地球と動物と植物のリズムに合わせて

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バイオダイナミック農法は、ルドルフ・シュタイナーが提唱した化学肥料や農薬を使わず、太陽や月や惑星と星などの天体の力と、地球と動物と植物のリズムに合わせて作物を栽培する農法です。

シュタイナーは「農場全体が生きた生命体だ」と言いました。

バイオダイナミック農法は自然農法、有機農法の一つとして徐々に広まり今では酪農場から野菜農園、ワイン農場、養蚕場に至るまで、60か国以上で実践されています。

シュタイナーは最初ドイツ神智学協会の事務局長をしていましたが、クリシュナムルティが来るべき世界教師として、発表されると反旗を翻して神智学協会とは別な組織「アントロポゾフィー人智学協会」を1913年に設立しました。

シュタイナーの教育思想は支持を集めて全世界でシュタイナー学校が設立されました。

シュタイナーは1924年に、「化学物質を使いすぎて土壌が悪くなってしまった」と訴えた人智学協会に属するドイツの農民達の求めにより農業に関する講義をしました。

ドイツのドルナッハで20歳の頃、シュタイナーと一緒に仕事をしたエーレンフリート・プファイファーは生物物質の中でエーテル体の形成力をあらわに示してくれる化学的物質を探してほしいと言われて研究し塩化銅溶液の実験方法を発見しました。

プファイファーは塩化銅を用いたクロマトグラフィーによって天然のビタミンCと人工のビタミンCの違いを確信しました。

天然のビタミンCと人工のビタミンCは同じビタミンでも結晶の配列模様が違っていて、天然のビタミンCは美しい調和のとれた結晶配列 をしていました。

シュタイナーの調合剤は作物の根の発育を促し、風味と栄養価をましました。

天然のものはエーテル体から形成力が放射されますが人工のものにはその力が働いていなかったのです。

シュタイナーの時代も化学肥料の使用により作物の味、病虫害に対する抵抗力の低下など様々な弊害がでていました。

化学肥料や農薬を使った土地は、ミミズやバクテリアを追い払い生命のない土壌にしていました。

プァイファーは、ニューヨーク近郊スプリング・バレー のスリーホールド農場に研究所を設立してバイオダイナミック農法の普及に努めました。

プァイファーは細菌を休眠状態にして調合剤を加え、莫大な量の都市の生ゴミを有機堆肥に一変させることができるスターターを生み出しました。費用も、化学肥料と同じくらい安価にできるので、化学肥料の終焉をもたらすだろうと思われました。

プァイファーはスポンサーを見つけ生ゴミ処理の会社を起こしましたが、莫大な資金をもっていた化学肥料会社による農科大学、新聞、雑誌、出版社を巻き込んだ大規模な反対運動にあいプァイファーの計画は頓挫してしまいました。

バイオダイナミック農法の普及が容易ではないのが、その特異な調合剤の製法にありました。

生命は天体のエネルギーすなわちエーテル体の形成力を通って物質に宿ります。

エーテル化された調合剤は植物の生長に必要なミネラルに生命力を与え、吸収を容易にすると考えられています。 植物の成長にはエーテル体の形成力が必要なのです。

化学物質をただ加えただけでは土に生命力は生まれません。

バイオダイナミック農法の500号の調合剤の製法は、まず最初に綺麗な空洞になった雌牛の角に牛糞をつめて、冬至前に地中に埋めます。それから、冬の間、地中に放置しておいて雌牛の角を取り出します。そうして、10リットル以上の雨水にカップに4分の1ほどの微量を入れて撹拌します。20秒間撹拌したら反対方向に20秒撹拌することを1時間ほど続けます。こうして出来たホメオパシーと同じくらいの分量に希釈した液を散布すると4000平方メートルもの死にかけた土地が生き返るのです。

