http://shindenforest.blog.jp/archives/83803985.html 【まだ病原菌と戦うのか? コレラ菌の戦略】より
細菌ってただ小さくて増殖を繰り返すだけの病原体だと思っている人は多いと思います。
最近、研究が進むにつれて菌が生き残っていくためにさまざまな戦略を使っていることが判明しています。
今日はコレラ菌の話です。
vibrio choleraelaosaikia-cholera.blogspot.jp
現在では、治療法の確立によってそれほど怖い病気ではなくなってきたものの昔から繰り返し大流行し、多くの犠牲者を出してきた怖い菌です。
つい最近ではハイチの大震災の数年後に国際連合平和維持軍PKOがネパールから持ち込んでしまったコレラ菌によって多数の犠牲者が出てしまいました。
当時の報道では日本が1200人がコレラの犠牲とだけ軽く報道していた頃に、
現地の報道では、年内に40万人が感染し、6万人が死亡すると予測がでていて報道の差を感じたものです。
実際にかなりの犠牲者が出ました。
コレラ菌は、現在205 種類のコレラ菌が確認されています。
すべてのコレラ菌が怖いように誤解されていますが、この中で、コレラを発症するのは、コレラ毒素を出す種であるO1 とO139 の2種だけです。
強毒性を持つこの2種だけがコレラ症の原因となります。
このコレラ菌(O1またはO139)で汚染された水や食物を摂取することによって感染します。
飲食により体内に取り込まれたコレラ菌の一部は胃の酸性環境で死滅しないで生き残り、小腸に達して定着・増殖していきます。
そこで菌がコレラ毒素を産生して下痢や脱水症状などのコレラの症状を引き起こします。
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コレラ菌を摂取した人が全員重症になるわけではなく、全く症状が出ない人もいます。
重症化してしまうのは、感染者20人に1人くらいです。
それでも一昔前までは、感染すると多くの人が死亡してしまうとても怖い病気でした。
当時は病院での医学的な治療よりもホメオパシー治療の方が圧倒的に治癒していました。
それはホメオパシーが自己治癒力を強めてくれる治療法だからです。
1831年のコレラ流行の時には、 当時の一般治療では、1501人中640人死亡ホメオパシー治療では、154人中6人死亡
ロシアでの病院の治療では致死率が60%を超えていましたがホメオパシー治療を受けた人では、1270人中108人死亡
後の調査ではコレラ患者全体の死亡率が、59%だったのに対してホメオパシー治療を受けた患者の死亡率は、9%という調査報告結果が発表されています。
ロンドン
1854年に英国でコレラが大流行したときには、一般病院の治療での死亡率は、46%ホメオパシー病院では最も重症者の多い地区で治療して、死亡率は、19%でした。
コレラ菌は人の小腸内でのみ増殖することができて、自然界では増殖を抑えた休眠状態になっていて、しかも、長期間生存できないと言われています。
最近の研究でコレラ菌が人の小腸内で強毒性を獲得していく過程が少しずつ判明してきました。
コレラ菌には必要な時に出てくる針のような器官があり、それを使って、菌自身の周辺にいる腸内細菌たちを殺していき、細菌内部からDNAを引きずり出して、自分に取り入れていたのです。コレラ菌のDNAを調査した結果、20を超える腸内細菌たちのDNAの断片が含まれていた事が判明しています。
このようなDNA取り込みによって強毒性を持つコレラ菌ができてくるようです。
あんなに小さな細菌が生き残り強さを増していくためにこんなすごい戦略を持っているのです。
最近では病原菌も人気が出てコレラ菌のぬいぐるみやカーペットなども販売されています。
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それだけではなく、病気の時に出る排泄物系も人気だそうです。
これは、鼻くそ、膿、耳垢などのぬいぐるみです。
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ギフトとしても人気なのです。
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さて最後に十九世紀に行われたコレラ菌論争について書いておきます。
この論争が現代の過剰な除菌信仰の始まりとなっています。
細菌学の権威であったロベルト・コッホ医師は、「コレラになるのは、コレラ菌が犯人である。」と断言しました。
そのためコレラ菌を徹底して潰せばコレラは発症しないと主張しました。
これに対して衛生学者であったマックス・フォン・ペッテンコーファーは、「コレラ菌が悪いのではなく、環境やそれに影響される人の免疫力、コレラ菌が複合したときにコレラが発症する。」と主張しました。
つまりコレラ菌がいても、人の免疫力や衛生環境が整えば発病しないということ。
そしてペッテンコーファーは自ら大量のコレラ菌の入った水を飲み干して、コレラに罹らないことを証明したのです。
今再び同じようなことが起きています。「コロナウイルスが悪い。」というウイルス犯人説がほとんどの人の考えになってしまっています。
でもちゃんとした生活を心がけている人にとっては新型コロナウイルスは単なる風邪です。
健康体にはほぼ無害なのです。
身体を弱アルカリ性に保っていればいくらウイルスが身体に入っても発病しません。
それがなぜか薬やワクチンに頼ろうとする声が圧倒的に多くなってしまっています。
なぜ自分の身体を自分で健全にしようとしないのか本当に不思議に思います。
これからさまざまなウイルスが出てくるたびに他力本願でおびえ続けるのでしょうか。
コロナと戦うという姿勢が浸透してしまっています。
でも歴代コロナにもコレラ菌にもその他の細菌やウイルスにも人類は勝てないのです。
なぜ共存の道を選んで自らを健全にすることを考えないのでしょうか。
ペッテンコーファーは身をもって共存できることを証明しました。
自然界の摂理は共存共栄。
共存すれば、病原体には人はもっと心身共に強健にする役割があることを再認識するはずです。
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