https://www.nagano-c.ed.jp/tatekou/img/file290.pdf 【俳句をつくる①】より
窪田英治先生
第8回目は、窪田英治先生を講師に招き、俳句の作り方を教えていただいた。「五七
五」の短い音の中に、個人的体験・社会的背景・作り手の好みなど、大事なものがた
くさん詰まっていることを知った。特に、「俳句はプラス思考(指向)がよいこと」や
「対象物を意識して見たり聞いたりすること(好奇心)が大切である」ということを
学んだ。同じものを見ても、見る人によって見え方や切り取り方は変わり、一句とし
て同じものはできないということから、“個性”を大切にすることを教えていただい
た。後半は、「コロナウイルス」や「洪水」、「身の回りの出来事」などを題材に、真剣
に考える生徒の姿が印象的だった。
https://www.nagano-c.ed.jp/tatekou/img/20210824haiku2.pdf 【俳句をつくる②】より
第9回目は前回に引き続き、窪田英治先生を講師に招き、生徒が作った俳句の添削を
していただいた。「季語は必要だがなるべく1つにし、重複は避けること」「報告・説明
はしない」「漢字とひらがなを上手に使い分けること」「切れを入れるとリズムが出る」
など、適切なアドバイスを頂戴した。また、俳句づくりのイメージを膨らませるため、
白紙に言葉を書き込んでマインドマップを作り、連想していく手法を教えていただいた。
今回のテーマは、『今年の夏休み』ということで、生徒は思い思いの言葉を紙に書きつ
け、5・7・5のリズムに乗せて俳句を考えていた。一から自分で言葉を紡いで作品を
生み出すむずかしさと同時に、楽しさも感じながら制作を進めることができた。
令和3年度「蓼科学」実施報告書
【生徒の授業日誌より】
・みんなの俳句を読み、よくできているなと思った。俳句について知らなかったこと
をたくさん知ることができて、とても勉強になった。俳句はほんの少しのうそ(話を
盛る)を入れてもいいということを初めて知った。
・自分が季語だと思っていなかった言葉が季語だったりして驚いた。必ずしも五七五
である必要はないんだなと感じた。切れを入れることで俳句らしさが出ることや、数
字は漢数字で書くことがわかった組み合わせを変えるだけで印象がガラッと変わるこ
とがわかった。
・俳句を作るのは自分が思っているよりも難しく、「ルールがあるんだなあ」と思いま
した。みんなが作った俳句を見ると、作り方がキレイな人が何人かいて、「言葉選びが
上手だなあ」と感じました。また、季語ではなさそうな言葉が季語だったりして驚き
ました。
http://subaruof819.blog39.fc2.com/blog-category-24.html 【「炎天」というイメージからの連想 MM0001】より
まず上記の画像「炎天というイメージからの連想」を保存し印刷して、それを御覧になりながら、以下お読み下さい。
上記のを保存できない方は、以下のサイトにアクセスして保存して下さい。
http://blog-imgs-19.fc2.com/s/u/b/subaruof819/mm_enten.gif
A4ほどのおおきさの紙の中央に、お好きな言葉(季語が最善ですが)を書き四角形で囲みましょう。できれば目立つ色で。黒でもかまいませんが。
今回は「炎天」を中央に書きました。
「炎天」から連想する言葉、たとえば「渚」「学校」「希望」などと書き、「渚」から「沖」「ヨット」「帆柱」「裸」などと思い浮かぶ言葉を書いていきます。
つながりのある言葉は、線でつなげますが、手書きの場合にはそのつながりの強さで線を太く、赤などの目立つ色で表現します。それぞれの言葉は、今回○で囲んでいますが、四角形でもOKです。
また連想するものを言葉だけではなく、絵や記号でもよいです。
おおよそ書き上がりましたら、書いた図の言葉や絵を眺めましょう!
いくつかの言葉などからイメージを作っていきましょう。
たとえば、「炎天」「渚」「渇き」から連想すると
炎天の渚を走る渇きかなという一句ができますし「沖」「ヨット」からは・・・
沖めざすヨットのゆらぐ眩暈(めまい)かなが生まれます・・・。
「炎昼」「書棚」「豪華本」の連想で・・・炎昼の書棚に傾(かし)ぐ豪華本という句が作れます。いかがですか?簡単ですね?(笑)
炎天といえば、山口誓子の句に炎天の遠き帆やわが心の帆というのがあります。
ご自分でも、ぜひお試し下さい。
旅行や散歩などしなくても新しい体験やイメージが想像しやすくなりますのでエキサンティングな俳句ができるのではないかと思いますよ、きっと!
