ワクチン後遺症の治療

Facebook永井 輝美さん投稿記事 ■ワクチン後遺症の治療

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「薬だけ出してそれでおしまい」みたいな医療に嫌気がさして、独立開業した。しかし「薬だけ出して欲しい」という患者もいる。こちらが食事指導でも始めようものなら、手で制して「いや、そういうのは別にいいですから。睡眠薬だけください」そうであれば、僕もわざわざ嫌われ役を引き受けようとは思わない。黙って希望の薬を処方する。

そういう患者が、ふとしたことがきっかけで、栄養の有効性に目覚めることがある。

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50代男性。

20代の頃からパニック障害があり、抗不安薬を服用している。2020年9月、通院中の病院の医師が転勤したため、当院初診。「栄養療法とか要りません。ここがうちから一番近いクリニックなので来ました」

セパゾン錠1㎎ 2錠 朝夕食後 にて症状は安定している。以後、当院で定期的にフォロー。

2021年11月8日。「体調がおかしい」とのことで急遽来院。

「10月初旬にコロナワクチンを打ちました。それから、体が明らかに悪くなった。まず、疲れが取れない。何とも言えない疲労感が、延々体の中に残っています。食事しても寝ても、何してもよくならない。というか、夜に寝れなくなった。寝つきが悪いし、寝れても2時間おきに目が覚めます。

朝に起きれば、体の節々が痛い。特に股関節と足関節。あと、肩と背中がパンパンに張っています。肩こり、という表現では生ぬるい。こんなに背中が張ったことはこれまでに経験がありません。

仕事には何とか出勤していますが、必死で体に鞭打って、という感じです。とにかく体が動かない。何をするにもおっくうで面倒くさくて。本来なら今日は九州に出張の予定でしたたが、さすがに出張は無理だと思って免除してもらいました。

先月、仕事中にめまいを起こして倒れて、救急車で運ばれました。こういうのも初めてのことです。

ワクチンは1回しか受けていません。というか、2回目を打つ予約日にめまいを起こして病院に運ばれて、ワクチンを受けに行くどころではありませんでした」

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コロナワクチンにはうさんくさい点が多々あるが、そのひとつは、副反応に幅がありすぎることである。全くの無症状の人もいれば、接種後2,3日だけ微熱、倦怠感があったという人、心筋炎で死にかけた人、果ては死亡した人までいる。副作用は0から無限大まで、という感じだ。

現在、治験中のワクチンであることについては、製薬会社も隠していない。これが事実であることはネットで普通に確認できる。治験中であるからには、ワクチン含有のある種の毒性物質について、濃度や成分に差があったとしても不思議ではない。たとえば、全バイアルのうち、25%は生理食塩水、70%は普通のmRNA含有ワクチン、5%はdeath shotというふうに、成分に差をつけているかもしれない。こうでも考えないと、無症状から死亡まで、副反応の多様性の説明がつきにくい。

さて、上記の患者は、少なくとも生理食塩水ではなかったようだ。

治療はどうすればいいか?

現在のところ、確立した治療法はない。日本中で(あるいは世界中で)、コロナワクチンの後遺症に悩む人が多発しているにかかわらず、治療法の研究は進んでいない。そもそも政府高官が「アメリカでは2億回打って死者はゼロ」というような国である。副反応の存在さえまともに認めないのだから、治療法の研究なんて望むべくもない。現場の医者が、手探りで試行錯誤していくしかない。

上記患者に対して、処方薬としてストロメクトール(イベルメクチン)錠3㎎(3錠を3日間連用)、さらに5ALAを1日3錠服用し、2週間後の来院を指示した。

純粋に、研究者の視点で薬効だけを見るのなら、ひとつの薬剤だけを出して経過を見るべきだろう。しかし僕は臨床医である。まずは患者の苦痛を軽減しないといけない。だから、とりあえずこの2剤に絞ってみた。

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11月24日再診。

「だいぶマシになっています。不思議です。確かに、マシです。治りきったわけではありません。肩と背中の張りはまだあります。左肩を以前手術したことがあって、そこに関してはむしろひどくなってるかもしれない。でも全体的にはよくなっています。

睡眠についても、前のように2時間で目が覚めるようなことはなくなりました。疲労感や関節痛も多少よくなりました。ただ、当然本調子ではありません」

何が効いたのか?どちらかが効いたのは間違いない。

5ALAの効果は他の患者で観察している。イベルメクチンについては、話でしか聞いたことがない。今のところ、個人的にはイベルメクチンの効果には確信が持てない。別の患者(ワクチン接種後、四肢のしびれが次第に増悪する20代女性)に対してイベルメクチンを単剤投与したことがあるが、まったく効果がなかった経験があるので。

ともかく、上記患者に一定の成果が出たのはよかった。次なる課題は、さらなる改善、である。

ナイアシン500㎎錠(1回1錠 1日3回)、フルボ酸(1回60ml、1日3回)を出し、2週間後の来院を指示した。

12月8日再診。

『もともとパニック障害持ちで、体も心も波があります。よくなったり悪くなったりの周期があるから、特に何が効いたというのは分かりません。

産業医に「ワクチン接種後に体調がおかしくなった気がする」と伝えたんですね。そしたら、首をかしげていました。「そんなの聞いたことがない」と。

最近仕事が忙しいです。コロナで品物の通関が遅れるので、どれだけ在庫を抱えるかとか、そういうのを対応する店に伝えたり。どれだけ納品できるかを聞いたり。コロナになって、仕事量は間違いなく増えています。

以前、仕事中にめまいでひっくり返って、救急車で運ばれたことがあるけど、あれだって、ワクチンのせいというか、過労のせいと言われればそういう気がします。

夜の寝にくさとか、疲れた感じ、腰痛とか、考えてみれば前からありました。もういい年ですから、加齢の影響かもしれません。

フルボ酸は朝1回しか飲めてません。仕事が忙しいので。

ナイアシン。あれ、いいですね。ホットフラッシュで肌がかゆくなりますが、肩や背中の張りがゆるむような気がします。おかげで寝つきはよくなったし、夜に起きる回数も減りました。

腰の痛いのはマシになりましたよ。先月はこんなふうに椅子に座っていても、苦痛でしたから。

ナイアシン、いいですね。もっと早くに知りたかった(笑)安いし、これは続けようと思います』

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喉元過ぎて熱さを忘れたのか、今の不調はワクチン後遺症によるものではなく、「そもそも自分はこういう感じだった」という認識に落ち着いたようだ。実際そう思える程度まで回復した、ということだろう。このあたりが改善の上限かもしれない。

そう、ナイアシンはいいものですよ。ホットフラッシュが苦痛でないならば、上手に利用するといい。

(全文を掲載)

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◆出自;SNS「note」;中村 篤史/ナカムラクリニック (2021年12月8日 21:51)

https://note.com/nakamuraclinic/n/na514d7664dcc


https://okamura-clinic.niigata.jp/information/pg356.html 【最近の治療について】より

最近、電話・メール等にて全国から質問をいただくことが増えています。特にコロナ以降増えていますが、診察をしていない患者さんについては責任あるお答えができないため、基本回答ができません。そのため、かかりつけ医へ相談してください。また心臓についてはかかりつけ医もしくは近くの循環器専門医へ相談ください。大変申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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「コロナワクチン3回目」

ニュースでもコロナワクチン3回目が話題に出る日がありますが、患者さんからも3回目についての相談を受けます。最初は「おかむら内科下町クリニックでも3回目をやりますか?」という相談ですが、当院でコロナワクチン接種をした患者さんについては、当院で責任を持って3回目の接種を行います。そのため、3回目を違うところで接種する必要はありません。

あと3回目必要ですか?という質問も受けますが、こればかりは正直、なんとも言えないと思います。ただ、欧米でまたコロナの流行があること、ファイザーが出しているデータ上ですが、ファイザー製ワクチンを3回目接種すると中和抗体が高齢者で11倍以上に上がることが示されています。またイスラエルのデータですが、3回目の接種をした場合、接種していない人との比較では11.3倍感染予防効果があり、約20倍重症化を防いだとのデータもあります。

これらを勘案すると、個人的には高齢者はやはり3回目の接種をした方がいいと判断します。

そして、ファイザー製ですが、副反応は2回目と3回目では大きな差はありません。ただ2回目に強い副反応が出た人はやはり次も出る可能性はあると考えられます。若い人はどうなんでしょうか?という質問を受けたり、2回目の副反応が強かったので、3回目受けなくてもいいですよね?という質問をもらうこともありますが、そこに関してはデータ上、なんとも言えません。ただ、今後、海外が旅行者、ビジネスマン、留学生などの受け入れが始まった場合は、ワクチン接種済み証明書を要求されると考えられますので、もし自分がそれらに該当すると考えられる場合は、3回目の接種も通常通り受けておいた方が安全かもしれません。

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「apple watch等による不整脈検出」

最近になり、アップルウォッチやその他ウェアラブル端末にて様々な情報が得られるようになっています。中にはそれで異常があり来院されるケースもあります。その情報により診断が確定するケースも存在します。発作性心房細動などはもっとも診断に有効な手段となりえます。発作が出ていない時は診断ができないからです。そのほか酸素飽和度(SpO2)は夜間つけて寝てもらい、記録できるデバイスでは夜間のSPO2の低下が認められ、睡眠時無呼吸が疑われるケースもあります。もしそれらのデバイスをお持ちで、何かしら心配される事象がある場合(不整脈、夜間のSPO2の低下等)、遠慮なく相談ください。時々、こういう端末は信用できないですよね?という方もいらっしゃいますが、記録次第だと思っています。何かしらの異常がある場合、不安がある場合は遠慮なく診察に来てください。その際、記録も一緒に見せていただけたらと思います。

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「コロナワクチン接種後の胸痛とその原因」

コロナワクチン接種後に胸痛で来院される患者さんがいますということは以前書きましたが、その後もやはり来られています。ただ、現時点では心電図、心臓超音波検査にて、心筋炎、心外膜炎と診断した人は一人もいません。一人だけ心電図は一応正常範囲内ですが、胸痛があると言われると、絶対に大丈夫とは言えずに採血を追加した人がいましたが、その方も異常はありませんでした。

