川音は地を這ひのぼる花薊

 https://horti.jp/3121【アザミ(薊)の花言葉|花が咲く時期や見頃の季節、種類は?】より

秋の野山に咲くアザミは、古代から私たち日本人になじみのある草花で、綿毛のついた紫やピンクの花がかわいらしいですよね。また、ギザギザのトゲが特長ですが、そんなアザミは食べることができることをご存知でしたか?今回は、アザミの花言葉や種類、食べ方などについてまとめました。

アザミ(薊)の花言葉

『独立』『報復』『厳格』『触れないで』

孤独を感じさせるアザミの花言葉は、トゲのある姿と、すっと伸びた固い茎に由来しているとされています。特に、「独立」という花言葉は、スコットランドがノルウェー軍に夜襲を受けた際、アザミのトゲを踏みつけたスコットランド兵の声でスコットランド軍が追い打ちをかけることができたという話に由来しています。このエピソードによって、アザミはスコットランドの国花となっています。

アザミ(薊)の花の色や学名は?

アザミ 学名 Cirsium 科・属名 キク科アザミ属 英名 Japanese thistle

原産地 日本など北半球 開花期 4~7月 花の色 紫、ピンク、白

別名 野薊(ノアザミ) ドイツアザミ

ギザギザとしたトゲ状の縁の葉をつけ、堅い茎を持っているアザミは、紫色、ピンク、白の花を咲かせるキク科の植物です。花後は、タンポポのような綿毛を持った種をつけます。

園芸品種として育てられているのは、日本原産の山野草「ノアザミ」を品種改良した「ドイツアザミ」、または「ハナアザミ」といわれる品種群です。ドイツアザミといっても、ドイツとは関係がなく、大正時代に花を売るときに、おしゃれな横文字を名前に入れてみようと商人が考えたのが由来だとされています。

アザミ(薊)の開花時期と見頃の季節は?

園芸種は主に4~7月が開花時期です。7月に半分程度まで切り戻すと、秋にも花を楽しむことができます。野生種は種類によって開花時期が違うので、それぞれを咲かせて比べるのも楽しそうですよね。

アザミは本来多年草ですが、花後に枯れることが多いので、園芸品種としては一年草として扱われることもあります。

アザミ(薊)の種類や品種は?

アザミ

アーリーシリーズ

アーリーレッド、アーリーピンクなどの園芸用に改良されたドイツアザミの一種です。明るい花色と、柔らかなトゲが特徴です。

フジアザミ

日本国内で最も大きな花を咲かせるアザミです。夏の終わりから秋にかけて開花します。

ナンブアザミ

草丈2mにまで成長し、花を横向きか下向きに咲かせる品種です。北海道から中部地方にかけての主に日本海側に生息しています。

タイアザミ

関東地方に生息するアザミで、ナンブアザミの変種です。「トネアザミ」という別名を持っています。

マリアアザミ

ヨーロッパ原産で、草丈1~2m、花は直径10cmにもなる大型種です。ヨーロッパでじゃ昔からハーブ治療に用いられていました。肝臓病に効果があるとされています。

キセルアザミ

横向きや下向きに花が咲き、煙管(キセル)に姿が似ている、ということからこの名前がつきました。「マアザミ」という別名があり、湿地に生息しています。

アザミ(薊)の食べ方は?

花 アザミ

ほとんどのアザミは、野草独特の苦みがあり、食べて楽しむことができます。若い葉なら、油で揚げたり、茹でたりすればトゲトゲはほとんど気になりません。

また、葉や芽は天ぷら、ごまあえ、クルミあえ、からしあえなどの和え物、炒めものなどに向いています。根には強いアクがあるため、茹でた後に米のとぎ汁に一晩さらしてキンピラにするのがおすすめです。

採取する際には、茎が固いので、ケガをしないように軍手などを着用して鎌やナイフなどで切り取りましょう。また、トゲが刺さらないよう気をつけてくださいね。

関連記事

ベランダ菜園におすすめの野菜やハーブ11選!栽培のポイントは?

