詩音さん(ライアー奏者)

https://ameblo.jp/tarsuke89-shiraito/entry-12454078220.html 【現在女性音楽家名鑑19 詩音さん(ライアー奏者)】より

星詩音(しおん)さん(ライアー奏者) 

  繊細にして大胆。聖なる詩人

今回は、音大卒ではない異色の演奏家詩音(しおん)さんです。

本名森英子(もり・はなこ)さん。

     

 福岡県福岡市出身。

 九州の名門、修猷館高校→中央大学法学部卒業。

 音楽(演奏)経験はまったくないところから、2年前にライアー演奏をはじめ、現在では地元福岡中心に、カフェ、バー、ライブハウス、ゲストハウス、児童会館、福祉施設、屋外等での演奏会やヒーリング・リラクゼーションイベント、各種パーティー・交流会、講演会等にて演奏活動。

 最近は、福岡県外にも活動の場を広げておられます。

1 ライアーとは

〇「千と千尋の神隠し」

 ライアー (独:Leier、英・仏lyre) は、ギリシア神話や聖書に出てくる竪琴(リラ、キタラなど) をルーツに、約90年前に現代版竪琴としてドイツで製作された楽器です。

 生まれ故郷のドイツにおいても、ひっそりと弾き継がれて来た、知る人ぞ知る楽器ですが、2001年に大ヒットしたジブリアニメ「千と千尋の神隠し」のエンディング曲『いつも何度でも』の弾き語りに使われた楽器といえば、その音色に聞き覚えがある方も多いのではないかと思います。

           

〇ハープとは似て非なるもの

 まだまだ馴染みの薄い楽器のため、ライアーという言葉で、それが楽器だとわかる方も少ないかもしれません。

 そのため、形状から便宜上「ライアー・ハープ」と呼ばれることもありますが、実はライアーは弦楽器の分類としてはハープ族ではなく、ツィター族に含まれるため、ギターやヴァイオリンのお仲間です。

日本語には、ぴったりの“竪琴”という表現があるのですが、カタカナ表記しようとすると紛らわしいですね。

 意味としても、「ライアー・ハープ」では「竪琴・竪琴」となってしまいます。

サルサソースなんかと同列に思っていただければ幸いです(笑)。(サルサはスペイン語でソースの意味)

                     

〇癒しの楽器

 ツィター族の特徴として、弦と「並行して」共鳴箱があるということがあり(ハープ族は弦と共鳴箱が「垂直」の関係)、とても余韻の長い音色となります。

 ライアーは432ヘルツに調律します。現代の国際標準ピッチは、440〜442ヘルツまたは、それ以上)432ヘルツは、ライアーのベースにある「シュタイナー思想」によると、自然音と同じヘルツであり、生物にとってとても必要な音なのだそうです。また数学的にも宇宙のパターンと一致している数なのだそうです。

 実際ライアーは、音響療法でも治癒効果の高い「癒しの楽器」として使われています。

 ライアーの魅力は、なんといってもこの魂に響いてくるような、独特の長い余韻を持った音色ではないでしょうか。

 神話の時代に、神事や治療など特別な場面で演奏されてきた竪琴が、いったん歴史の舞台から消えてしまった後、現代版竪琴ライアーとして生まれ変わった理由も、まさにこの特徴的な音色にあります。

 音楽を外からの響きとしてではなく、「内側から響かせ」心に届くように、ピアノの弦を取り出して、鍵盤で叩くのではなく、「指で撫でるように」奏でる。ライアーの音の振動が身体に伝わることでヒーリング効果が発揮されます。

 ですので、赤ちゃんを抱くように膝に乗せて抱え込んで弾く演奏者が1番癒されているかもしれません(笑)。

 ちなみに私のライアーは共鳴箱がついているタイプのものですが、箱ではなく1枚板タイプのライアーもあります。

箱付きのものは、自分の身体の代わりに箱の中の空気が振動するので、1枚板タイプのライアーを弾くと直に伝わる音の振動にまた違った身体感覚があります。

 ただ、残念ながら1枚板タイプはその分音量も小さいので、演奏用として使用するのは難しいです。

      

