魔界転生

http://musebinaki.com/2015/07/26/samurai-reincarnation/ 【甦る宮本武蔵!燃える江戸城!!『魔界転生』(1981)の圧倒的面白さにエロイムエッサイム!!】より

呪いの闇に巣喰う者よ、毒持てる蛇、禍々しき悪魔よ、今こそ現われて災いの力を貸せ。姿を見せよ。来たれ。復讐するは我にあり。我これを報いん。

エロイムエッサイム、我は求め訴えたり。

千葉真一,沢田研二,真田広之,緒形拳,丹波哲郎,深作欣二

いや、ここまで面白いと思わなかった。

非常に長い山田風太郎の原作から、島原の乱で無念の死を遂げた天草史郎時貞を敵役とする脚本が絞りあげられ、彼が悪の軍団を結成していく過程が実に魅力的に描かれていた。

現世に執着を残した歴史上の人物が悪魔の誘惑に逆らいきれず、「魔人」となり果て徳川の世に反旗を翻すという「ほら吹き」が設定のみに充足してないのは、細川ガラシャ演じる佳那晃子の狂気の笑いや、宝蔵院胤舜演じる室田日出男の強烈な欲望解放生臭坊主ぶりなど、それぞれの役者が凄まじいまでの迫力でキャラクターを演じているためである。

迎え撃つ柳生十兵衛演じる千葉真一は彼ら「転生衆」に勝てるのか、いやマジで無理なのではないか、その緊張感に最後までまったく飽きることがない。

沢田研二演じる天草史郎時貞

その魔人の軍団に十兵衛の父が加わってしまう展開はゾクゾクする。

「柳生」の名を後の世に残す、ある意味ビジネスマンのような合理的な思考を持つ柳生但馬生が病の果てに望んだこと、それは自由奔放な生き方をする息子・十兵衛と戦いたいという剣豪としての欲求であった。

この設定はめちゃくちゃ燃える。

実際にラストは江戸城も燃える。父と子の日本映画史に残る名バトルシーンは、見るものすべてを釘付けにする異様な迫力に満ちていた。それを時代劇研究家の春日太一は『時代劇ベスト100』のなかにおいてこのように述べている。

最後に十兵衛を待ち受けるのは、柳生但馬生。演じるのは十年前に映画『子連れ狼』シリーズをヒットさせた≪伝説の剣豪スター≫若山富三郎だ。但馬守と十兵衛は役柄の上では実の父子だが、殺陣の上では若山は千葉の師匠に当たる。それだけに、剣を突きつけて対峙し合う両者の間には、ただのフィクションではない迫力があった。

『時代劇ベスト100』(光文社新書)より「魔界転生」の解説

特撮でもCGでもなく実際にセットを火にくべ、炎燃え盛るシーンで決して瞬きをしない若山富三郎の鬼気迫る演技、全身に魔よけの梵字で迎え撃つ千葉真一、火の粉が舞い散り、燃え木が画面の隅でごとりと落ちる、その緊迫感には思わずフィクションだということを忘れてしまう。

また、緒方拳演じる宮本武蔵の佇まいも素晴らしい。老宮本武蔵が望むのは天下無双の柳生との戦い、それを叶えることなく死んでいった後悔と願望により彼は転生したのだが、しかし実は十兵衛は宮本武蔵の亡くなる直前に彼の住居を訪ねており、父である柳生但馬守も病気で満足に剣をとることも出来なかった。彼ら柳生が武蔵との戦いを避けていたわけではないとも捉えることの出来る歴史解釈が良い。

もちろん細かい点を見れば、天草史郎の目標がわかりづらい、「転生衆」はみんなベテランだから若き真田広之の高笑いが似合わないわと思ってたら、あっさり天草史郎に殺されてしまう、村正折れちゃうのかよ!?など物語上の突っ込みどころはあるけれど、おどろおどろしい美術や登場人物の画面の力強さがそういう些末なものをすべて吹き飛ばす。

島原の乱での死屍累々の冒頭シーン

金をたくさんかけていようが監督・深作欣二の反権力指向は出てくるわけで、角川映画が現在のフジテレビ大作映画に代表される邦画の駄目さを助長したという意見はやはり一面的である。歴史物語はこういう壮大な嘘をつける、しかし、その「ほら吹き」を確たるものとするためにこそ美術や演技はしっかりと固めねばいけない、『魔界転生』には、そのことに対する職人的な矜持が隅々まで溢れている。

リメイク・・・?知らんな。

↓まったく知らない人には時代劇というジャンルは「水戸黄門」や大河ドラマのようなイメージのみが先行してしまいがちだが、とにかく凄い作品を見て「うおー!」と興奮したい人、細やかな情緒的側面を見たい人のために春日太一が批判覚悟で面白い時代劇を100本紹介したのが『時代劇ベスト100』という本。

一本でもここに出てくる映画を見始めれば、時代劇がググッと身近になること間違いなし。


https://ameblo.jp/wonda007/entry-12598747451.html【角川映画特集!「魔界転生」】より

以前、拙ブログで「角川映画祭」と銘打って「あなたが好きな角川映画は」の人気投票で9位に支持された作品。ちなみに自身では7位に推しております。初公開から40年近くたった今でも往年の映画ファンから絶大の人気を誇る一本です!

