https://uruhain.jp/column/kuwabara/%E4%B8%8D%E6%98%93%E6%B5%81%E8%A1%8C%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88/【不易流行・パラダイムシフト】より
理事長
『不易流行』という言葉があります。これは俳聖「松尾芭蕉」が俳諧の極意書である『去来抄』で「不易を知らざれば基立ちがたく、流行知らざれば風新たにならず。」と記したことから始まります。物事には状況に応じて臨機応変に変えるべきもの(流行)と、決して変えてはならないもの(不易)があるという意味です。
ところで、現在はパラダイムシフトの時代だと言われています。
パラダイムシフトの時代、つまり今までの枠組み、仕組みが変革され、常識そのものが逆転する時代を表すそうです。確かに今、医療においても今まで模範とされてきた枠組み仕組みが変革してきている気がします。つまり「今まではこうしてきた」と自分の常識に固持しているようでは、世の変革に取り残されてしまうような気がします。
「金」「物」に大きな価値観を求め、それが当たり前の時代が限界点を超え、物質より「こころ」を大切にするようなパラダイムシト。
しかし、このパラダイムシフトの時代だからこそ、日頃自分の内に一本の筋を通すことが重要となってくると思います。「筋」とは、「精神の指標」つまり各々の人が持つ価値判断ではないでしょうか。私たちは、日常それぞれの立場で判断・決断を迫られています。そして自分の判断基準に合わせて良い悪いを判断しているはずです。この判断基準をどこにおくかが重要なのではないでしょうか。
さて、私が院所に医療法人桒原翠縁会ハート小児歯科クリニックと名付けた理由をご説明しなくてはなりません。私の祖父、父はともに内科医をしておりました。そして、二人からは常々患者さんに対する思いやりの心を持つことを諭されて参りました。それを自分流に解釈し医療に必要な3H(THREE-H)と表現し、大切にしておりました。
一番目の「H」は「HAND」、医療技術を意味します。勿論、医療を施すためには技術が必要なことは言うまでもありません。しかし、いくら素晴らしい技術を備えていても、正確な診断の上に立脚していなければ良い医療とはいえません。この「診断」が二番目の「H」である「HEAD」です。でも、これだけで十分でしょうか。いくら正しい診断をして正しい治療を行っても患者さんを思いやる温かい心がなくては、患者さんの本当の喜びにはつながらないのではないでしょうか。この一番大切な三番目の「H]つまり「HEART」を院所の名前に是非したいと思いました。
世の中がパラダイムシフトをし、いくら変革をしようとも本質そのものは変わりようがないと信じています。この不易である「HEART」「こころ」の大切さを判断基準、精神の指標として医療に関わることが出来ればと考えております。
新しく設立した医療法人桒原翠縁会「善院」はその不易を基として子ども達の総合的なケアが出来る施設であり、未来を担う子ども達の、そして子どもを取り巻く者たちの心強い味方になると信じています。
https://nenzureba.jugem.jp/?eid=1029 【パラダイムシフトの時代】より
『不易流行』これは俳聖「松尾芭蕉」が俳諧の極意書である『去来抄』で「不易をしらざれば基立ちがたく、流行知らざれば風新たにならず」と記したことが始まりです。
物事には時代時代、状況に応じて臨機応変に変えるべきもの(流行)と、決して変えてはならないもの(不易)があるという意味です。コロナがあって物の見方、考え方が大きく変わりました。まさしく、パラダイムシフトの時代です。
パラダイムシフトとは、パラダイム「シフト(移動)」することを指し、その時代の規範となる考え方や価値観などが大きくかわる事をいいます。
住宅業界も、今まで模範とされてきた枠組み仕組みが変革している気がします。
つまり「今まではこうしてきた」と自分の常識に固持しているようでは、世の変革に取り残されてしまいます。「カネ」「モノ」に大きな価値を求め、それが当たり前の時代が限界点を超え、物質より「ヒト」「ココロ」を大切にするようなパラダイムシフト。
このパラダイムシフトの時代だからこそ、
不易=理念に一貫した考え方、行動が重要になってきます。
「理念」とは、「あり方」つまり各々の人が持つ価値判断です。私達は、日常それぞれの立場で判断・決断を迫れれています。そして自分の判断基準に合わせて良い悪いを判断しています。この判断基準をどこにおくかが重要なのです。
ハナケンチームの理念
「私達は感謝の心で素晴らしい夢人としての喜びそして感動を提供します」
世の中がパラダイムシフトをし、変革しようとも私達の本質は変わりません。
この不易である「感謝」「夢」「喜び」「感動」を提供する。
この判断基準、精神の指標として家づくりにたずさわっていきます。
今こそ「変えよう日本の家づくり!」
