Facebook・ごとう 孝二さん 投稿記事「笑いとバカの凄い力」
もうダメかもしれない…と思うような絶望的な状況に陥ったときに私たちができることは何でしょうか
どんなに賢く利口な人でもその人の「すべて」が取り上げられてしまうような状況下では、
ただただ絶望することしかできないかもしれません
むしろ、周囲を思い通りに動かしていたような賢い人ほどそれが不可能になったことにひどいショックを受けるものでしょう
しかしじつは絶望的な状況であればあるほど「バカな力」が有効になってくるのです
オーストリアの精神科医・心理学者であったヴィクトール・フランクルが、自身のナチス強制収容所体験に基づいて書いた『夜と霧』(みすず書房)という有名な本があります
その本の中で、彼は笑いやユーモアの重要性を教示しています
いつ殺されてもおかしくない過酷な状況の中で、彼はこう考えました
この場所では人類がいまだかつて誰も経験したことのない壮大な心理実験が行われているのだこれ以上ない絶望的な状況で、人間はどうすれば生き延びることができるのかその実験を後世のためにしているのだ、とそして、彼はみんなで生き延びるために
「一日一回笑おう」「みんな笑い話をつくってくれ」と言い「笑いの力」を「一日を生きる力」に変えていったのです
過酷な状況、絶望の淵にいる人を救うのは「笑い」というある種バカな力である…
もちろんフランクル博士がその力で過酷な収容所生活を生き延びた事実は世界中に知られているとことと思います
じつは、その事実を、人類は古来から理解していたのかもしれません
日本の神話の世界でも天照大神(あまてらすおおみかみ)の天岩戸(あまのいわと)隠れのお話しで「笑い」が重要な役割を果たしたことが伝えられています
弟である須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴狼藉を悲しんだ天照大神が天岩戸に隠れると、世の中は闇に包まれ作物も育たなくなってしまいました
そこで八百万(やおよろず)の神が集まって合議し、さまざまなな儀式を執り行い
女神であるアメノウズメはストリップさながらに踊ったのです
それを見た八百万の神が一斉に笑いその大きな笑い声が高天原(たかまのはら)に響いたのを聞いた天照大神が不思議に思い天岩戸の扉を開けたところからまた世の中に光が戻ったというお話です
もちろん、これは神話ですから事実に基づいているわけではありません
しかし、そこには後世に伝えるべき「何らかの真実」が含まれていると思うのです
すなわち、大ピンチのときほど笑いが必要だ笑いの力で困難を乗り越えていくべきであると
みなさんに身近な例で言えば学校や職場で嫌なことがあったりとにかくひどい上司がいたとしましょう
そういうときは遠慮なく笑い飛ばせばいいんです
ひどい上司なども冗談のネタにしてやるぐらいがちょうどいいのです
嫌なこと、苦しいことはみんなで笑いに変えてしまう それは、相手を冷笑するという意味ではなく本当におかしみを感じるような笑いの世界に持っていくということです
ナチスの収容所内でそれができたのですからいまの日本でできない訳がありません
東日本大震災以来日本はいろんな困難を抱えています
それを「頑張ろう日本」ではなく「もっと笑おう日本」にした方が、結果的に困難を乗り越えられるのではないでしょうか 私は本気でそう思っています
「絶望した人間に笑いを蘇らせることはその人間を生き返らせることに他ならない」
(ピーター・ドラッカー)
アメリカのジャーナリスト ノーマン・カズンズは、笑いによって自らの難病を治癒させた人として有名です
病気と同様、失意のどん底にある人たとえば倒産の危機に瀕している経営者を救う方法としても、笑いが有効だ、という笑いには、心が明るく元気になりリラックスでき、心がゆるみ心に余裕ができるから自らを客観的に見ることができそして免疫力が高まるので健康になると様々な効用があるまさに、デール・カーネギーの言うように
「元手がいらない。しかも利益が莫大。与えても減らず与えられたものは豊かになる」という最高の贈り物だ
「もっと笑おう日本」
笑いで困難や試練を乗り越えたい『どうせ生きるなら「バカ」がいい』より
https://diamond.jp/articles/-/176527?page=3 【自分自身を「笑い飛ばす」ことで、
辛く苦しい状況もくぐり抜けられる】 より
フランクル心理学に欠かせないユーモア
フランクルは心理学者であり独自の哲学・思想をつくりあげた人です。というと、「眉間にしわをよせて四六時中気難しい顔をしている無口な人」というイメージが湧いてくるかもしれません。フランクルはその対極にある人物でした。ユーモアを愛し笑いを愛する明るくエネルギッシュな人間性の持ち主だったのです。
著名人の講演・スピーチ映像を集めた『TED』に、フランクルの講演(Viktor Frankl: Why believe in others)?が収録されています。お時間のある方はぜひ、「TED フランクル」で検索してご覧になってください。明るくてパワフルな人間であることがすぐに理解できます。
晩年は失明状態にありましたが、家族を笑わそうとその明るさは亡くなる直前まで変わらなかったそうです。
フランクルといえば『夜と霧』であり、その著には凄惨さを感じさせる記述があります。ですので、フランクル心理学には一種の「暗さ」「深刻さ」がつきまといます。
一方で、フランクルの人間性や「逆説志向」に見られるユーモアをポイントにする点は、その反対ともいえる特徴です。「ユーモア」「笑い」の観点を抜きにして語ると、フランクル心理学は底の浅いものになります。
そこで拙著『君が生きる意味』では、「小さい変なおじさん」が時にくだらない「おやじギャグ」を飛ばすというコミカルな物語にしました。
笑うことは健康によく、体と心によい影響を及ぼすことは心理学だけでなく、広く医学の観点から推奨されていることです。
辛く苦しい時に「ユーモア」など「けしからん」という声も世にはありますし、「そんなの無理だ」という否定論もあります。ですが、自分自身を「笑い飛ばす」ことで、辛く苦しい状況をくぐり抜けていく人たちがいるのも事実です。
フランクルは強調しています。
人はどんな時にも、自分の置かれた状況に屈しない心の力を持っている。その時、どんな態度をとるのか、それは本人の決断にかかっていて、その態度をとる自由は何ものにも奪えないのだと…。
ナチスの強制収容所で、人間らしい模範的な態度をとる人物が存在しましたし、ユーモアを語り合い笑いあった人々が存在したのはまぎれもない事実です。
ユーモアによる笑いもまた、心を強くする選択肢のひとつであり、それを選びとる自由はいつでも保証されています。
笑ったからといって急に何かが解決できるわけではありませんが、笑うことで心が潤い、その場が明るくなるのは確かです。
真剣だけど深刻にならず。真剣だけどユーモアを忘れず。自分のため、大切な人のために、笑うことを忘れないでいましょう。
◇引用文献
[訳]春秋社)
※1『神経症1』(V・E・フランクル[著]、宮本忠雄、小田晋[訳]みすず書房)
※2-4『夜と霧』(V・E・フランクル[著]、霜山徳爾[訳]みすず書房)
0コメント