http://www.asahi.com/area/mie/articles/MTW20190121251850001.html 【「寒凪(かんなぎ)」朝晩の冷え込み注意】より
暖冬予想が続いているものの、去年の暮れからはたびたび強い寒波が襲来し、寒さを感じる日が増えてきた。今年の年末年始は、実家の四日市でゆっくり過ごしたが、幸い「寒気」と一緒に、2歳児、3歳児の元気な姪(めい)っ子がやってきたお陰で寒さを忘れるほどにぎやかな年越しとなった。
きのう1月20日は「大寒」。「小寒」(今年は1月6日)から2月3日「節分」までを「寒の内」といい、一年で寒さが最も厳しい頃とされる。「寒〇〇」というと、皆さんはどんな言葉を思い浮かべるだろうか。「寒造り」「寒仕込み」は寒さが厳しいこの季節に酒や味噌(み・そ)の仕込みをしておくこと。雑菌が繁殖しにくく美味(おい)しく仕上がると言われている。今年は「寒仕込み」の味噌を仕込んでみたい。
他にも辞書をひいてみると、寒ブリ、寒稽古、寒椿(かんつばき)……。天気に関する言葉でも寒〇〇が色々と出てきた。日常というよりは俳句などに使われてきた言葉のようだが、「寒晴」「寒日和」は厳しい寒さの中の晴れ。寒いほど空気が乾燥するため、はるか遠くまで澄んだ空が広がる。「寒の雨」は寒の内に降る冷たい雨、寒中の穏やかな陽気は「寒凪(かんなぎ)」。美しい日本語の響きに感銘を受ける。「寒凪」の日は朝晩一層冷え込むためご注意を。 (いしぐれ・あきこ=気象予報士)
https://keigetu0024.livedoor.blog/archives/18081044.html 【冬凪、寒凪】より
冬の海は荒れることが多く、特に日本海側は強い風波が立ちます。これが嘘のように凪ぐ日があるのです。私の故郷の瀬戸内海は大抵穏やかに凪いでいます。先日訪ねた由比ヶ浜も白波は見えましたが美しい藍色の海は凪いでいるように感じました。海浜公園に船形の実朝の歌碑がありました。「世の中はつねにもがもな渚こぐ あまの小舟のつなでかなしも」
漁師の何気ない日常の風景を見ながら世の中が常に変わらずあってほしいものだの意味です。
芭蕉は、弟子の木節に、「中頃の歌人は誰なるや」と問われ、言下に「西行と鎌倉右大臣ならん」と答えたそうです。
冬凪ぎて砂に小貝の美しく 吉屋信子 冬凪や漁師ばかりの理髪店 水野李村
寒凪や歩いて行けさう初島は 和田祥子 冬凪を渡る父母居なくとも 慶月
facebook俳句大学(俳句通信学部)投句欄 ·岡田 耕治 さん投稿記事
寒凪や余計なことは考えず 公彦
荒れることの多い冬の海だが、今日(31日)は午後から大阪湾の波も静かになった。静かになった海を見ていると、来る年への意欲が湧いてくるように感じられた。私たちは、知らないうちに溢れるような情報の海にさらされるようになった。情報が必要以上に荒れまわり、誘導しようとする海を進まなければならない。そんな荒れた海であっても、例えば今日の海のように、自分の力で鎮めていく必要があろう。そう、「余計なことは考えないで」ということは、肝心なことに目当てをもって進むこと。1年を締め括るに相応しい一句で、この一句鑑賞を終えることができた。公彦さん、ありがとうございます。
私が編集・発行している「香天」が、12月の発行となったため、一日一句のペースを保てず、皆さんには御迷惑をおかけした。どうぞ、この句のような凪の海へとご海容いただきたい。みなさん、ありがとうございました。
https://ameblo.jp/brmedit/entry-12639562087.html【寒凪の夜の濤一つ轟きぬ 川端茅舎】より
