Facebook新上五島町観光物産協会さん投稿記事
【ツバキとともに】
五島列島は日本有数の椿(ツバキ)の産地であり、伊豆諸島と並ぶ椿油の生産量を誇ります。ここ新上五島町には約430万本もの自生椿林があり、その多くをヤブツバキが占めています。なんと、資生堂のシャンプー「TSUBAKI」に使われている椿オイルの原材料には、上五島の椿が使われています。
この時期は、島の人たちが収穫した椿の種を集める集荷作業の真っ盛り。明日25日(日)には、島北部の津和崎地区にある旧津和崎小学校グラウンドで、伝統的な「蒸発法」で椿油を抽出する「オリジナルつばき油作り」のイベントが開催されます。
島を彩り、産業として島を支える椿。その椿の苗木を新上五島町観光物産センターと自宅アパートの花壇(大家さん、ありがとうございます‼︎)で育てることになりました。苗木には小さな蕾が付いているので、うまく育てられれば、来年にはいち早く春の到来を告げる真っ赤な花を咲かせてくれるかもしれません。
小さなポットを飛び出し、初めての土地にゆっくりと根を張ろうとするヤブツバキの苗木。今朝は、緑の葉っぱが朝露に濡れてキラキラと光っていました。
地域おこし協力隊としてこの島に来て早3ヶ月が経とうとしています。私も来年の春には、小さくてもいいのでこの島を彩るような花をつけることができたらいいなと思います。まずは、水やりを忘れないように頑張ります。
・島で椿油の製造、販売、搾油体験などを行っているのが「新上五島町振興公社」。この度ホームページが完成したとのことで、チェックしてみてください!
「新上五島町振興公社HP http://www.kamigoto-tsubaki.com」
https://kyushu.env.go.jp/blog/2016/11/post-253.html 【九州特産物リレー11月 ~「椿」東の大島、西の五島~】より
竹下洋子
こんにちは!五島自然保護官事務所の竹下です。毎月リレー形式で「その土地ならではの特産物」に関する日記を掲載していますが、11月の五島編では椿を紹介します。「東の大島・西の五島」といわれるほど五島列島は日本有数の椿の産地で、各地に椿の自生林や植林が多くみられます。椿の原始林は久賀島(ひさかじま)東岸の長浜にあり、広さ約1ヘクタールの長崎県指定天然記念物です。椿は長崎県の県木、新上五島町の町木・花、五島市の花木で、和名をヤブツバキといいます。花が散った後、椿実(五島ではカタシと呼びます)は9月初旬ごろまで成熟するため、1本の木に数個の口割れの実が出始める中旬過ぎから至る所で収穫風景を見かけます。
左:濃紅色が特徴のヤブツバキ
右:口割れした椿実に詰まった種
かつて集落ごとにあった小さな製油所は機械等による効率化で集約され、現在 福江島には4つの製油所があります。製油所では圧搾機で搾油しますが、家庭にある器具でも手軽に椿油を作ることができます。修学旅行生や観光客等を対象とした椿油作り体験教室に私もスタッフとして参加しました。参加者は種を細かく砕くのにかなり時間を要しましたが、いくつかの工程を経た油が完成間際一気に白く変わった瞬間、ウォーッと歓喜の声があがりました!耐熱容器に注ぐ一番搾りのツバキ油は、黄金の雫のようにキラキラ輝いていました。この日の夕食は、五島の新鮮な魚介と椿油を使ったパエリアです。
初めて椿油作りを体験する子ども達。搾りたての椿油は炒ったナッツのような香りがしました。
椿油は、昔から頭髪用・燈用・食用・石鹸原料・艶出し用・刃物錆止等さまざまな用途に使われてきました。椿油は、善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らす作用があるオレイン酸の含有量が85%とオリーブオイルを大きく上回ります。椿油を使った製品のうち、当地では遣唐使の時代に大陸から伝わったといわれる「五島手延べうどん」がお薦めです。五島手延べうどんは、五島列島特産の椿油で生地を延ばし島の良質な海塩を使い潮風による自然乾燥を行いますが、細く手延べしてもコシが強くつやがありのびないのが特徴です。上海テレビ祭のドキュメンタリー最高賞のマグノリア賞を受賞した「五島のトラさん」でも製造工程が紹介されたので、ご存知の方もいるかもしれませんね。
左:様々な用途に使われる椿製品
右:細くてコシのある五島手延べうどん
西海国立公園鬼岳の中腹に位置する五島椿園には約3000本(約270種)のツバキが植林されているため、様々なツバキを花期に応じて長期にわたり鑑賞できます。椿の蜜を吸いにやってくるメジロも見られ、自然の豊かさを間近で感じることができます。ヤブツバキの中でも傑出して愛好家に好まれているのが、「玉之浦」という椿の種類です。玉之浦町の山中で発見されたこの椿は、ヤブツバキの突然変異で花弁に純白の縁取りがあり、深紅の花が満開の時期に潮風に吹かれて咲くさまは何ともいえない美しさがあります。以前は、幻の椿とまで言われてきましたが、今日では挿し木や接ぎ木でかなり普及するようになっています。
左:白く清楚な五島の銘花「久賀白(ひさかしろ)」
右:濃紅色に白覆輪のコントラストが美しい「玉之浦」
ヨーロッパの教会ではバラの花が飾られますが、五島では教会のステンドグラス等に椿の花・葉・実があしらわれており、古くから島の人にとって生活や信仰の上で身近な植物だったことを教えてくれます。これからだんだんと気温が下がり冬らしい季節になってきますが、そんなときに凜とした赤い花を咲かせる椿を見ると、背筋がピンと伸びます。みなさんも、ツバキを五感で楽しんでみませんか!
https://gogen-yurai.jp/tsubaki/ 【ツバキ/椿/山茶/海石榴/つばき】より
意味
ツバキとは、ツバキ科の常緑高木。葉は楕円形で厚く、光沢がある。早春、赤い花が咲く。交雑種には白や桃色の花もある。種子から椿油を採る。
ツバキの語源・由来
ツバキの語源には、光沢のあるさまを表す古語「つば」に由来し、「つばの木」で「ツバキ」になったとする説。
「艶葉木(つやはき)」や「光沢木(つやき)」の意味とする説。
朝鮮語の「ツンバク(Ton baik)」からきたとするなど諸説ある。
漢字の「椿」は、日本原産のユキツバキが早春に花を咲かせ春の訪れを知らせることから、日本で作られた国字と考えられている。
一方、中国で「椿」は「チン(チュン)」と読み、別種であるセンダン科の植物に使われたり、巨大な木や長寿の木に使われる漢字で、『荘子』の「大椿」の影響を受けたもので国字ではないとの見方もある。
なお、ツバキの中国名は「山茶(サンチャ)」である。
ツバキの別名・類語
藪椿/山椿/山茶/海石榴/海榴/玉椿/白玉椿/白玉/寒椿
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