Facebook相田 公弘さん投稿記事 野口嘉則 公式ブログ 「幸せ成功力を高めよう」より♪
「融通自在な生き方をするためには統合が必要」
こんにちは、野口嘉則です。
今回は、「どっちかにかたよったりせず、真に融通自在な生き方をするためには、対極性を統合することが必要」というお話しをしてみたいと思います。
ものごとには対極というのがありますね。
たとえば・・・静と動 陰と陽 女性原理と男性原理 感性と理性 内と外 思索と行動
精神と物質 宗教と科学・・・等など。
他には、「大きな夢」 と 「現実的な目標」「流れにまかせる」 と 「細かくプランを立てる」「楽天主義」 と 「リスクマネジメント重視」なども対局かもしれません。
僕たちは、えてして片方の極に偏りがちですが(^^;そのように偏るのではなく、臨機応変に自在な選択をしていくことが大切です。
そのあり方を、「中庸」と言います。
『論語』の中で孔子も、「中庸の徳たるや、それ至れるかな(=中庸の徳は、最上
の徳である)」と言っています。
よく中庸というものを誤解して、「両極のちょうど中間あたりを行くこと」だと思う方がいらっしゃいます。
たとえば、「大きすぎる理想を持つでもなく、かといって現実すぎる目標を持つのでもなく、適度に大きく、適度に現実的な目標をもつ」 だとか、
「完全に流れにまかせ切るわけでもなく、かといって、細かな計画を立てるわけでもなく、適度に大ざっぱな計画を立て、細かいことは流れにまかせる」 だとか、
こういったものが中庸である、と誤解している方が、けっこういらっしゃるように思います。
しかし、本当の中庸というには、「どちらかの極に偏り続けるのではなく、その時とその場に応じて、最適な位置を見出す」ということです。
つまり、「ケース・バイ・ケースでベストな位置を見出す」 という、極めて融通自在なあり方が中庸なのです。
たとえば、ある場面では、すべてを流れにまかせ切る。
また、別の場面では、徹底的に緻密な計画を立てる。
さらに別の場面では、適度に大ざっぱな計画を立て、あとの細かいところは流れにまかせる。
こうして、その時その場に応じて、最もふさわしいあり方を選択することこそが“中庸”なのです。
そして、この中庸の生き方をするためには、「対極性の統合(両極の統合)」が必要です。
より具体的に考えてみましょう。
たとえば、「人間学を学び、自分を磨く」というテーマに関して、「静と動の統合」ということを考えてみましょう。
人間学を学ぶために良書を読んだとしますね。
そして、志を同じくする仲間たちと集まり、その本を読んで気づいたことを語り合ったり、疑問を感じたことについてディスカッションしたりする。
これはまさに “動” ですね。
学びを定着させる上でも、また視野を広げる上でも、これはとても有効なプロセスだと思います。
一方、良書を読んだあと、誰とも話すことなく、一人静かに沈思黙考し、心の深いところで自分との対話を繰り返す。
これはまさに “静” ですね。
学びを深め、自らの軸(思想)を確立する上でも、非常に重要なプロセスです。
特に、この “静” のプロセスが乏しいと、自分の思想が深まらないので、いつも他人(著者や講演家)の思想に影響を受けるばかりで、他人の受け売りばかりを語るようになってしまいます。
沈思黙考も徹底的にやり、また、仲間とのディスカッションも徹底的にやる。
この繰り返しによって、学びにおける静と動が統合され(=対極性の統合)、「偏らない“中庸”な学び」が実現します。
つまり、両極を統合することで、その時その場に応じた最適な選択を自在にすることができるようになるのです。
以上、「対極性の統合」と「中庸」についてお話ししましたが、静と動の統合について、もう少し補足しますね。
現代において、特に “静” のプロセスについては、意識しないとおろそかになってしまいがちだと思うのです。
つまり、一人になって自分の深いところと対話する時間を、現代人はほとんど作りだしていないと思うのです。
戦後最大の思想家と言われる吉本隆明氏(=吉本ばななさんの父親)は、ご著書『ひきこもれ』の中で、次のように語っておられます。
「『引っ込み思案はダメで、社交的な方がいい』 という価値観が、世の中には潜在的にある。しかし、その人の中身は、一人で過ごしている間に豊かになる」
「『この人が言っていることは奥が深いな』とか、『黙っているけど存在感があるな』とか、そういう感じを与える人は、一人でじっと自分と対話した人」
「ひきこもることで『第二の言語』が育つ」
実際、吉本さんご自身はひきこもり症だったそうで、だからこそ、思想を深めることができたし、物書きにもなれた。 と仰っています。
また、文豪 夏目漱石もひきこもりました。
彼は 33歳のときにロンドンに留学したのですが、人種差別を受けて傷心し、神経症(神経衰弱)になってひきこもってしまいました。
大学に行くのをやめ、下宿にこもって読書にふけるようになったのです。
そして、この期間に漱石の思想は深まり、それが後に日本の文学界に大きな影響を与える作品群につながっていったのです。
ちなみに、吉本隆明氏や夏目漱石とはスケールも深さも違いますが、僕の場合も、高校時代の対人恐怖症の時期に、とても真剣に悩み、その結果、自分と対話するということをずいぶんやった気がします。
そのおかげで、僕なりに自分の心の中を耕せたと思います。
(当時の僕にとっては決して楽なプロセスではありませんでしたが・・・)
というわけで、ぜひ、ご自分の中での「静と動の統合」を意識してみられてはいかがでしょう。
そしておたがい、中庸な生き方を楽しみたいですね(^^
野口嘉則プロフィール
「幸せ」と「人間学」の専門家、ベストセラー作家。
高校時代は対人恐怖症に悩むが、大学入学後、心理学や成功法則さらに東洋哲学の研究と実践によって対人恐怖症を克服。その後、リクルートへの入社を経て、メンタルマネジメントの講師として独立。のべ3万人以上に講演する。
1999年に心理コンサルティング事務所を開設。また、2003年にコーチングのプロとしての活動を始め、「その人の中にある自己実現力を引き出すコーチング」が評判を呼ぶ。
著書はすべてベストセラーになっており、ミリオンセラーになった『鏡の法則』(総合法令出版)の他、『心眼力 ~柔らかく燃えて生きる30の智恵~』(サンマーク出版)、『3つの真実 ~人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”~』(ビジネス社)、『幸せ成功力を日増しに高めるEQノート』(日本実業出版)などがある。
現在、公式ブログを通じて、「幸せな生き方」や「人間学」「自己実現」に関するメッセージや情報を発信中。また、自ら肉声で語るポッドキャスト番組は、登録リスナーが80万人を超える。
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