Facebook清水 友邦さん投稿記事
自分が弱いと自覚している野生動物は、生き残る為に何をすべきか解っているので素早く逃げます。
肉食動物は、鋭い爪と牙をもっているので、獲物を見つけると躊躇せずに襲いかかります。
人間の脳は、大きく本能と感情と理性の三つのシステムで構成されています
野生動物は「戦うか逃げる」かでエネルギーを本能的に放出することができますが、人間は本能よりも理性が優位なので、エネルギーをうまく解放することができません。
心身が分離してしまっているのです。
生死の危険に直面した時、身体内部にアクセルを踏んで高速回転する本能系と理性のブレーキによる、強い混乱状態が内部で起きてエネルギーを閉じ込めてしまいます。
理性によって神経系統の中に閉じ込められてたエネルギーは、やがて、心の不都合と身体の問題、人間関係、社会の問題行動となって浮上して心身を破壊します。
これがトラウマで悩む人の体の中に起こっている症状です。
欲しいものを手に取ろうと思った瞬間、筋肉はすぐに行動に移すための準備をします。
しかし、ダメと怒られたりして行動を抑制すると、その使われなかったエネルギーは筋肉に閉じ込められます。
筋肉には動こうとする筋肉と抑える筋肉があります。
欲求が起きると筋肉は動こうとしますが、それを抑えて表現しないと同じ力で押し合う筋肉の相克状態が置きます。
それが慢性になると肩こりや腰痛が起きます。
「肩がいかっているのは不安を、猫背なのはひけめを、背筋がまっすぐで固いのは融通が利かず頑固なことをしめしている。(アレクサンダー・ローエン「引き裂かれた心と体」)」
感情を抑圧すると言う事は、衝動が意識にのぼってくるエネルギーの通路を封鎖してしまうことです。
感情を繰り返し抑圧していると、特定の表情、特定の筋肉、特定の体型が出来上がります。
ウィルヘルム・ライヒは慢性的な自我防衛の抑圧パターンを性格の鎧といいました。
筋肉の鎧で覆ってしまうと、もはや身体を感じなければ、感情もまた感じることができません。
生命エネルギーが体に流れなければ、心身が病的な状態になります。
自分がエネルギーそのものだという実感を得られません。
筋肉の相克状態による体の症状は、痛みの本質を理解していない施術者、治療家に鍼灸、マッサージ、指圧、整体または医者による西洋医学の投薬や手術などで、症状をとっても、またしばらくすると、同じことが起きてしまいます。
自分の欲求を実現できない状況に追い込む筋肉の相克状態は、自虐行為なので同じことを何回も繰り返します。
自分が自分に対して行っている自虐行為による症状を外からの力で治そうとすることは、問題の先送りなので事態は改善しないばかりか、むしろこじれて悪化してしまう事が起きます。
治療により症状がなくなっても、根源的な問題はそのままなので、今度は別な形で心や身体、家族の崩壊や社会的問題となって現れて来きます。
セラピストやヒーラーがクライアントに直接できることは何もありません。
自分自身の力で直してもらう自己治癒力に気がついてもらう。
自分が自分で行っている自虐行為を本人に気がついてもらうことを促進してあげるだけです。
頭はそうとう愚かなので、本人が気がつくまで同じ間違いを延々と繰り返します。
自分が自分の体に行った行為による筋肉の相克状態は、自分が自分の体に行う行為によって改善したほうが問題は起きにくいのです。
大切な人との別れは誰でも悲しいものです。
ところが喪失感の時に泣くことが出来ないと、泣く時に動く筋肉が相克状態になり体に緊張が残ります。
誰でも深い悲しみを持っています。悲しみは誰もが心の奥底に持っています。
多くの人は、自分の悲しみに直面するよりも、筋肉を緊張させて感情を感じないでいることを好みます。
悲しみの背後には、愛を受け取れなかった恐怖と絶望を潜在意識は知っています。
「大声を出してはいけません」「人前で感情を出してはいけません」「男が人前で泣くのはみっともない」子供が衝動を出す事を両親は許しません。感情を出す事を社会は許しません。
文化的、社会的なプログラミングをされた偽りの自我は、感情が出ることを怖がり体は緊張しています。
緊張がゆるむ時に、多くの人が最初に体験する感情は悲しみです。
その感情を頭で止めないで、あるがままに受け入れると、通常の泣き方ではなく、打ち震れながら泣き崩れます。
震えることで感情の通路をせき止めていたブロックが崩れるのです。
「泣くこと、すすり泣くことは緊張を解放する最も早道だ。マッサージやエクササイズで緊張を取り除くこともできるが、最も深い効果を発揮するのは泣くという行為である」(アレクサンダー・ローエン「ナルシズムという病」)
生命エネルギーの流れをせき止めているブロックは、主に腹部です。
分離された生命エネルギーは、深い悲しみと絶望感として腹部でとぐろを巻いています。
身体感覚から切り離された頭は、それを受け入れることを恐れます。
恐怖から逃げてしまえば恐怖に捕まってしまい身動きが取れなくなるのです。