○ライアーは全く!新しい楽器

 現代版竪琴として生まれ変わったというと、古代竪琴の復古、あるいは弦楽器の派生の1つのようにも見えますが、実はライアーは古代竪琴やその他の弦楽器の支流とは全く別系統の楽器です。

 ライアーの生みの親は、エドモンド・プラハトという 「シュタイナー思想」のピアニストです。

 彼は、スイスのバーゼル郊外にある「ゾンネンホーフ」という障害者施設(日本語では、「魂の保護を求める人々のための施設」と表現されることも多い)で、ピアニストとして働いていましたが、「ピアノ以上にもっと人々に寄り添える楽器はないか」と考えました。

 そして形状や音色はギリシャ神話に登場する竪琴をモチーフに、シュタイナー思想(いかに霊的世界と地上の物質的世界を結び付けるか等)を取り入れ作り出したのが、ライアーです。

 ライアーの試作品第1号は、ヴァイオリン職人が手がけたそうですが、プラハトの意に添いませんでした。

ライアーには「外部刺激ではない内部刺激を与えるもの」という思想が包含されていなくてはならないのですが、専門職人は既存の楽器にはないプラハトのイメージをつかみきれず、どうしてもズレが生じてしまったようです。

 結局、楽器製作未経験の彫刻家ゲルトナーに依頼し完成させるのですが、そのことからも、ライアーが既存の楽器の概念から外れた、全く新しい楽器であることがわかります。

            

○弾き方も全く違う

 楽器の新しさは、運指といった弾き方にもあらわれています。

ピアノやハープは、右手と左手それぞれが伴奏とメロディーを分業作業するという弾き方が一般的だと思いますが、ライアーは両手で共同作業をし、合掌するように一緒に上へ下へと進んでいきます。

 私は初めてライアーの演奏動画を観たとき、その演奏姿勢がお祈りをしているように見えました。これは、「右手だから伴奏よ!左手だからメロディーよ!」というような役割分担をあえて壊すことで、「従来からの思い込みから解放されよう」というような示唆もあるようです。今弾いているのが伴奏なのかメロディーなのかすごく混乱します(苦笑)

 さらにピアノとは音階の高低の向きが逆になっているので、繊細に弾きたい高音部を1番主張の強い人差し指が担当し、逆にどっしりした低音部はおっとりしたお姉さん指がを支えなければいけません。ここにも「それぞれの特性に捉われずに」という示唆があるように私には思えるのです。

    

2 詩音さん奮闘記

〇ギリシャ神話の竪琴にあこがれる

 私は子供の頃から、ギリシア神話をモチーフとしたアニメ『聖闘士星矢』や、学校の図書室にあった星座物語の本に影響を受け、ギリシア神話の世界が大好きでした。

 そのなかでも、太陽神アポロンや名手オルフェウスが弾いている竪琴にとても心惹かれていました。オルフェウスが竪琴を弾いていると、森の中から動物たちが集まってきたそうです。オルフェウスの死後、竪琴は天に挙げられ、琴座になったといいます。

 私もいつか仙人のようになって、森の中で竪琴を弾けたら素敵だなと思っていました。しかし、そのような竪琴は物語上の存在なのだろう...。

時は流れ...3年前、現代版竪琴として作られたライアーに出会うことになります。

          

〇現代版竪琴、ライアーに出会う

 私は音楽を聴くことは昔から大好きだったのですが、小学生の時リコーダーが全く吹けなくて以来、楽器演奏を自分が最も苦手なことの1つだと思い込んでいました。

 楽しみにしていたコンサートに出掛けても、(変な話ですが)「もしこの会場に超能力者がいて、ひょんなことから私と演奏者が入れ替わってしまったらどうしよう」と心配したりすることもありました。演奏を楽しみたいという気持ちと苦手意識が交錯して、そのような妄想をしたのだと思います。

私は、失敗することや人をがっかりさせることを極端に恐れる性格だったので、苦手なことに向き合うことに心底恐怖し、できる限り避けたい!と思っていました。

    

            

