肛門の病気について

Facebook・佐々木 みのりさん投稿記事

下剤を飲んだり、腸内環境を改善したり、ストレッチや体操など腸活を頑張ってもコロコロ便で切れ痔が治らなかった理由は、とても単純なことでした。

https://ameblo.jp/drminori/entry-12655073985.html?fbclid=IwAR1DDDyDc4KScgmAyts6_BpKmcQdnQOhf4EJUHaJmYBB8bu0Pm5EnHMiokA【腸活してもコロコロ便なのは何故?】 より

今日は引き続き患者さんが書いてこられた質問にお答えするシリーズ最終回です。

2枚目の経過に書かれている内容について解説とアドバイスをしたいと思います。

便秘に対していきなり下剤を飲むのはちょっと抵抗がある・・・

そんな時に手を出しがちなのが「便通に効く」と謳われている健康食品。

実際は「便通に効く」と謳うことは薬事法違反になるので「モリモリ出る」「おなかがペッタンコに」などと効果効能を直接言わないフレーズに変えられていますが・・・。

そしてこの患者さんが手を出したのが「モリモリスリム」という商品。

この商品、今まで数々の患者さんが飲んで下痢になっておられたのでよ〜く知っております

現物を持ってこられる患者さんも多く、実際に商品を確かめました。

そうしたら・・・アントラキノン系下剤が入っていましたあせる

飲み続けると腸が黒くなって動かなくなってしまう成分。

飲めば必ず効くけれど、腸には負担がかかります。

依存性・習慣性が強く、それを飲まないと便が出ない体になってしまうので、売る方にとってはリピートしてもらえるので好都合ですね

腸を黒くするアントラキノン系下剤の成分は、欧米だと医師の処方がないと手に入らないのに日本では野放し状態。

ダイエットサプリなどにも入っていることがありますので、必ず成分をチェックして下さいね。

詳しい解説はコチラに書いていますので是非お読み下さい下矢印

腸を黒くする下剤や健康食品に要注意 〜大腸メラノーシス〜

コンブチャクレンズという商品にはアントラキノン系下剤は入っていませんでしたが、本当に便通に効くかどうかは人によると思います。

腸内細菌との相性がありますからね。

で、この患者さんはどうだったのか?というと、アントラキノン系下剤が入っているモリモリスリムで下痢になり、下剤成分が入っていないコンブチャクレンズでは一瞬便通が良くなったけれどコロコロ便になりまた便秘に・・・。

そしてそれだけではなくストレッチや運動をして腸活も頑張っておられました。

なのに便秘が治らない・・・

コロコロ便でオシリにトラブルが発生し受診されたのですが、出口に便がありました。

そうです。

出残り便秘です。

皆さんが一生懸命、頑張っている便秘対策は「腸の便秘」向け。

出口(肛門)には効きません。

腸は正常に動いて毎日せっせと便を作り、出口まで運んでくれているのに、送り届けられた便を排泄する過程でつまずいたのです。

だからオシリにトラブルが起こったわけです。

問題は出口で起こっているのに、腸に効くモノを飲んだから下痢になったのです。

腸は正常に動いているのに、必要の無い下剤を飲んだから、下痢になったのです。

下剤も健康食品も食物線維も乳酸菌も、これから作られる便には効きますが、既に出来上がって出口の所に下りてきている便や、ましてや出し残した出残り便には効きません。

だから出始めがコロコロ便だったのです。

出始めのコロコロ便は昨日の残便。

この患者さんに限らず、出口の便秘に対して腸に効くモノを飲んだり、腸活を頑張っている人は本当に多いです。

もしも便秘治療を頑張っているのに改善されないのであれば出口の便秘を疑ってみて下さい。

便はどこで停滞しているのか?

おなか(腸)なのか?

出口(肛門)なのか?

どこに便が溜まっているのかで治療が違ってきますので、そこの見極めはとても大切。

的外れな便秘治療をしないためにも意識してみてくださいね

2020年12月25日に本を出しました!


http://www.touge-geka.jp/original28.html  【肛門の病気について】 より

おしりから血が出る病気について(西広島タイムス)

・おしりから出血する病気の多くは、「肛門の病気」と「大腸の病気」に分けられ、その病気の種類は様々です。

・肛門の病気で出血する代表例は「いぼ痔」と「切れ痔」です。排便時に痛みを伴う場合は切れ痔で、痛みがない場合はいぼ痔のことが多いです。

・大腸の病気で出血する代表例は「憩室出血」、「大腸炎(虚血性腸炎/潰瘍性大腸炎/クローン病など)」、「大腸がん」です。大腸の病気といっても、必ずしもお腹の症状(腹痛や排便異常など)を伴うとは限らず、お腹の症状が全くない場合もあります。

・一般的に、血の色が新鮮血(きれいな赤色)であれば肛門から、赤黒い場合は腸からの出血と認識されていますが、必ず一致するわけではありません。出血が長く続いたり、頻回になったり、粘液が付くなどの症状がみられる場合は、大腸がんが隠れていることもありますので、痔と思い込まずに早めに専門医を受診しましょう。