性的に興奮することを「オーガズム」といいます。
ライヒはオーガズムを、生命エネルギーにからだ全体を完全に明け渡すことといっています。
生命エネルギーの中心は下半身のお腹にあります。
お腹と股関節と脚と足裏(呼吸道では命門と会陰と湧泉)に回路ができてエネルギーが流れることを「グラウンディング」と言います。
グラウンディングが起きると大地から栄養を吸収する根のようにエネルギーが充電されます。
呼吸が命門に落ちるようになって悲しみ、恐れ、怒りから自由になります。
子供はお母さんと一緒にいると、未知の領域に立ちむかっていく勇気を養うことが出来ます。
グラウンディングによって、生命エネルギーが流れて母なる大地と繋がっていると、お母さんと一緒に冒険の旅をする幼子のように、究極的に守護されている絶対的安心感を持つことが出来ます。
お母さんと一緒にいると「何があっても絶対大丈夫」なのです。
呼吸道のワーク中に子供の頃の恐怖が甦った人がいました。
子供の頃の否定的な記憶が浮かんで来たのです。
本人はいままでもやもやしていた原因がはっきりしたと言っていました。
否定的な感情をあるがままに受け入れて表現すると、筋肉の緊張が取れて、しまい込まれていたエネルギーの解放が起きます。
永遠の喜びは、常に恐怖と絶望という参道を通り抜けて生まれるのです。
先日、大谷翔平が通った小学校の向かいで清水友邦トークLIVEが行われました。
カミさんにソウルサウンドライアーを奏でてもらいました。
お忙しい中参加された皆さん、準備されたスタッフの皆さん、主催された千田さん、ありがとうございました。楽しい会でした。
https://blog.seikiin.com/archives/9769 【引き裂かれた心と体 A・ローエン】
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/heart/?p=11397 【レジリエンスとは?漢方の考え方「心身一如」でストレスをしなやかに受け流す。】より
「レジリエンス(resilience)」という言葉を最近よく聞きませんか?レジリエンスとは、ストレス社会と呼ばれる現代で注目されている言葉のひとつで、再起力や回復力、しなやかさという意味を持つ言葉です。つまり、ストレスなどの精神的な負担もしなやかに受け流し、ココロとカラダを丈夫で健康に保てる人は、レジリエンスが高い人といえるのです。では、どうしたらレジリエンスを高めることができるのでしょうか。今回は、漢方の視点から考えてみましょう。
漢方の考え方「心身一如」を取り入れて、レジリエンスを高める。
レジリエンスは本来、あなたのココロとカラダに備わっているものです。たとえば、学校なら試験の合否が出たとき、ビジネスの場ならプレゼンがうまくいかなかったときや、利益が出なかったとき、上司の評価が低かったとき…。ショックやストレスで、打ちひしがれることがあるでしょう。そんなココロのダメージは、頭痛やめまい、喉のつかえ、不眠などの不調となってカラダにあらわれることがあります。
漢方では「心身一如(しんしんいちじょ)」と言われるように、ココロとカラダは表裏一体。精神面に負荷がかかると、体調にも影響をもたらすと考えます。また逆もしかりです。ココロとカラダは、互いにバランスをとりながら、健康を保っているのです。
「心身一如」ココロとカラダのバランスがとれた健康な自分でいるためにカンタンに出来る3つの養生をおすすめします。
1.カラダを回復させる時間をつくること
自分が楽しめる趣味に没頭したり、リラックスした環境でくつろいだり。回復につながる休息が必要です。
2.深呼吸を心がけること
ゆったりとした深い呼吸は、ココロとカラダを調和させます。息を吸う時間よりも、吐く時間のほうを長めにとり、できれば鼻で呼吸をしましょう。
3.漢方薬で心身のバランスを取ること
体調にまで影響するココロの不調は、漢方薬でケアすることもできます。自身の体質に合った種類を取り入れて、心身のバランスを整えましょう。
漢方薬を取り入れて、ココロとカラダのレジリエンスを高めよう
病院へ行っても「どこも悪くない」と言われる。けれど、慢性的な不調が続いている時は、漢方薬を活用しながらレジリエンスを高めるケアを試してみるのがおすすめです。
気をめぐらせ、喉のつまりを改善
■半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
言いたいことを我慢してカラダの中に溜めていると、喉がつまっているような違和感が生じたり、咳が出たりといった不調が生じることがあります。身体を動かす機会が少ない方や、ストレスを感じている方にも多い症状です。疲労やストレスは、カラダのエネルギーでもある「気(き)」の巡りを邪魔してしまうと考えられています。とくに、喉の気が滞ると、違和感を覚えるようになるのです。
半夏厚朴湯は、気の巡りを促して喉のつかえや違和感を改善する漢方薬。半夏(はんげ)や、茯苓、厚朴、蘇葉、生姜の5種類の生薬を配合しています。喉の異物感やつかえだけでなく、不安神経症や神経性胃炎、しわがれ声などに処方されることも。
