日本語のために

Facebook上中三二さん投稿記事·『日本語のために』(河出書房新社・2016.8.20)

日本人と日本語について、読書によって、認識を新たにし、一つの確信を得た。

日本人は「古代から果敢に外来の思想や文体を受け入れ、それらを表現できるよう」、ひらがな、漢字、カタカナ、アルフアベットの使用と工夫を重ねている。

日本には、和歌(短歌)、漢詩、俳句、今様、都々逸などがある。

日本語のような「やまとことばと、漢語と、近代ヨーロッパ語と。人類の言語のなかで、これ以上露骨に系統の違うとりあわせを見つけることは容易ではない」といえる。

日本語の背景には、多彩な日本の神話群とその伝承、和漢の詩歌、仏教の説話、日本の伝説、中国の哲学や歴史の断章、キリスト教などの一神教の知識と記憶などがあるといえる。


https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309729008/ 【日本語のために 池澤 夏樹 編】より

祝詞からアイヌ語、琉歌、日本国憲法など、時代を超えて日本語そのもののサンプルを集めたアンソロジー。高橋源一郎「終戦の詔」及び、岡田利規「ハムレット」の第三幕第一場を新訳で収録。

日本文学の定義は日本語で書かれていることである。言語と文学の関係を明らかにするための実例と日本語論を幅広く集め、豊饒の由来を明らかにする。(池澤夏樹)

日本全土の地理的な広がりを背景に生まれた、日本語・漢語・アイヌ語・琉球語といった多種多様な「日本語」のサンプルと論を、古代から現代まで、時代を超えて収録。古代に生まれた祝詞から、仏教やキリスト教の言葉、琉歌、いろはうた、辞書の言葉、また「ハムレット」や「マタイによる福音書」の翻訳比較、日本国憲法などを手がかりに、「日本語」そのものの成り立ちと性質を明らかにする。祝詞「六月晦大祓」(池澤夏樹・訳)、「ハムレット 第三幕第一場」(岡田利規・訳)、「終戦の詔書」(高橋源一郎・訳)は新訳で収録。かつてない視点による画期的アンソロジー。

解説=池澤夏樹  月報=鷲田清一・柴田元幸  帯作品=大原大次郎/ホンマタカシ

【目次】

1 古代の文体   祝詞/池澤夏樹 訳  古典基礎語辞典 大野晋 編著

2 漢詩と漢文   菅原道真/中村真一郎 訳 絶海中津 寺田透  一休宗純 富士正晴

良寛 唐木順三  日本外史 頼山陽/頼成一・頼惟勤 訳  夏目漱石 吉川幸次郎

3 仏教の文体  般若心経/伊藤比呂美 訳  白骨/伊藤比呂美 訳 諸悪莫作 増谷文雄

4 キリスト教の文体  どちりいな・きりしたん/宮脇白夜 訳

聖書 馬太伝福音書 ベッテルハイム訳/マタイ伝福音書 文語訳/マタイによる福音書 口語訳/マタイによる福音書 新共同訳/マテオによる福音書 フェデリコ・バルバロ訳/ケセン語訳 マタイによる福音書 山浦玄嗣 訳

5 琉球語  おもろさうし 外間守善 校注  琉歌 島袋盛敏

6 アイヌ語  アイヌ神謡集 知里幸惠 著訳  あいぬ物語 山辺安之助 萱野茂のアイヌ語辞典

7 音韻と表記  いろはうた 小松英雄  馬渕和夫『五十音図の話』について 松岡正剛

私の國語教室 福田恆存  新村出の痛憤 高島俊男  わたしの表記法について 丸谷才一

8 現代語の語彙と文体  辞書の言葉  ハムレット 坪内逍遥 訳/木下順二 訳/福田恆存 訳/小田島雄志 訳/松岡和子 訳/岡田利規 訳

9 政治の言葉 大日本帝国憲法 終戦の詔書/高橋源一郎 訳 日本国憲法 前文/池澤夏樹 訳  言葉のお守り的使用法について 鶴見俊輔  文章論的憲法論 丸谷才一

10 日本語の性格  意味とひびき――日本語の表現力について 永川玲二

文法なんか嫌いー役に立つか 大野晋  私の日本語雑記 中井久夫

著者

池澤 夏樹 (イケザワ ナツキ)

1945年北海道生まれ。作家・詩人。著書に『スティル・ライフ』(芥川賞)、『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『ワカタケル』など。訳書に『古事記』『カヴァフィス全詩』など。


https://plateau-books.com/1583/ 【編:池澤夏樹『日本文学全集30 日本語のために』】より

今、こうしてパソコンのキーボードで打つことで書いている言語は、日本語に含まれるでしょう。漢字、ひらがな、カタカナ。これらを組み合わせて、文字表現がかたちづくられます。地理も歴史も違ったそれぞれの文字には、異なる調子や感触があると思います。それに加えて、業界的な専門用語、場面に応じた表現形式など、会う人に合わせて誰もが沢山の自分を抱えているように、言葉を着替え、着回し、着こなしていきます。そんな文字も、声に出してみれば、音だけになります。どこでもいつまでも在り得る文字と、身近なところしか届かない声。日本語のざわめきに包まれてみるのです。

plateaubooksは文京区白山に2019年3月にopenした新刊本屋です。

店名の「plateau」は平坦を意味します。

平坦で変化のない時間。そんな時間にゆっくり本を読む。そんな時間を、それぞれの楽しみかたで過ごす場所になればと名付けました。1970年代から精肉店として使われていた空間に、古家具をならべ、本を置きました。新しく空間に役割をあたえることで、使われなくなった空間から、新しく価値が生まれました。

本屋として、本によって新しい価値、気づき、感情、行動など、日常のなかで通過している時間に、変化を感じられるようになればと思っています。

中央のテーブルで読書・お菓子・コーヒーなど雑談しながら本を楽しんでください。 〒112-0001 東京都文京区白山5-1-15 ラークヒルズ文京白山2階

都営三田線白山駅 A1出口より徒歩5分です。

今月の営業日・営業時間

※年末年始・夏季休暇等の長期休暇はHPにてお知らせいたします。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000