https://okabeakemi.com/blog/?p=2033&fbclid=IwAR0S7nZ_RwqNEloaRwp_G1baOip_XoGSiL5hCV6FQ83CH58dkhA8aJKjPic 【Power of Being】より
〜あなたの人生の体験の全てが、あなたの存在の魅力、存在の力、人間の器になる、そんな生き方をしたい人のために〜
この会社で、この仕事で、この仲間たちでよかった。
男たちがみんな疲れ切っている
最近、経営者の方や男性ビジネスマンの鬱が非常に増えている。ビジネス社会がまるで戦場のようになって久しい。男たちがみんな疲れ切っている。みんな傷ついた戦士なのだ。
心にいっぱい傷を負って、その生傷からはドクドクと血が吹き出しているというのに、
なんの手当てもせずに日々戦場に向かっているのだ。
泣きたい夜だってあるはずなのに。
「降りられない男たち」「立ち止まることのできない男たち」のしんどさは、かつて企業戦士として過労死寸前までいった私にはとてもよくわかる。
働く女たちもまたビジネス社会の中で、思考が男性化し、女性性が深く傷ついている人が多い。なんのためにこの会社をやっているのか?
男社会と言われてきたビジネス社会がもう制度疲労を起こしている。
経営者もそこで働く社員も、幸せを感じていない会社がいっぱいある。
働くことと幸せがつながっていない会社。働くことに歓びを感じられない会社。
働くことが苦役のようになり、我慢大会でもやっているかのような会社。
終わりなき達成ゲームの中で本当はもう精神的に限界を感じている人がいっぱいいる。
経営者も、社員も、もうこれ以上どう頑張ればいいのだと叫びたいくらい、それぞれが限界まで頑張っているというのに。なんのために働いているのか?なんのために会社やってるのか?
仕事って何?幸せって何?豊かさって何?なぜ今自分はここでこうして働いているのだろう?
誰もがこの本質的な問いを、自らの内に抱かざるをえない時代になっているように思う。
経営者は孤独なものだ。
私がやっているLPL養成講座に7、8年前くらいから経営者さんの受講が急に増えはじめた。
受講される経営者さんたちの多くが語る言葉がある。
「経営者は孤独なものだ。たしかにそう思うが、経営者とはそういうものなのだとも教わってもきた。でも、孤独で幸せでないリーダーの下で働いている社員は、幸せは感じられないよね?」
「経営者は従業員の100倍働け!と学んだから死ぬほど働いてきたけど、心の中では、俺もこんだけ頑張ってるんだから、お前らももっと働けよ!と思ってプレッシャーをかけ続けてきた」
「学んでも学んでもなぜこんなに不安なのだろう?」
「学べば学ぶほど社員と心の距離が大きくなってつながれないのはなぜなんだろう?」
「成功したのに幸せじゃない」
「目標が達成されて一瞬はやった!と思うんだけど、またすぐ次の山こさえて頑張る。いつになったら心が満たされて平安になるのだろう?」
「ふと、なんで自分はこんなに寂しいんだろうと思う時がある。でもすぐさま、甘ったれてんじゃねえよ!という頭の声が聴こえてくる」
このような声を多くの経営者さんたちから聞いてきた。
この心の声が聴こえてきたら、もう新しいステージに行こうとしているということなのだと思う。
ここは自分の居場所だ。
多くの経営者さんたちの苦悩に触れて思うことがある。
長く続いてきた男性社会の古い価値観が今音をたてて崩れ始めているのだということを。
経営の真の目的、働くことや働き方の新しい価値、お金の新しい価値観、
画一的なリーダーシップ像から多様性のあるリーダーシップ像へ。
ビジネス社会の旧パラダイムそのものが、もはや誰も幸せにしていないのだなと感じる。
心理学者のアドラーは、組織に必要なのは「共同体感覚」なのだと言う。
共同体感覚とは、
・ここは自分の居場所だと感じられること
・周りのみんなは仲間だと感じられること
・自分は役に立っている、貢献できていると感じられること
・自分は必要とされていると感じられること
会社、組織、ビジネスに愛なんか関係ないと思っている経営者が多いが、
組織の問題のほとんどは対人関係の問題なのだ。
