https://ranyokohama.amebaownd.com/posts/categories【河童】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hurusato/dai1/siryou1.pdf
【「ふるさと考」~ふるさとづくり有識者会議のたたき台として~ 鎌田東二 】
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784422113715 【日本の精神性と宗教
河合 隼雄/鎌田 東二/山折 哲雄/橋本 武人【著】】より
創元社(2006/04発売)
【内容紹介】
鎌田東二氏が『千と千尋の神隠し』を手かがりに、神の本来の姿を見失ってしまった日本を語れば、一方、山折哲雄氏は京都暮らしの経験から、路地小路や自然のなかにいまも日本人に息づいている宗教性を語る。そして、河合隼雄氏はアメリカ先住民ナバホやケルトの儀式を例に、それでは日本人はどのような儀式や宗教性を生きていくことができるのかを語る。日本人の生きる基盤となるこれからの宗教性について語り合ったシンポジウムの記録。
【詳細目次】
天理大学創立80周年記念 人間学部主催 公開シンポジウム
「日本の精神性と宗教」
開会の辞 「宗教」と「人間」をキーワードに天理人間学の構築 澤井義則
基調講演 日本の精神性と宗教 河合隼雄
指定討論Ⅰ 日本の伝承文化における宗教 鎌田東二
指定討論Ⅱ 現代日本人とその宗教心 山折哲雄
指定討論Ⅲ こころの諸問題と宗教 橋本武人
パネル・ディスカッション
河合隼雄・鎌田東二・山折哲雄・橋本武人・澤井義次(司会)
質疑応答
あとがき 菅野信夫
目次
基調講演 日本の精神性と宗教(河合隼雄)
指定討論(日本の伝承文化における宗教(鎌田東二)
現代日本人とその宗教心(山折哲雄)
こころの諸問題と宗教(橋本武人))
パネル・ディスカッション(河合隼雄;鎌田東二;山折哲雄;橋本武人;澤井義次)
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
文化庁長官。専攻は臨床心理学。京都大学卒業後、スイス・チューリッヒのユング研究所へ留学。日本で最初のユング派分析家の資格取得。天理大学教授、京都大学教授、国際日本文化研究センター所長を経て現職
鎌田東二[カマタトウジ]
京都造形芸術大学教授。専攻は宗教哲学・比較文明学・民俗学・日本思想史。國學院大學大学院神道学専攻博士課程修了。文学博士
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
前国際日本文化研究センター所長。専攻は宗教学・思想史。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。国立歴史民俗博物館教授、京都造形芸術大学院長などを歴任
橋本武人[ハシモトタケト]
天理大学長。専攻は宗教心理学・天理教学。東北大学大学修士課程(実践哲学)修了。東北大学助手、天理大学宗教学科教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
感想・レビュー
ダージリン
天理大創立80周年のシンポジウムを基にした本。河合、山折両氏の名前に惹かれたのだが、鎌田氏の宮崎アニメからの切り口は面白かった。トトロでは森の神が息づいたところが舞台だったが、千と千尋では、神社は荒廃し、神の存在感が限りなく低下した場所で物語が始まる。都市と地方の差はあれど、年々古くからの習俗は消えていく。世界的にも宗教心が失われているようだが、そうなると何が起こるのか。気候変動などの危機は、自然を敬う心を取り戻す契機になるのかも知れない。
http://moon21.music.coocan.jp/kiji54.html 【『妖怪ブームを考える』】より
(徳島新聞2005年 10月26日掲載記事)
最近、「妖怪」がブームだという。ちなみにYahoo!で「妖怪」を検索してみると、約一千万の項目件数に行き当たる。気が遠くなる数字である。
この夏、荒俣宏原作の角川映画「妖怪大戦争」が話題になった。また近々、諸星大二郎「妖怪ハンター」が原作の「奇談」が封切りになる。人気俳優阿部寛と藤澤恵麻が主演で、前評判は高い。エデンの園の中央に立っている「生命の木」の実を食べて不死身となった"じゅすへる"(ルシファー)の子孫が東北地方で隠れキリシタンとなっていて、「世界開始の科(とが)の御伝え」という独自の"きりんと"(キリスト)再臨信仰を信じている。試写を観たが、聖書異伝と土俗的民間信仰とが習合した独自の怪異世界を描き出していた。
その東北地方の山形市山寺芭蕉記念館でもこの夏、「もののけ博覧会――妖怪の表現、その歴史と美術」が開催され、近年にない集客だった。東京では、「新妖怪談義研究会」(東京財団主催)が始まり、わたしが座長になって著名な妖怪研究家の面々とスリリングな「妖怪談義」に興じている。いったい、世界は妖怪化しているのだろうか?