真冬の深夜。「寒凪(かんなぎ)」とはいえ、静かな波音は聞こえていただろう。
その波音が床の中の眠れぬ作者の黙想を誘う。「寒」なので黙想の内容は暗いものだったに違いない。その暗さが極みに達したとき、突然大きな波音が「一つ轟(とどろ)き」、黙想を覚ます。「濤(なみ)」は大波のことだ。
作者は濤のことを考え、荒れ始めた海のことを考え、少しのあいだ暗い思いから離れたが、しばらくするとまた黙想に沈んでいった、というような内容だろう。
表面上描かれているのは一つの濤だが、真のモチーフは濤音の前後の眠れぬ長い夜に違いない。作者42歳、病没する2年前の作品。
https://note.com/markun1968/n/nf90b903b657e 【【俳句】冬蜂 寒凪 日短 年の果 討入り〜碧 萃生】より
冬蜂の羽ばたく先の磨硝子すりがらす 寒凪かんなぎや解体現場の足場伸ぶ
日短ひみじかを伝へて妻の手を止めぬ 電飾の道まっすぐや年の果
討入りの日や小走りにごみを出し
「討ち入り」や「義士」に関する言葉は、ポピュラーなこの時期の季語だと思っていた。
ところが、普段僕の使っている「合本 俳句歳時記」(角川学芸出版)には、「討ち入り」の季語はない。「義士祭」が載っているが、これは春の季語となっている。
この「義士祭」は東京の泉岳寺で4月の初めに行われる行事とのこと。
例えば京都の大石神社では、毎年12月14日に「山科義士祭り」が開催されるが、季語にはなっていない。「討ち入り」は季語ではないのか。
ところが、最近入手した「カラー図説 日本大歳時記 座右版」(講談社)には「義士会」が冬の季語として掲載され、「義士討入りの日」が子季語となっている。
昔は、この頃になると、テレビで赤穂浪士の映画やドラマが放映されていたが、最近はそんなものもない。
朝、顔を合わせれば、「今日は討ち入りですね」「そうですね」そんな挨拶も、聞かなくなった。もっとも、理由がなんであれ、ひとりの年寄りをみんなで取り囲んで殺してしまうなんていうのは、今ではコンプラ的に問題があるのかもしれない。
http://utawarawa.blog.fc2.com/blog-entry-2042.html 【冬凪(ふゆなぎ)・寒凪(かんなぎ)・凍凪(いてなぎ)」は、俳句歳時記の季語「冬・三冬」になります。】より
冬の季節風が止み移動性高気圧におおわれると、冬の海は静まり無風状態になります。「冬凪」です。寒の内の冬凪が「寒凪」、凍るような寒さの中での冬凪が「凍凪」です。
では、俳句です。
冬凪や妙義裏山遊び猿 松根東洋城 寒凪や障子張りてより空蒼き 渡辺水巴
寒凪の夜の濤一つ轟きぬ 川端茅舎 冬凪の漁舟きらめくもの積めり 米沢吾亦紅
冬凪の檸檬色づくほのかなり 水原秋櫻子
https://plaza.rakuten.co.jp/sakaken1786/diary/201712240000/【冬凪を愉しむ鳥達】より
朝日を浴びながら、刻一刻と変化していく朝凪の大海原。この凪の日を、長らく待ち侘びていたかのように、何処からともなく鴎や千鳥などの海鳥が、小魚を追い求めながら集まってくる。遠くには、夢の大橋が横たわり、海面を照らす朝日とも相俟って、雄大なシルエットを浮かび上がらせている。また朝日を浴びて輝く海辺は<我らの溜り場だ>と言って誇示しながら、翅を誇らしげに拡げる小鳥達。眼間(まなかい)には、輝きを増す海面が浮かび上がり、何故か心を豊かにさせてくれる。既に今年も冬至を終え、これからは日毎に日照時間が増していくだろう。 <寒凪や 気まぐれ鳥の 笑まひ顔>
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