ナンテン

FacebookJapanese Culture & Spirit 日本文化と精神 ·國領満男さん投稿記事

24、南天文様 

光陰矢の如し、コロナ禍で激震の今年もあと明日の晦日と大晦日だけになりました。今年の漢字に「禍」が選ばれ、感染者情報が連日増えてばかりですが、来年は難を転じて福と成す平穏な日々に戻って欲しいものです。そこで今年最後の文様は「南天文様」にしました。

南天は縁起物の植物として親しまれていますが、南天の癌産地は中国で、赤い実が火を連想するところから「南天燭」、また葉が竹に似てるところから「南天竹」という中国名から、これを音読みして「ナンテン」と和名が付いたそうです。

「ナンテン」の音が「難転」と通じ、難が転じる縁起の良い木として庭に植えられ、北東の鬼門に魔除け、厄除け火災除けの木として植えられています。我が家は鬼門に南天ではなく、植木屋さんが「柊南天」を植えて頂いていました。南天より葉にトゲがあるのでより魔除けの

意味があるのです。

「ナンテン」は「ン」が2つあり運が重なって付く縁起木として赤い実が鈴なりに付いているのでお正月の花にもよく用いられています。

南天の木は低木ですが、金閣寺の「夕佳亭」には南天の床柱があり、大きく育ち長寿だった珍しい縁起の良い床柱として有名です。

南天の葉には、シアン化水素という猛毒があるのですが、含有量が僅かなので危険性は殆どなく、逆に健胃、解熱、咳を鎮める効果があり、実にはアルカロイドという抗アレルギー作用があるので咳止めの「南天のど飴」も作られています。また食品の殺菌、防腐効果もあり、赤飯にも添えられています。

古くから南天文様が能衣裳にも見られますが、現在でも着物や帯、陶器の文様にも南天は縁起物でよく用いられているのです。


https://kigosai.sub.jp/001/archives/3320 【南天の実(なんてんのみ)三冬】より

【子季語】

実南天、白南天

【解説】

初夏の頃白い小花を穂状につけるが、これが小粒の球形の実になる。枝先に群がった実は晩秋から初冬に真っ赤に色づく。「難を転ずる」に通じることから、鬼門や水周りに植えたり、縁起物として正月飾や祝い事に用いられる。

【科学的見解】

南天(ナンテン)は、メギ科ナンテン属の常緑低木であり、西日本の暖地に野生しているが、在来の植物かどうかは不明とされる。変種として、シロミナンテンやフジナンテンが存在する。果実には、アルカロイドが含まれており、咳止めなどに利用されている。(藤吉正明記)

【例句】

南天や秋をかまゆる小倉山       其角「焦尾琴」

日当りや南天の実のかん袋       一茶「八番日記」

億年のなかの今生実南天        森澄雄「四遠」


https://ameblo.jp/yujyaku/entry-12562164319.html 【陽あたりて葉を赤らめる実南天】より

陽あたりて葉を赤らめる実南天

( ひあたりて はをあからめる みなんてん )

昨日は、赤い実をつける草木の一つである「梅擬」を取り上げたが、この時期、赤い実をつける代表的な植物として忘れてはならないのが「南天(なんてん)」である。この植物、名前の「なんてん」が「難を転ずる」に通じるということで、家の玄関先や庭などによく植えてある。

ところで、「南天」は本来、常緑の植物なのだが、最近赤く色づいているのをよく見かける。大概は陽当たりの良い所に植わっているもので、全面的に色づくのでなく、緑の葉も混ざっているものが多い。 *品種によっても紅葉の仕方は違う。

本日の掲句は、それがいつもよりも多く見かける気がして詠んだものである。何か特別の理由があるのかどうかは分からない。「実南天」は「南天の実」ともに冬の季語。(秋の季語とするところもある。)「南天の花」「花南天」は夏の季語。

因みに、「実南天」「南天の実」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

【関連句】

① 実南天難多ければたわわなり

② 我が庭に飛来の南天赤極む

③ 難多き今ぞ輝け実南天

①は、どの家にも南天が植えてあるのを見て、「世の中には難が余程多いのだろう。実南天があんなにたわわに実っている」と詠んだもの。

②は、我が家の小庭に根付いた南天が、真っ赤な実を鈴なりに付けている様子を見て詠んだ句。

③は、自然災害や政治経済などで難が多い今日、ぜひともその霊力を発揮してほしいと念願し詠んだ句である。

「南天」は、メギ科ナンテン属の常緑低木。原産地は中国など。初夏に白い花を咲かせ、晩秋から初冬に赤色の果実をつける。名前は、漢名の「南天燭」(赤い実を灯と見立てた)に由来している。

*南天の花 (6月に撮影)

縁起が良い木だということで、江戸時代には一大南天ブームが起こり、実の色や葉の色などが違う品種が120種以上あったとのこと。

その後ブームが去り現在残っているのは40種ぐらい。今もよく知られているものに、白い実をつける「白実南天」、オレンジ色の「うるみ南天」、実がならず葉色が変わる「お多福南天」などがある。

「南天の実」「実南天」を詠んだ句は非常に多い。これまで二十句ほど本ブログで紹介してきたが、今回は、その中で特に好む句を選んで掲載した。

【実南天等の参考句】

小雪の朱を極めたる実南天 (富安風生)

億年のなかの今生実南天 (森澄雄)

しぐれたるあとの日が射し実南天 (鷲谷七菜子)

実南天たわわにも年あらたまる (大峯あきら )

こころして雨滴を抱きぬ実南天 (加藤哲也)

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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