薺に見る造化のフラクタル

http://www.mahoroba-jp.net/blog/2009/01/post_431.html【ロマネスク/フラクタル】より

上の野菜は「ロマネスク」という。別名「珊瑚礁花椰菜(カリフラワー)」「黄宝」「ヤリガイ」と呼ばれるカリフラワーとブロッコリーの相の子で、オランダ原産らしい。

今朝、有機専門仲買・米内青果さんより入手したものだ。

これを見た途端、あのフラクタル図形を思い出した。

それは見事なまでの相似象で、大きな傘から小さな傘を見ると、またその中に、同じような傘があり、さらにその小さな傘を見ると、もっと小さい傘がぎっしり詰まっている。

それは、息を呑むような美しさと正確さを象っている。

造化の妙は、これほどまでに数学的・幾何学的で、しかも情感的にも感動が後に響く。

まるでバッハの音楽が聴こえるようでもある。

実はこの宇宙は、空間的にも、時間的にも、同じパターンを繰り返しているという。

マクロもミクロも同じ世界が重層的に、出現し、重なり合い、連なり合って、尽きることがない。

だから、今日のこの場面は、かつてあったこと、今生のこの生は、未来にもあること、

今のこの人、あの人は、過去にも会った人々、

私の父母、兄弟、妻子、友・・・・・・皆連なって、過去から来て、未来にも行くべき

数珠繋がりの縁生。

仏教の「華厳経」という教えは、この事を説いている。

宮沢賢治は、いたくこの教えに惹かれて、あの銀河のように、夜空にちりばめられた

詩文や童話を綴って、「イノチのつらなり」を訴えた。

そうだ、今年は「ロマネスク」を自然農園に栽培してもらって、まほろばで販売し、「イノチの数珠繋ぎ」を訴えよう。

名付けて「曼荼羅/マンダラ」カリフラワー。

しみじみと、自然に教えられていますね、私たちは。

実は、浄活水器「エリクサー」も、フラクタルの神秘で充ち満ちている。


http://www.arch.oita-u.ac.jp/urban/database/summary_list/aij2012-kyushu/742.pdf  【風水思想のもつフラクタルな特性】 より

1.はじめに

風水の概念は陰陽論と五行説を基盤とし、周易の体系を主要な論理構造とする中国と韓国の伝統的な地理科学である。朝鮮に風水が伝わったのは三国初期ごろとされ、広く民間の大衆にまで浸透し生活化されたのは李朝時代といわれている。また、風水説の構成は山、水、方位、人間の4者の組み合わせで成立し、具体的には看龍法、蔵風法、得水法、定穴法、坐向論、系局論等の形式論理(表1)をもっている1)。

本研究は風水が地形と人間の営みを結びつける極めて環境重視の作法であると認識している。風水によってつくられた景観を「風水景観」と定義し、景観に対する風水関与の事実関係を明らかにすることを目的としている。

これまでの研究2)~ 5)では、風水の形式論理である蔵風法、得水法と景観の関係について分析・考察を行っている。

しかし、風水全体を理解するためには風水の6つの形式論理すべてに対する分析が必要である。

2.研究の目的・方法

本稿は看龍法、蔵風法、得水法、定穴法の4つの形式論理に着目した。これら4つの形式論理を見ると、看龍法は祖山から穴場までの龍脈の流れの良否を察する方法であり、蔵風法は明堂注1)周辺の地勢に関する風水理論とされ、得水法は山と水の陰陽和合が重要視されており、定穴法は陰宅・陽基の位置を決める方法である。吉地選定に至るまでのプロセスは超広域(看龍法)・広域(蔵風法)・中域(得水法)・小域(定穴法)という段階が見てとれる。つまり、風水とは全体と部分の関係を結び付ける作法であると考えられる。