シュタイナーによると角のある牛は内側の力が外に向かって放射される点が角で覆われているので、角は牛の体内に反射し返すのだといいます。冬の間、土に埋められた角はエーテル体の形成力を角の空洞に向かって放射されて,角の内部の牛糞は活性化され生命力を蓄えるのです。 調合剤を散布する前に左右交互に撹拌するのは、太陽の明るい方向へ動くエネルギーと、冬に向かうエネルギーとを解放させる為だとしています。

バイオダイナミック農法では、太陽、月、惑星と地球の位置関係が重要視されます。

シュタイナーの宇宙論ではすべての生命はエーテル体をもっていて、エーテル体の形成力が物質界に現れるのです。エーテル体の形成力の元になっているのが、アストラル体の力です。

人間は肉体(物質体)、エーテル体(生命体)とアストラル体を持っていますが、植物はアストラル体を持っていないので太陽の光を助けて植物を構築するのは、エーテル体の形成力だとシュタイナーは教えていました。

生物は体内に天体の力を宿し、その力を保ちつづけており、そうすることによって時間の制約から自由になります。

満月でないときでも、動物界は月の感応力を保持しているのです。

植物の生育には月や惑星の力が必要なので、地球単独では生育の力をほんのわずかしか伝えることができないとシュタイナーは語っています。

地球に最も近い,月や金星と水星の力は地球に含まれる石灰分を通して間接的に影響し地上の植物が生まれます。地球から遠い火星や木星、土星の力は二酸化珪素に働きかけます。岩、石、砂を含む粘土質は宇宙の力を地下から植物の根を通して、地上の植物を太く大きくするように導くとしています。

このように、宇宙と惑星と意識の影響力が土壌と植物の生長に及ぼすことをシュタイナーは農民たちに教えました。

バイオダイナミック農法で誤解を受けそうなのはオークの樹皮を家畜の頭蓋骨につめ地中に埋める505号の調合剤ではないかと思います。

これは中世の魔術を連想させるからです。

家畜の頭蓋骨を畑に埋めていることを目撃されたならば、

保守的なキリスト教徒からサタンの手先と攻撃されることは容易に予想できます。

アメリカに渡ったバイオダイナミック農法の実践者たちは秘密結社のようにふるまったといわれています。

農薬や化学肥料を撒いている近所の人々から魔術を行っていると非難されることを恐れたのでしょう。

その他の調合剤も変わっています。クリスタルを砕いたり、雄鹿の膀胱にのこぎり草の花をつめたり、タンポポの花を牛の腸につめたりします。

ネズミの駆除は変わっていて金星が蝋座にあるときに、かなり若いネズミを捕まえ、皮を剥ぎ、その皮を焼けとシュタイナーは言いました。

そして畑に影響を及ぼしたいなら、捕まえるネズミは野ネズミでなければなりません。

「ネズミの皮を焼いて残った灰や他の諸成分を注意深く集め畑に振りかけなさい。それ以後は、ネズミはその畑を避けるようになるだろう。」とシュタイナーは指示しました。

火によって滅ぼされたものの中から否定的な力がネズミの繁殖能力に働くからだと説明しています。

バイオダイナミック農法の農場は人間の握りこぶしより小さい石は決して土壌から取り除いてはいけないことになっています。

バイオダイナミック農法では農場には何一つ農場外から持ち込んではならないし、持ち出してもならないことになっていました。

農場には、木や沼、森が必要で、さらに、動物(家畜)が必要なのです。

農場の中では有機的に循環し一つの生命体の様に機能することを理想としました。

農場の外から農場に持ち込まれたものを入れるときは、病気にかかった農場のための薬剤とみなしていました。

バイオダイナミック農法で調合剤が必要とされるのは大地が病気にかかっているからなのです。

エネルギーの集積装置を使って宇宙から生命力を調合剤に蓄え、そのエネルギーに満ちた調合剤を散布することによって大地を刺激し、土壌から吸い上げる力を植物にあたえるのです。

