https://moriwork.jp/column/1961/ 【山で生活する人の信仰や言い伝えについて】より
山で生活する人々には、言い伝えや地域の神社等の伝統を大切にしています。日本人が生活の中で培ってきた伝統に触れてみてください。
山岳信仰について
日本の山岳信仰は、古くから山々に宿る神様や霊験あらたかな霊地に対して、敬意を払い、信仰を寄せる信仰のひとつです。山々は、古来より日本人にとって神聖な場所であり、山岳信仰はその山々に宿る神様や霊を崇める信仰として、広く日本の文化に根付いています。
山岳信仰の代表的な神様には、日本各地に存在する「山の神様(やまのかみさま)」があります。山の神様は、山や自然を司る神様であり、山岳信仰の中心的な存在となっています。また、山や自然を象徴する「熊野信仰」や「お山の神様」、「十二様信仰」など、地域や時代によって様々な山岳信仰が存在しています。
山岳信仰は、山岳地帯において特に強く根付いています。日本には山々が多く、その山々には多くの神様が宿っているとされており、山を崇める信仰は、古来より日本人にとって大切な文化であったと言えます。また、山岳信仰は、自然環境と共生するという、日本人独自の考え方や価値観を表しているともいわれています。
山の神に関する言い伝え
山には神が宿ると信じられており、日本の各地には多くの山の神が祀られています。以下には、山の神に関する代表的な言い伝えをいくつか紹介します。
「山には神が宿る」 日本の古来からの信仰では、自然界には神が宿るとされています。特に、山は高くそびえる存在であり、その頂上には神が宿ると考えられてきました。このため、山は古くから信仰の対象となり、多くの神社が山中に建てられてきました。
「山の神は自然を司る」 山の神は、山の自然を司るとされています。山は自然が生み出した壮大な景観であり、自然災害や天候の変化など、多くの自然現象が起こりやすい場所でもあります。そのため、山の神は、自然を保護し、人々に平和な生活をもたらす役割を担っていると考えられています。
「山の神は厳格である」 山の神は、山そのものが厳しい環境であるため、厳格な性格を持つとされています。そのため、山に登る際には、山の神に対して敬意を払い、山の自然を大切にすることが求められます。また、自然に対して無神経な態度をとると、山の神からの厳しい試練が与えられるとも言われています。
「山の神は神秘的である」 山の神は、自然に囲まれた神秘的な場所に祀られているため、神秘的な力を持つとも言われています。また、山には霊気や気場など、人間の五感では感じられないものがあるとされており、山の神にはそのような力があると考えられています。
「山の神は人を守る」 山の神は、山に生きる動植物だけでなく、登山者や山で暮らす人々も守るとされています。山の神への信仰は、山に挑戦する人々にとって、自然災害や山岳事故から身を守るための一つの手段となってきました。
十二様信仰
十二様信仰は、日本の古い信仰のひとつで、特に日本の山岳地帯に伝承されている信仰です。この信仰は、山々に宿るとされる「十二柱の神様」に対しての信仰であり、これらの神々に敬意を払い、祈りを捧げることで山の神々に加護を受けることができるとされています。
具体的には、十二柱の神様にはそれぞれ名前があり、それぞれが山の特定の場所に宿っているとされています。たとえば、「菅原明神」は、京都市内にある菅原寺に祀られており、山伏たちによって祀られています。「熊野大明神」は、紀伊半島の熊野市にある熊野速玉大社に祀られており、多くの信仰を集めています。
十二様信仰は、山岳地帯に暮らす人々にとって、山を信仰する文化として、古くから根付いているものです。また、十二様信仰には、山々に暮らす動植物たちに感謝するという側面もあり、自然と共存する精神を表しているとされています。
杣人の言い伝え
日本の伝統文化において、木を切る職人や伐採作業を行う人々は「杣人(そまびと)」と呼ばれます。杣人たちは、以下のような言い伝えを守ってきました。
木を切る前に神に祈る 木を切る前には、その木が守ってきた神様にお詫びをするために、神に祈りを捧げることがあります。また、その木を切っていいかどうかを神に問いかけることもあります。
