Facebook清水 友邦さん投稿記事·
すべての子供の心は白いキャンバスのようなもので、素晴らしい絵画が描かれる可能性が無限に開かれています。子ども時代は、世界観や自己イメージを形成する最も大切な時期です。
子供が可愛らしく微笑むと、両親も喜び抱きしめたり頬ずりやキスをします。
幼児は、本能や感情のおもむくままに、自由に行動しますが、親は感情エネルギーが自由に流れるのを許しません。
両親の気に入らないことをすれば、子供は罰をうけて愛してもらえません。
親は強い口調で言い聞かせようとします。「泣き止まないと置いて行くわよ」
すべて両親に依存している子供は、安全が脅かされる恐怖を感じます。
子供は、あるがままの自分を否定されると、親に受けいれられる自分と、親に認められない自分に、分離させてしまいます。
社会に順応するために、親や社会から植え付けられた条件付けを、受け入れて人格を形成して、衝動をコントロールするようになります。
親に拒絶される恐怖と苦痛を内側に抱いて、純粋さと天真爛漫さを失います。
コントロールされた自我は、おとなしくて良い子という仮面・ペルソナをつけます。
抑圧され分離した自我は、影・シャドーとして、人格の影に隠されます。
そして、育った環境に適応した仮面を自分と思い込んで生きるようになります。
思考によって制限されてしまった知覚で、世界とはこうゆうものだと決め付けます。
「自分は世界から切り離されている」という間違った思い込みは、潜在的な不安となって生涯つきまといます。
潜在的な恐怖や不安は、「世界が社会がみんなが私を嫌っている」という間違った思い込みを選択してしまいます。
連続殺人者に共通するのは、幼児期に見捨てられたり、支配的な母親に育てられていて、子供の頃に精神的、肉体的虐待を受けていました。
2019年に36人が死亡した京都アニメーション放火事件の青葉真司被告の家庭は、ストレスが日常的に存在している機能不全家庭だったようです。
母親と不倫した父親は、家と田畑を勝手に売ったために最初の奥さんと6人の子供は家から追い出されて路頭に迷っています。
駆け落ちした両親は、10年もたず母は兄と妹の三人の子供を残して家を出ています。
母は不倫のために実家から勘当されていました。
中学時代の青葉被告者は、いじめにあって、引きこもりがちで、中学2年生のとき父親が家賃滞納で家から追い出されて転校してから不登校になっています。
青葉被告が21歳の時に、父親は生活苦から自殺しています。
アパート暮らしの青葉被告は奇声を発し、音楽を大型スピーカーで大音量で鳴らす隣人トラブルを頻繁に起こしていました。部屋の壁はハンマーで叩いたような穴がいくつも空いていました。
青葉被告はコンビニで約8年働いたものの、人間関係の悪化で退職。派遣の仕事は続かず、電気やガスも止まる生活になりました。アダルトサイトが見られず外出し、下着泥棒した先で女性に暴行。自宅近くのコンビニで強盗を働き懲役3年6か月の実刑判決を受けました。出所の3カ月前に、青葉被告は統合失調症の確定診断を受けています。
出所後、小説家デビューを夢見たが、渾身の長編小説を京アニの小説賞に応募したが落選。闇の勢力が「圧力をかけて落選させた」「Yさん(京アニに所属する気鋭の女性アニメーター)がブログに、自身の小説のアイデアを載せている」「Yさんに小説のネタをパクられた」などと思い込むようになり、京都アニメーション放火事件の犯行に及んだのです。
2024年1月25日に京都地裁が青葉被告に死刑判決を言い渡しています。
2018年に東海道新幹線で無差別に3人を死傷させた小島一朗容疑者(23)は5歳の時に「発達障害」と診断され、学校ではいじめにあい不登校になっています。
被告の叔父は、「父親は厳しく、母親は好きな事ばっかりやっていて、子供の方を全然向いてくれなかった」と証言しています。
中2で学校を休みがちになり、自室にこもってパソコンやゲームに没頭していました。
中学三年の時に激昂して包丁と金槌で両親を襲い、それ以来両親は匙をなげてしまい、会話がなくなりました。
両親の元を離れ、施設に下宿という形で居住。定時制高校はオール5で4年のところ3年で卒業しました。
就職しても人間関係ですぐに退職、職を転々としました。
21歳の時に両親の戸籍から離脱して祖母の養子となりました。
4度目の家出で疲れて、祖母に連絡するも縁を切ると言われて、自暴自棄となり無差別殺傷事件を起こしたのです。
祖母は「私を気遣って外出の際も歩調を合わせてくれる優しい子。信じられない」といっていました。
2008年に7人が死亡した「秋葉原通り魔事件」加藤智大容疑者は極端に支配的な母親に育てられていました。
『完ぺき主義の母親は、「10秒ルール」で作文指導をして「この熟語を使った意図は?」の質問に答えられずにいると、「10、9、8、7...」と声に出してカウントダウンを始め0になると、ビンタが飛んできた。』
『食事の途中で母が激高すると、廊下に新聞を敷きその上にご飯や味噌汁をばらまいて、「そこで食べなさい!」と言い放ち、加藤智大容疑者は泣きながら新聞紙の上に積まれた食事を食べていた。それを父は黙っているばかりで助け船も出さず、弟も横目で見ながら食べ続けていた。』
