https://gokoo.main.jp/001/?page_id=6975 【長谷川櫂のプロフィール】 より
2017年6月1日現在
【略歴】
長谷川櫂(はせがわ・かい)1954年2月20日、熊本県生まれ。俳人。
朝日俳壇選者、ネット歳時記「きごさい」代表、俳句結社「古志」前主宰、東海大学文芸創作学科特任教授、神奈川近代文学館副館長。「蛇笏賞」(角川文化振興財団)、「奥の細道文学賞」「ドナルド・キーン大賞」(草加市)選考委員。
中学時代から俳句をはじめ、のちに平井照敏(加藤楸邨門、「槙」主宰)、飴山實(安東次男に兄事、主宰誌なし)に学ぶ。東京大学法学部卒業、読売新聞記者を経て俳句に専念。1993年、39歳で俳句結社「古志」を創刊、2009年、当時31歳の大谷弘至に「古志」主宰を譲った。
複数の句集、東日本大震災を詠んだ1冊の歌集のほか、芭蕉、一茶、正岡子規、高浜虚子、加藤楸邨、飯田龍太などの俳人研究、芭蕉の古池の句の解釈をもとにした俳句の「切れ」と「間」、日本文化についての一連の論稿、エッセイ、俳句入門書などの著書がある。近年は一茶の再評価を梃子にして俳句史、さらに日本史の見直しをすすめる。
『俳句の宇宙』でサントリー学芸賞(1990)、句集『虚空』で読売文学賞(2003)を受賞。
2004年から読売新聞に詩歌コラム「四季」を連載。プライベートサイト「一億人の俳句入門」で「ネット投句」「うたたね歌仙」を主宰。
岡野弘彦(歌人)、三浦雅士(文芸評論家)とともに「歌仙の会」の連衆。「歌仙の会」は1970年、安東次男、丸谷才一、大岡信らが連衆となってはじまった。
「100分de名著 松尾芭蕉『おくのほそ道』」(NHK,2013)、「課外授業 ようこそ先輩」(NHK,2014)などのテレビ番組に出演。
【句集など】
『古志』牧羊社
『天球』花神社
『果実』花神社
『蓬莱』花神社
『虚空』花神社
『松島』花神社
『初雁』花神社
『長谷川櫂全句集』2008年、花神社
『新年』角川書店
『富士』ふらんす堂
『鶯』角川書店
『震災歌集』2011年、中央公論新社
『震災句集』2012年、中央公論新社
『唐津』花神社
『柏餅』青磁社
『吉野』青磁社
『一滴の宇宙』2015年、思潮社、岡野弘彦、三浦雅士との歌仙集
『沖縄』青磁社
『震災歌集 震災句集』2017年、青磁社、『震災歌集』『震災句集』の合本、その後の震災関連の俳句を収録。解説=川本三郎
【俳論】
『俳句の宇宙』花神社
『古池に蛙は飛びこんだか』花神社
『子規の宇宙』角川書店
『一億人の俳句入門』講談社
『100分de名著ブックス おくのほそ道』NHK出版
『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』筑摩選書
「新しい一茶」、河出書房新社『日本文学全集』第12巻所収
【文化論】
『和の思想』中公新書
『文学部で読む日本国憲法』ちくまプリマー新書
【エッセイ集】
『俳句的生活』中公新書
『海の細道』中央公論新社
【絵本】
『芭蕉さん』2017年、講談社、イラストレーター丸山誠司との共著
【長谷川櫂研究書】
藤英樹著『長谷川櫂200句鑑賞』2016年、花神社
https://ameblo.jp/skoro/entry-10001984901.html 【長谷川櫂さんの人生】より
長谷川さんがそれまでのキャリアを捨て、一俳人になったときの俳句。
新涼やはらりと取れし本の帯 櫂
いかがですか。
やはり、仕事を捨て文学芸術の世界に飛び込んだ人にしかわからない心境だと思う。
その心境を、三年目の趣味俳人が鑑賞すると次のようになるのです。
今年初めて秋らしい爽やかな季節を感じた。
気候の爽やかさとともに、気持ちもさっぱりと踏ん切りがついている自分に気がつく。
今までのキャリアを捨て、一俳人として新たに出発するにふさわしい新涼ではないか。
身辺整理をしていたら、懐かしい本の帯がはらりととれて、ひらひらと床に舞い落ちた。
今はっきりと、帯が取れるように私の人生も区切りがついたのだ。
芭蕉の句に、
「旅人と我名よばれん初時雨」 という句を、櫂さんはこの本の中で紹介している。
詳しくは「俳句的生活」を読んでいただきたいが、同じ心境であったのだろう。
宿題のもうひとつの句である、超有名な句。 古池や・・・。
これの読み方は、「古池や」で切れていて、そのあとの「蛙飛びこむ・・」とは
切り離して、つかず離れず詠むということである。古池に飛び込んだのではないのです。
「新涼や」も 「初時雨」も前後とは独立してあり、全体として世界を現しているのです。
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