神社のお祓いを受ける 木を切る際には、神社のお祓いを受けることがあります。このお祓いにより、木から宿っていた魂を無事に送り届け、木を切ることによって生じる悪い影響を回避することができると信じられています。
毎年、新しい斧を作る 杣人たちは、木を切る際には斧を使用します。斧は鋭利な刃を持つため、使い続けると切れ味が悪くなってしまいます。そのため、毎年新しい斧を作り、常に最高の状態で仕事を行うことが求められます。
節目ごとに祝いの行事を行う 木を切る際には、特定の節目には祝いの行事を行うことがあります。たとえば、新しい鎌を手に入れた際や、木を切り終えた際には、神社にお参りして感謝の気持ちを表します。
木の精霊に感謝する 杣人たちは、木を切ることによって得られる木材に感謝すると同時に、木に宿る精霊にも感謝の気持ちを表します。このような姿勢は、自然との共存を尊重する精神を表しています。
斧をよきと呼ぶわけ
「斧をよきと呼ぶ」という言葉は、日本の伝統文化や風習に関する言葉の一つで、斧は木材を切り出すための道具であり、それをよく使いこなす職人や人々は重要な役割を担っていました。そのため、「斧をよき(善き)と呼ぶ」という言葉が生まれました。
この言葉には、木材を切り出すための道具である斧には、その大きさや形状、扱い方次第で、作業の効率や品質に大きな影響を与えるという意味が込められています。斧は、木材を切り出すための労働を行う人々にとって、欠かすことのできない重要な道具であったことから、その扱い方や使い方には非常に慎重な注意が払われていました。
また、「斧をよきと呼ぶ」という言葉には、職人や人々が、自分たちの仕事に真摯に向き合い、その道具に敬意を払っていたことを表しています。この言葉には、道具を大切に扱い、真剣に仕事に向き合うことが重要であるという、一種の職人魂を表す意味も込められています。
「ヨキ」には三本と四本の線が刻まれていて信仰的な意味があり、三本→「ミキ」といって「神酒」を表しています。
四本→「ヨキ」で「四気」または「四大」を表します。「四気」とは太陽・土・水・空気で木を育てる気のことです。「四大」とは地水火風のことです。
伐採する前に斧を木に立てかけて山の神様が与えた樹木を使わせて頂くことへの感謝と伐採許可や作業の安全を祈るそうです。
マタギの言い伝え
マタギとは、日本の山に住む動物を狩る狩猟民のことを指します。彼らには多くの言い伝えがありますが、代表的なものを以下に紹介します。
「山に入る前に神様に挨拶をする」 マタギは山に入る前に、山の神様に挨拶をします。彼らにとって山は生命力に満ちた神聖な場所であり、神様に感謝の気持ちを示すことが大切だとされています。
「狩りの時は動物に感謝する」 マタギは狩りをする際、必要な分だけの動物を狩るように心がけます。また、動物に感謝の気持ちを示し、生命力をもらっていることを忘れないようにしています。そのため、マタギたちは狩った動物を食べる前に必ず感謝の言葉を述べます。
「不用意な言動は禁物」 マタギは、山の動物たちとともに生きるために、自然との調和を大切にします。そのため、不用意な言動をすることは禁物であり、自然を敬い、謙虚であることが求められます。
「狩りの際は敵になる」 マタギは、山に生息する動物たちが自分たちの敵であると考えています。そのため、彼らは常に状況を見極め、自分たちの命を守るために最善を尽くします。
「山は大切な財産」 マタギたちは、山が自分たちの生活や文化に欠かせない財産であると考えています。そのため、山を守り、維持することが彼らの使命であるとされています。
https://www.youtube.com/watch?v=Cygkoiujh7g
https://www.youtube.com/watch?v=Q7uciXhzMcE
https://www.youtube.com/watch?v=yRWIyIb8zTA&t=1181s
https://zinja-omairi.com/%EF%BB%BFyama-kamisama/ 【ほとんどの日本人が知らない山の神様の秘密 秋山眞人先生】より
今回のゲストは、国際気能法研究所所長の秋山眞人先生をお招きしてお届けしていきます。
山の神秘
【羽賀ヒカル】