 なるべく失敗しないような道を選択し続けた結果、私は新しいことに挑戦できない大人になりました。新しいことは特に失敗する可能性が高いと思ったからです。

 自分がやりたいことよりも得意なことばかりを優先していくと、作業に熱中しているときは充足感を得られても、自分の人生を通しての意味を考えたとき、「行き先を確認しないまま都合よくきた列車に飛び乗っているような」、どこにたどり着いてしまうのだろうという違和感や焦燥感を覚えました。

自分の長所を活かしているといえなくもないですが、段々と選択の幅が減っていっているような気がして、「燃料の補給をせずに、飛び続けている飛行機の気持ち」でした。日々飛行力が落ちていっているような気がしました。そもそも自分はどのくらいのことができたんだっけ?ということすら分からなくなり...。

 あるとき、「このままではいけない墜落してしまう!新しいことを取り入れなければ!」という気持ちになりました。しかし、今までとまるっきり変わるには、ちょっとだけ違う分野とか、ちょっとだけ違うやり方でできるものではできたとしても、自信にならないと思ったので、どうせなら苦手だと思っていることをやろうと思いました。

 とはいえ、昔からの失敗への恐怖心は根強く、自分を納得させるために、次のようにも考えてみました。

 自分が一番苦手だと思っていることに挑戦する姿を、SNSなどで発信し、世間の方に見ていただこうと。私の挑戦が、たとえ上手くいかなかったとしても、その過程を見ていただければ、同じように大人になってから、(いまさら・・・)と新しいことに挑戦することを躊躇している方たちに、一歩踏み出す応援になれるかもしれないと。

 そう自分を鼓舞して、苦手だと思っていた楽器演奏に踏み出すことにしました。

 それから色々な演奏動画などを見て楽器を選んでいる内に、ライアーという楽器を知り、調べてみたらなんと子供の時に憧れた夢のギリシャ神話の竪琴!!

 運命的なのか必然的なのか、もうライアーを弾くしかないと決心をしたのです。

             

○楽器の入手  トーンウッドギター工房

 ただ、弾き手が少なく量産されておらず、一般の楽器店では販売されていない楽器のため、入手自体が難しいものでした。

 色々調べて、愛知県日進市の「トーンウッドギター工房」さんが、「アフロディーテの竪琴」という素敵な名で、ハンドメイドのオリジナルライアーを制作されていることを知り、制作をお願いし、約一年の製作期間を経て、ようやく入手できました。2017年の6月2日のことです。

 珍しい楽器ついでに、もっと珍しくしようと思って、特注の白い塗装をお願いしました。職人さんがおっしゃるには、現在でもこの白いライアーはこの1台のみ!とのことです。

      

〇楽譜が読めない!

 楽器は入手できました。次は練習と実践です。といっても、音楽経験が全くなかったので、踏み出した後はずっとその場足踏みの状態で...

ライアーは弦の並びがピアノと反対なので、

「これがA.......A?!え!ラはAというの!?で、どれが次の音だっけ....??」

「楽譜は?ドレミファ...ソで、次はドシラソ...ファか....えっとFの弦はどこ?!」

「ト音記号の後にヘ音記号が書いてある。なにこれ?!(どうやらそれはヘ音記号ではなく、よく見ると逆向きのCで、4/4拍子という意味のようでした)」。

 次は4/4拍子について調べ...というような状態でした。

 そんな状態を見かねてか、作曲が趣味の友人が特性の楽譜を作ってくれました。ラはラと書いてある頼もしい楽譜です。

 さらにこんなアドバイスも。

「上達したかったら、楽器を手にした瞬間から、人前で弾くスケジュールを入れまくれ!」

 私はこの鵜呑みにし、晴れて竪琴を手にした一ヶ月目から演奏活動を開始するのです。

           

○はじめての演奏

 はじめての人前での演奏は、福岡のある酒蔵の方が主催されている日本酒の会にて行いました。

 しかし前述のような状態ですから、まともな音色を届けることすらできず....。技術不足はもちろん、極度の緊張もあいまって演奏どころではありませんでした。

 しかし、「スケジュールを入れまくれ」というアドバイスを鵜呑みにしていましたから、次の予定は迫っており、落ち込む暇も無く、なんとか次までに少しでもましな演奏ができるようにと、起きている間は常に竪琴を触っているような生活でした。

