http://pw-diary.seesaa.net/article/475343701.html 【鮮やかな新緑の中で「風薫る季節」】
より
清々しい風に揺られながら、木々や花々が、生き生きと輝き、心地よい季節を迎えています。
5月の時候の挨拶に「薫風(くんぷう)の候」という言葉があります。
「薫風」とは、「若葉の香りを漂わせて吹く初夏の風」のことを意味し、和語では、“風薫る”と表現され、初夏の季語でもあります。
「風薫る」という言葉は、古来、梅や桜などの「花の香りを運んで来る風」のことを表わしていたとのことですが、漢詩の「薫風南より来たる」という言葉の影響もあり、いつしか、新緑が美しい「初夏の若草が香る時期」を表す言葉に変化していったようです。
木々の若葉が美しい“風薫る”時期は、天候に恵まれることも多く、森林浴や新緑を目にして、散策や散歩をしたりすることに適した時期で、そよ風に誘われ、新緑の清々しい香りが漂ってきて、心地よくリフレッシュもできますね。
生命力溢れる緑の中にいると、「若葉の香り」や「清浄な空気」、「風の音」や「鳥の囀り」、また、「木漏れ日の光」や「木々の緑色」など、さまざまな自然環境が五感に刺激を与え、明日への活力が湧いてくるのではないでしょうか。
外出自粛要請が発表されてから、3ヶ月近くが経ち、ストレスや疲れが出やすくなる時期ですので、心身をリラックスさせる副交感神経が優位となる働きを持つとされる“鮮やかな新緑の緑で、気分転換することにより、疲れが少しは緩和されますね。また、お部屋に、観葉植物などのグリーンを飾ることでも癒されるでしょう。
風薫る季節、木々の葉は、淡緑から濃緑のコントラストが美しい情景を創り出しています。
沖縄地方が、全国に先駆け、5月11日に「梅雨入り」しましたが、本格的な梅雨のシーズンを迎えるまで、若葉の香りを漂わせて吹く初夏の風を楽しみましょう。
https://hirotsuji-eye.com/monthly/m207 【風薫る5月】より
院長 廣辻徳彦
1年も3分の1が過ぎ、5月となりました。平年より暖かめだった気温が4月末には低目になったものの、目にまぶしい新緑の上を吹いてくる爽やかな風をして「風薫る5月」と言われるように、G Wで始まる5月は行楽に良い時期です。コロナ期に愛好者が増えたキャンプなどに出掛ける方も多いと思います。「風薫る」はもともと花の香りを運ぶ風のことを指す春の言葉として使われていたようですが、青葉や新緑の間を吹き渡ってくる爽やかな初夏の風という意味に変わってきています。俳句でも夏(特に初夏)の季語とされているので、今の時期にちょうどの季語になります。「風薫る」においの元となる花がどの花なのか明記はされていませんが、この言葉は漢語の「薫風」を訓読みして和語化された言葉ということなので、梅の花と考えるのが自然かもしれません。さて、香りは「匂い(におい)」のことで、現代語では主に嗅覚的意味が強いのですが、古典で「匂ひ(にほひ)」とある場合は嗅覚以外に、「(美しい」色合いや色つや」、「美しさ」、「魅力や気品」という視覚的、感覚的な意味も持っています。千年の時を経れば言葉の意味も微妙に変わってくるものなのでしょう。
古典といえば、中学生時代に徒然草の序段や枕草子の第一段を覚えた(覚えさせられた)記憶のある方も多いのではないでしょうか。「もののあはれ」や「いとをかし」など、現代語では一言で説明できにくい気持ちの表現は、受験勉強と切り離せば興味深く思えます。私たちの小学生時分は卒業式で「仰げば尊し」を歌うことがありました。その中に「今こそ別れめ」という歌詞があります。子供時代はそのまま「今が別れ目」と思っていましたが、中学校の古文で「こそ」は係助詞で、結びを已然形で受ける「係り結び」であると教わります。「め」は意志を表す助動詞「む」の已然形で、「さあ、今こそ別れよう」という強い気持ちを表す歌詞だったのです。「蛍の光」の中にも「いつしか時が過ぎる」と「杉の戸を開けて」の「すぎ」の音を重ねて、「いつしか年もすぎの戸を」とする「掛詞(かけことば)」が使われています。続く「あけてぞ今朝は別れゆく」のところでも「夜が明けて」と「戸を開けて」の掛詞と、「ぞ」が係助詞なので連体形「ゆく」で受ける「係り結び」が使われています。読書の秋とは言いますが、この季節でも行楽疲れが出た時などにゆっくり古典を読んでみるのもいいかもしれません。
健康とは!(歩きましょう)
先日、京都大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校が、アメリカの成人が1週間のうちにどれくらい歩けば死亡率に関連するかという共同研究結果を発表しました。対象は平均50歳程度の男女3000人余りで、歩いた歩数、年齢、性別、病歴などと 10年後の心筋梗塞や脳梗塞の死亡リスクとの関連を解析したものです。結果、週1日も8000歩以上歩かない人と比べた10年後の全死亡リスクは、週1〜2日は1日8000歩以上歩く人で14.9%低くなり、週3回以上1日8000歩以上歩いた人は16.5%低下したとのことです。1日あたりの歩数の条件を変えた場合、週1回も1日6000歩を超えないと死亡リスクが大きく上昇したものの、「週1〜2日、1日8000歩]と「週3日以上、1日10000歩」との効果に差はなかったそうです。この結果から、週に1、2回でも8000歩程度の目標を立てて歩く習慣をつければ、仕事の都合で定期的に運動できにくい人や高齢者でも病気のリスクを下げられる可能性が示唆されます。もちろん、せっかく毎日歩く習慣のある人が、その日数を減らしてもいいと考えるのは研究の本意ではないと思います。
これまでも、糖尿病の生活指導で「運動をする」ことを指導されてきました。その中でよく言われてきたのが「1日10000歩」という指導ですが、これまで明確な根拠が示されていたわけではなかったようです。糖尿病は状態に合わせた薬物治療とともに、過剰な摂取カロリーの制限、運動療法などの組み合わせが治療の主体になります。普通に歩く速度は時速約4kmと言われています。歩幅を75cmとすると、1時間歩けば約5300歩を歩ける計算になります。生活の中で歩く分を差し引いても、毎日1時間半くらいの時間をとって歩かなければ「1日10000歩」の達成は難しい計算です。この研究は「1日8000歩を週1、2回」が糖尿病の治療(カロリー消費)に有効だと示したものではないので、糖尿病の人はこれからも運動を続けてほしいのですが、一般的には病気のリスクを下げるものだと解釈ができます。
歩くだけでなく、筋トレやスクワットなど効率の良いカロリー消費の運動負荷も有効だと思われますし、心肺機能や筋力の向上を目的とするなら単に歩くだけよりも速歩が望ましいところです。しかしながら、「歩く」という動作はただ足を動かすだけでなく、身体のバランスを無意識に取りながら腰や背中など全身の筋肉を使う行為でもあるのです。歩くだけでは大した運動にならないと馬鹿にすることなく毎日ほどほどに歩く(+休日には8000歩)ことで、健康の維持ができるかもしれません。
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