ただ、そのように伝えると「痛い原因はなんですかね?」と質問されます。実はこれが一番難しく、正直、原因はわかりませんとしか答えようがないことがあります。ただ可能性としては、胃の痛みを脳が心臓が痛いと誤認している可能性はあると思います。ワクチンによるストレスにより痛みが出ている可能性はあり得ると思います。ただし、それであれば、当院受診後も痛みが続いても良さそうなものですが、今のところ、再診をしている人はいません。診察終わりに、「もし痛みが続くようなら、再度受診してください」と伝えていますが、誰も今の所は再診はありません。多くの方が診察終了後に「大丈夫。なんともないですよって言われたら安心しました」といって帰って行かれています。

そのことからすると、精神的なものから痛みがきている可能性も否定はできないと考えます。精神的なものとして「うつ病」が挙げられますが、うつ病でも体の痛みを訴えることがありますが、まだ確定した原因はわかっていません。セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン等の神経伝達物質の減少や働きの低下で出るのではないか?と言われています。もしかしたらこの辺りが関係している可能性はありますが、これのみで説明できるかはわかりません。心電図、心臓超音波では判断できないレベルでの変化が起きていて、それが2-3日で治るレベルのものであった場合、検査では異常がないと言われ、その後帰って安心したら自然に治癒している等可能性も否定はできません。

そのため、コロナワクチン後に起こる胸痛の原因はこれです!と言って断言することはできませんが、一方で、心外膜炎や心筋炎といったものを否定することは重要であると考えます。

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「コロナワクチンと内服薬の関係」

こういう内服薬を飲んでいますが、ワクチンは可能でしょうか?という質問を受ける場合があります。ノルバスク等の降圧剤やクレストール等のコレステロールの薬は大勢飲んでいますので、当然、同様の質問が増えます。

結論から言うと、現時点で、この薬を飲んでいるからワクチンは受けられないということはないと考えています。少なくとも、一般に処方されている降圧剤は当院でも多く使っていますが、ワクチン接種ができないことはなく、また、接種後にアナフィラキシーショックなどの大きな副反応が出たことはありません。高脂血症の薬も同様ですし、他の薬についても同様です。つまり、内服している薬を見て、ワクチン接種ができませんという返事をしたことはありません。

また、質問が多いのがデパス(エチゾラム)ですが、安定剤を飲んでいるから接種ができないケースもありませんし、ワクチン接種後に強い副反応が出たケースもありません。

内服薬によるワクチン接種の制限は現時点ではほぼないと考えています。もし気になる場合は、担当医に相談してください。基本は大丈夫だと思います。

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「心臓の持病があってもコロナワクチン接種は可能か?」

当院ではHPを自己管理しているため、当院のHPを見にこられた方の検索キーワードを確認できるのですが、その中で一番多いのは、コロナワクチン後の心臓の不調系のキーワードですが、次に多いのが、心臓に持病(心筋梗塞・不整脈等)があってもワクチンは可能か?ということでした。

このことについて述べたいと思います。

まず、不整脈がある方で、ワクチン接種ができないということはまずないと考えています。これは抗凝固療法をしている(ワーファリン等の血をサラサラにする薬)方であっても、全く問題なく接種は可能です。当院では、心房細動、心室性期外収縮、心房性期外収縮、発作性上室頻拍、持続性心室頻拍、心室細動後(除細動器植え込み済み)等、様々な患者さんがいますが、個人的にワクチン接種ができない理由はないと考えていますので、聞かれた場合は全員に接種可能ですと答えています。そしてほぼ全員に接種をしましたが、今のところ問題が起きたことはありません。そして、接種後に不整脈の症状が悪化した人もいません。

なぜ接種をしているかといえば、重症な不整脈があるほど、コロナに罹患した際のリスクが高いと考えているからです。特に心筋症がベースにある致死性不整脈(持続性心室頻拍、心室細動等)を持つ人ほど、接種をした方がいいと考えています。

不整脈があるから、心臓に持病があるから、接種後の心外膜炎・心筋炎になりやすいというデータは今の所ありません。そして、罹患して重症肺炎になった場合に、不整脈が頻発するような状況の方がはるかにリスクが高いと考えますので、接種を勧めていました。

また、心筋梗塞後で心機能が低下している人、弁膜症がある人、心筋症がある人なども当院にはいますが、全員に接種を勧めていました。その理由は先ほど述べた通り、コロナに罹患して重症化した場合によりリスクが高いと考えるからです。ワクチン接種後の心外膜炎、心筋炎で死亡例はありませんので、ある程度、管理は可能であろうと考えていますが、コロナに罹患して重症化した場合には、心機能が低下しているということは、肺炎のみならず、心不全も併発しやすい状況になり、体外循環もより大変なVAECMOが必要になります。そのため、死亡リスクも上がると考えています。

そのような理由から、不整脈があったり、心臓自体の機能が低下している場合は重症化を防ぐという点において、積極的に接種を勧めています。

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「胸の痛みについて」

ワクチン接種後に胸痛、胸部の違和感等を訴えてこられる患者さんが増えていますが、ワクチン接種をしていなくても、胸痛、胸部の違和感にて来院される患者さんも増えています。

通常、春になると胸痛、胸部の違和感を訴えて来院される患者さんは増える印象があるのですが、今年は秋にも同じ傾向が見られています。

明らかに痛いというよりは違和感〜痛みの間くらいの方が多いです。中には本当に狭心症の方もいらっしゃるので、精査は必要になりますが、痛みがでる状況、時間帯、痛み方等から専門医であればある程度、狭心症、心筋梗塞、心外膜炎等の除外が可能です。

当院も心臓が専門ですので、同様の訴えで来られる方はいますが、本当に心臓の病気が原因というケースは必ずしも多くはありません。胸痛の訴えが出る疾患はいくつかあります。

若い痩せた男性の場合は、「気胸」の可能性の方が高いかもしれません。 肺に穴が開く病気です。胸部X線にてある程度診断が可能です。当院でも2-3年に1人程度は「胸痛」を主訴に来院されます。気胸の場合は、病院に入院をお願いすることが多くなります。

他には食道・胃の疾患の方もいらっしゃいます。心臓が痛い!と訴え、他院で調べてもらったけど、心臓はどこも悪くないと言われたけど、痛いのは胸だ!といって来院されるケースもあり、確かにどれを調べても異常はないというケースでは食道・胃の疾患が原因というケースは多くあります。実際、当院では、胸が痛いと言ってきたケースで異常が全く見つからない場合、胃薬を試すケースもあります。そして、それにより胸痛が消失するケースは少なくありません。ストレスが多かったり辛いものが好きだったりするケースで、胃酸が多く出すぎているケースがあります。

ただ、僕が試しに胃薬を試しましょうというと、「痛いのは胸なんです!」って訴えられる患者さんがいるのは事実なのですが、急性心筋梗塞という心臓にある冠動脈という心臓に酸素や栄養を送っている血管がつまり、心臓の筋肉に酸素が届かず心臓に痛みが出ているケースであっても、胸が痛いと言わずに、「左腕が痛いです」「左の歯が痛いです」「左の肩・首が痛いです」等の訴えで来院される場合もあり、心臓の血管が詰まって痛いのは確実に心臓だけど、でも、脳が痛みを感じているのは「左手」ということもあります。これらを考えると、胸が痛いと思っていても、実は胃が痛いということもあり得るということです。

そして同意をいただいて胃薬を飲むと、7割くらいの患者さんで改善が得られる印象があります。ただ1回飲んだだけでは改善があまりわからず、2週間くらい内服をしてもらい評価することが多いです。3日くらいではあまり効果がないと言って再度来院されるケースがありますが、2週間程度使ってもらうと「やっぱり違います」となることが多いため、2週間程度は使用をしてもらいます。

となると残りの3割くらいは何が原因なのか?ということになります。

あとは大動脈の疾患であったり、肺の疾患であることはありますが、通常、高血圧、高脂血症、あとはタバコ等の原因となり得る何か別の疾患が並存します。あと高齢者では肺炎、肺がんによる胸痛で来院されるケースもありました。

一方で、若い人のケースでは、心臓は一切異常はなく、肺の疾患もなく、持病もなく、痛みの原因となり得るものはないというケースでは、胃薬で軽快するケースが多いように感じています。ただそれでも改善しないというケースは存在しますが、通常、一つの疾患では説明できないような症状を訴えるケースがそれに該当します。

その場合、もっと全身的な疾患を考えるケースもあります。その中で多いのは自律神経失調症といわれるものが挙げられます。

左の<read more>のリンク先の先生が自律神経失調症の概要欄で書かれているような、体のだるさ、下痢便秘、ほてり、動悸、しびれなどの症状が一部、もしくは複数見られる場合には、自律神経失調症などを疑うことになります。これは臓器1つの疾患では説明できないためです。

個人的には、胸が痛いと感じたら、まずは循環器内科で診察を受け、そこで「異常はない」と言われたら、まずは一安心をしていただき、その上で、もし近くに総合診療科があれば、受診することをお勧めしています。場合によっては、精神科(心療内科)への受診を勧めることもありますが、他の内科的疾患の除外等も含め、総合診療科での診察を勧めて紹介をしています。

時々、自分はそんな病気じゃないといわれる方もいらっしゃいますが、診断はリスクの高い疾患ならびに可能性の高い疾患から除外をしていくのが通常の治療になるので、胸が痛い、苦しいことに固執せずに心臓が悪くなくても心臓が痛いと感じることはあるのかと考え、心臓の病気が除外された時点で、総合診療科等の受診も検討した方がいいと考えています。

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「コロナワクチン接種後の動悸(不整脈)について」

先日、コロナワクチン接種後の胸痛について述べましたが、ワクチン接種後の動悸(不整脈)を主訴に受診されるケースもあります。ワクチンを接種した後に動悸を自覚するという感じで来院されるケース、また、実際に自分で脈をとると脈が飛ぶというケースもあります。接種翌日〜数日後に症状がでて来院するという方が多いです。

動悸感として来院されるケースでは、不整脈が出ているケースは多くはありません。どちらかというと洞頻脈(単純に脈が速い)というケースが多い印象を持っています。全員がそうというわけではありませんが、診察時にも動悸がしますといって脈を取っても不整脈が出ていないケースは多いです。

この場合、まずは心電図をチェックします。前回述べた、心外膜炎や心筋炎を疑う所見があるかどうかを評価するためです。通常、胸痛を伴うケースが多いのですが、胸痛をほぼ伴わずに、不整脈がメインの心筋炎もあり得るためです。また、心電図に異常がないから、絶対に大丈夫とは言えないため、その後、心エコーにて評価をするケースが多いです。