そこで本稿では、風水の吉地選定のプロセスについて実空間を例に検証し、風水のもつ「全体」と「部分」の関係というフラクタルな特性を明らかにすることを目的とする。

研究の方法は、第一に看龍法の概念から朝鮮半島の山の連なりを超広域地図6)で確認し、主山となる山が白頭山の直系連山であるかを確認する。第二に蔵風法の概念による四神砂となる山の存在を広域地図 6)によって確認する。第三に得水法の概念に基づく山と川の存在を中域地図6)から確認する。第四に定穴法の概念によって配置された墓の位置から写真を撮影し、墓からみえる景観から風水のもつ部分と全体の関係を分析・考察する。ここで墓に着目するのは、韓国の風水では陽基風水(住宅に関する風水)よりも、陰宅風水(墓に関する風水)を重要視しているためである。

表1 風水の形式論理1)

看龍法  風水に内包されているすべての原理が可視的実体として表出された事象が山、すなわち風水用語でいう「龍」であり、祖山から穴場までの龍脈の流れの良否を察することを看龍法という。

蔵風法  明堂に位置する穴を探すことが目的である風水において、明堂周囲の地形、地勢をいかに認識しているかということは風水を理解する上で重要なカギとなる。この明堂周囲の地勢に関する風水理論を通称して蔵風法といい、これによって穴が決められる。

得水法 風水での水の役割やその重要性について、最も妥当なものは陰陽論的解釈である。陰と陽は単独ではものを生み出せず、陰陽が配偶することによってはじめて造化のはたらきが成立する。ゆえに形成の観点から論じると、山は陰であり、水は陽なので、山と水の両者が配偶することによってはじめて、陰陽両者がそろうことになる。そのため得水は陰陽和合に必要不可欠な存在としてその重要性が認識される。

定穴法 「穴」とは、風水において要諦となる場所である。穴は陰宅の場合、屍体が直接に土地と接し、祖の生気を得る場所であり、陽基の場合は居住者が実際に生活を営む場所である。朱子は「いわゆる定穴の法とは、針灸にたとえられるもので、おのずから一定の穴の位置があり、いささかの過ちも許されない」とし、風水の穴を人体の経穴に比喩している。

坐向論  坐向論は、山、水、方位、人間の4つの風水構成要素中、方位に関する術法である。元来、坐向は穴の位置からみた方位、すなわち穴の後ろの方位を坐とし、穴の正面を向とする。ここでは穴の坐向だけではなく、山や水の流れの方向等の方位問題全般が関連する。

系局論  これは最後の段階として、主に地勢の外観によってその感応の可否を判断する方法である。物形規局論ともいい、穴の形態や力量、気勢をある物体の形状にた

とえて表現するものであるが、風水の本質的な論理とは明らかにかけ離れた内容といえる。

3.研究対象地域について

本研究では韓国全羅南道南原市山内面を対象に分析・考察を行っていく。調査日時は 2011 年 7 月 31 日から 8月 4 日である。調査内容は景観写真の撮影と、集落住民へのヒアリングを行った。

山内面は韓国南部に位置し、面の内部には濫川(ランチョン)が流れる。人口は1071 人で、8つの里と16の集落で構成されている。今回の対象地域はそのうち5つの里と11の集落が範囲に入っている。

今回山内面の盆地を対象としたのは、プレ調査でこの地を訪れた際に山のダイナミックさと、それぞれの山に囲まれた囲繞感のある盆地に極めて風水を彷彿とさせられたためである。また、盆地という地形条件の集落を対象とすることで、風水説のもつ全体と部分のフラクタル性がわかりやすく考察できると考えたためである。

4.風水の形式論理との整合性

4-1.看龍法からみた山の連なり

まず看龍法の観点から対象地域の検証を行う。看龍法は山の善し悪しを判断して最終的に吉地としての穴注2)の後ろにそびえる「鎮山(主山)」を選定するまでの方法である。龍注3)が祖山から始まるので、看龍法は当然祖山から説明されなければならない。韓国風水の場合、「白頭山」を祖山とすることが多くみられる。そのため、対象地域周辺の山が白頭山の直系連山であるかを確認する。