○教則本で学習

 まずはネットで演奏方法を調べましたが、調べて分かったことは、情報がないということだけでした。

 教則本もドイツ語のものしか見つけることができず、最初はとにかく自己流で楽譜の音の弦を見つけて繋げて弾くという練習をしていました。

 そのうちに、日本人によるはじめての日本人のためのライアー教則本が発売され、すぐに購入し熟読しました。

○名古屋に通う

 どこかでレッスンを受講できれば・・・とずっと思っていたところ、工房のある名古屋でレッスンが開始されたことを聞きつけ、ライアーを手にして半年後にようやく、福岡から名古屋のレッスンに通うことになりました。

 その後、福岡にシュタイナー思想に関連する商品のお取り扱いがあるお店を発見しました。

 ライアーはもちろん、書籍、玩具、装飾品、そして「水晶栽培セット」なんていうちょっと変わった雑貨もあるお店です。

 お店の方からライアーの先生を紹介していただき、福岡でもご指導を受けられるようになりました。

○レパートリー

 名古屋の先生が、もともとピアノをされていた方だったので、ピアノ曲をライアー用にアレンジして練習しました。

 私はノクターン2番がとても好きだったので、なんとかライアーで弾きたい!と一年くらいかけてずっと取り組みました。

 それから少しずつジャンルが広がって、昔ながらの日本の曲やアイルランド民謡、ジブリの曲も弾くようになりました。

    

○みうらまちこさんとの出会い

 ジャズ・シンガーみうらまちこさんに初めてお会いしたのは、2017年九州ツアーのときでした。一観客として、福岡市「バックステージ」さんでのライブを、友人と聴きに行っていました。

 その際にご縁をいただき、翌年のツアーで、『千と千尋の神隠し』のエンディングテーマ「いつも何度でも」の伴奏を、させていただけることになりました。

 実は、このとき私はまだライアーを始めて4ヶ月目くらいでした。後になって考えてみたら、大切なツアーの足を引っ張ってしまわないように、謹んで辞退申し上げた方がよかったのでは・・・という考えが浮かびもしましたが、とにかくそのときは、そんな夢のような機会になんとか挑戦したいという一心で、気づけば「何卒よろしくお願いします」と言っていました。

 まだまだ練習中の身であるにも関わらず、そのようなお話をくださったことが本当にありがたくて、それからの1年間はまちこさんとのイベントを大目標に練習に励みました。

 最初は、とにかく1年あればなんとか弾けるようになるだろうと思っていましたが、完全に1曲を弾けるようになるのはそんなに甘くなく...

 きちんと弾く技術ということの他に、音のゲシュタルト崩壊(というものがあるのかは分かりませんが)ともいうべき、同じフレーズを繰り返し弾いていたらもう何がなんだか分からなくなる状態が続いて...ひらがなの「ひ」もひひひひひひひひひと見ていると、すごく笑っているおじさんの鼻にしか見えなくなります!

「いつも何度でも」は、4番まであるし、伴奏なのでメロディーほど主張しないフレーズが続き...ミス無しで弾けたといえるようになったのは、本番の3日前くらいではないでしょうか(汗)。

 それも本番の緊張の元で果たしてちゃんとできるだろうかという不安がつきまとっていて。少しでも本番の緊張に似た場所で練習したくて、馴染みのダイニングバーの店長さんにお願いして、連日店内で練習させていただいたりもしました。

            

 2018年。11月23日、福岡市にある「バックステージ」さんで、続く25日は大分市にある「ブリック・ブロック」さんで、まちこさんの九州ツアーに参加させていただきました。

 まちこさんの「さすがプロ」という、どーんとした身構えを間近で見て、「あ!全然悩むところ違った!」と思いました。

 そこから、とにかく自分の音色をよく聴いて・・・でも続けてきくと訳が分からなくなるので、全体としての流れと部分部分、今の1音に分けて・・・ということをやっていると、あっという間に本番は終わってしまいました。

3 プライベート・トーク

○福岡お国自慢

 なんといっても、新鮮で美味しいものが安く食べられることですね。

○小中高時代

 うーん、とにかく失敗したり、人をがっかりささたくなくて、型にはまった子どもだったと思います。自分はこうしたいですとか希望を言うことも苦手でしたね。

 中学生のときは陸上部(長距離)に所属していて、とにかく走っていた記憶しかありません(笑)。個人競技が多い陸上ですが、みんなで走る駅伝は特に思い出深いです。

 高校では、茶道や演劇をかじりました。

              (左が詩音さん。右はお姉さん)

