https://www.kyoto-np.co.jp/articles/biz/936036 【身体性の欠如 俳人・黛まどか氏】より
前回のコラムに企業経営におけるルールとプリンシプル(行動規範)について書いた。社員に求められるのは、プリンシプルや企業理念をベースにした対応能力だ。
プリンシプルを身に付ける方法の一つに、「型」の習得がある。武道、茶道、能などなべて日本文化は「型」の体得に始まる。「型」はひとたび身に付けると応用が利くが、そのためには反復練習が不可欠だ。
今年創業120年を迎えた資生堂パーラーには、「銀のカトラリーを磨く」伝統がある。かつてはベテラン社員から新入社員までが、出社するとまずシルバー磨きをした。“お客様が直接触れる物だから”、丁寧に磨く。花椿のシンボルマークが刻まれた銀食器を日々磨いていると、愛社精神と誇り、お客様への思いが湧くという。そしてお客様基点でものを考えるようになり、行動につながる。
同じお客様でもその日によって体調など状況は違う、それを瞬時に感じ取り行動に移す。状況が常に変わる対象に対して、マニュアルは対応しきれない。
社員一人一人が瞬時に自分で考え最適な対応をするには、行動規範を“身体に浸み込ませる”しかない。資生堂パーラーにとって、その方法の一つが「シルバー磨き」なのだ。
昨今多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基にビジネスモデルを変革する。企業の業務や組織そのものも変革して、ビジネス環境の激しい変化に対応するというものだ。
各企業のDX戦略はコロナ禍において加速している。さらに仮想通貨やメタバースなどが登場した。パソコンの前に居ながらにして通貨を動かしたり、知らない人たちとコミュニティーを作ったりとその可能性は未知だ。確かにうまく使えば時間の効率化や新たなビジネスチャンスになるだろう。しかしそこに生の「身体」はない。すべてがバーチャル(仮想)の世界なのだ。
そこでキーワードになるのが「身体性」だ。現代生活では身体を使うことが極端に減っている。自分の体験を経て獲得した知見ではなく、ネットで手軽に得た情報を元に考え、言葉を発し、行動する。日常がバーチャルになりつつあるのだ。企業経営も例外ではない。
ある企業の物流拠点で話を聞くと、最近の社員は物流センターに足を運ばないという。在庫状況を目の当たりにすれば、身体で危機感を感じたり、新たな商品企画に反映したりできる。
稲盛和夫氏は「現場は宝の山」と言った。現場には課題解決のカギとなる生の情報が隠されている。それらを五感や肌感覚でつかむことができるのが現場だ。つまり「身体性」の重要性を指摘しているのだ。本社で数字だけ見て判断していては、実態から乖離(かいり)する一方だ。身体性が欠如した議論は、リアリティーの欠如を招く。
IT化が加速する時代だからこそ、身体や五感の重要性を再認識すべきだろう。「身体性」の復活は、日常生活にも経営にも求められている。
まゆずみ・まどか 俳人。1994年、「B面の夏」50句で第40回角川俳句賞奨励賞受賞。同年、初句集『B面の夏』刊行。96年、俳句誌「月刊ヘップバーン」創刊・主宰(通巻百号で終刊)。97年、「フランス香水協会」マドモアゼル・パルファム賞(文化部門)受賞。99年、北スペイン・サンティアゴ巡礼道約800キロを踏破。同年、「日韓文化交流会議」委員に就任、度々訪韓。2001~02年、四季にわたり5回訪韓、釜山-ソウルの約500キロを歩く。02年、句集『京都の恋』で第2回山本健吉文学賞受賞。10~11年、文化庁「文化交流使」として仏パリを拠点に欧州で活動。17年、四国遍路約1400キロを踏破。オペラの台本執筆や校歌の作詞なども手掛ける。20年、「京都×俳句プロジェクト」(https://kyoto.haiku819.jp/)を発足。21年より「世界オンライン句会」主宰。現在、ワコールホールディングス社外取締役。京都橘大、北里大、昭和女子大客員教授。「日本再発見塾」呼びかけ人代表、「公益財団法人東日本鉄道文化財団」評議員、岐阜県大垣市「奥の細道むすびの地記念館」名誉館長など。22年7月に10年ぶりとなる句集『北落師門』を上梓した。その他の著書は句集『忘れ貝』、『てっぺんの星』、紀行集『ふくしま讃歌-日本の「宝」を訪ねて』、『奇跡の四国遍路』、随筆集『引き算の美学-もの言わぬ国の文化力』、『暮らしの中の二十四節気-丁寧に生きてみる』など多数。神奈川県出身。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/raiten/20220926-OYT8T50057/ 【[著者来店]「句集 北落師門(ほくらくしもん)」黛まどかさん…還暦に 曲折50代の句】より
「B面の夏」50句で角川俳句賞奨励賞を受賞し、鮮烈なデビューを果たしてから28年。女性だけを集めた句誌「月刊ヘップバーン」の刊行など、世の注目を集めてきた。既存の俳句結社に属さず、独自の作句活動、普及活動に努めてきたが、その人がこの7月、還暦を迎えたと聞き、驚きを覚えた。「自分ではあまりピンと来ないんですけどね。自然に受け入れています」と、静かにほほ笑む。