秋山先生は『山の神秘と日本人』という最新刊を出されました。
確かに山は神秘性があって、今日も新幹線に乗って大阪から東京まで来る途中、外の景色を見ていると「あの山なんだろう」と思うような神秘的な山がありますね。
【秋山眞人】
新幹線が1番よく分かるかもしれないですね。
例えば、富士山を過ぎたあたりの足柄にかけての山並みや京都の山並みなどは、新幹線みたいな流れていく景色として見ていると「ここが龍穴(※注1)だ、レイライン(※注2)だ」というように山の種類の変化によって体感も変わってきますね。
その土地の溶岩の出方や今までの造山活動の起こり方によって、山はそれぞれ本当に形が違うので、表情が個性的ですよ。
※注1:龍穴(りゅうけつ)
陰陽道や古代道教、風水術において繁栄するとされる土地のこと。
※注2:レイライン
古代の遺跡には直線的に並ぶよう建造されたものがあるという仮説で、その遺跡群が描く直線をさす。
【羽賀ヒカル】
長野県では、日本アルプスの山並みに感動しますし、奈良や四国では平野にボーンといきなり山があってピラミッドみたいに見えますね。
大和三山(※注3)もそうですね。
※注3:大和三山
奈良県橿原市に位置する、香具山(かぐやま)・畝傍山(うねびやま)・耳成山(みみなしやま)の三山
日本人の信仰の原点
【秋山眞人】
大和三山は自然の山を利用して作ったとされるけど、やっぱり僕は人工造山としてはすごいなと思います。
日本の場合は、例えば大きな山が1回噴火するとその造山活動で地層が割れて隆起して、盛り上がった方に断層ができて、高い部分の連なりが山の尾根になります。
尾根の上は地盤が一番固く安心できる場所で、縄文時代まで遡ると、下の方は亜熱帯で暑かったので、山の上の方寄りに住むしかなかったために大体尾根に住みました。
鎌倉や江戸になってからも、東京都内でも大きな大名屋敷跡というのは大体春日通りとか、尾根沿いに道と屋敷があったので、その両側は標高が低いので、水の事故や事件が起きやすいのですよね。
だからやっぱり、地形をもって町を見るっていう感覚はすごく重要だと思います。
この尾根をV字形に切ると「切通し」といって、そこを五街道(※注4)を通したわけですよ。
富士山なんかいっぱい尾根が出てるんだけど、切り通していったんですね。
※注4:五街道
江戸時代の江戸・日本橋を起点に伸びる東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道の5つを指した陸上幹線道。
1601年(慶長6年)に徳川家康が全国支配のために、江戸と各地を結ぶ以下の5つの街道を整備し始め、2代将軍秀忠の代になり、基幹街道に定められた。
このV字に切って切通された海側の部分はピラミッドになり、そのピラミッドは謎の見えないパワーと繋がっていて狼煙(のろし)を上げればとんでもない情報網になり、ピラミッド沿いに狼煙を上げると九州から東北まで20分ぐらいで文章が伝えられるという実験をやった人がいるんですよ。
たぶん、海の漁師の人たちが漁場を選定するのにピラミッドに火を灯したり、そこで位置確認をして海の位置を確認するという灯台としても使われていたのではないかと思っていて、実際、海向きに鏡岩があり濡らしてその場で火を焚いたらものすごく遠くまで光が見えるのです。
僕は古代に気球があって、ある時代まで我々の先祖も非常に盛んに使っていただろうと思っています。
下手したら海外まで気球で出てたかもしれないですね。
気球で見てればUFOとも遭遇しやく、こういうピラミッド構造というのは気球も着陸しやすいんだけど、下が見えて敵の認識がはっきりして安全なのでそういうところに、UFOも降りてたのではないかとも思います。
だから、山というのは富士山ひとつ取ってもあらゆる神秘性が繋がっていて、そこと繋がって街(村)ができてそこと繋がる心がある。
これは仏教と神道が別れる前の最も古い古神道と言われる世界の自然観と言え、そこと繋がる空間そのものそしてこの体を含めた空間そのものが我々の信仰の原点で、つまり日本人というのは山を含めた空間信仰ですね。
火山の神秘
【羽賀ヒカル】
先日、箱根にお参りしてきて、山のスゴさを感じました。
富士も箱根も火山でそれによる電場磁場というものがあるのかなと思っていますが、いかがでしょうか?