○大学

 中央大学法学部に入学しました。4年間を八王子の多摩キャンパスで過ごしました。

 私の人生の大恩師、山内惟介先生(専門は国際私法)という素晴らしい先生に出会いました。そこで受けたご指導が、大学生活での1番の宝物です。

○外国

 子供の頃、ドイツに2年ほど住んでました。その頃にはライアーとの出会いはありませんでしたが。

 3歳くらいのときと小学3年生のときですね。住んでいたのは、トゥービンゲンとボーヒュムです。全くドイツ語を知りませんでしたが、日本語学校ではなく現地の学校に通ってました。だいたいいつも詩とか教科書の文章の暗唱が宿題で出ていましたが、魔法の呪文を覚える修行だと思ったらことのほか楽しめました。規律や行儀などの指導はめちゃくちゃ厳しかった記憶があります。

 バス旅行でヨーロッパのあちこちを回りました。

 アメリカ、カナダ辺りは、今でも毎年旅行します。

   

○歴史

 もともと神話や伝承が好きなので、とくに古代の歴史にロマンを感じます。

最近は、明治維新のときに新しい日本の幕開けのために奔走した祖先のお話をお聞きする機会が多く、その侍の心にとても感動しました。

 まさに先日、新時代の起爆地ともいえる吉田松陰の松下村塾を訪れてみたくて松陰神社に行きました。自分が日本人であるというアイデンティティについてよく考えるようになりました。

○得意なこと

 とにかくコツコツ継続することが好きです。

 現在包丁研ぎの修行をしておりますが、ひたすらせっせせっせと黙々と研ぐ時間が楽しいです。

○カラオケ

 世界名作劇場『ロミオの青い空』劇中の『空へ...』という曲が大好きです。

 ONE OK ROCKも大好きです。

                  

(持っているのはONE OK ROCKのライブタオル)

〇大型自動二輪の免許もってます

 ライアーが完成するまでの間に、新しいこと第1弾として、大型自動二輪の免許を取りました。

    

4 現在の活動

○2台目のライアー制作中!

 ライアー生活は、とにかく試行錯誤!

 生まれ故郷のドイツでも、知る人ぞ知るマイナーな楽器のライアー。ジブリ映画『千と千尋の神隠し』で弾き語りに使われた事から、日本でも知られるようになってきたとはいえ、いまだ量産には遠く...

 「アフロディーテの竪琴」も取り扱いがあるモデルは、需要の高いソプラノモデルということでアルトモデルは存在せず...でも、もともとの竪琴は大地の響きと繋がる低い音色のものだったと知って、どうしてもアルトを弾きたくて...!

ならば.....自分で作ろう!!

トーンウッド工房の職人さんに協力を仰ぎ、デザインは自分で担当し、制作中です。

             

〇剣道

 よく著しく感動したときなどに、“琴線に触れる”などの表現をしますが、わざわざ琴の線(弦)ということは、なにか人の心と琴の線はリンクしているものがあるのではないかと思い、弾くときも弦を自分の心と思ってかき鳴らし、その表現で人の心の琴線も活性化するような音色を目指したいです。

 また、真剣という言葉も、真剣に〜するという表現があるように、剣のことを超えて広く物事にあたるときの姿勢に通じるものがあるのではないかと考え、ライアーをはじめてからご縁をいただいた日本刀研磨師で剣道7段位の方にご指導をいただきながら、剣の世界の勉強もしています。剣の世界を通してライアーを見つめなおすためです。

〇ラジオ

 今月(2019年3月)に入って、2件のラジオ出演をしました。一件は地元福岡、一件は、長崎県佐世保でした。なぜ佐世保かというと、その前の月にあった久留米でのライブの出演者の方が佐世保のFM番組をお持ちだったのです。活動をしていく中で、このように県外にも繋がりが広がっていくことがとてもありがたく、素敵だなあと思います。

