https://gospel-haiku.com/hl/beginner.html 【俳句入門講座】より
俳句を始めたい方への入門ガイドです。
俳句に必要なもの
必要なものは最低次の三つです。
書くもの:鉛筆、ボールペンなど。
句帳:小型のノート。古い手帳とかでも活用できます。
国語辞典:5万語くらいで小型の物。
歳時記は慌てて買う必要はなく、学びが進んでから検討して選ばれたらいいです。
季語とは・・・
俳句は季感の有無が命です。
季感というのは季節を感じさせる雰囲気のことでそれを具体的に補ってくれるのが季語なのです。
春・夏・秋・冬というのも季語ですし、一月・二月…もそうです。明確に季節が感じられることばなら何でもいいのです。野菜・果物などは温室やバイオ技術で生産され、魚類なども養殖ものが流通する現代では昔ながらの季節感が失われつつありますが、本来自然環境で収穫できる一番美味しいとされる、いわゆる旬という時期が俳句では季語として扱われます。
歳時記は季語の種類や意味を詳しく調べるのに便利です。その季語を使って作られたサンプルの俳句(例句といいます)なども掲載されているので作句の指針にもなります。俳句生活が続けられそうなら一冊は備えられると便利です。
どんな歳時記を買えばいいの?
携帯に便利な小型サイズから、写真や例句が載っている大型版までいろんな種類の歳時記が発売されています。
どんな歳時記を買えばいいんでしょうか?
無責任に聞こえるかもしれませんがとりあえずは何でもいいです。家人や友達のお古がいただけるならそれで十分です。どうしても新しいのが買いたいという人は Amazonの検索情報を参考にして下さい。
学びが進んでくるとどんな歳時記が自分に合うのかも分かるようになります。
歳時記は編集者によって師系が異なるので載っている例句の傾向も違います。五年、十年と俳句を続けていれば、そのうちほとんどの歳時記が手元に揃うでしょう。
※参考:みのるがメインに使っているもの
ホトトギス新歳時記(三省堂)
新版 季寄せ(角川書店) … 吟行用
伝統俳句と自由律との違い
俳句のジャンルには伝統俳句と自由律俳句とがあります。
有季定型の伝統俳句に飽き足らなくなった人たちから派生的に生まれた自由律には、種田山頭火や尾崎放哉などがいます。季語はあっても無くてもよく、調子も五・七・五に制約されず全く自由です。約束ごとに縛られずに自由な表現をしたいという思想なのです。
新しい自由な表現を追求することは素晴らしいことです。でも自由であれば何でも新しいとも言えず季感のないものまで俳句と呼ぶことには抵抗があります。
GHが提唱しているのは伝統俳句です。伝統俳句は有季定型といって必ず一句の中に季語を必要とし、調子も五・七・五に整え原則として歴史的仮名遣いを用います。
《温故知新》という言葉があります。歴史に培われた古きよきものを尊重しつつ、さらなる新しさを追求していく。この伝統俳句の姿勢に私は魅力と喜びを感じるのです。
まずは作ってみましょう
伝統俳句のお約束
最低限守るべき約束は次の二つだけです。
五・七・五でつくる
季語を一つだけ入れる
そんなことは言われなくても判っている!
では、次の作品を見てください。
昆陽池に鴨がたくさんおりました
季語(鴨)も入っているし、ちゃんと五・七・五になっていますね。でもこれは俳句ではありません。
これを読まれたとき、あなたはどう感じましたか?ああ、そうですか…というほかはありませんね。この句からは感動というものが伝わってきませんからただの ”報告” です。
では次の句はどうでしょう。
夕日落つ土手のコスモス揺れやまず
黄昏どきのコスモスが土手の風に吹かれながら少しずつ夕影を濃くしていく様子です。主観は一切存在せず単なる情景描写です。
でも、こんな情景どこかでみたことあるなぁ〜と連想された方はいないでしょうか。
もし、秋の一点景としての余情を共感してくれる人がいれば、それは立派な俳句なのです。じつはこれは、私が俳句を習い始めたころ、はじめて先生の選に入った句です。
"感動した情景を、スケッチブックに絵を描くように、ことばで写生する"
これが俳句作りの基本です。驚きや感動、ふと心にひびいた情景をことばで写しとるのが俳句なのです。
考えて作らず、感じて作る
幼子たちの素朴なことばや表現に思わず微笑んだり感心させられた経験はどなたにもあるでしょう。
子供たちは決して知識に頼んだり理屈で考えたりして話すのではありません。心に湧いた感動を、そして驚きをただ素直にことばにしているだけです。
俳諧は三尺の童にさせよ。初心の句こそたのもしけれ
と、いう芭蕉のことばがあります。技巧に走らず誰が見てもわかるように、つまり幼子のような素直な感性こそが、ほんとうに人の心に響くのだということを教えているのです。
作りながら覚える
作ろうとする前に、入門書を山ほど買ってきて読み始める方がいます。 はっきり言ってそれは間違いです。 余計な知識があるとそれに支配されてしまって感性が働かないのです。
作りながら、経験を重ねつつ感覚として覚えていくのが、上達への一番近道であることを明言しておきます。
騙されたと思って一年間我慢して私とつきあってみて下さい。必ず、あなたは俳句作りの喜びと感動する心とを見つけられるでしょう。
無料添削で学びましょう
GHには、初心者を対象とした無料添削制度があります。どなたでも気軽にご利用いただけます。
但し少しだけ約束があります。下記のページをよくお読みい頂いてからお申込ください。
ネット句会を活用しょう
勇気を出して投句しましょう
作品ができたらそれが他の人にどれだけ共感してもらえるかを確認してみたいですよね。 勇気を出して句会へ投稿してみましょう。 自分の作品が他の人にどんなふうに受け入れられるかを知るのはとても励みになります。