【秋山眞人】
そうですね。
火山というのは本当にすごいもので、火山ごとに溶岩の質が違っていて、富士山が綺麗になだらかな山になっているのは、溶岩がサラサラしてたので、ものすごい勢いで流れてきて固まるからあの形なんですね。
場所によっては溶岩の中に、非常に鉄分が多いとか粘り気が強い溶岩があって、それはすごく地面の深いところからゆっくり上がってくる溶岩なので、非常に硬い玄武岩(げんぶがん)という石を作ります。
これが柱状節理(ちゅうじょうせつり)と言って、決められた法則で柱状に割れたりするので、そのまま巨石建造物を作るのに使えます。
日本は本当に山のデパートみたいなもので火山もいろんな種類があり、ちょっと前に噴火した御嶽山や蔵王のように、穴が巨大に開いてしばらく噴火しないということを繰り返す場所もありますね。
そして、良い硫黄温泉が出たりとか、特殊な癒しの場としての力を持っていて、蔵王権現さんとか、特殊な神様が祀られていますよね。
【羽賀ヒカル】
個人的にはナンバーワンは西日本では阿蘇で、東日本は富士かなと思っていますが、どうですか?
【秋山眞人】
それは非常に良い感覚ですね。
実は富士は元々古語では浅間(あさま)といい、浅間神社(せんげんじんじゃ)というのは本当は浅間神社(あさまじんじゃ)で、音読みして浅間(せんげん)になるということです。
そして、浅間(あさま)という山もありますよね。
阿蘇浅間浅間神社(あそあさませんげんじんじゃ)というのは、いろんな論争があります。
小谷部全一郎という人に言わせれば、日本の非常に古い言葉で『火を吹く山』という古語だということです。
例えば、小谷部さんが言う古語論からでは、出雲や伊豆は『突き出た火山帯』を表す言葉で、火山系の言葉ということですよね。
だから、そういう意味では富士と阿蘇というのは、古代人が同じ質の山を直感的にそういう名前で呼んでいた。
それは火を讃えている休火山・活火山であること。
そして、同じような岩質で鉄分が多く同じような水が出るということを見てたのではないかと思うんですよね。
例えば、古語では山を『まる』と呼んでた時期があって、これは人間の名前も幼少名で「次郎丸」とか「太朗丸」とかつけますよね。
あの『まる』というのもそもそも山をよぶ古語の1つです。
『まる』と呼ばれる山は神奈備型山(※注5)や上から見るとほぼ円形の山ですね。
※注5:神奈備型山(かんなびがたやま)
神の鎮座する山、神社のある山
富士山も別名でまるで読んでた人たちもいたらしく、特に円形の山には神が宿りやすいと考えられていて、磐座(※注6)として山自体が存在していると考えたのだと思います。
※注6:磐座(いわくら)
古神道における岩に対する信仰のこと、あるいは信仰の対象となる岩そのもの
船でも『~丸』と呼びますがあの語源は山の空間、つまり神のあるところっていう意味なんですよ。
【羽賀ヒカル】
個人的には日本人の都市は山とセットであると思っています。
例えば、江戸は富士山のエネルギーの裏側にあたりますね。
実際に浅草寺のお祭りでは、富士山から下りてくる観音様も現れるといわれていますが、客観的にみると距離が遠いですよね。
それは天海(※注7)が江戸を設計する時に富士のエネルギーが流れてくるように設計したのだと思います。
やっぱり山が中心ということですね。
※注7:天海(てんかい)
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての天台宗の僧、大僧正(僧官の最高位)
【秋山眞人】
江戸期の日本大開発とも言うべき五街道は、山のエネルギーを街道を通して人に乗せてもっと巨大な都市に運ぶという巨大なインフラですよね。