白頭山は中国吉林省と北朝鮮両江道の国境地帯にある標高2744m の山である。白頭山を祖山とする山脈に太白山脈と小白山脈がある。これら2つの山脈は朝鮮半島の背骨といわれる「白頭根幹(ベクトゥデガン)」をなしている(図1)。

対象地域の周辺にある智異山は小白山脈の南端に位置しており、別名「頭流山」とも呼ばれ、白頭山に発し太白山脈から小白山脈へと続く気の流れがこの峰に昇るとされている。今回の対象地域は小白山脈の中に位置しており、盆地周囲の山はすべて白頭山からの直系連山である。また、智異山周辺に位置していることからも風水的に良いと考えられる。

超広域の視点で対象地域をみた場合、祖山である白頭山から続く気の流れを取り入れようとする意志をみることができる。これが風水の吉地選定の第一のプロセスである看龍法の概念である。

4-2.蔵風法からみた周辺の地勢

次に蔵風法の観点から対象集落周辺の山勢をみていく。蔵風法は四神砂と呼ばれる玄武(北)、青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)を表わす山々についての吉凶を判断す

る方法である。図2に智異山周辺の山勢を示す。

これをみると今回研究対象地域とした盆地は、四方を山で囲まれていることがわかる。その山々は、北に三峰山(サンボンサン)、東に白雲山(ベグンサン)、西に徳頭山(ドクトゥサン)、南に三丁山(サムジョンサン)で、それぞれ900m を超える標高をもつ高い山である。この点から、対象地域の盆地は蔵風法によって選定されたことが考えられる。

広域の視点でみた場合、対象地域の周囲には東西南北それぞれの方位を象徴する山があり、それら4つの山によって四方を取り囲んだ地形が確認できた。風水では標高が高い山ほど良い気を持つ山とされている。この点からみても、これら4つの山の重要性が認識できる。看龍法によって選定された白頭山の直系連山である主山、蔵風法ではこの主山のふもとを取り囲む山の地形条件を把握している。これが第二のプロセスである蔵風法の概念であり、看龍法で取り入れた祖山から続く気の流れをその地に留めるための方法である。

4-3.得水法からみた川と集落の位置関係

得水法は静的な山を「陰」に、動的な水を「陽」と捉え、双方を調和させようとするものである。

図3に対象盆地内部の詳細地図を示す。得水法の概念によると山と川の調和が重要視されている。山は4-2において把握したとおり、盆地全体を構成しているものであり、それぞれの集落の背後に位置している。そのためここでは川と集落の位置関係を詳細地図から考察する。

得水法の概念では、主山から集落に向かって流れてくる気が集落の外に出て行くのを防ぐために、集落前方に川を位置させる。

そのため、本節で把握する川と集落の位置関係とは、集落前方に川が存在しているかどうかである。

盆地内を流れる濫川と集落の位置関係をみると、集落前方に濫川があるものは獐項(ザンハン)、元泉(ウェチョン)、三化(サンワ)、立石(イッソッ)、大井(デゾン)、中基(ジュンギ)、白日(ベッイル)の7集落である。これらは明らかに得水法によって選定

された集落であるといえる。

梅洞(メドン)は集落の前方に川が明確に位置しているとはいえないが、川の近接性はみてとれる。下黃(ハファン)、中黃(ジュンファン)、上黃(サンファン)の3集落は山から流れる小さな川に近接している。集落と川の関わりという点では、これらの集落も得水法によって集落が構成されているといえるのではないだろうか。

中域の視点で対象地域をみた場合、集落と川との位置関係について考察できた。本節の考察から、得水法は看龍法、蔵風法よりも集落に近づいた考え方であることがわかる。これが祖山から続く気が集落の外に流れるのを防ぐという風水第三のプロセスである。

