https://ayukablog.wordpress.com/ 【ウクライナ・ロシア戦争の報道】より
報道というのは、ほんとうに大きな影響があるものだんだとコロナ禍でつくづくと思い知らされましたが、ウクライナとロシアの戦争でもそれを強く感じざるをえません。
最初に私のスタンスをいえば、軍事侵攻には基本的に反対です。なので現在世界のいくつもの地域で市民が攻撃され、建物が破壊されていますが、それらのすべての侵攻、攻撃にも反対です。(特に英米のイラク侵攻は今でも大反対です)
しかし、ヨーロッパで起きているということで、西側の報道はロシアのウクライナ侵攻のみに集中していますね。西側にとって冷戦時代からロシアは敵であり、ハリウッド映画でもいつもロシア人はスパイや悪人として描かれてきました。
なので今回も、ゼレンスキーはヒーロー、プーチンは悪人という映画か漫画のようなストーリーが展開されています。
と書くと、一方的に侵攻しているロシアの肩を持つのか!と叱られそうですが、このブログの目的は、どちらかの肩を持つというより、私たちはこの戦争を公平にみているのか?にあります。冒頭に書いたように、私はいかなる侵攻も正当化したくありません。
ただ、ロシア側の報道がぜんぶプロパガンダで、西側の報道はすべて正しいというのも非常に偏りがあると思うのです。西側は西側で当然自分の側に立ったものの見方しかしません。
紛争地の交渉に30年以上関わってきたアメリカ人のウイリアム・ウリー(William Ury)さんという方のインタビュー動画があります。私はイギリスでmediator(仲介交渉人)の資格を持っていることもあり、この国際紛争の仲介交渉のプロの意見を非常に興味深く視聴しました。
長い話を短くすると、彼によると紛争解決のために大切なのは、まず「聞く能力」であるということです。相手の立場に立って話を聞いて、相手の立場から世界を見る能力。
そして、世界はロシアに対して厳しく対応すればするほど良いと思っているけど、一番良い交渉とはロシアにとって一番簡単(easy)にしてあげることだというのです。これはもうほんと目から鱗ものでした。
彼曰く、相手がYesと言いやすい交渉をして、相手の現在の戦略を捨てさせることだというのです。これは人間の心理をよくわかっている人の発言ですね。
残念ながら、西側の報道はプーチンやロシアを悪者扱いにするだけで、聞く耳を持つという態度はどこにも見られません。それどころか報道全体がロシアを理解するなんてもってのほかで、ヘイトだけを煽りまくっている状態は心から残念です。
ベルリンの壁が崩壊したとき、ゴルバチョフは東ドイツから軍隊を引き上げた際に“ここから1ミリも東にNATOが勢力を広げてはいけない”と発言しました。ところが、NATOはそれを無視してどんどん勢力拡大を続け、今やロシアの玄関先にまで迫っています。
ヨーロッパの地図を眺めながら、NATO加盟国が年々拡大していった状態を見ると、自分がロシア側だったら、これはかなり嫌かもと思ってしまいます。プーチンもNATOの拡大に関して、ロシア存亡の危機だと何度も言っています。自分たちはあなた方の国境に迫っていないですよ、とあるインタビューでも語っていました。
一方NATO側からすれば、ロシアの脅威がある限り、拡大は仕方がないことなのだ!となるのかもしれません。しかし、ここでもポイントは、私たちは両方の言い分を公平に聞く耳を持っているか?ですね。
ちなみにアメリカ軍事国際関係の専門であるジョン・ミアシャイマー教授のシカゴ大学での授業は事実ベースでとても分かりやすいです。彼は、NATOの政策(西側の政策)の失敗が今回の戦争をもたらしたと主張しています。メディアでは取り上げられない一つの見方として参考になるかと思います。(ブログ末にリンク添付)
NATOの拡大や2014年のオレンジ革命、そして国内ナチスの影響など振り返れば、ハリウッド映画のようなウクライナ善、ロシア悪といった見方を超えた、今に至る要素はあちこちにあったでしょう。ジョン・ミアシャイマー教授の言葉を借りれば、西側はクマの目を突き続けてきたとのことです。
