https://ymgaho.web.fc2.com/markdoc/036kaima.html 【第36回】「垣間見える」「散見される」「うかがい知れる」の使い分け】より
見えているモノや記述したいコトが、単一なのか複数なのかあからさまではなく、少し余韻を残した記述表現に、「垣間見える」「散見される」「うかがい知れる」なんてコトバがあります。
個人的に大好き。
とくに使い分けもせず、その場の雰囲気で決めていますが、この機に定義付けちゃいましょうか。
まず、「垣間見える」。
垣根の隙間から、ちらほらブツが見えているという意味です。
「推察される」よりもダイレクトだけど、かといって、全てがクッキリ見えているわけではない。
一部の様子から全体が把握できる・・・あるいは、いくつかの隙間を通して、その先にある景色が同じであるとわかる・・・という状況で使うべきなんでしょう。
(略)
https://re-sta.jp/fixed-concept-8509 【固定概念にとらわれない13の逆転発想-創造力を発揮する考え方】 より
「固定概念」という言葉、よく考えたらおかしいと思いませんか?
「概念」は、自分の中にできるものではありませんから、固定のしようがありませんよね。
固定概念とは、「固定観念」と「既成概念」が混ざってしまった言葉です。
固定観念とは、自分の中の思い込み。
既成概念とは、すでに出来上がっている社会的な概念です。
ですから「固定概念」という言葉は、あなたの固定観念にすぎません。
「固定概念を覆す発想」ではなくて、「既成概念を覆す発想」が正しい表現で、「固定概念にとらわれない発想」ではなくて、「固定観念にとらわれない発想」が正しい表現になるのです。
ここでは、こうした「固定概念」という言葉のような固定観念や、常識とされる既成概念にとらわれることなく、自由な発想をする考え方を紹介します。
「固定観念にとらわれない」を英語にすると、“think creatively”で、「創造性豊かに」「創造力を発揮して」という意味になります。
創造性を発揮できる逆転の発想法を13の例で解説しましょう。
固定概念(固定観念)にとらわれない13の逆転発想
1. 視点を変える
カードゲームデザイナーで、感動経営コンサルタントとしても活動中の杉岡一樹さんは、美術史から学ぶ発想法として、固定観念や既成概念を壊して新しい価値観をつくり出した芸術家を解説しています。
その中から4人をピックアップして、ここで少しだけ紹介しましょう。
ルネサンス期を代表する芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)は、遠近法を確立しました。
ルネサンスは、天動説から地動説へ、魔法から科学へ、神の視点から人間の視点へと、発想が大逆転された文化運動でした。
視点を変えることによって発想が変わり、遠近法が生まれたのです。
意識的に視点を変えてみることで、自分の固定観念に気づくこともできます。
2. 既成概念の枠から外に出る
神から人間へと変革した視点は、フランス革命によって支配者から民衆へと移っていきます。
印象派を代表するクロード・モネ(1840~1926)は、民衆の視点で既成概念を打ち破りました。
印象派の画家は、古典的な絵画の理論や、絵画は受注生産で描かれるものというそれまでの既成概念から脱出して、自由に絵を描くようになったのです。
簡単にもち運べるチューブ絵の具が開発されて、屋内でしか描くことができなかった絵を野外で描けるようになったことも、固定観念の破壊でした。
枠から外に出るのは勇気がいることですけど、出なければ見えないことがあります。
3. 複数の視点を同居させる
ムンクに代表される、20世紀初頭にドイツで起こった表現主義では、印象派が外から受ける印象を描いたのに対し、内から湧き出る感情などを表現するという発想の転換が行われました。
パブロ・ピカソ(1881~1973)は、抽象芸術のひとつとしてキュビスムを確立します。