その上で、何もない場合であれば、あまり心配をすることはないと判断します。

今の所、動悸感で来院されるケースでは、脈拍以外に心臓に異常があったケースはありませんが、脈拍数が120-130回/分くらいの患者さんも存在はしているため、動悸感がとても辛い場合はβブロッカーを内服してもらい、経過を見ると楽になるケースがあります。

また甲状腺機能亢進症を疑うケースでは、甲状腺機能を採血にて評価するケースもあります。

一方、脈が飛ぶ等の不整脈の場合、考えられることとしては、もともと不整脈があったが、ワクチン接種により悪化したケース、もしくはもともとあったけど、気にならなかった(あまり気にならなかった)が、ニュース等で情報を得た結果、脈が飛ぶことが気になり始めたというケースと、もともと不整脈がなかったのに接種後に発生したケースです。

いずれのケースでもまずは心電図を行い、異常がないかどうかを評価します。その上で心エコーをして評価をします。不整脈が実際にあるケースでも、不整脈は出ているけど、さほど重篤な不整脈ではなく、かつ、心エコーで異常がない場合、経過を見ましょうというケースが多くなります。特にもともと不整脈があったというケースでは、あまり心配ないケースが多い印象です。また、ワクチン接種後に初めて脈が飛ぶというケースでも、大きな問題があるケースは今の所ありません。脈が飛ぶという不整脈の場合、基本、危ない不整脈の可能性は高くはなく、また心エコーで異常がない場合はほぼ、無治療でも予後は変わらないというデータがあるからです。

場合によっては、こちらのβブロッカーを内服してもらう場合はあります。

今の所、当院に来院される患者さんで危ない不整脈が出たり、エコーで心筋炎を疑うようなケースは認められていません。

ただし心エコーは大きな異常はないけど、不整脈はしっかりと出ているというケースがあれば、場合によっては、採血により心筋炎を否定すること、また、ホルター心電図で24時間の不整脈をチェックする場合もあります。これらの検査をするかどうかは、様々な結果を勘案して決定します。得られる結果から緊急度を判断し、採血等をして翌日再診をしてもらうケースもあります。

ただし、ワクチン接種後としては非常にレアケースではありますが、心筋炎や心外膜炎を疑う場合は全く違います。それらを疑った場合はすぐに、より大きな病院へ検査依頼をすることになります。場合によっては、即入院となるケースもあります。例えば心室性期外収縮が多発したり、さらに危ない不整脈が出ている場合で、心筋炎が疑われるケースでは、ICU(CCU)を持つ入院管理ができる病院へ依頼することになる可能性が高いです。

これらの判断は循環器専門医を持つDrであれば、判断は可能だと思います。

ワクチン接種後に動悸を自覚する、脈が飛ぶのを自覚する場合は、かかりつけ医を受診するか、循環器専門医を受診ください。動悸後に意識がなくなるなどが一回でもあれば、すぐに循環器専門医を受診し検査を受けることをお勧めします。

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「コロナワクチン接種後の胸痛について」

コロナワクチンの副作用のところでの述べましたが、最近、コロナワクチン接種後に胸痛を自覚されて来院される方が増えています。当初若い人が多かった印象ですが、最近は年齢問わず、幅広い年齢層の方が来院されています。胸痛の人もいますが、心筋梗塞のときのような左側の顎や腕の痛みという形で来院される方もいます。

ワクチン接種後、2−5日くらいして胸痛を自覚されて来院される方が多い印象です。

当院では、ワクチン接種後の胸痛で来院された際には、心電図、心エコー(心臓超音波検査)でチェックをします。そして異常がある場合は、さらい採血等にて評価をします。今の所、心外膜炎、心筋炎を疑う患者さんはいませんが、ワクチン接種後に胸痛、胸部違和感等ある場合は主治医に相談されるか、専門医を受診し心臓を評価してもらうこととお勧めします。

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「コロナ感染症の後遺症について」

当院にも時々、コロナ感染症に罹患後の後遺症について相談を受けるケースがあります。全身倦怠感の持続、味覚嗅覚がまだおかしい、強くはないけど頭痛が取れない、等があります。味覚嗅覚障害等はまだなぜ起こるのかはっきりとした結論は出ていないようですし、そのほかの症状についても、これで治りますという治療方法は確立されていません。そのため無治療で経過観察のケースもありまし、漢方薬や鎮痛剤等を使いながら経過を見るケースもあります。無治療でも時間の経過とともに改善する傾向にあるため、漢方薬が効いているのかどうかを判断することは難しいですが、当院に受診された方はある程度日常生活に支障をきたさない程度には改善が得られているようです。

もしコロナ感染症に罹患し、後遺症が出ていて心配な場合は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。患者さんの中には、症状が改善や治癒までの一般的な期間(2-4週間)がわかるだけで安心される方もいらっしゃいます。

コロナ感染後の後遺症はデータ上はかなり多くあります。まずはかかりつけ医や主治医に相談してください。当院ではまだいませんが、味覚嗅覚が完全にない場合は、耳鼻科へ紹介することになるかと思います。

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「心室性期外収縮について」

検診等で心室性期外収縮を指摘され来院される患者さんがいらっしゃいます。その際、薬は飲まなくてもいいですか?という質問を受けることが度々あります。これは人によって変わりますという説明をしていますが、例えば若い人で、心臓超音波検査にて心臓に異常がない場合、治療は不要なケースが多くなります。心室性期外収縮が出ていて、心臓に異常がない場合は、予後は良いとされているためです。ただし、1日10万回、心臓が拍動しますが、そのうち2万発、3万発となってくると、ちょっと注意をすることはあります。というのは、今現在心臓の機能が保たれていても、今後悪化する可能性があるからです。ただし、この状態でも、全く症状がなく、心臓の機能が問題がない場合、経過観察とするケースもあります。ただし、同じ形の心室性期外収縮が同じタイミングで出ているケースではということになります。様々な形の心室性期外収縮(心室性期外収縮を起こす場所が複数ある)の場合は、薬も検討するケースもあります。

判断はホルター心電図等で評価をして判断します。そのため、一概に、1日に1万回以上、心室性期外収縮が出ているから薬を使用しますという数でのみ判断にはなりません。

また、自覚症状の強さも薬を使うかどうかの判断になるケースもあります。心室性期外収縮の数自体は少ないけど、まとまって出ているととても辛い、仕事ができないくらい辛いというケースもあります。その場合は、薬を使うケースもあります。このように症状があれば、心室性期外収縮の数が少なくても薬を使う場合もあります。

ちなみに、心筋梗塞をしている、心筋症があるなどの器質的心疾患がある場合は、判断が変わります。大まかに言って、10発に1発程度(1日1万発程度)の不整脈が認められている場合は、治療を考慮し始めます。もちろん、症状がある場合は、これ以下でも治療を検討します。

あとは、心機能が低下している症例では、治療を行います。この場合は、放置しておくとさらに心機能が低下してしまい、その後、心不全を発症してしまうためです。

このように心室性期外収縮と数という括りだけで内服開始の判断はできません。様々な要素を加味して判断しています。

もし自分は治療がいらないのか?と思うことがあれば、循環器専門医を受診してください。

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「コロナワクチンの副作用について2」

前回もコロナワクチンの副作用について述べましあが、接種も高齢者の2回目が終盤になってきています。そんな中、ワクチン接種後の診察で、ワクチンの副作用の有無について聞いていますが調べる限り、内服薬や疾患で副作用に傾向があるようには見えません。

あえて言えば、接種前から心配が強かった人ほど、副作用が出ているという印象はあります。プラセボ効果の部分もあるのかもしれません。ただ必ずしも全員がそうなるわけでもありませんし、最初から心配していなかった人でも熱が出る人はいます。

前回も述べましたが、多いのは発熱です。高齢者においては、10%程度だと思います。

あと他にあるのは、帯状疱疹の再発、頸部〜腋窩のリンパ節腫脹が複数いました。

耳下腺の腫脹もいました。帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療し、全例軽快していますし、リンパ節主張や耳下腺腫脹も解熱鎮痛剤で数日で軽快しています。

今の所、長く続く副作用は認められていません。

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「コロナワクチンの副作用について」

当院にてコロナワクチン接種を行なっていますが、副作用と思われるものがいくつか見られています。一番多いのは接種部位の痛みです。これは半数以上に見られています。多くが1回目は1日程度、2回目は3日程度続くことが多いようです。しかし、いずれも自然に改善しています。また痛み止めを飲めば日常生活に支障をきたすことはないようです。

次に多いのは発熱・頭痛です。これも65歳以上という限定はされますが、10〜20%程度に見られています。しかし、こちらもいずれも解熱剤で改善が得られています。入院を要するような状態の人は一人もいません。

そのほか、見られているのは、関節痛、腹痛、嘔気、下痢などが見られています。これらも2 〜3日で自然軽快しているようです。

また、接種後に胸痛を自覚される方もいらっしゃいます。当院に来られた患者さんは他院や病院で接種を受けた40歳前後程度の男女が来られています。男性の方が若干多い感じはします。ただし、心電図、エコー、採血をしても明らかな異常は認められていません。当院受診の患者さんにおいては、検査でも心外膜炎や心筋炎は否定的であると考えられますが、ニュースで心外膜炎や心筋炎の副作用が報告されています。稀な副作用であるとは書いてありますが、ゼロではないようです。接種後に胸痛を自覚された場合は、循環器専門医を受診し、心電図、エコー、採血等で評価をしてもらうことをお勧めします。

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「コロナワクチンについて」

患者さんからワクチンは海外製しかないので、国産がでたら接種しますと言われることがあります。当院でも数人の患者さんがこのようなことをおっしゃっています。それはそれでいいと思いますが、ただ、少なくとも国産ワクチンは安全で海外製が危ないというデータはありません。というか、海外製の方がデータが豊富な分だけ、起こり得るリスクについては、対処がしやすいと考えています。

国産ワクチンを見てみると、ウイルスベクターワクチンはアイロムグループ子会社が製作しています。これは海外でも作られていて、J&Jなどのワクチンに該当します。違うのは使っているウイルスです。ただし、これもスパイクタンパクの遺伝子を組み込んだワクチンになります。なので、海外製(J&J)等と同じ部類に入りますので、国産は安全、海外は危険が成立するかどうかはわかりません。手法は一緒です。

