ツバキ・藪椿(camellia japonica)の特徴と花言葉

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ツバキの特徴

ツバキはつややかで肉厚な葉をもつ常緑樹。

東アジアの亜熱帯から温帯にかけて分布し、特に中国に多くの種が自生します。

その中で特筆されるのは日本原産のヤブツバキ(カメリア・ジャポニカ)で

花形や花色が変異に富むので数多くの園芸品種が作られてきました。

18世紀、ヨーロッパに紹介され空前のツバキブームを巻き起こしたのも本種で

単にツバキといえばヤブツバキを指すことが多いようです。

日本にはこの他に、日本海側の山地に咲くユキツバキ、

涼さの自然交雑種とされるユキバタツバキなどが自生しています。

花色は五弁化でピンクや赤、白、黄色もあり、端正で存在感のある花を咲かせます。

枝先に一輪ずつ、やや筒状に開くのが特徴で

サザンカのように全開せず、その控えめな様子が好まれて茶花にも使われます。

椿は咲き終わると、花びらが1枚1枚落ちず、花がまるごと首がおちる様が、

打ち首を連想させ、武士たちに忌み嫌われていました。

縁起の悪い花として、あまり気持ちの良いものではないので、

病人に贈ってはいけないという風習は現在も残っています。

科名 ツバキ科

種類 常緑低木~高木

別名 ヤブツバキ(藪椿)、ヤマツバキ(山椿)

原産地 日本、中国、東南アジア

高さ 5~10m

花期 11~12月、2~4月

増やし方 さし木、とり木

ツバキの育て方

椿は鉢植え、庭植えともに日当たりのよい場所から日陰まで栽培できます。

比較的寒さには強いですが、乾いた冷たい風に当たると、蕾の落下や枯れ込む原因となるので、冬に北風が当たらない有機質に富む場所がいいとされています。

鉢植えや、庭植えの水やりは、植えつけてから2年未満の株は、

土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるように。

庭植えで植えつけてから2年以上たつ株は水やりの必要はありませんが

雨が少なく土の表面が乾くようなときはたっぷり与えてください。

肥料ですが、庭植えは2月に有機質肥料を寒肥として株元の周辺に埋めておきます。

鉢植えは3月に化成肥料を株元に追肥しますが、開花中の株は花が咲き終わってから追肥します。

椿はチャドクガの被害に遭いやすいため、消毒や剪定が不可欠ですが、

剪定に対する抵抗力は高くないため、剪定には技術と知識が必要となります。

チャドクガは幼虫が葉を食害するほか、

毛が皮膚に触れると強いかゆみを伴う発疹が現れるため注意したい害虫です。

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ツバキの花名の由来

日本の漢字「椿」は春に咲く花という意味ですが、

中国名「椿」はセンダン科の「香椿(ちゃんちん)」で別の花を指します。

花名の語源は葉が厚い木や葉っぱに艶があることから「厚葉木(あつばぎ」と

「艶葉木(つやはぎ)」が訛った物とされています。

カメリアはイエズス会の宣教師である植物学者ゲオルク・J・カメル(1661~1706)が

東洋の植物調査をした功績を記念して命名されたといわれています。

また、椿には次のような神話や伝説が数多くあります。

ツバキの神話や伝説

●日本では古代、葉に輝きがあるため、神が宿ると信じられて神事に用いられたり、

冬に葉が落ちないのはツバキに魔力があると信じられていた。

●島根県出雲市の八重垣神社の「玉椿」は、境内内に3本存在する夫婦椿。

2本の木の枝が途中から1本につながったり、

また1本の根から2本の幹が育つ姿が夫婦椿、子宝椿と呼ばれし縁結びのご神木といわれています

稲田姫が二本の椿の枝が芽吹き一本の木になったと言う言い伝えが残されています。

●樹齢500年の「老谷(おいだに)」のツバキには、女性の怨念が宿るという伝説がある。

夫が無実の罪でとらわれ殺され、残された妻子は悲しみのあまり絶望して死んでしまいます。

2人は小山に埋められ墓標の代わりにツバキが植えられました。

それは途中から3本に分かれ、夫が捕縛された刺股(さすまた)そっくりな形に成長していきます。

幹や枝はのたうつようにねじれ、赤い花は何百と咲き乱れ血のしたたるようだったという。

村人は無念の死を遂げた親子の怨念だと恐れ、丁寧に供養していくようになると花の数は徐々に減り鎮まっていったと伝えられています。

●平安時代、正月の卯の日、地面を叩いて邪気を祓う道具「卯杖(うづえ)」に用いられました。

ツバキの枝を5尺3寸(約1.6m)に切って5色の糸を撒いて宮中に献上したそうです。

●原爆投下の広島で、翌年の春に芽吹き、人々に生きる勇気と希望を与えてくれたのがツバキ。

「被爆樹木」として登録され平和の象徴とされています。

●毎年、東大寺二月堂のお水取りなどの儀式は、ツバキの造花が木に結びつけられ 十一面観音菩薩に飾られる。

●ファッションデザイナーのココ・シャネル(1883~1971)といえば、カメリア・コレクションは八重咲の白ツバキがモチーフで、ココ・シャネルがツバキをこよなく愛したのは有名。

●フランスの劇作家・小説家のデュマ・フィス(1824~1895)の小説「椿姫」は

ツバキの花を愛した高級娼婦マルグリットが純粋な心を持つ青年と出会い、真実の愛を見つけるという物語。

「椿姫」ヒットの後くらいの1888年1月1日、パリ中央市場でなんと12万本も売れた。

参考文献:花とシンボル事典

ツバキの花言葉

花言葉の「誇り」は椿が日本原産であることから。

「誇り」という花言葉は、全ての花の色の椿に対して有効です。

赤いツバキの花

全般の花言葉は、「控えめな優しさ」 「誇り」

赤:「謙虚な美徳」「気取らない優美さ」

白:「完全なる美しさ」 「申し分のない魅力」

ピンク:「控えめな愛」 「慎み深い」

ワビスケ:「簡素な美」「静かな趣」

誕生花:1月2日、1月10日、1月14日、1月25日、2月1日、2月3日、2月4日、4月29日、12月10日、12月27日

赤:1月2日、2月3日、1月9日、2月3日、12月10日

白:1月1日、1月25日、4月29日、11月11日、12月10日、12月26日

ピンク:2月27日

ワビスケ:11月30日

八重咲き:1月15日

ナツツバキ:6月16日、7月15日

白玉椿:1月20日

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