50代の句を集めた『北落師門』を還暦の誕生日のその日に刊行、一つの区切りをつけた。「北落師門」とは、秋の南の空にひときわ輝く「みなみのうお座」の1等星を指す。別名「フォーマルハウト」。「私も群れて生きたくないので、嫌なことがあったときにはその星を見つめ、自分を励ましてきました」と語る。
50代は様々な出来事があったという。伝統文化を一緒に盛り上げようと誓い合った歌舞伎俳優の坂東三津五郎の死、母の入院と手術、俳句の師でもあった父・黛 執しゅう の死……。そんな出来事の合間に、東日本大震災の被災地を巡り、四国遍路を自らの足で歩み、サハラ砂漠で満天の星を見つめ、沖縄の霊地を訪ねた。折々に詠んだ句を10年ぶりの第8句集として世に問う。
父の死に臨んで詠んだ句。「澄みわたる山河を残し逝きにけり」。父の死という衝撃的な出来事に遭遇しても句にせざるを得ない俳人としての「業」を感じたという。
師を失い、これからは一人で歩んでいく覚悟ができた。「還暦までは、俳句の型をしっかり自分の身体の中に入れようと決めていました。『守破離』という言葉がありますが、これからは型を守りつつも、殻を破る句を作っていこうと思います」。そして、父が達した自由自在な軽みのある「離」の心境を求め、これからも詠み続ける。(文学の森、1980円)塩崎淳一郎
https://kyoto.haiku819.jp/ja/home/ 【京都×俳句プロジェクト】より
京都、余白の旅へ
俳句は、花鳥諷詠…花や鳥、虫など自然の中に生きる小さな命を詠むものです。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は時雨など、京都には四季折々の自然の美しさや伝統行事があり、昔から多くの詠み人を魅了してきました。
日本には「歌枕」の旅という伝統があります。古歌に詠まれた地に足を運んだり、思いを馳せたりして歌や俳句を詠むのです。
このサイトでは、歌枕・京都の四季折々の風景を、世界の俳句愛好家や京都ファンが俳句に詠み合い、俳縁をつないでいきます。
(c)京都市メディア支援センター
コロナ禍の今だからこそ、俳句という小さな窓を通して命を見つめ、17音の器にその命を輝きを称えませんか?
そして、俳句を通してまだ見ぬ人との出会いを叶えていきませんか?
京都から世界へ、世界から京都へ。俳句がつなぐ「命」の響詠です。
黛まどか
https://kyoto.haiku819.jp/ja/20220319-1/ 【Haiku for Peace投句募集のお知らせ】より
3月より「行事・イベント」をテーマに俳句を募集しておりましたが、「Peace – 平和」をテーマにした投句募集に変更させて頂きます。皆様の平和を願うことばが言霊となって平和を導くことを真に望みます。皆様の投句をお待ちしております。
Haiku for peace
白鳥の帰りゆく地を思ひをり 黛まどか
~各界から寄せられたHaiku for peace~
満開の花に彼の地の友想ふ 向日葵畑子の声を溢れしむ 元防衛大臣・元外務大臣 河野太郎
国境で待つ人々に風薫る 外務大臣 林 芳正
玄黄も紅蓮に塗られ夏来たる 国文学者 中西 進
無慙にも落ちたる花を踏みにじむ 茶道家 千玄室
ウクライナへシベリヤ回りノン・バイオレンス 宗教学者 山折哲雄
向日葵や元は国境無き地球 氷室主宰・第24代京大総長 尾池和夫
戦火の中の子どもを想う螢の夜 JT生命誌研究館名誉館長 中村桂子
雪原に幾度流るる血と涙 心臓外科医 南渕明宏
花菜雨去つて解けいる空の青 国際交流基金顧問 小倉和夫
帰る雁羽を休める枝ありや 昭和女子大学理事長・総長 坂東眞理子
こども等の明日を奪ひてかぎろへる 建築家 隈研吾
踏まれてもなほタンポポの咲き誇る 増田明美
ラケットを一振り冬の空晴るる 車いすテニス選手 上地結衣
春月や遍くそそぐ神の声 十一代大樋長左衛門
https://www.youtube.com/watch?v=8MjWwi5rwtY&t=4s
京都、余白の旅へ
俳句は、花鳥諷詠…花や鳥、虫など自然の中に生きる小さな命を詠むものです。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は時雨など、京都には四季折々の自然の美しさや伝統行事があり、昔から多くの詠み人を魅了してきました。
(c)京都市メディア支援センター
日本には「歌枕」の旅という伝統があります。古歌に詠まれた地に足を運んだり、思いを馳せたりして歌や俳句を詠むのです。
このサイトでは、歌枕・京都の四季折々の風景を、世界の俳句愛好家や京都ファンが俳句に詠み合い、俳縁をつないでいきます。
(c)京都市メディア支援センター
コロナ禍の今だからこそ、俳句という小さな窓を通して命を見つめ、17音の器にその命を輝きを称えませんか?
そして、俳句を通してまだ見ぬ人との出会いを叶えていきませんか?
京都から世界へ、世界から京都へ。俳句がつなぐ「命」の響詠です。
https://www.youtube.com/watch?v=3C3kYA5Seak
https://www.youtube.com/watch?v=gPynQ-P1pUI&t=7s
https://www.youtube.com/watch?v=dLsOlfjwpyE
https://www.youtube.com/watch?v=fXKdaw2zAB4&t=2s
0コメント