次にmRNAワクチンになります。

これは現在主流で使われているワクチンになります。mRNAを体に入れて、細胞に取り込まれ、そこから液性免疫が誘導されます。また細胞性免疫も誘導されるとされています。

これはファイザー製・モデルナ製が日本で接種されています。日本では第一三共が作っていますが、結局は同じ手法なので、日本製は安全で海外製が危険という理屈は成り立たないように思います。

組換えタンパク質ワクチンというものもあります。これはウイルスの構成成分を昆虫細胞や植物、哺乳動物などから作りますが、アメリカのノババックス、中国のメーカー、日本では、塩野義製薬が開発をしています。これもやはり、同じ手法なので、海外が危険で日本製は安全という理屈が成り立つのかは不明です。

そのほか、他にも子宮頸がんワクチンにも使われている手法で作られるワクチンもあり、田辺三菱製薬の子会社が開発中です。

また、不活化ワクチンも開発をしていて、中国、インドの企業を中心に開発がされ、明治ホールディーング傘下の会社が開発を進めています。

あえて言えば、最後の不活化ワクチンはインフルエンザワクチン等でも使われている手法であり、安全性は一番高いのかもしれません。そのため、海外製が心配で・・・となると、不活化ワクチンが出るまで待つほかないと思われます。

個人的にはどのワクチンも将来の安全性を担保できているものはありません。そんな中で、不活化ワクチンは今までの実績を考えると、安全性は高いのかもしれませんが、欠点はウイルスを培養する必要があるため、かなり大変であり、大量に出回るにはかなり時間がかかるかもしれません。

また、当院でそれらを扱えるのかどうかもわかりませんので、現時点で、不活化ワクチンが出たら接種をしてくださいと言われても、お受けできるかどうかはわかりません。

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「コロナワクチン接種について」

患者さんから「心臓が悪いけど、ワクチン打っても大丈夫でしょうか?」「ワクチン打って死んだ人が85人とか出ていますが大丈夫でしょうか?」という質問を受けます。

最初の質問については、「心臓が悪いからこそ、接種した方が良い」と説明しています。特に当院の場合、心臓疾患が多いことから、接種を勧めています。基本的に心臓疾患があり、重症化して人工呼吸器、ECMO等を使用した場合は、何も心臓疾患がない場合に比べてリスクは高くなるだろうと思います。

一方、今ニュースにもなっていますが、ワクチン接種後死亡が約90人ほど報告されています。データを見る限り、割と高齢者が多いことは言えます。確かに20歳代〜50歳代もいますが、80歳以上が約半数を占め、最高齢は102歳になっています。高齢者への接種が始まっており、数が増えたものと考えます。ちなみに接種後ではありますが、老衰と死因がなされている症例もあります。因果関係はないとされています。

今出ている症例を見る限り、因果関係が証明されたものはありません。

しかし、患者さんに「死んだり、副作用は大丈夫ですか?」と聞かれると、「疼痛、発熱、だるさ、頭痛等は起こりますが、基本内服でコントロールできるレベルと考えます。しかし死亡については絶対に大丈夫とは言えませんが、基本的には大丈夫だと考えています」と答えています。

その理由として、突然死自体が決して少なくないからです。日本では年間約8万人が心臓突然死でなくなっているというデータがあります。1日約200人に相当します。

また、脳卒中による死亡は、年間13万人程度というデータがあります。1日320人以上に相当します。そのうち、脳梗塞が半分を占めますが、脳出血、くも膜下出血で約半分を占めますので、単純に考えると160人程度が1日発生しています。

これらを考えると、ワクチンとの因果関係を証明することは難しいと考えられます。しかし、20〜30歳代で4人、40歳代も5人います。その人たちが一切ワクチンが関係ないかと言われると僕はわかりませんとしか答えられません。そのため、絶対に大丈夫とは言えないけど、基本的には大丈夫だと考えますという説明になります。

僕自身も接種しています。これは基本的には大丈夫と考えているからです。そして、風邪をひいた患者さんの診察もするので、感染リスク>>>>ワクチンリスクと考えて接種をしています。

あと一点、特に心臓疾患のある患者さんが多い当院では、βブロッカーを内服している患者さんはなるべく当院にて接種を勧めています。βブロッカーを内服している場合、アナフィラキシーショックのリスクが高いというデータがあり、また、アドレナリン製剤が効きにくくなります。特に当院の場合、βブロッカーを最大容量まで導入している患者さんも少なくないため、アナフィラキシーショックが起こった場合、βブロッカーを最大量内服していることを理解した上で、対応ができるため、なるべく当院での接種を勧めています。アナフィラキシーショックが起こった場合、アドレナリンが効きにくく、通常量のアドレナリン製剤では足りないと言われています。通常量の3-5倍程度必要というデータもありますので、注意が必要だと考えています。

メインテート、テノーミン、セロケン、インデラル、アーチスト等を飲んでいる患者さんでは、循環器内科かかりつけの場合は、かかりつけ医での接種が可能なら、少し待ってもかかりつけ医で接種を受けることをお勧めしています(大規模センターにもアドレナリン製剤は用意されていますので、基本的な対応は可能だろうと思います)。βブロッカーを内服していない場合は、大規模センターでも問題ないと考えます

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「CTについて」

患者さんから「知り合いが癌になって心配だから全身のCTを撮ってもらいたい。病院に紹介してほしい」という依頼がありました。確かに、CTにてある程度評価はできるかもしれませんが、特に何も症状がなく、心配だからという理由でCTを受ける際、一番の問題は「被爆」です。CTは被爆するため、簡単に「じゃあ紹介しますね」ということにはなりません。一般論ということになりますが、胸部Xpを1回受けた場合、人間が1年間に浴びる自然放射線量(2.4mSv)の1/40程度と言われています。つまり約1週間分の被曝量となります。この程度の場合であれば、年に1回、胸部のX線検査を受けてもリスクがすごく上がるということはあまりないと考えられます。

一方、患者さんから依頼のあったCTについては全く違う数値が出てきます。年間2.4mSvの被曝量と先に述べましたが、CTは約7.0mSvです。最近のCTは様々な機構を持っているため、極力、被ばく量は少なくはなるように調整しますが、それでも年間被曝量の3年分を一回のCTで被曝することになります。果たして、何も症状がないけど、心配だという理由で7.0mSvの被曝を許容するかどうかということが問題になります。

医療者の被曝量は1年間50mSvかつ5年間100mSvという基準があるので、病気がある場合のCTは診断・治療評価をしっかりすることによるメリットが被曝のリスクを上回ると考えますが、一方で、症状がなく、血液データにも何も出ていないのに「心配だ」という理由でのCTはほぼ害しかないと考えています。ただ正直、病院も何もないのに心配という患者さんにCTを行うことはほぼないと思いますが、CTは被曝リスクが付きまとうため、心配だからCTというのはお勧めできないという結論になります。

何か病気を疑ってCTを施行するのは意味がありますが、ルーチーンのようなCTは正直、害の方が大きいと思います。癌術後や化学療法・放射線治療後の場合はメリットが上回ると考えますが、そういう疾患がないのにCTをというのは個人的にはやめたほうがいいと考えており、どうしても心配なら、まずは健康診断で採血等を受けて、異常があるかどうかを判断したのち、さらに必要な場合には、CTを検討するという方法をお勧めしています。

あと、CTより超音波の方がわかるケースもありますので、何が何でもCTをというのはお勧めできません。

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「安いコロナPCR検査について」

最近、コロナのPCR検査について民間PCRセンターとして2000~3000円で検査をしてくれるところが増えています。これについて時々、質問を受けるので、個人的な見解を述べたいと思います。

この検査方法自体は悪いことではないと思っています。ただ、20検体、30検体を1度に検査をすることになりますので、感度は落ちると言われています。昔、献血された血液の中のウイルスを調べる際、この方法を用いて検査が行われました。当時は500検体をまとめていました。ただし、500人分を使うと1人あたりが希釈されるため、感度が落ちます。その後、50検体、20検体、そして現在は1検体ごとに検査がなされています。20検体でもウイルスのすり抜ける事があったことが理由です。

コロナの検査でも同様のことが言えると思います。ただし、先にも述べた通り、効率を考えれば悪い方法ではありません。例えば、流行後の次の波をとらえる場合などはいい方法だと思います。

一方で、飲み会に参加、感染者との接触歴がある場合などで、検体の希釈がなされる検査は避けたほうがいいと個人的には考えています。それは、検査センターがどの程度の希釈がなされているかがわからないからです。10検体なのか20検体なのか50検体なのか、100検体なのか・・。その辺りの情報について民間PCRセンターは公表していません。そのため、どこの民間PCRセンターなら大丈夫とか、そういうことはこちらではわかりません。

どの検査を選ぶかは個人の判断になると思いますが、より確実な検査となれば、費用負担は大きくなりますが感度がより良い、1検体ずつの検査を選択した方が良いと思います。

ここからはまた個人的な考え方になりますが、一般の方がなんとなく心配で検査を受けるなら、民間PCRセンターでもいいかもしれませんが、会社における検査や社会的に検査結果を担保する診断書が必要な方であれば、病院やクリニックにおけるPCR検査を受けることをお勧めします。

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「糖尿病の悪化」

今年は1月2月と寒く、運動ができなかった患者さんが大勢いたためか、2月の採血で糖尿病が悪化した患者さんが7割程度いました。この方達に共通しているのは、動く量は減ったが食べる量は同じだった・もしくは増えたという人たちです。薬はみなさん、きちんと飲んでいますが、運動量の低下により糖尿病が悪化しています。

新潟のあの大雪の中、外に出て運動することはリスクが高いのでお勧めできませんし、しない方がいいと思っています。

糖尿病の悪化がなかった方の多くは、家の中でできるだけ体を動かし、スクワットをしたり、筋トレをしていました。また、食事にも気をつけていました。この先、暖かくなるので、皆さん、また動くと思うので、心配はあまりしていませんが寒さがぶり返したり、寒くなったりする日が続くと、外に出て歩くことが億劫になると思います。

そのため、外に出ない日は、スクワットをする等、家の中で運動をしてください。あとは、間食はしないようにしてください。一度大幅に悪化した糖尿病は元に戻すのも大変です。

なるべく悪化させないように、外を歩けない日は家の中でスクワットをする。下記にNHKが以前放送したスロースクワットの方法をリンクしておきます。高齢者でもできる方法も記載されています。ぜひ試してみてください。

