友達とだけコミュニケーションをとるのではなく、より活発な言語活動となるように、生徒同士をつないだり、グループ同士の交流の時間を設けたりしながら、授業力の向上に学校をあげて努めていきたい。


コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000