キュビスムは、立体主義とも呼ばれますが、上からの視点、横から視点、斜めからの視点など、複数の視点を同居させたことが特徴です。
ルネサンスでダ・ヴィンチが確立した単一視点による遠近法の放棄という、後世に多大な影響を与える発想の大転換でした。
複数の視点でものをとらえるという逆転発想が、芸術の概念を変えたのです。
4. 創造という枠を超える
第二次世界大戦前夜、古典的な美術を奨励して前衛的な芸術を否定したナチスドイツがヨーロッパを席巻したために、前衛芸術の中心はニューヨークへと移ります。
第一次世界大戦中の1915年にパリからニューヨークへと移り住み、油絵を描くことをやめてしまったマルセル・デュシャン(1887~1968)は、徹底的ともいえる既存の価値観の破壊を行いました。
男子用小便器にリチャード・マットと署名をした『噴水』という作品をはじめ、既成の道具をアートにする「レディメイド」というスタイルを生み出します。
創造という枠すら超えてしまったデュシャンの型破りな発想は、1960年から1970年代にかけて行われた前衛芸術「コンセプチュアルアート」に引き継がれていきました。
5. 価値判断の基準を変える
デュシャンのアートのように、それまで見向きもされなかったものが、新たな価値を生むことがあります。
1960年代の初頭、THE BEATLESの音楽性とファッションが、新しい価値観を生み出します。
デビュー前のTHE BEATLESは、革ジャンにリーゼントというスタイルで、ハンブルグのライブハウスに出演していました。
美術学校出身のジョン・レノンは、便器を首からかけてステージに登場したといいますから、デュシャンのアートを意識していたのかもしれませんね。
彼らのステージを見て、秘めた才能を見出したブライアン・エプスタインというマネージャーは、イタリアンモードのタイトスーツにネクタイ、パリのファッションであったマッシュルームカットという型破りなスタイルで、まったく新しいビジュアルのバンドをつくり出します。
THE BEATLESのブレイクは、カッコよさの価値判断の基準が世界的に変わった瞬間でした。
「高価なものがよいもの」「苦労してつくったものは価値があるもの」「長い間続けられてきたことは正しいこと」といった固定観念を捨てることは、リスクをともなうことも少なくありませんが、逆転の発想は捨てることからはじまるのです。
6. 背景にあるストーリーを見る
芸術作品は、その作品の背景が見えると価値を変化させることがあります。
歴史に残っている絵画には、その絵を描いたときの作者の心理や時代背景がメッセージ性をもって、作品の価値を上げているものがたくさんあります。
背景にあるストーリーが心を揺さぶるものであれば、1枚の絵が与える感動は大きくなりますよね。
構図や色づかいといった目に見える要素だけでなく、メッセージもその絵画の価値になっているということです。
これは、物事の見た目だけにとらわれず、背景に隠れているストーリーやメッセージに目を向けることができれば、新たな発想が生まれるということ。
外見だけでなく、本質や内面を見る目が大事だということです。
7. 人間の心理を理解する
絵画に限ったことではありませんが、権威ある人間が高く評価したことで、社会的な評価が変わってしまうことが、よくあります。
普段、本をあまり読まない人が、文芸賞を受賞した小説だから読んでみようと思って本を買うことがありますよね。
人間には、不安になると周囲に合わせようとする心理があり、「集団的無知」と呼ばれます。
道路で倒れている人がいるときに、「助けるべきだけど、よくわからずに手を出したことによって、もっと状況が悪くなってしまったらどうしよう」と迷って、助けることを躊躇してしまう人が多くなるのは、この心理が働くから。
権威からの評価は、この心理に「手を出しても大丈夫ですよ」という保証を与える効果があるのです。
固定観念を打ち破るためには、こうした人間の心理を理解しておくことも大事ですね。
8. データより直観に訴える
確かな根拠を示すために、データを集めることがありませんか?
