烏瓜 Trichosanthes pilosa

https://www.zukan.earth/descriptions/10/2642500 【カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides)】より

【 学名 】

Trichosanthes cucumeroides (Ser.) Maxim.

基本情報花期 8月~9月頃、夜辺りが暗くなってから開花する。分布 本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布する。

和名の解説

熟せばカラスが好んで食べる、という説と、逆にカラスも食べ残す実、という説があるが、いずれも無理がある。

スズメウリという植物もあることから、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、というように単に大きさからきたもの、と考える方が無理がない。

実の赤さから唐の赤い実をイメージし、「唐朱爪」から来たという新説もある。

別名・方言名

別名:瓜根(うりね)、土瓜(つちうり)、山瓜(やまうり)、玉梓(たまづさ)、玉章(たまずさ)、狐枕(きつねのまくら)、結状(むすびじょう)、瓢瓜(ひさごうり)など

別名玉章(たまずさ)は、種子の形が結び文に似ていることによる。またカマキリの頭に似ているとも、大黒様に似ているともいわれる。

方言名は90余例に及び、カラスを冠称するものが40余例ある。

分類学的位置付け ウリ科

人間との関係

『本草和名』、『大和本草』、『和漢三才図会』など多くの書物に取り上げられている。

縁起物として、カラスウリの種子を財布に入れておく風習もある。

また、種子を真綿に包んでしばらく置いておくと、銀の粉がふいてきてキラキラ光るのを楽しむ、という子どもの遊びもある(兵庫南部)。

江戸時代の『広益国産考』にはカラスウリの効能、利用法、栽培技術が述べられている。それによると、果実は皮膚の荒れ止めに効果があるので、ひびやあかぎれの妙薬であるとし、根からは良質のデンプンがとれるほか、利尿、解熱など種々の薬効があるとしている。

また婦人がこの粉をおしろいの代わりに用いると、にきび、そばかす、ほかの顔のできものを治すとある。このように古くから民間薬として用いられていたことがわかる。

食用には、若く柔らかい葉を摘み、揚げ物、油炒めなどに、また熱湯に塩をいれてよく茹で、冷水で冷まして辛子和え、バター炒めなどにする。

【成分】 成分はまだよく精査されていない。

【薬効と用い方】

・しもやけに用いる 果汁、果肉を患部に塗る。

・黄疸、利尿に用いる 乾燥した根(王瓜根)6~10 gを1日量として、水 200 ㏄で煎じてこれを1日3回食前に服用する。

・催乳に用いる

母乳の出をよくするためには、乾燥した種子(王瓜子)を1回に 1~3 g、水 200 ㏄で半量に煎じ、食後30分に服用する。

形態

葉の形質

葉は掌状に3~5浅裂するが、下部のものは往々深く裂ける。

裂片のへりはギザギザしており、濃い艶のない緑色、質は柔らかいが、粗毛があるので触るとざらつく。

茎(幹)の形質

茎には粗毛があり、また巻ひげがでて周囲のものにからみ、日光を求めて盛んに伸びる。

根の形質

根は淡黄白色で塊状に肥大し、地中にやや深く横たわり、初夏に芽を出し、長い蔓状の茎となる。

花の形質

葉のわきにつき、白色で夕方に開き、花びらは5裂するが、裂片のへりはさらに糸状に細裂し、外側に房のようになって垂れ下がる。雌花は1個あてつくが、雄花は短総状につく。

果実の形質

花後に実る果実は、はじめ緑色であるが次第に大きくなり、長さ 5~7 cmの楕円状に膨らむ。

赤熟して垂れ下がり、冬期も残っている。果肉は苦い。

種子の形質

種子はカマキリの頭に似ており、黒褐色である。長さ 8 mm、幅 6.5 mmほどの中央に、これを巻くように帯状様のものが隆起している。

似ている種 (間違えやすい種)

・キカラスウリ キカラスウリの種子には、カラスウリにある帯状物がない。

生態

生育環境

原野、山林、日の当たる人家に近い藪などに生える。

送粉様式

虫媒花。開花中に夕顔別当の訪問を受ける。夕顔別当とは、エビガラスズメという蛾で、雄花、雌花を飛び回って花粉媒介を引き受ける。


https://mumeisi.at.webry.info/202010/article_34.html 【玉章(たまずさ)   別名:カラスウリ(烏瓜) (^◇^)】より

じつはまだ、カラスウリの花咲いているんですよ。夜にしか見られないので、その残骸しか目に入らないですが・・・

秋も中秋を過ぎて深まってくると、カラスウリ(烏瓜)の朱色の実が目立ってきますね。

一般的には、花よりも秋の果実の方が馴染みかな (^o^)

カラスウリ(烏瓜)の色の変化を追ってみました。

熟しきった果実です。

右上の、カラカラになった果実を採取、取り出して並べたのが、下の画像です。

玉章(たまずさ)の由来、烏瓜の種子です。5mm方眼の用紙に並べました。

撮っている途中から、種子はあっちにこっちに動くし、ライティングはうまく行かないし、

小さい花を撮るより、面倒だった (^_^;)

カラスウリ(烏瓜) ウリ科カラスウリ属 別名:玉章(たまずさ)

林や藪の草木にからみついて成長する鶴性多年草。

液果は球形または長楕円形で長さ5~7cm、熟すと赤くなる。

種子は形がカマキリの頭に似て茶褐色、長さ7~9mm、幅9~11mm。

種子表面の帯の幅は4~5mm、長さ約1cm。。

種子は形から打ち出の小槌にも喩えられ、富みに通じる縁起物として扱われる。

別名の玉章、玉梓(たまずさ)は種子の形が結び文に似ているところから。

玉章、玉梓(たまずさ、たまづさ)は結び文、手紙、恋文の意味。

08月07日掲載の「カラスウリ(烏瓜)の花」



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