LinkIconスクワットの仕方

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「デパスの飲み方について」

時々、デパスの飲み方を聞かれることがあります。不安になったら飲んだらいいのか?定時で飲んだ方がいいのか?定時に飲んで、さらに不安になったら追加で飲んでいいのか?様々な相談を受けます。

当院の方法が正しいかどうかはわかりませんが、当院の方法としては以下のようにすることが多くなります。

まずは、最初の段階では、不安が強い時だけ飲んでください。という処方の仕方をします。そして10回分程度処方します。これで1ヶ月以上持つのであれば(週に2回程度内服)、今の飲み方を継続してもらいます。ただし多くは出さないことが多いです。理由としては、手元にデパスがあるとついつい飲んでしまうことが多いからです。実際、以前、10回分処方した時は1ヶ月以上持ったたため、次に30回分処方したら、1ヶ月ちょっとで全てを使い切ったケースがあり、理由を聞くと、手元にあったので、ちょっと不安があったら飲んでましたとのことでした。つまり、安易に薬を飲んでしまう傾向が強くなると考えられます。そのため、受診する面倒臭さ、手間というハードルを設けることにより、内服する回数をなるべく増やさないということを考え、10回で1ヶ月持つなら、10回分しか出さないことにしています。

ただ、その後、徐々に回数が増えていき、10回分で2週間持つか持たないかになった場合、飲み方を聞いて対応を変えます。一つは1日に2回飲んだけど、飲まない日もあった。すごく悪い日だけ多く飲んで、そのほかの日は飲まなくても済んだという場合は、同じ出し方をする場合もあります。場合によっては、漢方薬の併用をしてもらうケースもあります。デパスを飲んだ状態で、ちょっと不安があり、漢方薬を飲むとなんとかなるというケースも少なくありません。ただケースによっては、もう少し長く効く長時間型を使う場合もあります。そこは飲む頻度、次に飲むまでの時間等により選択が変わり、本人の希望等も考え、調整をします。

そして連日飲まないとダメだというケースではデパス0.5mg1錠でなんとかなっている場合では、デパスを連日1回で内服をしてもらうケースもあります。ただし、デパスを1日1錠内服し、そのほかに不安時に使うケースでは、デパスの短時間作用型の悪い面が出てしまっている(効果が切れて追加で飲んでいる)ような場合は、デパスを中止し、長時間型を使う場合もあります。

結局、ケースバイケースにはなってしまうのですが、連日、複数回のデパスが必要になった時点で、長時間型1錠に切り替えた方が将来的に薬を減量・中止しやすいと考えています。

デパス依存症になったケースでは、何が何でもデパスが必要!となるケースが多く、特に高齢者で多く見られます。

当院では上記のように状態により変化をさせています。ただ患者さんの状態により、また主治医の判断により変化はすると思いますので、デパスを内服していてどう内服したらいいんだろう?と思う場合は、まずは処方している主治医とよく相談してください。患者さんのことを一番よく知っているのは主治医ですので、まずは主治医の判断を仰ぐのがいいと思います。

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「デパスが効かない!!!」

時々この言葉を聞くことがあります。特にホームページを見て初診で来られた患者さんで耳にします。

その際、なんとなく「そうだろうな」と思うことがあります。それは、何に対して、どのような目的でデパスが出されているか正直わからないケースがあるからです。中には「副作用もないからとりあえずこれ飲んでおけばいい」と言われて飲んでいるというケースさえありました。

原因がはっきりわからないからデパスという、実際、20年前はそんな感じだったのかもしれません。以前の書きましたが、動悸があり、命に関わらないからデパスという時代もありました。なので、原因がはっきりわからないからデパスということも20年前ならば許容されたのかもしれません。しかし、現在ではなかなか許容されないと思われます。

ちょっと話が逸れましたが、「デパスが効かない!」と言っても、そもそも患者さん自身も何に効いていないのかわからないけど、当初は飲むと「なんとなく良かった」けど、その「なんとなく良くなる感じが得られない」だから効かないというケースさえあります。

「デパスが効かない」と感じたら、患者さんたちにしてもらいたいことは、デパスが「何に」効果がないのかを明確にすることです。不安に対してなのか、痛みに対してなのか、動悸に対してなのか、頭痛に対してなのか。そもそもデパスはなんで飲んで、飲んだらどうなって楽になったのか?そういうところをもう一度考えてみるチャンスとも言えるかもしれません。

また、効かないなら、そもそも飲んでいる意味がないとも言えます。医師の立場だと、他の薬なら「効果がないならやめましょう」というと受け入れてもらえますが、デパスで同じことも言っても「やめると不安だから嫌だ」となるのが、デパスの怖いところなのです。

でも、効かないと思ったら、まずはやめるチャンスと考える考え方もあると思います。その上で、他の薬の変更してもらう、そもそもの疾患をしっかりと見てもらい、そちらの病状を改善してもらうことを考えたほうがいいと僕は思っています。

デパスが効かないと感じた人は、実はデパスから離脱するチャンスかもしれません。

効かないのであれば、他の薬に変更したりそもそもの症状に対して、別のアプローチをしてもらうチャンスと考えて主治医とよく相談してください。

あまり参考になる内容ではないかもしれませんが、考え方です。デパスをやめたいと思っていて、そして効果がない場合は、チャンスと思って主治医によく相談してください。

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「心不全パンデミック」

心不全患者さんが増え続けています。減る気配はありません。20年間で1.7倍(20万人から34万人)に増加しています。特に冬場は心不全の増悪を来たしやすい時期です。

心不全の大きな症状として、1)息切れ 2)むくみ 3)だるさ です。主訴として最も多いのは息切れです。もっとも自覚しやすく、苦しさを伴うため、病院に来るケースが多くなります。特に50歳代、60歳代だど、それまで何も制限なく動けていたのに、動くと息切れがするとのことで来院されるケースが増えます。そのほか、高齢になると「むくみ」の主訴が増えます。「最近、足のむくみが・・」といってくる高齢女性が特に冬場は増えます。顕著に出るのは、足、その後、顔のむくみ、手のむくみなどで気がつくケースが多いです。あとは「体がだるい(疲れる)」と言って来院され、心不全というケースもあります。高齢者の場合、食欲低下で家族が気がつくケースもあります。また、夜寝ていて苦しくなり病院に搬送される、もしくは朝まで我慢して、クリニックに来院され、そのまま病院へ紹介されるというケースもあります。

心不全の原因は様々あります。弁膜症、不整脈、高血圧症、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)等あります。それまで全く元気で、スポーツをしていたのに、ある日突然、動いていると苦しい感じを自覚し来院されるケースもあります。

最近も高齢者で朝起きたら具合が悪い、どこが悪いというよりは、新潟弁?で、「なんぎ」といって来院され、そのまま入院となるケースがありました。自覚症状は様々ですので、おかしいと思ったら、かかりつけ医に相談してみるといいと思います。もし、それでも改善がない場合、むくみ、息切れ等があるようでしたら、循環器専門医への受診も検討ください。心不全は軽症であれば、外来にて利尿剤等の投与により改善が得られるケースもあります。また、原因によっては、外来にて心不全の原因の治療をしつつ、心不全の治療も並行して行うことが可能なこともありますが、ある一定のレベルを超えると、外来での治療は難しくなります。年末年始になりますので、我慢せずに、何か具合が悪い、なんぎという場合は、心不全も疑い、検査をすることをお勧めいたします。

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「夜間多尿と睡眠時無呼吸症候群」

最近、寒くなり夜間、おしっこで起きる回数が増えているという患者さんが来られます。ただおしっこで起きるけど、尿量はしっかりと出るという患者さんが少なくありません。つまり、夜間頻尿だけど、多尿でもあるということです。そして日中、おしっこの回数が少なく、ほとんど行かないという人もいます。泌尿器科で診てもらったら「夜間多尿」と言われたと言われ、内科で精密検査をしてもらってと言われてくるケースもあります。

精査をした結果内臓に異常が認められないケースでは、睡眠時無呼吸症候群を疑います。男性、女性いずれにもいます。そして、太っていない人でも見られます。また、いびきもほとんどないというケースもあります。夫婦で一緒に寝ているけど、いびきは指摘されないという場合も少なくありません。

実際、当院でも夜間多尿を主訴に来院される患者さんがいて、一通り検査をしたが異常はなく、いびきもかかず体型的にも太っていないけど、睡眠時無呼吸症候群の検査をすると、一晩に4-5回、呼吸が止まり、血中酸素濃度(SpO2)が70%台まで低下しているケースもありました。SpO2は90%を下回ると異常と言えます。

検査中におしっこに起きた時間とSpO2が下がった時間は一致し、つまり、呼吸が止まりそしておしっこに起きていることがわかります。夜間1-2時間おきにSpO2が低下しているため、交感神経の興奮は起こり、結果、本来おしっこを作らない夜間いおしっこを作り、昼間に作らない状態になってしまいます。

治療として、CPAPという鼻から空気を送り込んで、無呼吸にならないようにする装置を使ってもらうと、2-3日で夜間の排尿回数が1-2回に減るケースもあります。特に女性の場合、初日から夜間1回程度しか起きなくて済んだというケースもあります。

もし夜間頻尿があり、かつ尿量がしっかりと出る場合、夜間の呼吸停止の可能性もあります。心当たりがあれば、一度、睡眠時無呼吸検査をお勧めします。

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「コロナPCR検査について」

当院では自費にてコロナのPCR検査を実施しています。その理由は、感染者と接触していても保健所から濃厚接触者として認定されなかった、関東圏から高齢の両親に会うために施設に行こうとしたら施設側からPCRを求められた、もしくは早く面会したいならPCRが必要と言われた、里帰り出産で必要等、様々な理由から希望される方がいらっしゃいます。現時点で当院にて検査した人は全て陰性です。陽性患者は一人も出ていません。基本全員、コロナを積極的には疑わない人です。

中には、コロナと診断された方と、発症2~7日前に接触歴があった方もいますが陰性でした(保健所からは濃厚接触者とはみなされていません)。約2ヶ月でなんとなくコロナ感染はこういう感じかな?という程度の印象がもてるようになってきています

マスクをして日常生活でちょっと話をする程度ではまず感染のリスクは高くないと思われます。また、家族内で発症しても、同居していない状態かつ発症前に食事を1-2回した程度では感染は成立はしにくいのではないかと考えられます。

また、これは当院のケースではありませんが、感染が成立した人たちを見ていると、やはり飲食店でお酒等を共にしたケースやスポーツの場で多く見られている印象があります。近い距離で長時間、大声で話をするような場所ではやはり感染が成立しやすいのだろうと思います。