https://jiel.jp/blog-manager/tgroup/15772/ 【Tグループとは No.075 誕生から75年さらなる発展のためのパラダイムシフトに向けて:ナラティヴ・アプローチ(Narattive Approach)とは(3):「ナラティヴ」とは】より
「ナラティヴ」という形式について、野口裕二さん(2002)は、著作「物語としてのケア」で、丁寧に記述してくれています。「言葉は単独でも人々の生きる世界を変えてしまうほどの力をもっているが、それらがつなぎ合わされるとき、さらに大きな威力を発揮する。それが、『ナラティヴ』という形式である」と。
本稿にご関心を持たれましたら、「物語としてのケア ナラティヴ・アプローチの世界へ」(野口裕二著、医学書院、2002)を、是非、お読みください。野口さんは、以下のように「ナラティヴ」を説明してくれています。
「ナラティヴ」という言葉の意味には、大きく「語り」と「物語」という二つがあります。前者は行為としての「語る」という意味であり、後者は「語られたもの」の形式や構造を指しています。
「語り」と「物語」はこうのように区別される関係にありますが、同時に、それらは相互に連続する関係にもあります。
「物語」は、「語り」から生まれますが、「語り」が「物語」から生まれる場合もあると考えられます。自分の生き様を語り、その語った物語がその人の語りに影響を与えることがあります。
野口さんは、「『語り』と『物語』のこうした相互的かつ連続的な関係を一言であらわす言葉、それが『ナラティヴ』という言葉なのである。『ナラティヴ』という言葉は、『語り』と『物語』を同時に指し示している。」と記しています。
私たちは何かの出来事に出会い、その出来事についてひとつの「物語」として理解できたときに、その出来事を理解できたと考えます。「物語」は混沌として世界を理解しやすいひとつのかたまりとして意味を与え、了解可能にする働きがあります。「物語」は。現実を組織化する働きがあるのです。
「科学的説明」と「物語的説明」とを対比的に、野口さんは記しています。「科学的説明」とは、こんな条件の時にこのような結果が起こると説明します。一般的に原因があって結果があることを、必然の世界として説明されるのです。あなたがそうなったのは、これがあったからですと話されるのです。もうその説明では、別の要因による説明は無く、未来はないと言ってもいいかもしれません。
一方、「物語的説明」では、偶然としか言いようのない出来事と出会い、その後また思いがけない出来事が起こったり、必然ではないかと思う出来事に出会ったりしながら、偶然と必然が積み重なりながら説明されるのです。野口さんは「必然の論理だけでは説明できない何かを説明してくれるものが、『物語』なのだ」と記しています。
私たちは、どうしても「科学的説明」を求めやすいところがあり、何か問題が起こると原因を探したくなります。そして、その原因は、私が原因(自責)か、私以外の他の要因(他責)か、といった追求が始まります。
K.ガーゲンによる「言葉が世界を創る」といった社会構成主義の考え方から見ると、「問題だ」と話すことは問題である世界を創ることになり、「誰の何が問題だ」と話すことによって、問題となる原因を探求する世界を創り出すことになります。
K.ガーゲンは、「私たちが『問題』として『構成』しているすべてのものを、『チャンス(機会)』として『再・構成』することはできないでしょうか?」と投げかけています。問題のあるストーリーをチャンス(機会)のストーリーと再構成するアプローチをナラティヴ・アプローチと呼ぶことができるのではないかと考えています。(つづく)
https://lifeskills.amebaownd.com/posts/6670146?categoryIds=2261214 【ラボラトリー方式の体験学習とはその1】
https://lifeskills.amebaownd.com/posts/6670169?categoryIds=2261214【ラボラトリー方式の体験学習とはその】
https://jiel.jp/blog-manager/tgroup/15820/ 【Tグループとは No.085(完) ここまでお読みいただきましたことに感謝します!!】より
コロナ禍にあって、なかなかリアルな研修や教育など学びの場を創ることが難しい中で、2020年の7月頃フッと思いつき、書き始めました。その時には、学びの場づくりのファシリテーターとりわけTグループのトレーナーとしての自分の体験談や学んできたことを言葉に残しておいてもいいかなと思いスタートしました。なんとか第85話まで書き進めてくることができました。拙文にもかかわらず、またささやかな体験談にもかかわらず、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Tグループに関わり始めた頃のTグループとは、「一体感をもったグループ」をめざし、その中で「個人の問題」を見つけ、個人の問題を改善する、いわゆる問題解決型のアプローチであると、あくまでつんつんの一方的な見方だったと思いますが、感じていました。