バイオダイナミック農法は有機農法と見られていますが有機農法とは全くコンセプトが異なっています。

有機農法とは次元が違うのです。有機農法を含みつつも目に見えないエーテル体の形成力を重要視するからです。

バイオダイナミック農法の話を聞いただけでは人智学の学徒以外は理解することが困難でしょう。

それでもバイオダイナミック農法は歴史がありヨーロッパだけでなくオーストラリアでも着実に実績を治めています。

以下はバイオダイナミック農法ではありませんが「太陽が地球に及ぼす引力以上に月の引力が地球に及ぼす影響は明白であり、そのなかでも地上の液体に与える影響は顕著である」とする農業です。

「月と農業 ー中南米農民の有機農法と暮らしの技術」ハイロ・レストレポ・リベラ著 農文協 より

「月が満月になる過程では、計画、補助、生産、吸収、吸入、活力の維持、増強が促される。逆に、月が新月に向かう過程では、浄化、汗を乾かし、あるいは汗をかき、発散し、活動とその力の消耗を導く」

「月のやわらかい光が地中に射し込む深さは、陽の光とは比較にならないほど深い」

「月齢がその成長に際だって影響を及ぼす植物は多種にわたるが、なかでも顕著なのは、ツル性植物、ブーゲンビリアなどの夏の植物、フジなどだ。さらにいくつかの植物の開花が、潮の干満と密接に関わっていることも証明されている。」

「月齢と樹液の活動:新月→樹液の流れは下降し、根部に集中する/上弦の月→樹液の流れは上昇し始め、幹部に集中する/満月→樹液は樹冠内の葉、花、果実の部分に集中する/下弦の月→樹液の流れは下降し始め、樹幹や根部に集中する。」

「新月から満月に向かう時期は、どの植物でも光合成が盛んになり、とくに新月から三日間にそのピークが来る」

「穀物、果実は上り月(新月から満月の間)、根菜類は下り月(満月から新月の間)の月夜に撒く」

「長期間貯蔵する穀物は十八夜から新月の初め3日間の間に収穫するとよい」

「留意したいのは、地上部でも地表面に育つレタス、フダンソウ、ホウレンソウ、リトルコーン、キャベツなど、葉を食用にする野菜の場合は、二十六夜で播種したほうがよいことである。三日月で播種すると、花が早く咲いてしまう傾向がある。」

レタス、ホウレンソウ、キャベツなどの葉物野菜は十六夜、満月の次の日に収穫すると美味しい物になる

「地中海で獲れたウニは、満月の時にもっとも性成熟し、味もよくなる」紀元前4世紀のアリストテレス

「上弦の月と満月のときに巣箱の土中奥深くに届く微量の光は雄雌両性具有へのマッサージ的役割(性的刺激)を果たすと共に、繁殖も助長する」

「播種(はんしゅ)するのは月が膨らんでいくとき(新月から三日月~満月の3日前までの、水分が地上部へ拡散する時期)がよいとされる。特に満月の2~3日前までに播種を完了するのがよい」

柑橘類は「種子を取るのは二十六夜(下弦から3日後)三日月に肥料に漬けて種が発芽したら、三日月から満月の間に挿し木して、定植は新月から満月の間、剪定は新月収穫は新月から満月に向かう水分の集まる時期に行う」

「十八夜(満月後3日~新月の最初の3日間、水分の下部へ拡散時)には地下に育つ野菜などを播種するとよい」

「農家の間では、納屋などを建てるときの建築材は、二十六夜をはさんだ前後に伐り出すのが最も良いと考えられている。」

「新月に伐採すると虫がつきにくく燃えにくい木造の家が建てられる」

「カンキツ類の整枝・せん定・・・せん定を行うのによい月齢は新月である。このタイミングで行えば極端な徒長枝の発生を防ぐことができ、果樹全体の成長を阻みかねない吸枝(いらない枝)があちこちにできないようになる。」