現状、保健所から濃厚接触者と判断されないケースでは、それほど心配をしなくてもいいのではないかと考えています。コロナ発症後の人との接触がない場合は、必要以上に怖がる必要はないと考えられます。

ただどうしても会社から検査を受けるように言われた、施設から面会のためには絶対にいると言われた等、お困りのことがありましたら、メールにて連絡をいただければ対応いたします。

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「温度感覚の低下」

高齢になると気温・温度に対して鈍感になります。50歳以下では0.5度の温度差を認識できると言われていますが、65歳以上だと1-5度の温度差がないと認識できないというデータもあります。また高齢者では気温28度では「普通」、送風をすると「涼しい」と答え、気温32度の部屋で「暖かい」、送風をすると「やや涼しい」というデータがあります。

つまり、32度でもやや涼しいと感じてしまう状態が生まれます。これにより夜中に熱中症になる可能性があります。

当院では高齢の患者さんに夏場は28度くらいにエアコンを設定して寝てくださいと説明していますが、「寒い」とか「自分の家は涼しい」ということをいいますが、実際には32度で風が少しあると「涼しい」と感じてしまいます。32度で湿度70%の場合、熱中症指数は「危険」に達します。29度でも湿度が70%あれば、「厳重警戒」に該当します。

つまり、高齢者の方がちょっと風があって「涼しい」と感じていても、実際には「厳重警戒」であったり「危険」である可能性があり、その中に夜中ずっと寝ているという可能性があります。

なので、エアコン28度に設定すれば、湿度は50%程度以下まで下がりますので、リスクを避けられます。

あと、「昔は暑がりだった」という方が、年をとって「夏があまり暑くない」とか、妻や夫から見て「最近あまり暑がらない」と思うことがあるようでしたら、それはすでに老化に伴う温度感覚の低下が起こっている可能性が高いと考えていいと思います。その時点で既に本人が温度管理をすることは難しいと考え、エアコンを積極的に使用してください。

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「早朝の脱水・熱中症」

8月に入って梅雨明けもして暑い日が多くなっています。

最近、朝起きたら具合が悪いという患者さんが増えています。話を聞くと、ほぼ全員「エアコンは寝るときに切っている」もしくは「エアコン嫌いだから使わない」と言っています。

そして「夜窓を開けているとそんなに暑くないから」とも言います。

しかし、実際には脱水になっています。その症状として「朝から体がだるい」「朝から頭痛がしている」等々あります。中には「気持ちが悪い、食べられない」と言ってくる患者さんもいます。そして、ほぼ全員が70歳以上の患者さんです。

このようになる原因は色々ありますが、以下に挙げられます。

1)暑さに鈍感になる。

これは加齢とともに暑さに鈍感になります。「夜はそんなに暑くはない」という言葉、これは肌感覚としては間違い無いと思いますが、実際には暑いです!先日、70歳代後半の高齢者の自宅に訪問診療した際、入った瞬間にものすごく蒸し暑かったのですが、ご本人は全然「暑くないしちょうどいいくらいだ」と言っていました。しかし、室内にあった温度計は33度で湿度は78%でした。この値、暑さ指数だと最高レベルの「危険」に該当します。

つまり、本人はちょうどいいと言っても実際には「危険レベル」にずっといるわけです。これは熱中症のリスクが当然高まります。

2)加齢とともに体の中の水分量が減る。

夜間、暑い中で寝ていて発汗するため、体の中から水分が減ります。成人男性で約60%が水ですが、高齢男性では50-55%まで低下します。ちなみに子供は60-70%です。

加齢とともに体の中の水分量も減りますので、暑さにより発汗した場合、より早期に熱中症、脱水症になります。

それ以外にも色々とありますが、この二つが大きく関与します。

まずはこれからの2週間はエアコンを1日つけ続けてもいいと思います。寒ければ布団をかけてもいいでうので、26-28度の間にエアコンを設定してつけ続けましょう。28度でエアコンを設定し、湿度50%程度にまで下げれば暑さ指数はかなり改善します。

高齢者の「暑くない」は感覚の鈍った状態での判断です。ちゃんとエアコンを使って管理しましょう。70歳以上の方で、特に健康に自信のある方は、自分の感覚を過信する傾向にあります。自分が3歳の時に見た70歳は決して若くはなかったはずです。その年齢を過ぎているという自覚を持たないと、脳梗塞等、取り返しのつかない状態で朝発見される可能性もあります。十分に注意をしてください。

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「夏場の心不全」

夏場、心不全で来られる患者さんがいます。心不全は冬になりやすいのですが(冬の方が血圧が上がることが多いことなどが原因です)、かといって夏場でも心不全がいないわけではありません。

ただ夏の心不全では大きく分けて二つのタイプがいます。

一つは塩分と水分を取りすぎるタイプです。マスコミでも盛んに「塩分も摂取しないと脱水は改善しない!」といっていますが、普通、家の中にいる高齢者が夏だからといって塩分を多く取る必要はほぼないと言っていいのですが、それでもマスコミの言葉を信じて塩分を多く取り、水分も多くとった結果、心不全をきたすケースです。

もう一つは、高齢者になると喉の渇きを自覚しにくくなり、結果、脱水になって心不全になるケースです。脱水なのに心不全というのはちょっと納得いかないかもしれませんが、脱水になると当然心拍数は上がります。特に心房細動などの不整脈を持っている患者さんではより頻脈の傾向が見られます。そして、脱水が続いているのに水分をあまりとらない状態になると心拍数が100を超え、それが1日〜数日続くと、元々の心臓の機能によっては心不全を引き起こします。これは心臓は筋肉でできていますが、通常の倍近い速さで心臓が拍動をし続けると筋肉が疲労し、動けなくなり、心臓の機能が低下し、頻脈性心不全になります。そして、頻脈性心不全の場合、多くのケースで腎不全も合併しています。脱水になっているので、腎臓にもダメージが及びます。

脱水による頻脈性の心不全は、入院治療をしても改善に難渋するケースがあります。そのため、水分・塩分摂取が多いことによって引き起こされる心不全よりより重篤になるケースが多いとも言えます。

心臓が悪い場合や心不全の既往がある場合、塩分は控え目が必要ですが、水分はある程度摂取することが必要になります。

心不全の診断を受けている場合、主治医とよく相談して夏場の水分量を設定してください。

時々、「自分は心不全だからなるべく水を飲まないようにしている」という高齢者がいますが、それは間違いです。必要な水分量というものがあります。

主治医とよく相談して水分摂取量を決め、その量は毎日しっかりと摂取してください。

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「コロナストレスと不整脈」

コロナによる自粛は一段落していますが、みなさんまだ、警戒をしてコロナ以前のような生活はできていません。自宅にいる時間が長かったり、感染予防、感染リスクの軽減のために外出を控えるなどの対策をしていますが、ストレスが溜まっている患者さんも少なくないようです。実際、5月連休明けくらいから「動悸」を主訴に来院する患者さんが増えています。6月に入っても来られています。

毎日不整脈が出ている患者さんでは、ホルター心電図(24時間心電図)を施行して、実際の不整脈を捕まえることもありますが、週に1-2回しか出ないようなケースもあり、必ずしも検査をするわけではありません。状況、症状、脈拍数、不整の有無などを確認して不整脈を類推して対応するケースもあります。

一昔前は、デパス等の抗不安薬を処方するケースが多かったですが、今はほとんどしていません。不整脈の出るタイミング、時間帯、状況等を勘案して、薬を決定しています。特にストレスによる不整脈を疑う場合は、交感神経の興奮による不整脈を抑える薬を短期間内服してもらうケースがあります。短期間の内服にて不整脈が出なくなったり、出にくくなるケースもあります。2週間くらいの内服でその後内服しなくてもよくなるケースもあります。

どうもストレスで動悸が・・・という患者さんがいましたら、主治医と相談してください。短期間の内服で済むケースもあると思います。

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「便秘と不整脈」

時々、便秘が悪化すると不整脈が出てしまいますという方がいらっしゃいます。

この事象を自律神経から考えると以下のように推察されます。

ストレスがかかると便秘や下痢を引き起こしやすくなりますが、基本、ストレスがかかると「交感神経」が優位になります。しかし、腸の蠕動を司るのは、「副交感神経」になりますので、腸の蠕動運動は低下します。結果、便秘になります。下痢になる人もいるのですが、基本的には便秘に傾くと言えます。

交感神経が働くと、心臓はどうなるのか?というと、「心拍数が増える」「心臓の収縮力がアップする」「末梢血管が収縮し、血圧が上がる」ということが起こります。

そのため、不整脈が出やすい環境になりやすいとも言えます。副交感神経優位の時に出やすい不整脈もありますので、必ずしも全員に言えることではありません。

しかし、不整脈は交感神経優位時に出やすい不整脈の方が多いため、交感神経優位=便秘=不整脈というのは、体の仕組み上は説明がつく事象になります。

便秘と不整脈を感じる患者さんでは、まずはリラックスをすること、副交感神経優位になるような生活をすることをお勧めします。よくいわれている副交感神経優位となるような生活は、「ぬるめのお風呂に入る」「軽い運動」「音楽(ただしハードロックはダメかもしれません)」などが言われています。

これらの生活を心がけてください。そして、もしそれでも改善が得られない場合は、かかりつけ医などに相談すると何かしらの対応をしてくれると思います。

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「コロナによる自粛で持病の悪化」

コロナ感染症に伴う自粛要請があり、特にスポーツジムに通われていた方の場合、運動する場がなくなっています。4月半ば過ぎに受診された患者さんの中には、血圧上昇、高脂血症の悪化、糖尿病の悪化が見られています。もしくはそれまで順調に来ていた数値が下げ止まるケースも見られます。また、心不全患者さんでは、心不全の悪化も見られています。

みなさんがしっかりと自粛をした結果とも言えますが、一方で、自宅にいる時間が長くなり、運動量の減少、おやつ等の摂取の増加があるのかもしれません。

新潟の現状であれば、人混みを避けて、マスクをして散歩をするのであれば、感染リスクはそれほど高くはなく、帰ってきてから、手洗い、うがい、そしてできたら顔も洗っておけば感染リスクはそこまで高くはないと考えます。