それで南側に静かな入り江があって、後ろに本格的な山並みがあり、V字型の場所に町を作るだけの広い平地がある、という場所を単純地形で風水的には龍穴と言います。
1番強い龍穴の形があって、そこに見合うのは北海道の下のほうの函館の辺りだけど、ちょっと山が低いですね。
九州の一部と大きなものは大阪・東京と奥に京都をいただく大阪と、奥に秩父をいただく東京、そして五街道と接続されていくとというこの構造は、凄まじい動脈・神経脈・各臓器が山に当てはめられたスピリチュアル構造の都市開発だったのだろうと思います。
山は危険と隣り合わせ
【羽賀ヒカル】
神社チャンネルなので、神社と山はセットだと思っていて、ただ山に登るとバチがあたるというケースや女人禁制の山もありますね。
私は好きですが、三輪山に関しては少し痛い目に遭った思い出もあります。
【秋山眞人】
三輪山はもともと当時日本にいた3派閥の人たちが崇神天皇のもとに合弁政府を作ろうということを誓った山で、いろいろな思いがうごめいているので難しい山ですね。
誓うということの意味はみんなそれぞれがあの山を怖がったからで、ある意味完璧なピラミッドのように建てた思いやそこに込めた念というものを裏切ったら、山が祟ると考えていたのだと思います。
【羽賀ヒカル】
むっちゃん先生(竹内睦泰先生)がそのようにおっしゃっていました。
【秋山眞人】
正直にいうと今はもう時効かなと思いますが、昔こっそり入っちゃいけない三輪山に1人で夜中に懐中電灯をを持って入ったことがあって、その後めちゃくちゃ高熱を出しました。
1番スゴかったのは懐中電灯で磐座の周りを照らしたら、地面がなぜか真っ白だったので「石英かなにかを敷き詰めてあるのかな」と思っていると、赤い点々が見えて、もっとよく見たら全部がボコボコ動いている赤目の白蛇で「ヒーッ」となって山を降りてきたことがありました。
そこでは代々、白蛇が神の使いだから人間が殺さないので、遺伝学的に白蛇が増えていくという合理主義的な考え方はありますが、そんなもんじゃ説明しきれない三輪山の聖なる気と怪しい部分の両方をモロに感じましたね。
だから、僕は三輪山は大事なところで、ただ癒されに行く場所ではないと思いますね。
【羽賀ヒカル】
そうですね。
三輪山は癒されに行く場所じゃないですよね。
【秋山眞人】
山はみんな登りたくなりますが、富士山でもかなり遭難者が多くて、上から小石が転がってきても銃弾ぐらいの勢いで頭に当たるので非常に危ないですね。
僕は小さい頃に山と海の両方が豊かな伊豆で育ったので、どちらの怖さも知っていて、とっても大きなムカデがいて刺されたら命がけでしたし、山には野犬もいっぱいいました。
昔は野犬が住んでいるのは山の限られた場所で、それを統括してるのがはオオカミだったからすごいなと思います。
【羽賀ヒカル】
今はニホンオオカミがいなくなってしまったので、これは由々しき事態ですよね。
【秋山眞人】
本当に由々しき事態ですよね。
今はハクビシンだらけで、中国からハクビシンが攻めてくるという感じですね。
先日も雨戸を開けたら隣の家の塀にハクビシンがいて(ハクビシンは木の上へ登ったり手でモノを掴めます)、ガラス越しに目があったけど微動だにせずジーッとしてから行っちゃいました。
山には独特の自然体系があって人間が入るだけでそれを破壊してしまうので、本当は入ってはいけない場所でしたし、当然人間も山に入ることで変な菌に感染する可能性もありますね。
山とは完結した生態系なので遠くから見守ることが大事で、人間が周りで生きて畑を作ったり、木の実やキノコを取ったりして、山に入る分だけ山を汚して植物を枯らしてしまい、山の動物が飢えて里へ降りてしまうため、危ないことになります。