2009年の3月に渡米してニューヨークに滞在しました。

NYから帰国する前にNY郊外のシュタイナー学校とバイオダイナミック農法の農場を訪れました。

早朝6時にNYグランド・セントラル駅からメトロノースの列車に乗り、途中で優雅に泳ぐ白鳥の姿を眺めて、約2時間後の8時20分にWassaic駅に到着しました。

そこから車で30分くらい走ってマサチューセッツ州境近くのハーレムビル(Harlemville)にあるホーソンバレー農場に到着しました。

ホーソンバレー農場(HAWTHORNE VALLEY FARM)は400エーカー以上の農地と生産設備をもった大きな農場です。

ホーソンバレー農場のバイオダイナミック農法の作物と加工品は最高品質のブランドになっています。

NYのユニオンスクエアのグリーンマーケットには毎週ホーソンバレー農場が出店していて新鮮な野菜や果物、ホーソンバレー農場ブランドの自家製のヨーグルトやチーズ、ケーキ、パイ、ブラウニー、スコーン、マフィンやパンなどが売られていて健康志向のニューヨーカーにとても人気がありました。

農場の道路の向いにはルドルフ・シュタイナー学校が併設されていて、幼児教育から小中高校まであります。

シュタイナー教育のショップもあってさままざまなグッズが販売されています。小学校の授業に編み物や木工、詩の朗読やダンスがあり、古代スカンジナビア神話やギリシャ、インド&エジプト神話の授業もおこなわれていました。

ニューヨーク市のルドルフ・シュタイナー学校の生徒が夏のキャンプに一週間、農業体験を求めてこの農場を訪れたり、一般市民の為の農業と環境の相互関係を学ぶエコロジカルなプログラムも組まれています。

森と山々に囲まれた 小さな村の農場にもかかわらず大都市に負けない立派なオーガニックのマーケットが併設されていました。

カフェもあり食事やお茶を飲むこともできます。

ホーソンバレー農場の製品だけでなく書籍やお香やアロマなど様々なオーガニック用品も売られていました。

かなりの人々がNYを離れて自然を求めてこの地域近郊に滞在しているようでした。

ホーソンバレー農場を案内してくれたMさんもそうです。

以前は都会でTV局の番組のコーディネイターをしていましたが結婚をして自然豊かな農場近くの村に引っ越して子供をシュタイナー教育で育て、マクロビオティックの食生活をしています。

マーケットで買い物をしたあと農場を案内してもらいました。

先日、子牛や子豚が生まれたばかりだというので見に行くと母豚が子豚に頬刷りをしていて、何とも微笑ましい光景でした。

昼はマサチューセッツ州のベケットにあるクシ・インスティテュートでマクロビオテックのランチをしました。

ニューヨーク滞在中はフェルデンクライス研究所とバイオエナジェティックス・コアセンターでワークショップをしてエドガーケーシーセンターとレーリッヒ美術館を訪れました。

ニューエイジのルーツである神学協会とロンドンで「ニューエイジ」の編集長をしていたオレージとグルジェフ が出会った場所も訪れました。

20世紀後半に現れたニューエイジと呼ばれた潮流が来るべき持続可能な社会という大海に向かって流れていることを確信させてくれたアメリカの滞在でした。

ホーソンバレー農場 HAWTHORNE VALLEY FARM

https://farm.hawthornevalley.org


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【ルドルフ・シュタイナーその魂の探求と社会有機体3分節論ー自由・平等・博愛の真の意味は?】(再投稿)

ルドルフ・シュタイナー、日本でも「シュタイナー教育」や「人智学」でかなり知られている思想家で、ご存知の方も多いことでしょう。日本でもモモなどで人気があるドイツの有名な童話作家のミヒャエル・エンデもこのシュタイナー哲学から大きな影響を受けています

彼の語った思想の領域と量は膨大なものです。ここでそのすべてを語ることなど到底できません。

彼はアカデミズムからは「胡散臭いオカルト」という烙印を押されてきました。

しかし、その思想は、当時というか今なお世界を席巻している「唯物論」と「人間機械論」、一方での「観念論」などの限界を超越する,「魂」の探求でした。霊的(スピリチュアル)な存在である人間の本質の解明でした。

