https://www.asahi.com/articles/ASJ505GRPJ50PTFC00W.html?iref=pc_photo_gallery_bottom 【芭蕉の俳句など16点発見 荘子への傾倒、自筆で示す
有料会員記事】より
芭蕉筆「野ざらし紀行」旅中句切(個人蔵)。左端の4行が連句。「夜千鳥鳴ければ主人」という状況説明に続き、「酒の闇寒し春の夜千鳥哉 百則」と主人、「朧の柳窓の二百歩 大仙寺」と僧が詠んだあと、芭蕉が「三股(マタ)の桜にのぼる人有て 愚句」と続けている
写真・図版
芭蕉筆怒誰あて書簡(個人蔵)。1692(元禄5)年3月23日付。近江国膳所藩士の門人、怒誰に宛てた書簡。左端に芭蕉の署名がある
写真・図版
江戸期の俳人松尾芭蕉の俳句や書簡など16点の自筆資料が新たに見つかった。俳諧俳句関連のコレクションで知られる柿衞(かきもり)文庫(兵庫県伊丹市)が2日、発表した。旅の途中に連句に親しむ様子や、中国の思想家荘子への傾倒ぶりがうかがえ、芭蕉の幅広い交友関係を示す貴重な資料だ。
資料のほとんどは関西在住の個人の所蔵品で、柿衞文庫が調査し、新発見の資料と確認された。
新発見の俳句は「野ざらし紀行」の旅中に芭蕉が書き残したメモとしてつづられていた。水口(みなくち)(滋賀県甲賀市)を訪れた際の連句会で詠まれたもので、連句会の主人の発句、伊賀大仙寺の僧の脇句に続き、「三股(マタ)の桜にのぼる人有て」の句が「愚句(ぐく)」(芭蕉が謙遜して用いた署名)の名で記されていた。連句会があったことは紀行文に記されていたが、句の内容は伝わっていなかった。
書簡は1692(元禄5)年、
https://ameblo.jp/sakadachikaba/entry-12600048545.html 【芭蕉のようにはなりたくない(62)】
芭蕉27歳の句を引きます。
五月雨も瀬ぶみ尋ぬ見馴河
読み方は、サミダレモ セブミタヅネヌ ミナレガワ。句意は、「五月雨で水嵩の増した見馴川だが、当の五月雨もそっとその雨脚を踏み入れて、浅瀬を探しているようだ。その名も見馴川というのに。」この句意は日本古典文学全集『松尾芭蕉集①』(小学館)によります。見馴川は歌枕で、奈良県五條市を流れる現在の寿命川だそうです。雨脚(あまあし)という語が言い掛けられた句づくりですね。
20代の芭蕉の行動がどうしてわからないのか。別に芭蕉だけでなく、井原西鶴も近松門左衛門も与謝蕪村も若い日の経歴は不明です。数年前、四国・松山でロバート・キャンベルさんに会ったとき、その話をしましたら、家産を継ぐ長男ではないからではないか、という話になりました。そうかもしれません。でも、弟子に若い日の事を話さなかったのでしょうか。弟子たちが若い芭蕉を語らなかったのはどうしてでしょう。分からないことが増え続けています。
今日はバスとモノレールを乗り継いで2カ月ぶりに柿衞文庫へ出勤します。車で数回行ったのですが、普通の通勤の仕方をするのは久しぶりです。ちなみに、コロナで休館していた柿衞文庫は6月2日(火)から開館します。(5月28日)
http://bokyakusanjin.seesaa.net/article/406492201.html 【聞きしにまさる芭蕉展】
今日、柿衞文庫の芭蕉展を観覧した。想像以上に素晴らしかった。
私の教え子である学芸員のNさんにギャラリー・トークをお願いして、たっぷり1時間あまり、堪能した。
まず、私の情報が不正確だったことをお詫びする。
前半・後半で展示入れ替えが大幅に行われるということを申し上げたが、実は、全面入れ替え、つまり、すべて入れ替えだそうだ。全体を見るためには、明日か明後日ぜひいっていただき、来週火曜以後にもう一度お出かけいただきたい。それだけの価値がある展示である。
なぜ、それだけの価値があるのか。今回、ここ30年で新発見、あるいは再発見された芭蕉自筆の資料がたくさん出ていることは言ったが、それには理由がある。故柿衞翁岡田利兵衛先生との特別な関係のある所蔵者の出品(つまり個人蔵)が多く出品されているのである。つまり、柿衞文庫だから出品を承諾した、岡田先生にお世話になったから出品するというものが多いというのである。ということは、この展示で見なければ、もう二度とみられないものが多くあるということである。Nさんも、「この作品は、もう二度とみられないでしょう」と解説を挟む場面がしばしばである。