気の滞りを解消して余分な熱を冷ます
■柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
仕事や人間関係でイライラして眠れない。テスト前や試合前に緊張して、気持ちが不安定になってしまう。そういったココロへの負荷も気の巡りを滞らせます。気が巡らないと、カラダの中の熱がこもり、不眠といった症状を引き起こすのです。
柴胡加竜骨牡蛎湯は、そんな気の巡りを促し、ほてりを冷ましながら心を落ち着かせてくれる漢方薬。ストレスによる不眠を和らげます。柴胡や半夏、茯苓、桂皮、黄芩、大棗、人参、竜骨、牡蛎、大黄、生姜といった生薬を配合。高血圧の随伴症状(動悸・不安・不眠)だけでなく、便秘や更年期神経症などにも役立ちます。
肝の高ぶりを落ち着かせ、イライラを緩和
■抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
漢方では精神が高ぶって怒りやイライラが現れることを「肝(かん)が高ぶる」と表現します。ストレスを十分に発散できないために、自律神経が乱れたり、痛みを生じたりすることもあるでしょう。感情を抑えられなくて、人や物に当たってしまう人もいるかもしれません。
抑肝散加陳皮半夏は、そんな肝の高ぶりを抑えながら、カラダの血(けつ)を補い、気や血(けつ)を巡らせる漢方薬です。ストレスが体に与える影響を和らげ、ココロを安定させる作用が期待できます。当帰や陳皮、川芎、釣藤鈎、白朮、茯苓、半夏、柴胡、甘草などの生薬を配合。女性の産前産後や更年期などホルモンの変化に伴う血の道症や、子どもの夜泣きに使われることもあります。
こまめなストレスケアでレジリエンスを引き出そう!
お気づきのように、レジリエンスはご自身の「気の持ちよう」「物事の捉え方」で高めることができます。そのために意識したいのは、何と言っても後回しになりがちなココロのケア。会社や学校を休むことを恐れず、浅くなりがちな呼吸は深く。大切ないのちを輝かせるために、心身の調和とバランスがとれた暮らしを心がけたいです。「心身一如」多少のストレスはしなやかに受け流せるレジリエンスの高いココロを育みましょう。
https://manaclinic.jp/bio-psycho-social 【こころとからだ~心身一如】
クリニックのコンセプト「こころとからだ」をどう調整していくか?
私(院長)の経歴に触れながら、「こころとからだ」の結びつきについて、また、クリニックで大切にしたいことをお伝えします。
私の精神科医としてのスタートは、女性外来との出会いでした。
当時、男女差を意識した医療の必要性が謳われ、我が国でも女性外来が全国的に普及してきていた時期でした。
多くの女性の診療をするなかで、女性特有の悩み(冷え、月経の問題、更年期など)に対して漢方薬がとても効果的でした。
そこで、より深く学びたいと思って漢方医へ師事し、大学病院の東洋医学外来を担当していた時期もあります。
漢方医学で重視する概念のなかに「心身一如(しんしんいちにょ)」があります。
こころとからだはつながっていて、心の不調が体の症状に影響したり、体の症状が心の不調を招いたりします。
「身体表現性障害」と呼ばれるような病気やうつ病の一部では、精神面よりも体の症状が前面に出てくることがあります。
また不安障害や、適応障害などストレス性の病気でも、様々な自律神経症状(頭痛、めまい、息苦しさなど)を伴うことがあります。
体の症状だけに着目していてはなかなか改善しない場合もありますし、逆に体の症状が楽になってくると心の面の回復が早まることもあります。
心(精神・心理面の症状)と体(身体面の異常や症状への対応)、加えて環境(家族・学校・会社など患者さんを取り巻く周囲)の調整は、精神科治療の三本柱です。
もちろん、女性外来だけではなくこれまで勤務した医療機関では当たり前のこととして男性患者さんも診察してきましたが、初めに培った男女の違い(性差)を意識した診療と、個別性を大切にする漢方診療の経験はとても役立ちました。
例えば女性の場合、家庭の事情からくる悩みが病気の発症や経過に大きく影響することがありますが、男性の患者さんでは、仕事、退職など社会的な事柄に左右されやすいといった違いがあります(もちろん、多くの女性が男性同様に社会で働く現代ではこの限りではありませんが、傾向としてはみられます)。
「性差」を意識することは、ひいては「年齢、世代による違い」「個々の違い」を大切にすること。
老若男女を問わず、目の前の患者さんとお話ししながら、
「この方は何にお困りなのだろう?」
「どんなお手伝いができるだろう?」
と、おひとりおひとりの困りごとを吟味して対応を考える。
これを今後もクリニックの診療のうえでの柱としていくつもりです。
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