おしりから膿がでる病気『痔ろう』(西広島タイムス)

おしりから膿がでる病気『痔ろう』のコラムが西広島タイムスに掲載されました。

・肛門周囲膿瘍は、肛門の奥にある小さなくぼみに、ばい菌が入ることにより突然腫れてしまう病気です。

・膿を出すことで完全に膿瘍が消失しまうこともありますが、肛門内のくぼみと排膿した穴との間にばい菌のトンネル(瘻管;ろうかん)が残ってしまうことがあります。これを「痔ろう」と呼びます。

・症状は、痛みや腫れ、膿が出るなどがあります。

・検査は、肛門エコー(超音波)検査、CT、MRIなどです。

・瘻管が残ってしまうと自然治癒は期待できないため、根治手術が必要となります。手術をしないで炎症を繰り返すと、瘻管の本数が増えたり枝分かれするなど、複雑になってしまうため、治療が難しくなります。複雑な痔ろうは、入院治療が必要となりますが、単純なものであれば日帰り手術が可能です。

・おしりの穴付近から膿が出る場合は、放置せず早めに専門医の受診をお勧めします。


『いぼ痔の治療』(西広島タイムス)

いぼ痔(痔核)の種類は内痔核と外痔核があります。ざっくりとした見分け方は、押し込むと肛門内に戻るのが内痔核で、戻らないのは外痔核です。

治療は、症状が軽いうちは軟膏などの薬物療法を行いますが、症状が進行すると外科治療が必要となります。痛みや出血は薬で軽減することが多いですが、徐々に進行した脱出症状を薬で抑えることは困難です。外科治療は、内痔核には注射で治す硬化療法(ALTA療法)と痔核切除術がありますが、外痔核には硬化療法を行うことができません。

痔核の程度によっては日帰り手術も可能ですが、仕事などは、術後数日程度は無理のない範囲に調整するなど、術後ケアをしっかりできる環境を整えることをお勧めします。


『子供のおしりトラブル』(西広島タイムス)

子供も大人と同様に痔になることはあります。「ウンチに血が混ざる」、「ウンチを痛がる」、「おしりが腫れている」など症状は様々です。

男の子には、痔ろう(肛門周囲膿瘍)が多く、1歳くらいまでの赤ちゃんに多く現れる症状です。肛門の横が赤く腫れ、触ると痛がります。切開して膿を出すと治まりますが、繰り返すことが多いのが難点です。根治手術は通常必要ありません。

女の子は、硬い便による切れ痔が多いのが特徴で、通常は軟膏などで治療が可能です。

硬い便になるのは、食物繊維や水分不足が原因となりますが、遊びに夢中になったり恥ずかしさなどから、いわゆる“後回し”にすることも便秘となります。うまくトイレのタイミングを作れないことや、生活リズムの変化、運動不足、ストレスが加わることも原因とされています。

便秘が長引くと、切れ痔以外にもいぼ痔が生じることもありますので、海藻類やキノコ類のほか、お子さんに取り入れやすい乳酸菌飲料などを積極的に取り入れることをお勧めします。

一度痛みを覚えると、怖がって排便を我慢していることもありますので、お子さんの便通を時々確認されると良いでしょう。


おしりから『粘液・水が出る病気』(西広島タイムス)

お尻から粘液(粘っこいゼリー状の液)や水分が出てきたり、意図せずに漏れて肛門周りが湿っぽく感じる場合があります。

大腸の病気では、潰瘍性大腸炎などの炎症、大腸がん、直腸脱などが挙げられます。

肛門の病気では、内痔核、痔ろう、肛門周囲炎、肛門がんなどが挙げられます。

大腸の粘膜は、元々粘液で保護されていますが、脱出や病気により炎症を起こすことで、粘液分泌が増加します。また、肛門周囲の皮膚も、便の付着によるかぶれや、紙で擦りすぎることで浸出液や粘液が発生します。つまり、粘液が出る場合は、大腸や肛門の病気の可能性があるので注意が必要です。診断は、肛門鏡や大腸内視鏡を行います。

一方で、粘っこくないサラサラした水分が漏れる場合は、ウォシュレットの使い過ぎの場合があります。ウォシュレットを長時間あてると、自然に直腸内の水分が漏れ出ることがあり、慢性化すると肛門周囲炎が生じる場合があります(ウォシュレット症候群)。

粘液が出る方、特に血液が混じる場合は、早めに専門医の受診をお勧めします。


おしりが腫れる病気ついて (西広島タイムス)

おしりが腫れる病気ついてのコラムが西広島タイムスに掲載されました。

※画像クリックで拡大されます。

おしりが腫れる病気はいくつかあり、対処法が異なるので注意が必要です。

肛門のすぐそばに腫れがある場合です。寒い季節や飲酒する機会に多いのは、「血栓性外痔核」です。これは、肛門の血流が悪くなり、血液の塊(血栓)ができる病気です。皮膚の下に青い血栓が見える場合があります。入浴などで温めると痛みも腫れも軽減しますが、腫れが大きい場合は軟膏が有用です。