また彼は単なる机上の思想家ではなく、この三次元世界の生身の人間による実践の基盤を築いた社会活動家でもあったと思います。

社会思想家としてのシュタイナーは「社会有機体3分節論」として、こういう意味のことを語っています。

「社会有機体は政治=法領域/経済領域/精神=文化領域の三つの部分に分節化されねばならず、政治=法領域には平等の原則、経済領域には博愛(友愛)の原則、精神=文化領域には自由の原則が支配しなければならないと考えます。

フランス革命において、提唱された人権宣言のなかで唱われ、近代市民社会の基本テーゼとして、「民主主義国」のコモンセンス(一般常識)になったのが、「自由・平等・博愛(友愛)」です。よく知られているフランス国旗はこの3つの理念を表現する三色旗(トリコロール)ですね。

シュタイナーは自由・平等・博愛(友愛)の3つが、いわゆる「民主主義国家」の中でごった煮にされていることが問題の根源である、と考えるわけです。

今の状況は自由・平等・博愛の精神が歪められて、それが「民主主義」の形骸化と劣化堕落を招いており、彼が懸念した事態に陥っています。

その理解と解釈を一部の権力者たち(奴ら)が自分たちの支配と金儲け(利益追求)のために都合のいいように捩じ曲げて、この理想を羊頭狗肉化して、大衆の暮らしや地球環境に悲劇的な惨状をもたらしているのが現代の「グローバリゼーション」の本性であると思います。

●自由のはき違いの自由主義経済(新自由主義)

まずは自由に関して掘り下げてみましょう。

私たち大衆は奴ら流の経済軍事覇権(ニューワールドオーダーNWO)を究極の目的とする”グローバリゼーション”、つまり、具体的には多国籍企業の人モノ金が国境を越えて”自由”に行き来でき、奴らの”自由”を制限する規制はすべて悪として国家に圧力をかけて規制緩和撤廃させ、”自由”にどこの国でもビジネスができる世界、命や生活の基盤を支える公共サービスまで民営化=グローバル資本への売り飛ばし させる世界、農民が自由に種を自家採種する自由の剥奪すること、etcが、が自分たちを豊かにしてくれる正義だと洗脳され奴隷化されてしまっています。

日米関係などG7の間の「”自由と民主主義”を共通の価値観とする」という建前でしかない外交的看板が、世界的なテレビ新聞の世論操作で是とされ、そうではないとみなしている国(ロシアや中国など)に対する対抗や戦争が正義とする大きな罠(欺瞞)がそこに仕掛けられているとは思いませんか?

そのような政治を推し進めている自由民主党が透明に掲げる「自由」って何なでしょうね??

これまで貪欲で狡猾な闇の勢力(グローバルエリート・カバール)による世界支配と民衆の自由を奪う監視奴隷化と搾取が着々と進められてきました。

しかし、経済活動の野放図な膨張と資源略奪や独占の「自由」は絶対に認められないと思います。

グローバル資本主義経済を牛耳っている1%のエリートが牛耳っている金融、エネルギー、食料、医療製薬などの多国籍巨大企業が世界中で自由というか放縦に悪徳搾取型ビジネスを展開しています。

彼らの拠り所にしている「新自由主義経済」とは、「自由」という美名の略奪型、破滅型経済であり、持続可能ではないし宇宙の法則にも反しています。

「真の自由」とは、すべての人間が闇の奴隷から解放され、自由意志を尊重されて行動を選択できることと、アートなど創造活動や思想信条の表現活動の自由、一言で言えば”魂の自由(精神の自由)”にあります。