*以前レビューしています「角川映画人気投票結果」

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「魔界転生」1981年/日本(122分)

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山田風太郎原作小説を深作欣二監督による豪華キャストで映画化した異色時代劇!

▲真田広之&千葉真一◆ 監 督深作欣二◆ 脚 本野上龍雄・石川孝人・深作欣二

◆ キャスト 千葉真一/柳生十兵衛 沢田研二/天草四郎 佳那晃子/細川ガラシャ

緒形拳/宮本武蔵 室田日出男/宝蔵院胤舜 真田広之/伊賀の霧丸 松橋登/徳川家綱

成田三樹夫/松平伊豆守 神崎愛/おつう 丹波哲郎/村正 若山富三郎/柳生但馬守宗矩

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寛永十五年、徳川幕府のキリスト教弾圧に端を発した島原の乱では、天草四郎時貞を中心に、二万人近い信者が惨殺された。悪魔ベルゼブブによって復活した天草四郎(沢田研二)は、現世に未練を残して死んでいった細川ガラシャ(佳那晃子)宮本武蔵(緒形拳)宝蔵院胤舜(室田日出男)などを次々に魔界から転生させ、徳川幕府の転覆を目論むが・・・

ストーリーはまさに奇想天外!オールスターキャストのジュリー・天草軍団と千葉・柳生十兵衛の一騎打ち。そんなバカな!と思いつつ映像に釘づけの痛快エンターテインメント時代劇!

🎥 眩いばかりの豪華キャスト!

主演の柳生十兵衛役の千葉真一と天草四郎役の沢田研二の異色組み合わせを筆頭に、出るわ出るわの豪華キャスト!角川映画の面白さのひとつに、この俳優陣の豪華さがあります。個人的には緒形拳や室田日出男らはもったいない気がしますが(笑)。少ししか出ませんが俳優兼フルート奏者として有名な神崎愛が宮本武蔵を慕うおつう役、そして、トラック野郎シリーズのヤモメのジョナサンの二女華子役だった菊池優子が真田広之演ずる霧丸に仄かに想いを寄せる少女役でちょこっと出てます

◇◇◇◇◇

🎥 エロイムエッサイム 我は求め訴えたり

これだけ映画の技術が発達してきているのに、今の時代、この映画のような生々しい怨念が逆に感じられなくなっています。まず、語り手(演じ手)が少ないことが挙げられます。凄い画像は作れますが、どこかカッコ良くお洒落に、しかも無残に変えられている印象です。前半は間延びしているし、辻褄が合わず突っ込みどころ満載ですが、一連の金田一耕助シリーズのような、このおどろおどろしい感覚はどこからくるのでしょう?そういう意味でやっぱり面白い!若山富三郎、丹波哲郎、千葉真一、緒形拳など昭和の輝ける俳優陣にジュリーが大きな風穴を開けた画期的な時代劇です。加えて、佳那晃子の細川ガラシャは妖艶でサービスカット?が満載です。こういう猥雑さを含めてエンタメとしての面白さは格別です。

過去何度か書いておりますが、「角川映画」には、時代を変える意気込みのようなモノを感じますね

🎥 炎の江戸城!圧巻のクライマックス!

燃えさかる炎の中で、魔界衆となった若山・但馬守と千葉・十兵衛との対決は映画史に残る名シーンと言われています。ほとんど瞬きをせず鬼気迫る若山富三郎と全身魔除けの梵字で迎え撃つ千葉真一!この江戸城が炎に包まれるクライマックスは特撮による合成ではなく、実際にセットを燃やして撮影されたという時代劇屈指の名シーンと言われ、その中での殺陣は見事としか言いようがありません。殺陣については人並みくらいの眼力しかありませんが、映画「13人の刺客」で松方弘樹の殺陣が、他の出演者と段違いの上手さと凄さを目の当たりにしましたが、その松方弘樹からして「富兄ィ(若山富三郎)の殺陣の上手さはケタ違いで当代一!」と語っております。ちなみに殺陣の上手さでは定評がある千葉真一ですが、若山富三郎は剣の師匠とのことでした。やはりリアルな殺陣の美しさと力強さあっての名シーンたる所以でしょう

今流に言うと「オカルト時代劇」で、たとえば今の技術でならもっと凄い画像が撮れるのでしょうが、逆に臨場感に欠けるつまらない映画になったでしょうね。多分、このような時代劇はもう撮れないでしょう

🎥 エンタメ時代劇の輝ける一作!

野生的で男くさい柳生十兵衛を見事なまでを演じきった千葉真一と対照的に妖艶で美しい沢田研二が演じる天草四郎の対決!

「人間がこの世にある限り、私は必ず戻ってくる、必ず戻ってくるぞ!ハハハ・・・・・」

紅蓮の炎の中、十兵衛に切られた首を抱えて天草四郎の高笑いの名シーンで幕を閉じます

是非ご覧あれ!

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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