Facebook・Taste France Magazine 投稿記事
放牧と聞いて、思い浮かべるのはのどかな風景🐏大自然の中に、家畜たちを放っておくだけではありません✋しかし、あまりに人間の手で管理しすぎるのも問題。
「世界のどの国を見ても、乾燥地帯や寒冷地、山岳地帯では、牧畜が農業収入の主な源となっています。人と動物と自然の関係が牧畜の要です。家畜が牧畜環境に合った丈夫で飼いやすい品種であること、夏の牧草地が生育中の家畜の胃袋を満たせるだけあること、家畜が環境と資源の質と豊かさの維持に貢献すること、これらの要素が一つでも欠けると牧畜は機能しません。」バスク地方に暮らすマイナ氏は言います。
様々な土地の特徴を生かし、家畜にも環境にも負荷の少ない方法を探りながら、で伝統を守
りつつ。現代の放牧も進化し続けているのです✨
【夏の放牧 ~ 伝統の先にあるもの】より
牧畜とは、古くから行われてきた家畜の飼育方法です。穀物やサプリメントに頼らず、高山の牧草地や山道に家畜を放ち、餌のすべて、または一部をまかなうものです。この伝統が果たす自然への役割に目を向けてみましょう。
エマニュエル・ラフェイ(Emmanuel Lafaye)と初めて会った日のことを私はずっと忘れないでしょう。羊飼いのエマニュエルと彼のパートナーの園芸家が営む農場は、フランス南東部のアルルから数キロ離れたところにあります。小さな眼鏡を鼻にかけ、紳士的な農夫のような顔をした彼は、初対面のときはどちらかというと無口でした。のちに、彼は都会が嫌いで、人間といるよりも羊と一緒にいる方が好きだと打ち明けてくれました。
エマニュエルは毎年、食肉用の羊の群れを連れて「山の上に行ける」日をひたすら待っています。穏やかな陽光がさし、気温が上がってくると、平地では草が枯れ始めます。エマニュエルはその頃合いをとらえて、リュベロン山脈を越え、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏オート・アルプ県の山間部にあるデヴォリュイの夏の放牧地へとアルルメリノ羊の群れを導きます。
メリノ羊の群れは5月から10月にかけて移動します。「夏の暑さが厳しくなればなるほど、新鮮な牧草を求めて高いところに上がっていかなければなりません。標高1,800メートルを超えるデヴォリュイの山の牧草地は、自治体から借りている土地です。牧草地の歴史は農業と密接に結びついており、昔の人たちが作物を育てられなくなったところが牧草地になっているのです」とエマニュエルは言います。牧草地や山地放牧地は60 000 軒の農家の生活を支えています。これはフランスの牛・羊・ヤギ・馬の畜産農家の18%、家畜数にして全体の22%に相当します。
バスク地方に暮らす30代のマイナ・シャスヴォン(Maina Chassevent)も同様に、バスコ・ベアルネーズ種の羊の群れを引き連れ、夏の半年間は標高1,500メートルの牧草地へ、残りの半年は低地の農場を転々として冬を越します。「夏の間だけは、決まった場所に定住することができます。5 月から 10 月までは、カヨラールと呼ばれる石造りの小さな山小屋に住んでいます。そこには道路が通っているんですよ!」
世界のどの国を見ても、乾燥地帯や寒冷地、山岳地帯では、牧畜が農業収入の主な源となっています。人と動物と自然の関係が牧畜の要です。家畜が牧畜環境に合った丈夫で飼いやすい品種であること、夏の牧草地が生育中の家畜の胃袋を満たせるだけあること、家畜が環境と資源の質と豊かさの維持に貢献すること、これらの要素が一つでも欠けると牧畜は機能しません。
「自然は空白を嫌うものです。条件が厳しい地域を自然と管理できるのが牧畜です。家畜の群れを定期的に通過させて、植生の丈を短く保ち、細かい草花を生やそうとしています。羊は生物多様性に良い影響を与えていると断言できます。移動放牧は、自然の中で暮らす人々が受け継いできたものです。自給自足で家畜を養うためには欠かせません。夏に山地放牧をしない場合、一年の内の数か月、羊たちに穀物を与えなければなりませんが、そんなことはお断りです。」と、エマニュエルは力強く締めくくりました。より高いところを目指し、山小屋に戻る準備を整えている彼には、辿るべき道がはっきりと見えているのでしょう。
https://a-eru.co.jp/story/ 【和えるについて】より
日本の伝統を次世代につなぐ
和えるは、『先人の智慧(ちえ)を私たちの暮らしの中で活かし、次世代につなぐこと』を目指し、次世代に伝統をつなげる仕組みを創出するために、誕生しました。
伝統は、先人がそれぞれの時代の感性を常に加え、私たちにつなぎ届けてくれたもの。
先人の智慧を過去のものにするのでも、形を変えずに保護し続けるのでもなく、今を生きる私たちの感性を和(あ)え、現代の暮らしに活かすことで、次世代につなぎたい。
和えるは、”先人の智慧”と”今を生きる私たちの感性”を和えた、豊かな暮らしを次世代につなぐ仕組みを生み出しています。
『和える』に込めた想い
私たちの社名になっている『和える』。
ごま和えなど、お料理の時にも聞かれる言葉です。『和える』とは、異なる素材同士がそれぞれの形を残しつつも、お互いに魅力を引き出し合って一つになり、より魅力的な新たなものが生まれることを指します。和えるのロゴは、2つの丸が重なりあっています。
赤い丸と、たくさんの小さな円が連なった「七宝柄」の丸。
赤い丸は日本の国旗、日の丸のイメージから『日本の伝統・先人の智慧』を表し、七宝柄の丸は『今を生きる私たちの感性』を表しています。
『日本の伝統や先人の智慧』と『今を生きる私たちの感性』を、和え物のように和えることで、互いの本質を引き出し、より魅力的な日本を次世代につなぎます。
また、七宝柄は「円がつながる=ご縁がつながる」と古くより愛されてきた文様です。
和えるのロゴでは、円一つひとつの連なりに、今を生きる私たち一人ひとりを重ね合わせています。
私たちは伝える職人
和えるは業種の垣根を越えた事業展開を行っており、脈絡がないように感じられるかもしれません。
けれども、私たちは全てがつながっていると考えています。
和えるはジャーナリスト集団のように、日本の伝統を「伝える職人」を目指しています。
例えば、小売事業は「モノを通して伝える」、ホテル事業は「空間を通して伝える」、文章や写真で「伝える」こともあれば、体験を通して「伝える」こともあります。
あらゆる取り組みの根底には「伝える」が常に流れているのです。
また、和えるが事業を行ううえで、大切にしている3つの原則があります。
・日本の伝統が次世代につながること
・三方よし以上であること
・文化と経済が両輪で育まれること
これらが達成される事業であれば、どんなことでも挑戦するのが和えるです。
その時代ごとに求められる方法で、柔軟に日本の伝統を次世代につないでいきます。
日本の伝統は人を優しくする
和えるが最終的に実現したいのは「美しい社会で生きる」ことです。
私たちは、日本の伝統には人を優しくする力があると実感してきました。
職人の手で作られたものを大切に使ったり、季節の移ろいを楽しんだりする時間は、
ふとした日常に優しさをもたらしてくれます。
日本の伝統は守るべき対象ではなく、人の心を豊かにする手段の一つなのです。
日本の伝統が広がると、優しい人が増えていく。
優しい人が増えると、自ずと美しい社会がやってくる。
和えるは「美しい社会で生きる」ために、日本の伝統を次世代につなぎ続けるのです。
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