このような理念はもちろん日本国憲法でも保証されていますが、今、改憲の動きのなかで国家権力にとって不都合な市民活動を監視し、違憲行為として取り締まるための安保法制(共謀罪など)が施行され、政府の独裁を発動する緊急事態条項を憲法に忍び込ませようと自公政権や維新などの勢力は企んでいます。大衆の自由(基本的人権)を奪う極めて危険な兆候です。

●平等のはき違い

次に「平等」とは、何かを考えてみましょう。

貧富の格差をなくすための平等はもちろん大切ですが、皆の個性を殺して、多様性を排除する学校教育という世界のなかでの均質化(同質化)や、労働者に対する報酬や地位(年功序列など)の共産主義的な機械的な平等は、本当の平等ではないのではないでしょうか?

たくさん与えたものはたくさん恵みが与えられる(返ってくる)のは、原因と結果という宇宙の法則です。

宇宙創造主の定めた法律(宇宙の法=ダルマ)とそれに基礎をおく人間世界の「法律」の前での平等が、その本質であると思います。

ただ、ある国家的犯罪に関与していても、権力サイドで不正な利益供与した悪徳な政治家や官僚は罰せられず、利権供与されてきたものだけが罰せられているトカゲの尻尾切りも「法律」の前での平等と言えるんでしょうか?

さらにいうならば、人間がもつ魂(霊性)とは、神(宇宙創造高次元意識)の分け御霊であり、皆が、内に神の光を灯している存在である。だから皆が神である、内に神我を有する存在という意味での、”人間の尊厳における平等”が本質的な平等として重要です。

でも、三次元世界では人間は全く平等ではないではないかと非難も聞こえてきます。確かにそうです。世の中には健康な人も、病気や障害をもった人もいる、裕福な人も貧しい人もいる、皆、それぞれ置かれている環境や身体的あるいは精神的環境は異なります。その意味では、とても平等とは言えませんね。

それはカルマという個性の違いや魂の履歴という多様性の現れにしか過ぎません。一人ひとりが遍歴してきた輪廻転生という長い長い魂の旅路で積み上げてきてしまったカルマ(思い癖)が違っているから、自分がこの三次元世界で体験し「学ぶ」ことを選んだ課題が違うから、当たり前なのです。そこには良いも悪いもないんです。

これも神による人間の尊厳への愛の表現態です、つまりたとえどんなに厳しい課題であろうとも、その学びを通じて魂を錬磨しながら人間はそれを必ず乗り越え、魂を進化させていく存在であるという意味で「神」の前では絶対的に平等なのです。

今まさに体験しているそれぞれの人生すなわちライフプランこそ、善悪や正邪の二元性を超えた愛の創造者としての神の愛であり、恩寵なのですよ。

●博愛のはき違い

そして最後の「博愛(友愛)」の考察に移りましょう。「博愛(友愛)」こそは、まさに貪欲と搾取が支配する現代の生き馬の目を抜くような弱肉強食の奪い合いの経済活動(生態系や大衆から富や命を奪い取って不幸に陥れるグローバル経済)に欠けています。博愛(真の愛)こそ、五次元の新しい地球レベルの「経済活動」には必要不可欠な原則です。

博愛は、仏法でいう慈悲の利他行為であり、キリスト教ではアガペに基づく行為です。人や社会、地球を愛し、まずは人類の同胞達や「地球・自然・いのち」のしあわせのために見返りを期待せず与えること(自然の場合は、与える行為とは環境汚染の防止と除去、生物多様性を増やす自然再生などです)、宇宙の法則である原因と結果の法則によって自分に還ってくるものは感謝して受け取ることです。

⚫︎最後に

シュタイナーが提唱したこのような考えを、理想だと一笑に付すことは簡単ですが、ボクは単なるユートピア論や現実逃避の気休めではないと思っています。一人ひとりがこの三次元世界の現実と向き合い、そのなかで葛藤する「魂」の現場で活かしていくための、物事の最も本質的な部分としての滋養として受け止めたいと考えます。

執筆文責 能村 聡

*写真左:シュタイナー 右:シュタイナー学校

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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