例えば最近、東京の高尾山も食べ物がないから鹿が街に降りてくるようになりました。
そうすると起きたのは、鹿が山に住んでいる巨大なヤマビル(きれいなレモン色で背中に1本紫の線が入っている)を体にぶら下げて降りて来てしまうので、周りの家にヒルが上がり込んで大変なことになっているのです。
【羽賀ヒカル】
人間が山に登って山を荒らしたり、切り開いたりするから、そうなるんですよね。
【秋山眞人】
そうなんです。
最近は高尾山の山道でも結構、ヤマビルが出るようになりました。
ヒルは意外と敏感なので、昔は動物にはくっつくけど人間に近付かなかったのに、最近はかなり獰猛で、山道の木の上から落っこちてきて雨合羽の上からでも 血を吸われます。
とにかく山は大混乱してるので、人間は離れて見守る姿勢が大切ですね。
山の上の本殿が祀られている奥宮に聖職者がいて、我々は山の下の拝殿からその山を祀り、旅館に泊まってそこでおいしい水飲んで温泉に浸かって、おいしい山の幸を食べて帰ってくるということが、僕は最上級の礼儀、正しい心が落ち着く山の楽しみ方のような気がします。
最近よく「山へ登ってからなんか調子悪いんですよ、なんか取り憑かれたでしょうか?」という相談をされて、この人なんか重要な石ころ蹴飛ばしたなとか、山の木に名前を彼女と名前を刻んじゃったかなとかいろいろ連想しますね。
【羽賀ヒカル】
眷属霊(※注8)にやられているということですね。
※注8:眷属霊(けんぞくれい)
神様の使いである霊的存在で、動物として表されているもの。
奇跡の国、日本
【羽賀ヒカル】
平成・令和のどちらの天皇陛下も秋篠宮様も結構山に登られていますが、儀式としてされているということですよね。
【秋山眞人】
天皇陛下は神道の教祖ですから、非常に重要な場所に住んで、大衆の想いを受けて、その想念である集合無意識というものを神との交信し、特に宇宙の神々との接点である山に持っていく司祭なんですよね。
森とか山に入るために自分に付いている街の雑菌を殺すという非常に合理的な作用がある禊をして、清浄にし綺麗にして入っていくということをしきたり的にやってきました。
天皇陛下は山に入って、人々の祈りや悲しみや苦しみを届け、山から神々は祈りを聞き、そして今度は地球のカルマと関係のない宇宙神が「じゃこれは変えなあかんな」と言って外側から変えてくれたりするということですね。
「アメノミナカヌシノカミ(※注9)」や「アメノマヒトツノカミ(※注10)」など地球ではどうにもならないカルマをぶっちぎるという作業が累々と続いてきたのかなと思います。
※注9:アメノミナカヌシノカミ(天之御中主神)
日本神話に登場する世界の最初に出現した神。高御産巣日神(たかみむすびのかみ)と神産巣日神(かみむすびのかみ)とともに造化三神の一柱。
※注10:アメノマヒトツノカミ(天目一箇神)
日本神話に登場する製鉄・鍛冶の神。
こんなに小さな島国である日本が、世界の中で未だにある意味、恐れられていますよ。
良い面でも悪い面でも、テロ国家としても実は歴史上大ブランドだし、逆に奥行きのある自然と街が同居している国でも世界に稀に見る環境で、それが守られてきたというのは本当に奇跡ですね。
米軍があと2つ原爆を落としたら、もう日本は壊滅してたから、3発目の原爆は爆発しなかったというエピソードがあるらしいですけど、それも奇跡です。
登山にオススメの山
【羽賀ヒカル】
基本は慎みをもって積極的に登り過ぎない方が良いということですけど、オススメの山はありますか?
