Facebook船木 威徳さん投稿記事【 夜明け前は暗くはない 】
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。(春は明け方がいい。だんだんと白くなってゆく山の稜線が、少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいている景色が、趣深くていいのだ。)」
中学生の頃でしたか、清少納言の「枕草子」を暗唱した記憶があるのですが、そのときに、ふと感じた疑問を想い出しました。
先の作品は、続きます。
「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。」
そして、次です。
「冬はつとめて。雪の降りたるは、言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。
(冬は早朝がいい。雪が降っている朝は言うまでもない。霜がおりて白くなっている朝も、また、そうでなくても、とても寒い朝に火などを急いで起こして、炭を持って運びまわるのも、冬の朝にたいへん似つかわしい。しかし、昼になって、寒さがゆるんでくると、火おけの火も白い灰になってしまって、よくない。)
私が当時分からなかったのは、ここで語られる「春」と「冬」の違いでした。
「あけぼの」と「つとめて」の差は、はたして、どれくらいのものなのか?
春はたしかに、あけぼのがいいけれど、冬のつとめて、つまり早朝と、どれだけの違いが
あるというのだ、という疑問でした。
私が当時、出した答えは、いくら清少納言先生とは言え春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、ときてネタがきれてしまい、しょうがないので、冬は(春とあまり変わらないけれど)、「早朝」にした、のではないか、というもの。
でも。私も50になり、ようやく実感できるようになりました。
いや、そんな気がするだけかも知れませんが、たしかに、冬は「つとめて」なのです。
私は、複数の方々の電話相談を早朝に受けています。
ほかに使える時間がないからなのですが、ほとんどの日、朝は5時くらいに起きます。
寒さが身にしみる冬の朝、まだ日は昇っておらず、東の空も、ほんの少し、明るくなりかけたくらいです。
そのうち、空が、グラデーションに様々な色に染まり、新しい日の朝日が、街を照らし出しはじめます。
冬は、この、あけぼのも感動しない日はないほど美しいの一言なのですが、それから、まだはりつめた空気のなかに出て行くのが、はるかに気持ちがよいのです。
5時台でも、もうすでにたくさんの人々が、動き始めています。夜通し働いてきた人も、
安堵の時間を過ごすころでしょう。
やはり、冬は、つとめて、なのだと思います。
ちょうど、今朝、FBで私が3年前に投稿した記事があがってきたのですが、そのなかに、
「夜明け前が一番暗い」ということが書かれていました。
たしかに、よく言われることでしょう。「夜明け前が最も暗い。でも、明けない夜はないよ。」と。
しかし、あらためて考えると、夜明け前は、夜の中で、もっとも明るいのです。
ものごとは、どんどん変化してゆきます。
状況は、私たちの凝り固まった考えなど無関係に、私たちが「暗い、最悪だ、どん底だ」という、意味づけをしようがおかまいなしに、明るくなってゆきます。
今一度早く起きて、空を見上げて欲しいのです。「夜明け前から、空はすでに明るくなっている」。
私やあなたが、「暗い」と思い込んでいる空は必ず明るくなってゆきます。
「暗い」と思い込んでいるときこそ、そのできごとや状況を、じっくり見つめるべきときなのだと私は想うのです。
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以下、2018年12月3日の投稿から。
<困難な状況を乗り越えたリーダーが持つ11の認識>
1. 全てのできごとはギフトである。
2. 苦しみは事実ではない。
3. 夜明け前が一番暗い。明けない夜はない。
4. 出口のないトンネルはない。
5. お金は問題ではない。
6. 状況を改善できる、完全なリソースが私の中にある。
7. 全世界が、今、あなたを助けようとしている。
8. いつでも選択肢がある。
9. 解決できない問題は起きない。
10. すべては意味があって起こっている。
11. すべてはきっとよくなる。
心から尊敬する先生に、丸暗記するように言われて暗唱しました。
じんわり涙が出てきます。振り返って、今までの人生、思い通りになったことなんてほとんどないです。
松下幸之助先生がおっしゃっています。
「人には燃えることが重要だ。燃えるためには薪が必要である。薪は悩みである。悩みが人を成長させる。」この世界は、慰めと、力を与えてくれる人の情や愛に溢れています。
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写真は、私の寝室から数日前に撮ったもの。
〜王子北口内科クリニック院長・ふなきたけのり
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