然り、である。わが新妖怪談義研究会の「御神体」である舞踏家の麿赤兒氏は、29歳の時に啓示を得て舞踏集団「大駱駝鑑」を結成し、土方巽の暗黒舞踏をさらに発展させて独特の演舞形式「天賦典式」を創案した。その麿氏は研究会の席上、「変なものを生んだ力、妖怪Xをね、呼び出すんだ。怪異、異形、化け物でもいい。神さまにも化け物にもはたらいていただいて何でも取り込む。近代になって化け物の依り代がなくなった。そこで『天賦典式』を行う。するといろいろなカミさまが来る!」と語った。まさに妖怪呼び屋である。その麿氏が率いる舞踏集団大駱駝鑑は、12月に世田谷パブリックシアターで天賦典式「AMA-ZONE」を演舞する。どんな怪異な舞台になることか、今から楽しみである。
戦後日本社会の第一次妖怪ブームの火付け役は、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげる氏だった。氏はかつて「電灯がついて暗闇がなくなると、妖怪もいなくなった」と語っていた。実際、戦後の高度経済成長時代はそのように見えた。
だが21世紀初頭の今日、煌々と電気が輝き、暗闇が無くなったにもかかわらず、妖怪がふたたび跋扈し始めているかのようなのだ。人気アニメ集団スタジオ・ジブリの宮崎駿監督の大ヒット作「風の谷のナウシカ」も「となりのトトロ」も「もののけ姫」も「千と千尋の神隠し」もみな妖怪・怪異の物語だった。これはいったいどういう風の吹き回しなのだろうか。
この妖怪・怪異譚大流行は現代世界の社会不安を反映しているのだろうか。「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀が終わり、「心の世紀」が来ると予測した人が多くいた。確かに、大学では心理学や精神医学が大流行りで、精神科医の斎藤環氏が指摘するように社会全体が「心理学化」している。しかしそれは、心の荒廃や崩壊が後戻りがきかないほど急速に進行している事態をも意味している。産業界のリストラが進む中で、年間3万人を超える自殺者が出、離婚も凶悪犯罪も増えている。会社にも家庭にも学校にも心の休まる場所はない。世界がまるで戦場のようである。
実際、オウム真理教事件や9・11同時多発テロ、イラク戦を始め、世界全体が妖魔化してゆくかのようだ。そのような不確定の混沌の時代にあって、わたしは新たな「妖怪学」の探究に分け入ってみようと決心している。
あたかも「奇談」の封切に時を合わせるかのように、わたしの勤務先の京都造形芸術大学プロジェクトセンターが事務局となって来る11月に「摩訶不思議アートツーリズム学会」が設立される予定である。聖地、異界、魔界、妖怪、怪異など、ありとあらゆる「摩訶不思議」世界を"芸術"という切り口から旅し観光していこうという、実に今日的な面白い趣向である。心が不安で不安定であればあるほど、それを逆手にとって、ユーモアや笑いを忘れずにその不安の只中を突き抜けていきたいと思うのである。
付記
2005年12月5日(月)16時半から京都造形芸術大学・人間館NA102(150名収容)教室で、「近代産業遺産アート再生学会」設立大会を開催します。参加費無料です。ぜひお越しください。
設立大会後、懇親会を18時15分から、大学内のラウンジ「TenーShin(天心)」において開催します。こちらは食事・飲み物が出ますので、会費2000円となります。奮ってご参加ください。問い合わせ先:京都造形芸術大学(075-791-9121・代表)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20230721/6020018049.html 【暑い夏に涼んで「妖怪」展 山形 山寺芭蕉記念館】より
暑い夏の季節に少しでも涼んでもらおうと、「妖怪」にまつわる文学や絵画を紹介する企画展が山形市で開かれています。
この企画展は山形市の「山寺芭蕉記念館」で21日から始まり、「妖怪」を題材にした江戸時代から現代までの54点の作品が集められています。
このうち、松尾芭蕉の代表作「おくのほそ道」の直筆の書の展示では、「九尾の狐」という妖怪の怨念でできたとされる岩、「殺生石」についての記述を見ることができ、芭蕉が妖怪の伝説に興味を示していたことが伺えます。
また、山形県ゆかりの作家の作品も展示されていて、睨みつけるような目をした迫力のある鬼の絵や、疫病をおさめる妖怪としてコロナ禍で話題となった「アマビエ」の像もあります。
山寺芭蕉記念館の相原一士学芸員は「時代ごとに妖怪の表現がどのように移り変わっているのか、見ることもできます。夏休みの期間、親子で妖怪を見て楽しんでほしい」と話していました。
この企画展は山形市の山寺芭蕉記念館で来月28日まで開かれています。
https://www.youtube.com/watch?v=9JJ4ZvsbLYQ
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