対人関係とはすなわち「対話」ができる真のコミュニケーションができているかということであり、コミュニケーションは全て愛の学びなのだ。
組織、ビジネスにこそ愛が必要
大きな壁にぶつかっている人、行き詰っている人、デッドゾーンにぶち当たっている人というのは、全く新しいステージに移行しようとしている人達であり新しいパラダイムを創る人達であり、この時代を一歩前に進める人たちなのだ。
その萌芽には、仕事や会社というものの存在意義の8つの新しい視点があると私は思っている。
1)経営者自身が、自らの「人生の目的」から、会社 、仕事の社会的な意味と価値を問う視点。
2)社会の問題を解決していくためのビジネスという視点。
3)より良い世界を作るために自社のビジネスがどのように世界に貢献できるかのかという視点。
4)互敬・互恵、相互補完期(真実のパートナーシップ)のステージを生きる、成熟した自己、リーダーの在り方、生き方という視点。
5)組織は生きている「生命場」であるという視点。
6)会社、組織、ビジネスが違えど、これからは、「共感・信頼・つながり・分かち合い・共同創造」の視点が不可欠になるという視点。
6)経営者には心理学や哲学や自己探求が今後はより求められる時代になるという視点。
7)人は、愛によって育ち、愛によって喜びを感じ、愛によってやる気が内側から溢れてくる存在なのだという視点。
8)愛はつながる力、愛は互いを生かし合う力、愛は、考え方や価値観が違う人とも、共に生きていける力なのだという視点。
働く人たちが共に幸せになっていける場
組織の問題の殆どは人間関係の問題なのだから、組織、ビジネスに愛なんて関係ないなんて全く持って御門違いなのだ。
働く人たちが共に幸せに生きていける場になっているだろうか?
チームで働くことの喜びがある会社だろうか?
自分たちの仕事に意味と価値を見出して働ける場だろうか?
働いている一人ひとりが、上司から、仲間から、尊重され、必要とされ、承認され、
ここが自分の居場所だと感じて働く場になっているだろうか?
これらが全く満たされていないような会社の場合、人は去っていくであろうし、
そもそもこれから時代は、上記のような会社でない場合は、「もう、組織に属した働き方はいいや」と、会社員人生そのものから「降りる」人が増えていくだろう。
本質的な変革のキーワード・「Teal組織」「SDGs」
『Teal組織』(フレデリック・ラルー著 英治出版)というこんな分厚い本が5万部も売れているという事実に驚く。
個人の発達心理学と組織の発達心理学をリンクさせた、このような本が脚光を浴びていること自体、現代は組織の構造原理の変革の時代であることが分かる。
この本を読んだ時、著者は、トランスパーソナル心理学の論客であり、アメリカの「知の巨人」の一人であるケン・ウイルバーに大きな影響を受けていることを感じられた。
ケン・ウイルバーの『インテグラル理論』(日本能率協会マネジメントセンター 』『無境界』(平河出版社)『アートマンプロジェクト』(春秋社)を彷彿させる視点が随所に感じられた。
私がこれまで、「多層成熟組織」「オーケストラ形組織」という言葉で語ってきた内容が、表現こそ違えど、構造的パラダイム・シフトとして実に明晰に語られている。
新しい地平を見ている組織、ビジネス論
この本自体は分厚いし、トランスパーソナル心理学の視点が濃厚なので、心理学をあまり学んできていない人には読みずらいかもしれない。
私的には、『実存的変容』(天外伺朗著 内外出版社)や、『ハートドリブン』(塩田元規著 幻冬舎)や『パズルの法則』(ひすいこたろう著 大和書房)に新しい時代の意識を感じている。
感性が主軸になっているところに共鳴する。「感性が自分を目的地まで導いてくれる」
一方、最近、注目されているのが、持続可能性社会を真っ向から見据えた「SDGs」だ。
これからの企業活動に必須の概念であり、取り組むべき課題だ。
誰ひとり置き去りにしない〜What are the SDGs? 〜
本来の日本はサスティナブルな社会だった私が、LPL養成講座で取り組む個人の意識の成長、進化論とこの本の中の組織の成長、進化論はシンクロしている。
組織論にトランスパーソナル心理学の論客である、ケン・ウイルバーが登場していること自体に実に隔世の感がある。