4-4.定穴法によって配置された墓のもつ景観

最後に定穴法の観点から墓の位置を把握し、その地点から見える景観を分析する。図4に写真を示す。写真手前から、墓、集落、川、山という構成がわかる。定穴法、得水法、蔵風法、看龍法のプロセスが写真でも把握できる。また、写真奥には山が連なる様子が写っており、遠く白頭山まで続いているような印象を与えている。

第四のプロセスである定穴法は、墓や住宅の位置を決める方法である。定穴法によって選定されるその位置は、

風水において要諦となる場所である。その場所から風水の選定プロセスが景観として表れていることからみても、穴の位置は重要であることが分かる。

5.総括

本稿では風水思想のもつフラクタルな特性(全体と部分の関係)について実空間を例に検証した。これらを模式図で表わしたのが図5である。本稿で着目した4つの形式論理である看龍法、蔵風法、得水法、定穴法は、入れ子構造によって説明できる。

まず、看龍法が風水の外殻を成し、祖山である白頭山から流れる気を集落の墓・住宅まで引き入れる。白頭山を直接視認することはできなくとも、直系連山である主山から気を得ることで、風水の概念を成り立たせている。

次に、蔵風法によって人と山の関わりを決定する。地形条件から集落の位置が決められるため、ここで風水集落の大まかな形が決定されるといえる。そして、得水法によって山と水の関係が決められる。ここではより集落に近い自然環境である川が用いられている。最後に、定穴法によって集落、また墓と住宅の位置が決められる。その場所がもつ景観の豊かさが本稿では得られた。

風水は吉地の選定に至るまでに、周囲の自然環境だけではなく、さらに大きな自然という枠組みの中で扱われている。この点からも、風水が環境重視の作法であることがわかる。今回研究の対象とした地域ではそれをわかりやすく考察することができた。

【参考文献】

1) 崔昌祚:「韓国の風水思想」,人文書院,1997 年

2) 野口浩平・佐藤誠治・小林祐司・姫野由香・山口泰佑:「韓国農村集落における風水景観に関する研究 その1 -農村集落景観調査による風水と景観の関係の把握-」,日本建築学会九州支部研究報告,No.50,301-304,2011.3

3) 山口泰佑・佐藤誠治・小林祐司・姫野由香・野口浩平:「韓国農村集落における風水景観に関する研究 その2 -風景写真による景観分析-」,日本建築学会九州支部研究報告,No.50,305-308,2011.3

4) 野口浩平・佐藤誠治・姫野由香・山口泰佑:「開放型風水景観の特徴把握 -韓国農村集落における風水景観に関する研究 その3-」,2011.9

5) 山口泰佑・佐藤誠治・姫野由香・野口浩平:「閉鎖型風水景観の特徴把握 -韓国農村集落における風水景観に関する研究 その4-」,2011.9

6) 「Daum」,韓国地図サイト,http://local.daum.net/map/index.jsp

【補注】

注 1) 明堂とは風水の用語で青龍・白虎等の砂に囲まれた穴の前にある地を指す。また、砂とは穴を中心に周囲の二十四方位を取り巻く周辺の地勢をいう。

注 2) 穴とは龍脈の中で陰陽が合局し、山水の精気が凝結している所をいう。人間でいう経穴(つぼ)と同じである。

注 3) 龍とは山のことである。山の変態は千形万象で、その姿かたちが一定でないことから、風水では「龍」と名づけられている。

*1 大分大学大学院工学研究科博士前期課程 *1 Graduate Student,Oita Univ.

*2 大分大学工学部福祉環境工学科・教授 工学博士 *2 Professor, Deptof Architecture,Faculty of Eng,Oita Univ.,Dr.Eng

*3 大分大学工学部福祉環境工学科・准教授 博士(工学) *3 Associate Professor, Deptof Architecture,Faculty of Eng,Oita Univ.,Dr.Eng

*4 大分大学工学部福祉環境工学科・助教 博士(工学) *4 Research Associate,Deptof Architecture,Faculty of Eng,Oita Univ.,Dr.Eng

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