さて、私は市民だけではなく、兵士が負傷したり、死んでしまうのもものすご〜く嫌です。どちら側にしろ、私たちと同じ人間です。なので、やはりどちら側にも立ちたくないし、平和派で貫きたいと思うのです。
誰かを敵対視し、憎むことがなんの解決にもならないことは、人類は今までの歴史を通してよく知っているはずです。ところが、毎日同じ“ロシア悪報道”がされると、私たちの心の中に憎しみもどんどん刷り込まれてしまいます。
こうやって刷り込まれた結果、ジョン・ミアシャイマー教授のような西側にも落ち度はあったという見方は、今更とても受けつけられない雰囲気がバンバンにあります。今のイギリスでロシアにも言い分があると言ったら、非国民扱いされそうなぐらいです。
こうやってみると、人間のほんとうの敵は相手ではなく、憎しみと不理解、自分を振り返る能力の欠如かもしれません。
また、わたしたちにとって最も難しいことは、自分は正しいという思いから抜け出すことですね。もちろん自戒も込めてですが、自分が正しいと強く信じている限り、相手の言葉は耳に入ってこないものです。
ジョン・ミアシャイマー教授の戦争を終わらす提案の一つがウクライナの中立化です。ウイリアム・ウリーは、結局すべての戦争は最終的に交渉で終わるのだから、もう今交渉するべきであると主張しています。
しかしそれも、報道が一方だけ悪者にしている限り、なかなか実現は難しいでしょう。
一見話は飛びますが、コロナ禍では、例えばワクチンを打たない人を我がまま、非科学的、人種差別主義者とレッテル貼りをし、悪者扱いするのみで、どうして打ちたくないのかという理由に耳を傾ける姿勢はまったくありませんでした。
こういった分離と憎悪を煽るエネルギーがいわゆる権威者たちから発せられ続けられきましたが、今回の戦争報道も同じようなエネルギーの延長線上にある気がします。しかし一方で、分離感が強まれば、私たちの中にある本質のエネルギーのつながりたい、仲良くしたい、笑い合っていたいというエネルギーもより目覚めていくでしょう。
ということで、まずは自分から。自分の中に敵はいるだろうか? 自分の中に自分を嫌い、許していない部分がないだろうか? 自分が嫌っている部分の声に耳を傾けている?と振り返ってみたいなと思うのです。
というのも、自分への否定やヘイトが減っていくと、どれだけ報道が煽ったところで、自分が反応できなくなるからです。違和感がすごく出てくるはずです。
私たちの多くが報道にそのまま流されてしまうのは、やはり私たちが自分の中に恐れや自己嫌悪的な思いを無意識にいくつも抱えているからでしょう。
“戦争で最初に犠牲になるのは真実だ”(The first caualty of war is truth)という言葉があります。
自分が自分に耳を傾け、理解し、そして自分に正直でいれば、錯綜する情報や出来事の中でハートが真実に反応していくようになるでしょう。
報道や人から言われたことを鵜呑みにするよりも、自分の中でじっと感じて、そして自分はどうありたいか、自分の中のパワーに目覚めたいですね。
◎ノンデュアリティと癒やしの動画をアップしました。
FacebookAyuka Mizoguchiさん投稿記事·
悟りや目覚めに惹かれる大きな理由の一つとして、苦しみから逃れたい、世界が不穏な中で平和でありたい、迷いが多い中ではっきりとした答えをつかみたい、などなどというのがあるでしょう。
では目覚めれば、心が平和になり、苦しみは消えるのでしょうか?
以前ブログにある覚者の“悟る前に鬱、悟った後も鬱”という言葉を書いて思いっきり誤解されてしまいました。
さぁ、今回の対話ではそのへんうまく話せたでしょうか。宜しければご覧ください
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