【秋山眞人】
僕はある程度、温泉がたくさんあって、鉄分とか養分の強い山のほうが雑菌を殺すので、人間が入って山の生態系を狂わせないですし、登るには楽だと思います。
見晴らしが良くて宇宙からのパワーが下りてくるのは関東でいうとやはり富士山で、下へ行けば樹海もあって上の方は草木はあまり生えない、そういう場所が良いと思いますね。
噴火すると怖いですけど、登って大丈夫な山というのはコンパスが少し狂う鉄分が多いところや硫黄温泉はお祓いの力が物凄く強い硫黄温泉が多いところが良いですね。
昔はアメリカの大聖地とよく言われたシャスタ山(カリフォルニア州にある火山)が有名で、今はセドナ(アリゾナ州)が聖地だといわれますが、僕の世代はあんまりピンとこないですね。
セドナは鉄分が多くて真っ赤です。
シャスタ山は火山灰でシリカ(ケイ素とも呼ばれるミネラルの一種)とその火山脈も独特の香りがします。
最近、シリカは伊万里焼の素材でもあって、放射能まで清めるとか色んな効能が言われています。
そういう意味では、登るための山もあるんじゃないかなって思いますね。
【羽賀ヒカル】
なるほどね。
富士山はオススメということですね。
実は、僕は富士山に登ったことはないんですよね。
【秋山眞人】
実はね、僕も静岡県人だけど、大体五合目まで車で行きますから、頂上までは上がっていないです。
それでも、きれいですよ。
みんなは雲海が見たいと言うけど、僕はそんな贅沢なんか求めないですね。
あれは人が入っちゃいけない、神の世界だって感じますね。
だから、逆に500から800メートルぐらいの小山で、ちょっと謎のピラミッドがあって山頂に不思議な神社やお寺があるとか、僕はそういう山が好きですね。
【羽賀ヒカル】
皆神山(みなかみやま:長野市にある溶岩ドームの山)などですか?
【秋山眞人】
まさしく、皆神山はそうですね。
そういう山の面白いところは、山頂から水が湧くことで、高いところから水が湧くというクレイジーさです。
これは断層がズレていて水脈が上に上がっちゃったから、ポンプの原理・浸透圧の原理で山頂で水が湧くのですが、やっぱり独特な水ですよ。
【羽賀ヒカル】
皆神山は2年ぐらい前に見ましたけど、あの神秘性はスゴイですね。
【秋山眞人】
たまらんですね。
皆神山はスゴイですね。
天皇陛下を終戦の時、そこの地下に隠すという計画がありましたね。(※注11)
※注11:松代大本営地下壕(まつしろだいほんえいちかごう)
舞鶴山(まいづるやま)・皆神山(みなかみやま)・象山(ぞうざん)に碁盤の目のように掘り抜かれ、約10キロメートルに及ぶ地下壕。太平洋戦争末期に皇居、政府の主要部、ラジオなど、天皇制国家を支える中枢機関がまとめて移転する計画だった。
【羽賀ヒカル】
第二東京、第三東京になる予定だったんですね。
【秋山眞人】
それは日本軍の人たちだって、いい加減に選んだわけじゃないと思いますよ。
【羽賀ヒカル】
今回は「ほとんどの日本人が知らない山の神様の秘密」というテーマでお届けさせて頂きました。ありがとうございました。
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