肛門より少し離れた場所が腫れる病気です。この病気は、「肛門周囲膿瘍」といい、膿がたまることで熱感と強い痛みが生じます。感染が原因のため、温めたり、軟膏を使用しても治癒することはありません。治療は、抗生物質を服用するか切開して膿を出します。

いぼ痔が脱出して戻らなくなった場合は、「嵌頓痔核」といいます。いぼ痔の血流が悪くなり、腫れてしまうことで発症します。入浴して温まると、肛門が緩み、戻せることがあります。

いずれの病気も自宅での対処で改善することは少ないため、長引く前に早めの受診をお勧めします。


肛門エコー検査について (西広島タイムス)

肛門エコー検査ついてのコラムが西広島タイムスに掲載されました。

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肛門エコー検査は、主に『肛門周囲膿瘍』や『痔ろう』を詳しく調べることが可能です。

➤ 「肛門周囲膿瘍」は、肛門のすぐそばに膿がたまり、腫れている部位を触ると痛みを生じる病気ですが、まれに肛門の縁よりかなり深い場所で膿がたまり、表面が全く腫れない場合があります。そのような診断が難しい症例でも、肛門エコーをすると、膿のたまった位置や量を画像で正確に確認ができます。

➤ 肛門内のくぼみと排膿した皮膚の穴との間にトンネルが残ると「痔ろう」となります。このトンネルの本数や、枝分かれの有無は、触診のみではわかないこともあり、痔ろうの精密検査でも肛門エコーは有用です。痔ろうは再発が多い病気ですが、エコー検査を組み合わせることで治療効果を高めることが可能です。

肛門エコー検査は、診察時にいつでも行うことができます。


おしりにできる”できもの”について (西広島タイムス)

肛門の病気ついてのコラムが西広島タイムスに掲載されました。

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肛門のまわりに“できもの”が気になった方は少なくないと思います。

一時的にできて消えるものや、何十年もずっとあるものなど様々です。

おしりにできたからといってすべてが痔ではありません。

肛門の病気の他、直腸の病気、皮膚の病気など種類は様々です。

 ・しこりや硬い豆のようなもの ⇒血栓性外痔核、

                 スキンタグ(皮膚のたるみ)

                 見張りイボ

                 肛門周囲膿瘍など

 ・肛門の穴から出てくるもの  ⇒いぼ痔(痔核)

                 肛門ポリープ

                 直腸脱

                 直腸ポリープ

                 直腸がん

 ・皮膚の“できもの”      ⇒粉瘤

                 単純性ヘルペス

                 尖圭コンジローマ

                 皮膚がんなど

肛門は、自分でみることができない場所のため、病気の状態の把握が難しく、恥ずかしさもあり病院に受診するタイミングが遅れがちになります。治療が早期に必要な病気もあるため、自己判断は禁物です。特に、徐々に大きくなる場合や出血が続く場合は、早めに専門医の診察をお勧めします。


切れ痔の治療について (西広島タイムス)

切れ痔は裂肛(れっこう)といい、主に硬い便により肛門の出口付近の粘膜が切れてしまい発症します。

多くは排便の調整と外用剤(坐薬や軟膏)で治癒しますが、繰り返すと徐々に硬い瘢痕や肛門ポリープを形成し、難治性となります。

一旦、慢性化した裂肛は元には戻らず根治術が必要となります。

治療法は①肛門拡張術 ②裂肛切除術 ③側方内括約筋切開術 ④肛門形成術

などがあり、瘢痕などの付随病変の程度や狭窄の度合いによって治療法を選択します。

いずれも日帰りで治療することが可能ですが、高度の狭窄を伴う場合は入院での治療が必要となる場合があります。

【日常生活の注意事項】

①硬い便や下痢便を避ける

②出血や痛みがあった場合は外用剤を使用する

③刺激物を控えめに


Q.便が硬いとよく出血します。大丈夫ですか?

A.肛門から出血する病気の多くは、「肛門の病気」と「大腸の病気」に分けられます。肛門の病気で出血する代表例は「いぼ痔」と「切れ痔」です。大腸の病気で出血する代表例は「大腸憩室」、「大腸炎」、「大腸がん」です。一般的に、新鮮血であれば肛門から、赤黒い場合は腸からの出血と認識されていますが、必ず一致するわけではありません。便が硬い時に限って鮮血の出血がある場合は、痔が原因である可能性が高いですが、出血が頻回になったり、粘液が付くなど、症状の変化がみられる場合は、痔と思い込まずに必ず専門医にご相談ください。痔と思っていたら、診察を受けて大腸がんがみつかるというケースは、決して稀ではありません。近年、大腸がんが増えています。抵抗はあると思いますが、大腸や肛門の診察を受ける勇気が大切です。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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