それを実現するためには、フィードバックという名のもとで、するどくグループや個人の問題点を指摘する形でに相手に切り込み、グループや個人の抵抗などに動じずに対決する強面のトレーナーの姿に、ある種の羨望とある種の抵抗を感じながら、グループの中に居ることを余儀なく居るといった体験より、つんつんのTグループやトレーナーの探求は始まりました。
今思うと、「一体感をもったグループ」を創る、言葉を換えると「一体感をもったグループに変える」、そして問題があると周りから指摘されて、グループや組織の中で良しとされるメンバーに個人が変化・成長すること、言葉を換えると「個人を変える」ことに対する抵抗だったのだろうとあらためて、ここまで辿り着いて考えています。変える方向に向かせる基準は誰が発しているのか?一人ひとりの内的な欲求ではなく他者からの圧力への抵抗でもあったのだろうと考えています。
今一度、「会話がリアリティを創る」といった今日の社会構成主義の考え方、そして、「一人ひとりにはポジティヴ・コア(イキイキ生きる源)をもっている」「目指す未来像を描くことで行動が促進される」といったAIアプローチの考え方、「人が問題ではなく、問題が問題なのだ」「人生を生き抜いていくことのできる資質、資源、能力が必ずや存在している」といったナラティヴ・セラピーの考え方に出会ってくる中で、Tグループの中で起こる事柄の捉え方やグループのメンバー相互(トレーナーも含めて)関わり方と学びを、Tグループ誕生から75年経過した今、もう一度検討していく必要性を強く感じています。
ただ、すでに、つんつんはじめJIEL(一般社団法人日本体験学習研究所)では、その探求は始まっています。Tグループ・セッションの中でのグループやメンバーへの働きかけを行うトレーナーは、AIアプローチやナラティヴ・アプローチを根底にもち、その中から生まれる意図した視点からの介入を試みることも実践し始めています。
さらに、プログラム全体の構成を大きく変更したTグループのプログラム、例えば、リフレクティングチーム(リフレクティンググループと呼んでいますが)と共に学ぶTグループの実践を2019年より始めたり、Tグループファシリテータートレーニング(アドバンスと呼んでいます)では、リフレクティングチームの活用やドナルド・マクミナミンさんの「2つの島とボート」の考え方を活用させていただき、トレーナー体験に対して相互インタビューをしたり、リフレクティングを組み入れたプログラムを2020年より始めています。まだまだ探求途上ですが、少しでも研究員と共に、言葉にしていきたいと考えています。
AIアプローチやナラティヴ・アプローチ、とりわけリフレクティングの活用は、かなりの可能性をもっていると考えています。そのためにも、さらなる研鑽が必要であると強く感じています。
本シリーズを一応一区切りを置くに際し、つんつんの中では、「グループや組織を変える!!」「人を変える!!」を標榜しないTグループや組織開発の実現に向けて、「グループや組織を変えない!!」「人を変えない!!」を大切にする教育者、トレーナー、コンサルタント、カウンセラーを育てたいと思っています。
では、何を変えるのか?何に変化を求めるのか?
Tグループ誕生から大きな流れの中で、今の時代「会話を変える!!」ことを通して人と人との関係づくりが行われることが大事なのだろうと考えています。
それは、「相手の会話を変える」ではなく、「私の会話を変える」ということではないかと考えています。ラボラトリー教育(体験学習)の原点に戻ると、私が「Change Agent」になり、社会の「一隅を照らす」存在になることであり、それはまずは「私の会話を変える」ことから始まるのだろうと思っています。なんて脳天気でお気楽なことを言っているのかと思われるかも知れませんが、やはりそのような人材が育っていくことが必要なのではないかと考えています。
その結果、私の「会話が変わり」、目指すは、関係性の中で相互の「会話が新しく生まれる!!」⇒「かかわりが新しく生まれる!!」⇒「チームや組織、コミュニティが新しく生まれる!!」といった連鎖が起こることを願い、そのための働きかけの探求が始まっていくのではないでしょうか。また、一方向性ではなく、相互の影響を与え合い、一人ひとりが尊重された生き方やその生き方を支え合うチームや組織、コミュニティが同時に生成されていくのかも知れません。
このような考え方や思いを同じにしてくださる方がいれば、「会話が変わる!!」関係づくりの探求を、ぜひ共に深めていきましょう💕(一旦・完)
※僭越ですが、最後の写真は、拙著「改訂新版プロセスエデュケーション」(金子書房)をアップさせていただきます。まだまだ途上の出版物ですが、みなさまの教育活動にお役に立つならば、幸いです。
0コメント