このマインドマップ作句法をご活用下さい。
https://www.koka.ac.jp/child/news/3186/ 【読解と思考の技法の授業風景:俳句】より
京都光華女子大学リベラルアーツ科目読解と思考の技法の授業風景(俳句の授業)を紹介します。
俳句とは、五・七・五の十七音からなる日本の伝統的な定型詩です。高度情報化社会において、4Kテレビから8Kテレビの時代に移り、私たちが目にするリアルを超えた映像を見ることができる時代になっています。また、インターネットの普及と発展により自分が必要とする情報を瞬時に得ることも可能です。
このような時代において、学生に日本の伝統文化である俳句の存在意義や価値について、改めて考えてもらいたいと考えています。
俳句は、17音という厳選された言葉とそのならびから映像を思い浮かべ、時代を超えてその情景や作者の思いなどを受け止めることができます。自分の頭の中にあるスクリーンに映像を思い浮かべることは、まさに想像力を豊かにし豊かな感性を磨くと共に、さらには、自らの創造力を拡充することに繋がるのです。
今回の講義では、石田破郷(いしだ はきょう)の「雀らも 海かけて飛べ 吹き流し」という句を教材にして、学生が想像することの楽しさや俳句の奥深さを実感してくれることを目的に講義を展開しました。
講義を進めるにあたって工夫したことを以下に紹介します。
1.個人思考:俳句をよんでこれまでの学習経験や既有知識をもとに、まずは、自分で気づいたことや感じたことをまとめる。
2.個人思考・判断・表現:俳句から想像することのできる情景を絵に表現する。
3.他者と考えの共有:表現した絵を他者と交流し、説明する。
4.知的好奇心:どの言葉から何を想像することができるのかという問いの設定。
5.新たな発見と感動・深い学び:全体交流を通して、自分の中にあるモヤモヤを「なるほど」とすっきりさせる「なるほど体験」
学生の学びの様子について紹介します。写真も合わせてご覧ください。
【全体交流での「なるほど体験」】
・「雀らも」→「も」だから複数
・季語は、「吹き流し」→初夏
・雀が飛ぶ(飛ぼうとしている)方向は→陸から海に向けて
・海風・陸風→昼間は、海から陸に向けて風が吹く。夜は、陸から海に向けて風が吹く。
・景色が見えているということは、昼間。
・つまり、雀らが飛ぶのは「向かい風」
・「吹き流し、雀ら」から想像できるのは、こどもたちかもしれない。
・向かい風だから、困難に負けないで力強く進め、というエールかもしれない。
【学生の感想】
今回、俳句を読み、そこから場面や情景を想像し、絵を描いたことで、情景をより深くイメージすることが出来ました。俳句はとても短い文ですが、そこからとても素敵な情景や場面がわかると気づき、俳句は素晴らしいなと感じました。また、情景や場面だけでなく、作者の強いメッセージも伝わり、さらに俳句は深いものだなと感じることができました。ありがとうございました。
たった17音の中に色々な情景や場面が描かれている俳句は奥が深いなと感じました。一見、なぜこの言葉が使われているのか、と思う言葉でも、意味や伝えたメッセージを考えた時に、納得させられるので、深く考えて句を詠む人の感性や想像力などに心を動かされました。そして、読み手によって解釈が異なるので、こんな読み取り方もあるのか、とハッとさせられました。色んな人の意見や考えを知ることは、自分の世界を広げてくれると感じました。
今回の授業で俳句の読み方、感じ方を改めることができました。中学高校生のころは、難しい表現が使われていて、テストのためだけに覚えるようにして取り組んでいました。しかしそれでは俳人の意図がうまく受け取れず、俳句本来の良さが何も理解できていないと思いました。また、言葉に着目し、疑問として意味を調べることから、さらに、深く読み何を表しているかなど、その言葉を通して何を伝えたいかという疑問を持てるようになりたいと思いました。
この俳句を読んだ時、雀たちが防波堤に居て、吹き流しが海に向いているのだと思い、そこから、吹き流しのように海に向かって飛べということではないかなと私は考えました。ですが、全体交流の場でいろいろな謎がとけていき、とても深いなと感じました。また、深く読むためには知識がないといけないということも実感しました。
はじめに読んで、どういう状況かを考えた時には飛んでいる方向もふきながしが何なのかもわからなかったけれど、言葉の意味や自然の仕組みがわかると雀が飛んでいる姿が詳しくイメージできて、向かい風に立ち向かう姿から困難にも立ち向かって進んでいけというメッセージがあることも実感することができました。
今日の授業では、俳句を楽しむ、読むポイントを学んでから俳句を読みました。俳句は短い文章だからこそ、何度も読み返すことができるので、言葉ひとつひとつに作者が込めた思いを知ることができると思いました。俳句は、季語を通して季節や時間、様子などを知ることができると改めて感じました。俳句を読んで、様子を絵に描いた時に、俳句を読んだ時とは違う疑問を感じました。吹き流しが何か、雀ってどんなだったか、雀はどこにいるのかなど複数の疑問を感じました。様子を絵にするためには、たくさんのことを知っておかないと描くことができないと思いました。俳句を深く読んで情景を想像することができて俳句を楽しめたのでよかったです。
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