『見ることが許されたテレビ番組は「ドラえもん」「まんが日本昔ばなし」だけで、それ以外は禁止。友人の家に遊びに行くことも、友人を家に呼ぶことも禁止だった。』
『成績優秀でスポーツ万能な「秋葉原通り魔事件」の加藤智大容疑者だったが高校に進学すると母に暴力を振ったり教室の窓ガラスを素手で割ったりするようになった。』
加害者の弟は事件の後
「あれから6年近くの月日が経ち、自分はやっぱり犯人の弟なんだと思い知りました。加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです。それが現実。僕は生きることをあきらめようと決めました。
死ぬ理由に勝る、生きる理由がないんです。どう考えても浮かばない。何かありますか。あるなら教えてください」
「兄が母のコピーなら、僕はコピー2号。でも、僕は兄と同じことはしない」
と悲痛な叫びをあげて、自殺しています。
2001年に「大阪教育大学附属池田小事件」を起こした宅間守元死刑囚は、池田小学校に出刃包丁を持って侵入して、児童8名を殺害し、児童と教員15名に重軽傷を負わせました。
母親は精神的に不安定で、子供が生まれる前から下ろしたいと宅間守を嫌悪していました。
宅間守はネグレクト(育児放棄)状態でした。
宅間守には便が付つくことに異常な強迫観念があり、トイレで水を流せば便が自分に散ってくるかもしれないと、恐怖を抱き外出先のトイレで用が足せませんでした。
小学校では、自分より強い児童にはいじめられ、自分より弱い児童に対しては徹底的にいじめる子供でした。拾ってきた仔猫を、浴槽に沈めて殺したり、新聞紙で丸めて火をつけて焼き殺したり、動物を虐待して殺しています。被害妄想や劣等感があり周囲の人間が自分の悪口を言っていると思い込んだり、自分の意見を否定されれば激しく怒りました。
父親は家族全員に対して激しい暴力をふるう癖があり厳しく宅間守をしつけましたが、だんだん手がつけられなくなったようです。
暴力をふるう父親を憎悪し寝ている間に包丁で刺殺してやろうと思ったと述懐しています。
「お前なんか産まなければよかった」と母親から罵られています。
息子から「ヤクザを使ってお前らの生活滅茶苦茶にしてやる」「死ぬまで苦しめてやる」と言われた母親は精神を病んで病院で亡くなり、兄も精神を病んで40代前半に小刀で自殺をしています。
宅間守は、女性に対して優しい感情や愛おしい感情を持てませんでした。
妄想や白昼夢に浸り数回の強姦未遂や強姦をしています。
そして8人の子供の命が奪われ、13人の子供と2人の教師が怪我を負った附属池田小学校無差別殺傷事件をおこしたのです。
宅間守は死刑確定から約1年後の2004年9月14日、大阪拘置所で死刑が執行されました。
子供は愛を必要としています。
殺傷事件を起こした犯人に共通するのは愛情のない機能不全の家庭に育っていることです。
成長期に十分な愛を受けとることができなければ、自分が愛そのものだということを忘れてしまいます。
自分の本質が愛だとわからなければ、相手に愛を与えることは難しくなります。
子供の頃にひどい暴力(肉体的あるいは精神的)を受けて育つと、苦しみを感じたくないので愛を感じる通路を塞いでしまいます。
内部でエネルギーの流れが阻害されるので孤独感を強く感じます。
内部で分離感が強くなっているので、他人の苦しみや悲しみを感じることができません。
感受性が発達せずに希薄だと、相手に苦痛や被害を与えても平気になってしまうのです。
人との関係がうまく築けないので長く仕事が続かなかったりします。
マインドは機械的なので、暴力を使うことしか知らないで育てば、暴力をふるってしまいます。
けれども、虐待を受けて育った人々が、必ずしも全員が他人に暴力的になるわけではありません。
内部に蓄積された膨大なエネルギーが、内側にむかえば自己破壊的になってしまいます。
愛を十分に受けとることができなければ、衝動を抑えきれずに反社会的な行動を起こすか心が病んで苦しんでしまうのです。
無意識に抑圧された衝動に気がついていない親は、子供の成長の芽を摘み取ってしまいます。
親もまた心の中で両親に反発したり、怯えている内なる子供が大人に成長できずに苦しんでいます。
怒り、無力感、孤独や絶望など、心に浮かび上がる印象は、すべて後から植え付けられたものです。
最初からあったのではありません。
過去の記憶で成り立っているのが、マインドなのです。
幼児が可愛らしく振舞うと周りの大人もみな微笑み嬉しくなります。
愛を受け取り愛を与えることで自分の愛に気がつきます。
人の本質は愛の存在なので愛の真実に気がつくことができれば世界に光を放つことができるでしょう。
古い世界は終焉を迎え、新たな文明に向かって再生が始まっています。
最も困難な苦しみを通り抜ける変容の時期です。
暗くて苦しい狭い産道を通り抜けなければ、新しい生命は誕生しません。
本当の自分は、マインドを超えた存在だと気づくことができればマインドの囚われから自由になります。心の本質は時間と空間を超えているので、無限の可能性を秘めています。
マインドの思い込みの世界が、マーヤ(実体のない幻影)だと見抜くことができれば勇気が湧いて、まことの道を歩むことができるでしょう。
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