 1回目の出演では初のラジオ出演ということもあってか、急性あがり症を発してしまい、過去の自分に助けを求め、前もって録音していた2重奏に重ねて3重奏という形で披露させていただきました。

佐世保では緊張が入り込む余地がないくらい音色に集中する(敬意を持っての方が近いかもしれません)ことを目標に取り組みました。なんと3時間!の番組だったので、4曲演奏させていただきました。

                

5 今後の活動

 まったくの演奏未経験からライアーを始め、もうすぐ2年が経ちます。現在は、ライアー一本に集中しています。

 ライアーと相棒のアリス(長期入院中の子ども達に、外の世界の景色をSNSを通じてお届けするプロジェクトのマスコット。おたまじゃくしの人形)を連れて、どこへでも出かけます。

 とにかく試行錯誤の日々です。練習を続けていく中で、練習と人前で弾くことは、全くの別物だと分かりました。本来は、練習であろうが人前であろうが、音色に向き合う姿勢等、ライアーと向き合う上で変わるところはない(変わってはいけない?)はずなのに....!

 とにかくたくさんの場数を踏んで慣れていくことと、同時に自分の認識の仕方や考え方に逐一深く向き合っていくことが必要だと気がつきました。ライアーが思い込みからの解放の楽器ということが身をもって理解される日々です。

 人前に出ると、緊張のあまり震えが止まらず、なんとも頼りない指が突拍子もないことをしでかしたり、弾く内容をさっぱり忘れてしまったり、その日そのときの椅子の高さ・服装・照明にすぐに対応できなかったり、弦越しに見える縦縞の服装の方の縞々と弦の見分けがつかなかったり...。

 そして何より、うまくいかなかったことがどんどん強烈に尾をひいて、「今回もだめかも...」なんて弱気がすぐに顔を出します。

             

 でも、ライアーを始めたときの気持ちの「シンプルにギリシア神話の世界観が好き」ということや、「新しいことができるようになりたい」「琴線に触れるような、いのちが喜ぶような音色を弾けるようになりたい」という気持ちもあるし、失敗しても、、「何か新しいことに挑戦しようとする人の一歩の応援になるのだからいいや!」と思えば、やっぱりどうしたって「もっと弾きたい」という結論になります。

 みうらまちこさんをはじめ、快くたくさんの演奏の機会やアドバイスをくださった全ての方々に、心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。

 ライアーという没頭できるものに出会えて、とても幸運に思います。でも、運がよかったからたまたま出会えたとか、そういう運命的な出会いにめぐり逢うまで待たないといけないとかそういうことではなくて、もともとはありふれたきっかけの1つを自分で大事に育てて、それが自分にとって運命的と思えるようなものにまで成長してくれただけじゃないかなとも思います。

 今までは、失敗することに非常に恐怖を感じていましたが、挑戦をするときに感じる恐怖心は、渇望の気持ちのことだったのかもとも思います。恐れるのではなく、これを求めていたんだ!そしてこんな気持ちに出会えるための全ての繋がりが、なんて尊い!とありがたく楽しんで、これからも挑戦を続けていきたいです。

   

(取材を終えて)

 詩音さんの印象を漢字一文字で表すと、「清」もしくは「聖」。

人生を一篇の詩と見て生きるきよらかな詩人。

 ライアーが似合いすぎて、もはや一体化しているように見えます(笑)。

 弱気な発言が多く、一見ガラスのハートのように思えますが、そのガラスは決して割れない(笑)。

 私は最初は文学少女系の方と思っていたのですが、中学生時代、陸上選手であったということを知り「あれ?」。最近は剣道を習い始めたということで「おや?」。

 取材の最後で、「大型自動二輪免許取りました」という情報が入り、見方が変わりました。

 たおやかな外見とは裏腹な、アクティブで強靭な精神力の持ち主と確信しました。

 演奏者の少ないライアーは、チャンスが高いともいえます。近い将来九州から全国に名を知れる演奏家に成長されるのではないでしょうか。

 大人になってからチャレンジした詩音さんのご活躍は、ご本人の望むように、たしかに世間にエールとして届くことでしょう。

詩音さんのFB「詩音のライアーハープ」

https://www.facebook.com/leierharp/

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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