アザミ(薊)は種類が豊富な花

アザミ 薊

日本には150種を超えるアザミが生息しており、そのうちの50~80種は日本の原生種といわれています。それぞれ花の様子や、花のサイズが違うので、長い期間アザミは楽しむことができます。

ただ、名前にアザミとつく別種の植物もたくさんあります。たとえばキツネアザミ、朝鮮アザミ(アーティーチョーク)、ヒメザミ(タムラソウ)、ルリタマアザミ(エキノプス)は、アザミとは何の関係もありません。このように、古くから親しまれるが故に複雑な部分もあるので、まずはアザミのことを知って楽しみたいですね。


https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1259 【アザミは、なぜ“あざむく花”と呼ばれるのか?】より

社会活動や生活を制限せざるを得ない今、身近に咲く花の美しさに心癒されることはないでしょうか。『花は自分を誰ともくらべない』の著者であり、植物学者の稲垣栄洋さんが、花の知られざる生きざまを紹介する連載。今回は触れると痛い花、アザミについてです。

人類が初めて出会った雑草 アザミ(キク科)

アザミは嫌われ者である。

神の教えに背いて、禁断の果実を食べたアダムとイブは、エデンの園を追い出され、イバラやアザミの生えた中から、果実を見分けて食べなければならなくなったという。

アザミは私たち人類にとって、初めて出会った雑草でもあるのである。

日本語の「アザミ」の名は、「あざむ」に由来するといわれている。あざむには「興ざめする」という意味がある。美しい花だと思って触れると、トゲがあって驚かされる。つまりは、「あざむかれた」ということなのだ。アザミは漢字で「薊」と書くが、草冠に魚(骨)と刀を書き記した字も、アザミのトゲをよく表している。

ヨーロッパでは牧草地などによく生えるが、トゲがあるので、牛や馬もアザミを食べることはない。そのため、アザミだけが食い残されて、雑草として広がっていく。

何ともやっかいな雑草である。

ところが不思議なことに、スコットランドでは、アザミは国花として愛されている。

昔、スコットランドがノルウェーの大軍に攻められたとき、夜襲を掛けようとしたノルウェー軍の兵隊がアザミを踏んで悲鳴を上げたため、奇襲に気がついたスコットランド軍は大勝を収めることができた。そして、それ以降、スコットランドの人々を悩ませていたノルウェー軍の侵攻はなくなったという。こうしてアザミは国を救った花とされ、スコットランドの国花や紋章となったのである。

釣り好きさんの登山記録より

チョウに花粉がつくしくみ

ところで、アザミの花を注意して観察すると、面白い動きを見ることができる。

アザミの花をそっと指で刺激すると、雄しべの先から、白い花粉が噴き出してくるのである。アザミの仲間は筒状の小さな花が集まって、一つの花を形作っている。

アザミの花にやってくるのはチョウである。チョウは人間には人気があるが、植物にとっては、蜜泥棒として知られる存在である。何しろ、チョウは足が長く、ストローのような長い口を伸ばして蜜を吸う。そのため、蜜を吸われるだけで、チョウの体に花粉をつけることが簡単ではないのである。

しかし、魅力もある。

チョウは飛翔能力が高く、長い距離を飛ぶことができるから、チョウの体に花粉をつけることができれば、遠くまで花粉を運ばせることができるのである。

そこでアザミは、チョウの体に花粉をつけて受粉できるように、筒状の花から長い雄しべや雌しべを針のように突き出している。こうして、チョウがアザミの花に止まった時に、雄しべや雌しべの先がチョウの体に触れるようになっているのである。

そして、チョウの体がアザミの雄しべに触れると、刺激された雄しべの先から、白い花粉を出して体に花粉をつけるのである。

蜜を盗み飲もうとして花粉をつけられたチョウはどう思うだろう。まさにアザミにあざむかれたと思うことだろう。

(本記事は『花は自分を誰ともくらべない』からの抜粋です。)

『花は自分を誰ともくらべない』

チューリップ、クロッカス、バラ、マーガレット、カンパニュラ、パンジー、マリーゴールド――花は、それぞれ輝ける場所で咲いている。身近な47の花のドラマチックな生きざまを、美しいイラストとともに紹介。

昆虫や鳥を呼び寄せ、厳しい環境に適応するために咲く花。人間の生活を豊かにし、ときに歴史を大きく動かしてきた花。それぞれの花が知恵と工夫で生き抜く姿を、愛あふれるまなざしで語る植物エッセイ。『身近な花の知られざる生態』(2015年、PHPエディターズ・グループ)を改題、加筆のうえ文庫化。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000