正直、こんなにすごい展示なのに、入場者が少ないのは本当に残念である。これは芭蕉あるいは俳諧に興味のある人なら、多少遠方からでも観覧に来る価値が十分にあるものである。しかも、展示にも工夫が凝らされていて、コーナーごとにテーマがある。今回の新資料で目玉のひとつである許六宛書簡に関わるいくつかのまとまった資料の展示は見ごたえがある。あるいは謡曲を前書にして、聴覚視覚の両方に訴えかける句世界をまとめたコーナーなど。後半も、別のテーマを立てての展示となるようだ。
さて、展示とは無関係だたもうひとつ瞠目すべきことがあった。ちょうど岡田柿衞翁の御令嬢で、俳諧研究者でもある岡田彰子さんがお見えであった。私はハイデルベルク大学から阪大にお仕事でお見えの、アロカイ先生をお連れしたのだが、岡田先生は大喜びで、がんがん英語で話しかけるのである。「あのー、日本語でも十分通じますよー」と心の中で叫んだのであるが、その英語の堪能さにびっくりした次第。"Please come here often""I like to talk in English"など。ものすごく生き生きと話されていた。アメリカにしばらく住んでおられたそうである。後半の展示もまた楽しみである。
http://bokyakusanjin.seesaa.net/article/406212380.html 【ロバート・キャンベルさんの特別講演】 より
キャンベルさんが関西に講演にいらっしゃる。
家人の企画でもあり、ここで紹介させていただく。
大手前大学大学院20周年(大手前学園70周年・大手前大学50周年)記念、「第17回大手前大学比較文学会」特別講演の講師として。日時、演題などは下記の通りである。
講師 ロバート・キャンベル氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)
演題 復興の先にあるもの 都市災害と日本文学の関連をめぐって
日時 平成26年11月21日(金) 15:30~17:00 (開場15:00)
会場 大手前大学 さくら夙川キャンパス A棟4階 A44教室
参加費 無料 定員300名
申し込みが必要である。webの場合、http://www:otemae.ac.jp/
くわしくは、こちらをご覧いただきたい。
告示後1週間程度で100人以上が申し込んでいる由、定員になり次第受付終了となるそうである。したがってちょっと早い案内ではあるが、このタイミングであげました。
http://bokyakusanjin.seesaa.net/article/408675758.html 【キャンベルさんの講演会で小冊子が無料配布される】より
既報したとおり、大手前比較文化学会(大手前大学)が主催するロバート・キャンベルさんの特別講演会が近づいてきた。その講演会にちなみ、同大学図書館が、素晴らしい手作りの小冊子(B6判カラー)を作っている。来聴者には無料で配布されるという。
CDでいうところの両A面というのか、片方が「ロバート・キャンベル先生著作資料」、もう片方が、図書館司書がオススメする「震災と復興を読む」の読書案内である。
キャンベルさんの著作紹介は13ページに、編著書8、論文等25、電子データ36。それに加えて37本の「本学所蔵なし」の論文・記事を収めている。私のような者にも大変便利な著述目録になっているが、キャンベルさんフアンには必携のデータとなるだろう。また震災と復興に関する図書案内もよくできていて、75点(当図書館所蔵のもの)すべてに図書館の司書の方が目を通しているらしく、自身の言葉で推薦文をしたためている。しかも、これは特別なことではなく、同図書館では、講演やゲストスピーカーの授業などがあるたびに、このような小冊子を作成しているらしいのである。
この冊子を作成したのは平原麻唯子さん、図書館の本の展示などを統括したのは守屋祐子さんである。手作りなので紙折りなどで多くの方が協力しているらしい。
まだ席が少しだけあるということであるので、もう一度案内をしておきます。
講師 ロバート・キャンベル氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)
演題 復興の先にあるもの 都市災害と日本文学の関連をめぐって
日時 平成26年11月21日(金) 15:30~17:00 (開場15:00)
会場 大手前大学 さくら夙川キャンパス A棟4階 A44教室
参加費 無料
定員300名
申し込みが必要で、Webからの場合、http://www:otemae.ac.jp/
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