https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=130&category=health 【アミノ酸とは?アミノ酸について簡単解説!】 より
よく耳にする “アミノ酸”ですが、その働きやタンパク質との関係を今さら聞けない・・・という方もいるのではないでしょうか。
今回はそもそもアミノ酸とは何なのか、簡単に解説します。
アミノ酸とタンパク質の関係
タンパク質は多数のアミノ酸が結合したものです。人の体を作っているタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。一つのタンパク質を作り出すためにはアミノ酸の種類、数、結合の順番が決められているため、一つでも足りなくなれば、筋肉の合成や、ホルモン、血液、酵素、抗体など体を防御するための機構、生体内反応などに影響がでる可能性があります。
アミノ酸の種類
この20種類のアミノ酸は人の体を作るために必要ですが、体内で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)と合成できるアミノ酸(非必須アミノ酸)に分類することができます。
必須アミノ酸
イソロイシン・ロイシン・バリン・ヒスチジン・リシン・メチオニン・トリプトファン・フェニルアラニン・スレオニン
この9種類は体内で合成できない(または合成速度が非常に遅い)ため、食事から摂取しなければなりません。
非必須アミノ酸
アスパラギン・アスパラギン酸・アラニン・アルギニン・システイン,シスチン・グルタミン・グルタミン酸・グリシン・プロリン・セリン・チロシン
この11種類は体内で作ることができますが、このうち、アルギニンは乳幼児では合成量が少ないため中間的な立場として準必須アミノ酸と考えられています。
さらに、システインは必須アミノ酸であるメチオニンから、チロシンは必須アミノ酸のフェニルアラニンから合成されるため、これらも準必須アミノ酸と考えられています。
また、非必須アミノ酸はグルタミン酸から合成されている物が多いため、グルタミン酸を多く含む食品(魚介類や海藻類)が不足することで、非必須アミノ酸であっても体内で不足する可能性があるともいわれています。
遊離アミノ酸
タンパク質を構成するアミノ酸の他、遊離アミノ酸(タンパク質を構成しないアミノ酸)があり、テアニン・オルニチン・シトルリン・タウリンなどがあります。
アミノ酸の働きとおすすめ食品
前述のとおりアミノ酸は臓器や筋肉などの体タンパク質を作り、ホルモンや酵素、抗体、血液なども作り出す重要な物質ですがそれ以外にもアミノ酸には個別の働きがあると考えられています。
エネルギー代謝に関わるアミノ酸
バリン・ロイシン・イソロイシン・アルギニン
分岐鎖アミノ酸(BCAA)に属するバリン・ロイシン・イソロイシンは筋肉でのエネルギー代謝と関わり、アルギニンは成長ホルモンを促す働きがあるといわれています。
【おすすめ食品】
BCAAが特に多い順に、
まぐろの赤身、かつお、鶏むね肉。
次いで、あじ、サンマ、鶏もも肉、卵。
比較的少量でも多く摂りやすいため納豆や木綿豆腐もオススメです。
脂肪からのエネルギー代謝のサポート
リシン・プロリン・アラニン・メチオニン・アルギニン
有酸素運動などで、脂肪からのエネルギー供給にかかわる物質の原料となると考えられています。
【おすすめ食品】
リシンやアラニン、メチオニンは煮干しや鰹節。
プロリンは乳類や小麦食品。
アルギニンは大豆製品。
免疫力に関わるアミノ酸
アルギニン・グルタミン
アルギニンやグルタミンは免疫にかかわる物質の働きを助けるといわれています。
【おすすめ食品】
グルタミンは卵黄、鶏もも肉、牡蠣。
リラックスと集中
トリプトファン・チロシン
トリプトファンとチロシンは脳の伝達物質に関わるアミノ酸です。トリプトファンは脳をリラックスさせるセロトニンの原料となり、チロシンは脳の興奮や集中に影響すると考えられているドーパミンの原料となるといわれています。
【おすすめ食品】
トリプトファンはごはんやパン、煮干しや麩、ごま。
チロシンはチーズや大豆食品、牛乳。
遊離アミノ酸の働き
体内において単体で活躍している遊離アミノ酸にも特有の働きがあります。
テアニン
お茶に多く含まれる成分で、副交感神経を優位にして、リラックスできることが報告されています。
オルニチン
しじみや乳製品、きのこに含まれる成分で、肝機能に良い影響があると注目されています。
シトルリン
スイカから発見されたシトルリンは、ウリ科の植物であるきゅうり、冬瓜、メロンに多く含まれます。血流の改善などに良い影響があると報告されており、トレーニング後のリカバリーにも良いのではないかとも考えられているようです。
タウリン
タコやイカに多く含まれる成分で、骨や筋肉にも多く存在するアミノ酸です。トレーニング後の筋損傷の抑制なども報告されています。
このように、アミノ酸の種類ごとに働きが違ってきます。必須アミノ酸さえ補っていればいいのではなく、非必須アミノ酸、遊離アミノ酸も体の働きには欠かせません。
タンパク質を多く含む食品を幅広く摂取することで、たくさんの種類のアミノ酸を補うことに繋がります。数個の食材にこだわるのではなく、たくさんの食材からアミノ酸を摂取することを意識してみましょう。
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