これから少しずつ天気も良くなってくると思います。屋外を少し歩くなどして、運動量を減らし過ぎないようにお勧めします。

また、心不全がある患者さんでは、息切れ、浮腫、倦怠感等が悪化した場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。最近は、病院のコロナ感染症対策から、入院先が決定するまでに時間を要する場合があります。軽度であれば、外来内服治療で対応が可能ですが、ある一定のレベルを超えると入院にならざるを得ません。具合が悪いな、おかしいなと思ったら、早めに受診してください。もし、クリニックおける感染が不安である場合、電話をして混み具合を確認するなどのことも可能ですし、かかりつけの場合であれば、電話にて対応が可能なケースもあると考えます。

悪化している場合は、まずは主治医に相談してください。

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最近の治療

「健康診断結果がきたら」

年度末になり健康診断結果を放置して、会社から早く診察受けてこい!と言われて来院される患者さんが増えています。

多くの患者さんが、「高血圧」「高脂血症」「心電図異常」のどれか、もしくは複数で来院されます。多分、あまり症状がないからであろうと思います。

症状がないことと、この先も大丈夫であることはイコールではありません。

早めに受診して評価をしてもらった方がいいと考えます。

特に、両親が脳梗塞、心筋梗塞、脳出血などがある場合は、症状がなくても早い段階から降圧剤や高脂血症の薬を飲んで発症を予防した方がいいケースがあります。

脳出血、脳梗塞、心筋梗塞になれば、絶対に内服をしなければなりません。

病気になる前に飲むで、大きな合併症なく生活するか、大きな合併症が出てしまってから内服を開始するかでは、ADLは大きく違います。

主治医の意見をよく聞いて、判断されることをお勧めします。

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最近の治療

「デパスの副作用について」

最近、デパスを内服している患者さんがHPを見て、受診されるケースがあります。その際、様々なことを聞かれますが、そのうち副作用についても質問されるケースが増えています。

まとめると以下のようなものになります

<重大な副作用>

依存性(頻度不明)

連用により薬物依存を生じることがある。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,痙攣発作,せん妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状があらわれることがある。

呼吸抑制,炭酸ガスナルコーシス(いずれも頻度不明)

呼吸抑制があらわれることがある.また,呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合,炭酸ガスナルコーシスを起こすことがある。

悪性症候群(頻度不明)

デパスの投与,又は抗精神病薬等との併用,あるいはデパスの急激な減量・中止により悪性症候群があらわれることがある.発熱,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗,白血球の増加,血清CK(CPK)の上昇等があらわれる場合がある

肝機能障害,黄疸(いずれも頻度不明)

肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-P,ビリルビン上昇等),黄疸があらわれることがある。

そのほかの副作用

(比較的頻度が高いもの)

眠気、ふらつき、めまい、歩行失調(上手に歩けない)、頭痛、頭重感、言語障害、口渇、悪心、嘔気、発疹、倦怠感、脱力感

(さほど頻度は高くないもの)

不眠、酩酊感、興奮、焦燥、振戦、眼症状、呼吸困難感、動悸、立ちくらみ、食欲不振、胃部不快感、嘔吐、下痢、蕁麻疹、易疲労感、発汗、排尿障害、浮腫、鼻閉

これらがあります。

副作用を見ると、多分、これらの症状があり、デパスを処方されたケースもあると思います。特に、ふらつき、めまい、動悸、頭痛などは処方されているケースが見られます。

飲んでも症状が変わらないケースでは、主治医とよく相談して薬を減らしながら飲まなくてもいい状態に持っていくことも検討してください。

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最近の治療

「デパスと心臓」

時々、デパスを飲むと心臓に悪いですか?という質問を受けます。

正直、なかなか答えることは難しいのですが、循環器の副作用として「動悸」「立ちくらみ」とうものがあります。「動悸」というのは、不整脈の時に感じることがありますが、不整脈じゃなくても「動悸」と自覚することがあります。実際に、24時間心電図(ホルター心電図)を施行すると何もない、洞調律の時にも「動悸」を自覚されている患者さんは少なくありません。なので、動悸=不整脈とは限らず、本当に不整脈を惹起しているのかどうかは不明です。

また立ちくらみというのも血圧が下がることにより立ちくらみを自覚することがありますが、もともとデパスの副作用で「ふらつき」「歩行失調」等が0.1~5%未満の頻度であり、立ちくらみが0.1%未満であることを考えると、本当の立ちくらみなのか、ふらつきなのかの判断は難しいと考えます。

現状、デパスが心臓に明らかに悪影響を与えているというデータはあまりないように思いますが、飲みすぎないほうがいいことは間違い無いと考えます。

ただ突然デパスをやめると当然ですが、離脱症状が出てしまう可能性があります。もし動悸等で薬を内服していて、デパスをやめたい場合は、主治医とよく相談してください。不整脈が出ているのであれば、それを抑える薬に切り替えてもらうことは可能だとも追います。

主治医が心臓が専門ではない等で、なかなか取り合ってもらえないようであれば、循環器専門医を調べて、近くの循環器専門医に相談してください。

循環器専門医

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最近の治療

「夜間のおしっこの回数が増えた」

寒くなってきて、夜間のおしっこの回数が増えたという患者さんが多くなってきています。

薬を飲んでもあまり効果がないケースもあります。そんな中、1月6日の西日本新聞(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/573411/)にて、室温を2.5度あげると頻尿4割減という記事がありました。産業医大や北九州私立大が色々と調べたもののようです。

これらの記事を見ると、冬季、寝る際にも部屋のエアコンを19-20度くらいに設定して寝ると、夜間頻尿が改善される可能性があると考えられます。

薬を飲んでも改善されない場合、一度、エアコンを20度にして寝て見るという方法はありかもしれません。

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最近の治療

「若い時は低血圧だったのに、血圧が高くなった」

寒くなってきて、血圧が上がったと言って来院される患者さんがいらっしゃいます。特に女性の方で、昔は100mmHgくらいしかなかったのに・・・と言って来られるケースもあります。しかし、家の血圧は150-160mmHg、、診察実はさらに高い・・というケースもあります。

そしてすぐに内服治療をしたほうがいいですか?という質問をよく受けます。ケースバイケースになりますが、診察時に高血圧の家族歴、生活習慣、ストレス、その他、様々な質問をさせてもらい、また、場合によっては、採血をしてその他の合併症を確認してから、内服治療をするかどうか検討しています。

若い時は低血圧だった患者さんに質問する際、両親が高血圧であったかどうかを質問しています。特に女性の場合、母親が高血圧であった場合、いつ頃から内服治療をしているのかという質問をします。正確な年齢はわからないケースが多いのですが、大体の発症年齢はわかるケースがあります。

僕の印象ということになりますが、女性の場合、若い時低血圧で、50歳を過ぎて血圧が上がってきたケースで、かつ母親が高血圧の場合、だいたい母親と同じような年齢で高血圧を発症するケースが多いように感じています。つまり母親が50歳くらいから血圧の薬を飲んでいた場合、患者さんも同じくらいから血圧が上がり始める、母親が70歳からなら、同様に70歳くらいから上がり始める。また、父親も高血圧の場合、発症する年齢はもう少し早い印象があります。

そして、その場合、薬を開始するケースが多くなります。もちろん、内服をせずに、生活習慣の改善を見るケースもありますが、それで改善が得られるケースは多くはないと思います。

もし、昔は低血圧だったのに、歳をとって血圧が高くなってきたという患者さんがいましたら、両親が高血圧の治療を受けているかどうか、もしくは、高血圧と指摘されたことがあるかどうか、そして、治療開始年齢、もしくは指摘された年齢をあらかじめ聞いておくといいと思います。もう両親が死んでしまってわからない・・というケースでは、死因が重要になるケースもあります。脳出血などの高血圧が原因となり得る疾患の場合は、高血圧があった可能性が高いと思います。また、兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹に血圧のことを聞いてみるといいと思います。特に兄、姉がいるケースでは、聞いてみると、実はもう薬を飲んでいるよというケースが多いと思います。

そして、クリニックを受診すると、今後の方針も立てやすいかと思います。

当院では遺伝的要素が大きいと判断した場合、冬場は血圧の薬を飲んでもらうケースが多いと思います。そして、1剤で血圧のコントロールができている場合、暖かくなってから、減量・休薬するケースはあります。ただ、冬場2剤以上でしか血圧がコントロールできない場合、減薬はできても休薬ができたケースはほとんどありません。

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最近の治療

「不整脈とデパス」

僕がまだ医師になりたての頃、リスクのない不整脈に伴う自覚症状に対して、デパスを使っていました。つまり、確認された不整脈は絶対に命に関わらないため薬を飲む必要はないけど、自覚症状が辛いなら、その症状を緩和させるためにデパスを使いましょうということです。実際、デパス内服にて不整脈に伴う自覚症状が軽くなる症例が少なくないことは事実です。ただし、基本、不整脈の治療にはなりません(一部、ストレスとかが原因で不整脈がでているのであれば、減らす効果はあるかもしれません)。

そして、一時的にデパスを使用し、不整脈が減ったり、症状がなくなったら一度中止をしてみるということをしていました。

ただ、当院ではということになりますが、最近はそのようなことをしていません。その理由は、高齢者では、デパスをやめられなくなる傾向が強いという印象があります。若い人では、あまりそういう印象を受けませんが、それでもいないわけではありません。そのため、なるべくデパスは使わず、どうしても辛い症状があるのであれば、それは不整脈自体を止める、減らすということを考えます。

不整脈の薬を使うと、症状がなくなった場合、「やめていいですか?」と聞かれるケースが多く、デパスだと「安心だから飲み続けてもいいですか?」と聞かれるケースが多い印象があります。デパスの持つ抗不安作用が強く出て、心地よく感じるのかもしれません。

ただし、重篤な副作用は薬によっては不整脈を止める薬の方が強いかもしれません。そこは不整脈を止めるメリット(症状をなくす)と薬の副作用のリスクを勘案して選択することになります。

もしデパスを飲み始めた理由が不整脈という患者さんがいて、デパスをやめたいという希望がある場合、一度主治医と相談することをお勧めします。特に高齢者で、認知症、ふらつきがある場合は、主治医と相談してください。

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「血圧が高くないのに降圧剤が処方されている」

時々、他院からこられる患者さんで、このように言われるケースがあります。特に大きな病院で忙しい外来で主治医に聞けないので、言われるがままに内服をしているというケースがあります。