時と場合によっては、これが裏目に出てしまうことがあります。
飲食店で、「当店はオーガニックにこだわっており、お米は○○産を○○の水でじっくり炊き上げております。○○は○○の○○だけを使い……」と、いかに美味しいかということを文章で説明しているところがありますよね。
自分の得意なことを並べるのは「能書きを並べる」といわれますが、こういう「説明」が多い店は、説明をしなければいけない理由があるわけです。
自信のなさや、欠点隠しの表れだととらえられる人も多いでしょう。
料理は五感で味わうといいますが、大事なのはデータなどよりも、居心地のよい空間や、見た目や香りといった直観に訴える要素で、やはり食べて美味しいことが一番重要。
科学的なデータよりも、人間の直観を大事にしたほうがいいいことは多いのです。
9. 「失敗は繰り返さない」より「忘れる」
忘れっぽい人は、メンタルが強いといいます。
それは、余計なストレスを溜めないから。
失敗をしてしまったときに、「二度と繰り返さないようにしよう」と反省することが大事だというのは、既成の概念です。
実は、自分にとってのマイナス要素は忘れてしまったほうがいいのです。
それが失敗だとわかっている人は、無意識のうちに繰り返さないよう行動します。
しかし、忘れようとすればそのことを思い出すので、意識的に忘れることはできません。
楽天的な人は、プラスのことばかり考えますが、それがストレスを溜めないコツなのです。
どんなときでも、気持ちよいこと、楽しいこと、うれしいことを考えることができる人は、クヨクヨしないので失敗のショックから早く立ち直ります。
「反省などしないほうがいい」という逆転の発想です。
10. あきらめた方が賢いという逆転発想
「夢はあきらめなければ必ずかなう」という美しい言葉は、前向きに生きることの大切さを表すものですが、現実には「かなわない夢」のほうが多いわけです。
自分にはムリだと判断したら、あきらめてターゲットを変えるほうが、実を取る賢い生き方だといえます。
魚がいないポイントで、何時間釣りをしていても時間をムダにするだけ。
魚がいないと思ったら、ポイントを移ったほうが魚と出会える可能性が高くなります。
「夢」を「目標」といいかえてみればよくわかります。
実現不可能な目標ほど意味のないものはありません。
あきらめることは悪いことだという、固定観念を捨てる逆転発想です。
11. カーナビより方位磁石
今は、「カーナビが装着されていないクルマは運転できない」という人が増えていますよね。
カーナビゲーションに頼ることが、当たり前になってしまっているのです。
仕事のしかたでも、最短距離を走ることだけを考えるような、マニュアルだよりの人間が増えています。
実は、目的地までのいろいろなプロセスで考えることが、創造力や発想力を高める要素になるのです。
カーナビが示す道は、いわば既成概念。
自由な発想は、カーナビよりも方位磁石を使うような走り方で生まれます。
12. 強い刺激が創造力を高める
安心できるところばかりにいたのでは、固定観念を乗り越えることができません。
自分に強い刺激を与えて、その刺激に慣れることで、固定観念の枠を打ち破る感性が身につきます。
わかりやすい例をあげると、外食する店の選び方があります。
いつも同じような予算で、同じような料理を出す店でばかり食事をするのは、ハズレがありませんから安心ですけど、固定観念の枠を越えることができません。
ちょっとムリをしてでも、高いレストランやホテルのダイニングなどに行くと、空間自体が強い刺激になることでしょう。
何度か経験してその空間に慣れると、今までできなかった発想ができるようになるはずです。
道具や持ち物でも、刺激的なものが、自分の枠を越えるきっかけになることは多いのです。
13. 打つ手がないときはチャンス
新しいジャンルをつくり出すような斬新な発想は、先が見えなくなるまで行き詰まったときに生まれることが多いのです。
世界でムーブメントとなりつつある「日本酒ブーム」をけん引した「獺祭」という酒がありますよね。
安倍首相がオバマ元大統領にプレゼントしたことで、一般にも知られるようになったこの酒は、日本酒づくりの常識とされていた杜氏もいなければ、秋から冬という仕込みの時期もなく四季を通じて醸造されています。
これは、この蔵元が経営難になって、とうとう杜氏がやめてしまったことからはじまったイノベーションだといいます。
酒造りの要である杜氏がいなくなるという、もう打つ手のない状況だったからこそ、最新のテクノロジーを導入するという大胆な発想の転換ができたといいます。
まとめ
「鳥の目、虫の目、魚の目」
これは、物事を俯瞰して離れたところから全体像を見る目、近づいて詳細を見る目、そして潮の流れを判断するように先を読む目という、異なる視点をもつことが大事だという意味で使われる言葉です。
「固定概念」が固定観念だという、少しややこしい話からはじまりましたけど、美術史から考える創造力も、ビジネスシーンに見る発想法にも、「視点」というキーワードがあることがわかりましたよね。
なお、こちらでご紹介いたしました杉岡一樹先生のアドバイスをもっとお聞きになりたい方はフォレスタのアプリコンテンツもぜひチェックしてみてください。
アプリコンテンツでは、「美術の3巨匠に学ぶ ヒット企画のつくり方」と題して、美術史から学ぶ発想法をわかりやすく理論立てて解説する動画をご覧いただけます。
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