初期の頃は、カウンセラー、セラピスト養成講座だったものが、14年の経過の内に受講生さんのプロフィールも講座へのニーズも変化してきたために講座自体が絶え間なく進化し続けている。
今やあらゆる職種や立場にいる方々が来てくださる。
主婦の方、対人援助職をしている方、それを目指す方、多種多様な職種の方々、ビジネスマン、経営者も共に学ぶ講座というのはなかなかないと思う。
Facebook羽田 高秀さん投稿記事
吉福伸逸
『本当に「Power of Being(存在の力)」を育てたいと思うのなら、状況に追い込まれて仕方なきくアイデンティティの破綻をするのではなく、自覚的に自ら進んでアイデンティティを破綻させることが一番だ。
一回でもいいからそうやって徹底的にアイデンティティを破綻させて明け渡すことができると、人はすごい力をつける」
そして「それは大きな勇気を必要とする、とても大変なことだ。」
『トランスパーソナル心理学を超えて追求した真のセラピーとは? 吉福伸逸の言葉』
向後善之+新海正彦+ウォン・ウィンツァン+新倉佳久子著より
P31-32
昨日の引用もこの本からの引用。
昨日、東京でハートコンシェルジュというカンウセリングルームを経営されている向後善之さんの「酔いどれカウンセリングセミナー57 吉福伸逸さんが何を考えていたのか」を断片的にだけど聞いていた。
聴きながらふと横を見ると、この本が積まれていたので、向後さんが見せるテロップと見比べながら聞いていた。
前になんどか紹介した『仏に逢うては仏を殺せ 吉福伸逸とニューエイジの魂の旅』稲葉 小太郎 著を読むと、吉福さんのいろんなワークショップの話が書いてある。
自分が見聞きする言葉や、セミナーで聞くことは、単に知識の蓄積と、もう一つは、上で書かれているように、アイデンティティの破綻を促すという二種があるだろうと思っている。
後者は、言葉を変えると、一枚づつ自我(ここでこの言葉が適切かどうかわからないが)の皮を捲ることになるのかな。
しかし、たいていは心のさまざまな防衛機制により、「勇気」を出せずに自我に「しがみつき」抵抗する。
それで、その言葉を「説明」することど終わる。
自分では気づかないうちに、自我を堅牢にしようとする。
どんだけ言葉を知り、知識を吸収しても、その得られたことを自分に引き合わせて咀嚼しないと、結局、理性肥大に陥るわけだ。そして、何度も同じ人間関係で苦しむ。
昨日の向後さんの話でテロップに出てきた吉福さんの言葉。
『「わかっいる」ということが、経験と自分の間のブロックになる』
解説を見ると、
『人は、「わかっている」と思ったとたん、それ以上考えるのをやめてしまいがちです。』
昨今のWikipediaで言葉を検索して、あーあれねと、話題についていくふりをするのもそれかな。
考えなくてすむよね。
「マインドフルネス」とか「傾聴」とかって言葉なんか、その象徴かもしれない。
わかったふりして、自分がいままでやってきた、宗教なり方法なり、何某かと比較して、わかったように、あれは違うとか、エッセンスだけ取り出してるとか、googleとかがやってるよね、以上終わり。
吉福さんが、説明しないのは、「わかった」つもりになるのを避けるからだ。と書いている。
吉福さんて、自分に突き刺さる言葉をいっぱい残されている。
それは、きっとアイデンティティの破綻を促す言葉なんだろうな。
それについて説明されずに、ほったらかしにされると、なんだろう、何を言ってるんだろうと、考えてしまう。
アイデンティティの破綻を自分で目の当たりにすると、とても苦しいと思う。だから勇気が、いるんだろうなあ。
禅の言葉なんかは、きっとそんなところをついてくるんだろうなあ。
人間関係で苦しんだ時は、この本を読んでみると、ある種のセラピーになるかも。
自ら進んでアイデンティティの破綻を促す。
いままでの人間関係の問題を振り返って、そこから自分がどんなアイデンティティを演じてきたかを振り返ることが出来るかも知れない。
良い子アイデンティティなんか、かなりややこしい。
次回、楽しみです。
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