実は降圧剤といっても、様々な種類があります。そのため、血圧を下げる効果もあるが「不整脈を抑える作用」もあるという薬もあります。また、腎臓を保護する作用のある降圧剤もあります。そのため、薬の説明書を見ると最初に「血圧を下げる効果があります」と書いてあることが多いですが、実際には、その次、もしくはその次に別の作用が書いてある薬があります。

循環器でよく使われる薬の中にメインテートという薬がありますが、それの説明書には以下のようにあります。

本態性高血圧症(軽症~中等症)

狭心症

心室性期外収縮

次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者

虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全

頻脈性心房細動

このように高血圧が最初に来ますが、実際には、狭心症、心室性期外収縮(不整脈)、慢性心不全、心房細動(不整脈)と多岐にわたる効果があります。そのため、高血圧が目的ではなく、他の目的で使われるケースも多くあります。

もし自分が飲んでいる薬に疑問があるようでしたら、主治医に相談してください。当院でもメインテートを処方する際、半分以上は高血圧以外の目的で処方しています。

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「リハビリやマッサージについて」

高齢者のリハビリやマッサージについて相談を受けるケースがあります。特に寝たきりに近い状態や寝たきりの患者さんのリハビリやマッサージについても相談を受けることがあります。ケアマネ、訪問看護、施設の職員等から、助言を受けるケースもあると思います。ただ、正直、何のためにリハビリやマッサージをするのか?ということをしっかりと理解して助言をしているケースが多いとは言えません。

何のためにリハビリをするのか?といえば、「機能の保持、改善のため」です。

寝たきりで拘縮のある患者さんにリハビリをしたら、治りますか?と言われたら、治りません。特に拘縮が進行する疾患の患者さんでは、週1回、リハビリをしたら拘縮が良くなるというデータはありません。週2回、1回20分のマッサージで良くなるというデータもありません。

そして、何より、患者さん自身がマッサージやリハビリで痛みを感じる可能性のある場合、治りもしないリハビリ、マッサージで得られるのは苦痛だけになります。

残念ながら、適切な助言がされているケースは多いとは言えず、また、患者さん家族に誤解を与えるような助言がなされているケースも多く見られます。

また、訪問マッサージについて言えば、動ける通院できる人は対象にはなっていません。また、マッサージについても神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症 しか適応にはなっていません。それも「慢性病であって医師による適当な治療手 段のないもの」という注釈まで付いています。

つまり、ほとんどの通院できている患者さんは適応にはなりません。

様々な人から、いろいろなサービスが勧められることがあると思いますが、まずは主治医と相談してください。本当に適応があるのかどうかすら理解せずに、マッサージなどを勧める人もいます。

また、疾患によっては、必ずしも良いことをしているとは限らないことも認識する必要があると思います。

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「降圧剤について」

降圧剤についての質問も度々きますので、少し書きたいと思います。

降圧剤というものは、主に血圧を下げる目的で使われますが、中には心臓や腎臓を保護する目的で使われる場合もあります。そのため、時々、他院から薬をもらっている患者さんが、風邪などで受診された際に、「血圧は高くないのに、降圧剤が処方されているんだけど・・・」と質問されるケースがあります。

降圧剤にも数種類あり、それぞれ降圧させる方法が違います。そのため、使い分けをしています。1)Ca拮抗薬(ノルバスク/アムロジピン、ニフェジピン等)、2)ACE阻害薬(レニベース/エナラプリル等)、3)ARB(ブロプレス、ミカルディス、ディオバン等)、4)利尿剤(ラシックス、アルダクトン等)、5)αブロッカー(カルデナリン等)、6)βブロッカー(メインテート、アーチスト等)が挙げられます。

1) Ca拮抗薬は血管の拡張により血圧を下げる作用があります。しかし、血管を広げることから、顔の火照り、むくみ、頭痛、便秘などの副作用が起こる場合があります。

2)ACE阻害薬はアンギオテンシンIIという物質が作られるのを防ぎます。アンギオテンシンIIは血管を収縮させたり血液量を増やしたりするため、血圧が上がるため、それらを防ぎます。ただし、空咳や喉の違和感を訴える副作用を有します。

3)ARBは「アンギオテンシンIIが受容体へくっついて血圧が上がり、血液量を増やす」という作用を阻害し、アンギオテンシンIIが受容体へくっつくのを防ぎます。軽い動悸、めまいなどを訴える方もいますが、ほとんど自覚症状として副作用を訴えるケースは稀です。

4)利尿剤は腎臓からNaと水分を排出する作用を持ちます。そのため、尿量が増えたり、高齢者などでは脱水、低Na血症、痛風などを起こす場合もあります。

5)αブロッカーは、血圧を上げ神経の働きを抑えて、血管を広げて血圧を下げます。副作用としては、立ちくらみ、めまいなどの症状が出るケースもありますが、あまり多くはありません。

6)βブロッカーはαブロッカーと同じ、血圧を上げる神経の働きを抑え、また、心臓の収縮力を落としたり、血管の収縮を抑え、血圧を下げます。副作用としては、心不全患者では量が多いと心不全の悪化をきたす可能性があること、また、かなりの確率で心拍数が減少します。

以上のように、様々な降圧剤があり、それぞれに副作用が認められ、また、それぞれに得意とする降圧方法があります。そのため、人により、降圧剤の使い方は違います。当院では、生活習慣や血圧が上がる時間帯、また、塩分摂取量等、様々な情報を聞いて、患者さん一人一人にもっとも適切であろう薬を選択しています。そのため、同じ高血圧でも患者さんによっては全然違う種類の降圧剤が処方されます。また、当院は循環器内科(心臓が専門)のため、心臓に合併症を持つ患者さんも多く、2-3種類もしくはそれ以上の薬を組み合わせて使っているケースも多々あります。

また、副作用が出てしまい使えないと言って他院かかりつけの患者さんが来院されるケースもありますが、その際も、よく相談をして、薬を種類を変えたり、量を変えたりしながら、経過を見るケースがあります。多くのケースでは、変更により飲み続けられることが多くなります。

また、降圧剤の飲み始めに副作用を感じやすいこともあります。例えば、Ca拮抗薬では、頭痛や頭が重たいということを訴えられるケースがあります。

血管拡張に伴う症状であろうと考えられ、拍動性の頭痛がある場合は、ほぼ使うことは不可能であり、中止し他の薬に変更をしたりします。頭が少し重たいくらいの場合は数日使ってもらうと症状が消失するケースが多いため、継続してもらうことが多くなります。

また、便秘が強い場合などは、Ca拮抗薬を使うと、さらに悪化するケースがあるため、注意を要します。

このように、持病と副作用、それと薬によってもたらされるメリット全てを勘案した上で、治療を行います。

降圧剤について不安や困ったことなどがあれば、薬手帳を持って受診していただければ、対応できると思います。

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最近の治療

「デパスの代わりに漢方薬を希望」

前回、デパスの代わり、もしくは増やす代わりに漢方薬をと記載したところ、一体何を使うのか?という質問がありました。当院で変わりに出すのは、「加味帰脾湯」という漢方を使っています。クラシエさんが出している漢方薬になります。正直、効果については個人差があります。市販もされているようです。試してみたいという方は、合併症等が問題なければ試してみてもいいと思います。もしくは、医療機関にて相談いただければと思います。ただし、カンゾウが入っていますので、特に利尿剤等を飲んでいる患者さんについては、主治医とよく相談をしてください。

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「デパスは増やしたくないけど、でも辛いという場合」

デパスは増やしたくないけど、でも辛い・・・というケースが少なくありません。実は、漢方薬でも、似たような効能があるものがあります。デパスの量がある程度入っていて、これ以上は・・・という時に使用するケースもありますが、デパスをやめたいというケースでも、漢方薬で対応するケースもあります。プラセボ効果という可能性も否定はできませんが、ある程度効果はあるように見受けられます。もし、デパスはやめたい、減らしたい、でもこれでまた具合が悪くなったり、眠られなくなったりするのは怖い・・・という場合、相談いただければ、漢方薬を試してみるという方法もあります。

希望される方はご相談ください。

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最近の治療

「デパスの効きが弱くなってきた場合」

最近、デパスの使用を減らすようにしていますが、とは言っても、やはりデパスを以前から使用している患者さんでは、なかなかやめるのが難しいという現実があります。そして、さらに以前から使っている患者さんから「最近、デパスがあまり効かない・・・」と言われるケースもあります。そんなときは、まずは「デパスが効かないということはどういうことか?」というところから始まります。不安が強くなるのか、身体的症状が出るのか、はたまたなんとなくそう感じるのか、それらを詳細に聞いてから、次の手を考えます。基本的に、デパスが薬をんでから効くまでが割と早いと言われているため、飲むと即効性があるように感じまた、抗不安作用が強いため患者さんは「効果」を実感しやすいということがあると思いますが、半減期が割と短いため(大体6時間程度)のため、結果、薬が切れていく感じもまた実感してしまうのだろうと思います。

そのため、症状が出てしまう時間帯を聞いて、もし、半減期を超えて症状が出てしまう、不安が強くなってしまう場合は、同じベンゾジアゼピン系でもう少し半減期の長いタイプの薬を使うことがあります。デパスをやめて、半減期の長い薬をある程度毎日飲んでもらうことになります。そして、半減期の長い薬を徐々に減らしていくという方法をとることになります。ただ、立ち上がりが遅い薬だと、即効性を感じにくいため、「新しい薬は効かない」ということを言うケースも少なくありませんが、少し我慢して飲んでもらい、血中濃度が安定してくると、割と問題なくいけるケースもあります。

デパスが効きにくいとおじいちゃんやおばあちゃんが訴える場合、主治医と相談して、デパスをやめて、もう少し半減期の長い薬を選択してもらうという方法もありかもしれません。ただ、患者さんの状況によっては、半減期が長いのはかえってふらつき等で危険があると判断される場合もありますので、主治医とよく相談してください。

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「中学生のむくみ」

時々、中学生や高校生くらいのお子さんで、「むくみがある」といって来られるケースがあります。さほど強くはないのですが、むくみがあるケースが見られます。当院では大抵、女性です。そのため、最も考えるのが、「貧血」です。生理が始まり、貧血になっているなどのケースで、むくみ(浮腫)をきたすケースが見られます。そのため、鉄剤の投与にて、貧血の改善が得られると、むくみが改善するケースがあります。全員ではありませんが、中学生や高校生の女の子で、むくみがある場合、貧血の検査を一度してみることをお勧めしています。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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