Webで検索されるといろんなサイトで無料のインターネット俳句会が運用されています。ゴスペル俳句のサイトが運用開始した10年ほど前は、横書きメディアの Webで縦書き文化の俳句会を運用するなどということは異端でした。でも、いまはIT俳句会なるものは星の数ほどあります。自分に合うと思われるサイトを探して参加されるといいですね。
インターネット句会(Google検索)
このホームページでも毎日開催のインターネット句会を開催しています。 もちろん参加は無料ですがゴスペル俳句で学んで下さる方を対象とした会員制で運営しています。
選句の練習を始めましょう
インターネット句会では、投句だけではなくて選句にも参加する仕組みになっています。 こうすることで互いに自分の作品を他の人に評価してもらえるシステムなのです。
投句に自信がないという方は選句だけでも参加できます。 良い作品に触れるだけでも詩心が養われます。
秀句から学びましょう
指導者は、その人にどの程度作句力が身についたかを見極めるとき、どのような句を選んでいるかをチェックします。
選句力は作句力の裏返しなので他の人の選と自分の選んだ作品との違いを比較学習することは自分の上達程度を見極めるのにも役立ちます。句会などでは選者選とどのくらい合致しているかというのをチェックするととてもよい復習になります。
毎日句会に投稿された全作品は、後日みのるが選んだものを、 毎日句会みのる選 というページに発表しています。 ぜひ一度、このページもご覧になってください。 秀句を復習することはとても重要な学びなのです。
早く上達するために
私の経験から学んだポイントを紹介します。
学びのための基本姿勢
最も大切なことは句会での成績に一喜一憂して振り回されないことです。
結果を冷静に受け止めるとともに、誰がどんな句を選んでいるか・・と言う点に注目して復習することが重要です。 ほんとうに実力のある人は選もしっかりしているからです。
句会のあとで没になった自分の句のどこがどういう風に悪いのか説明してくれと選者に食い下がる人がよくいます。欠点の追求は無駄ではありませんがそれで俳句が上手になるとも思えません。駄目な物は駄目と割り切って次なる挑戦に気持ちを切り替える。このコントロールがうまく出来ない人は、どんな立派な先生に学んでも不満を言うでしょう。
選者(指導者)を信じられなければその人に師事して学ぶ意味がありませんし、指導する側もまた空しいものです。 学びは師弟双方の信頼関係によって成り立つものです。 教える方も学ぶ方もお互いに真剣勝負だということを認識して励みましょう。
たくさん詠んで、たくさん捨てる
毎日最低でも二句以上は作ってください。週末などにまとめて作るというのもわるいことではありません。でも一句ずつでも良いから毎日作って休まずインターネット句会に投句するという習慣の方が遙かに効果的です。
GH毎日句会 はそのために運用しています。
没になった作品に執着して何度も練り直して再投稿される方がおられます。はっきり言いますとそんな人はなかなか上達しません。なぜなら一句一句にこだわる癖がつくと指導を受けても素直に受けいれられないので進歩につながらないからです。
良い作品をたくさん読んで、鑑賞力を身につける
好不調はだれにでもあることなので気にしないことです。不調だなと感じたらしばらく作句を休んで著名な作家の作品集などを鑑賞して気分転換すると効果的です。調子のでないときは感性の歯車が狂っているので良い作品を読むことでごく自然に軌道修正されます。
[ 秀句鑑賞 | みのる俳句集 | 青畝俳句研究 ]などのページはこの目的のために設置しています。
良い作品を正しく鑑賞することはまぐれではできません。
鑑賞力を養うこと。これが上達への近道です。
外へ出かけて作りましょう
家の中で歳時記と首っ引きで俳句を作るのというのは正しい作句法ではありません。
必ず戸外へ出かけて句を作る(吟行すると言います)・・という習慣を身につけてください。なぜなら、机上俳句は、作者の体験や連想力の範囲でしか詠めませんから類句が生まれやすいです。吟行することで思いがけない自然との出会い、小動物の営みや地域の人達との一期一会があるので新しい発見を得やすいのです。
電車や車で出かけなくても近隣の散歩でいいのです。何人かの俳句仲間と吟行に出かけて、その後で小句会をするのは最も効果的で楽しい訓練法です。
本格的に学びたい方へ
で俳句の楽しさを発見されたあなたに、"自分の作品を後世に残すためにもっと専門的に学びたい" というあつい思いが起こされたなら、どうか俳句結社に入会して本格的に指導を受けてください。それは一日でも早く決断されたほうがいいです。
[私の場合]
誌代が安く広告サイズが大きい
同じ地域の結社である
という理由で、「 ひいらぎ 」という結社を選びました。
誌代が安いのに広告が大きいということは「営利優先」ではなく良心的な運営姿勢の証しですし、地域の結社を選ぶほうが吟行句会など主宰の直接指導を受けられる機会が多くなるはず…という分析です。
ひいらぎ入会後、紫峡先生にこのことをお話したら大笑いされましたが、あながち見当違いではなかったと自負しています。 プロフィール にも書いていますが不思議なご縁を感じます。
俳句結社は他にもあります。俳句月刊誌を一冊買ってくれば全国各地の主要結社広告が載っていますので、費用が安くてあなたの住んでおられる地域にできるだけ近いところを選択されるといいでしょう。判断に迷われた場合は、メールで相談してください。
あなたがこのサイトを卒業して本格的に結社で学ぶ道を選ばれるなら、それは私にとっても望外の喜びです。
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