Facebook長堀 優さん投稿記事 今月号の致知のタイトルは、「死中活あり」です。
東洋学の泰斗、安岡正篤師の言葉であり、もう駄目だという状況の中にも必ず活路がある、という意味だそうです。
コ◎ナによる深刻なダメージをどう乗り越えたら良いのか、今号は、まさに「死中活あり」の言葉のままに、現在の悩める日本人に向けられたかのような示唆に富む話が並びます。
多摩大学名誉教授、田坂広志氏は、逆境を超えていくためには、心にポジティブな想念を抱き「絶対肯定の人生観」を定めることと述べています。
そして、そのための「五つの覚悟」を示しています。
1 自分の人生は大いなる何かに導かれている、と信じる。
2 人生で起こること、すべて深い意味がある、と考える。
3 人生における問題、すべて自分に原因がある、と引き受ける。
4 逆境に直面した時、大いなる何かが自分を育てようとしている、と受け止める。
5 逆境を越える叡智は、すべて与えられる、と思い定める。
この「五つの覚悟」を定めると、すべての逆境を肯定的に受け止める視点が定まります。
その結果、心がポジティブな想念で満たされるため、生命力と叡智が湧き上がり、良き人々が集まり、良い運気を引き寄せるようになるのです。
そして、良い運気を引き寄せ、逆境を越えるきっかけとなる「不思議な偶然」がしばしば起こるようになるといいます。
私は、仕事で死中を超えるほどの経験はしていませんが、自分が心から喜べることを続けていると、不思議な偶然が起こりまくり助けられる、という経験を多々しています。とても納得できるお話です。
田坂氏がもう一つ大切にしている言葉が有ります。
重い病気を患い、長くは生きられないと医師から宣告された田坂氏は、両親の勧めで禅寺に修行に行きます。
そこでは、同じような境遇の人たちとひたすら畑仕事で献労することを求められました。
次第に「自分の病気は自分で治すしかない」との覚悟が定まってきた頃、禅師との接見がありました。
禅師は、田坂氏の苦しい胸の内を聞き終えたあと、しばしの沈黙の後、
「そうか、もう命は長くないのか、だがな、一つだけ言っておく。人間、死ぬまで命はあるんだよ!」と言ったのです。
そして、さらに禅師の次の言葉が田坂氏の胸に突き刺さります。
「過去はない。 未来もない。 有るのは、 永遠につづく、いまだけだ。 いまを生きよ! いまを生き切れ!」その言葉で田坂氏は、今まで自分が死んでいたことに気がつきます。そして、田坂氏は一つの覚悟を定めるのです。
「この病気でいつ死のうが構わない! それが天の定めなら仕方ない。しかし、過去を悔いること、未来を憂うることで、今日というかけがえのない一日を失うことは、ぜったいにしない! 今日という一日を精一杯に生き切ろう!」そう覚悟を定めた瞬間、田坂氏は、病を超えたのです。
心が病に囚われなくなり、今日という一日を生き切る、という修行を続けているうちに、時間をかけてゆっくりと病が消えていったのです。
大いなる存在に絶対の信頼を置き委ねる、起こることを受容する、
そして、自分が無上の喜びを感じる願望を見出し、その実現に向かい、日々を充実して過ごす、このような態度が思わぬ力を発揮することがあるのは確かであり、腑に落ちる思いがします。
長くなりますが、よろしければ、もう一つのエピソードにお付き合いください。
大学で物理学を学んだサイゼリア会長、正垣泰彦氏の言葉も、田坂氏のお話と深く通じ合っているようです。
「自分の前に起こる出来事はよいことも悪いことも全部、自分のためにある。」
「量子力学によれば、この世に存在するすべてのものはエネルギーでできている、
エネルギーって何かというと、中心がなくてみんなと繋がって、よりよい調和に向かって永遠に変化し続けている、ただこれだけ、『俺はすごいだろう』なんて有頂天になると自分中心になっちゃう。 こういう人はエネルギーの法則に反するからおちぶれていく。」
「なぜ困難が起きるかというと、そこには必ず原因があります。
多くの人はその原因を人のせい、世の中のせい、あるいはコ◎ナのせいにするんですけど、実際には自分にあるんです。
ほかに押しつけていては一歩も前に進めない。原因は自分にある。
うまくいかない原因が自分にあると府落ちすれば、自分の考え方を変えなければならない。
困難な状況に直面すると苦しいが、でも、苦しい時にしか自分を変えることはできない。
だから、困難や辛苦の時は自分を変えるチャンス。
周りの人をより幸せにできる、会社を大きく成長させるチャンス。
いままで自分が考えてやってきたことの結果として、困難な現象が起きていると捉えた方が良い。
いいことも悪いことも人生で起こることはすべて最高、最悪の時こそ実は最高なのだ。」
「死中にいる時こそ自分を変えるチャンス。
自分のあり方が間違っていたと分かれば自分を変え、活路をみいだすことができる。」
「リーダーシップとは、部下や周囲の人から助けてもらえること、この人のために頑張りたいと思われる状態を指します。
途中で成長が止まってしまう人とは自分中心に物事を考えている人です。」
「よく若い人が『自分の好きなことをやりたい』とか言いますけど、それは自分中心に考えているだけだから、うまくいかない。
皆に喜んでもらいたいとか、困っている人を幸せにしてあげたいとか世の中を変えたいとか、自分の利益じゃなくて誰かの役に立つことを優先して考えると結果は良くなるんです。」 「ほんとうの幸せは何かっていうと、それはお金を儲けることでも、地位や名誉を得ることでもなく、人のために役に立つこと、目の前の人や周りのひとときいっしょに喜び合えることなんです。」
私自身、今回のコ◎ナ騒動では、これまで深いところで経営に向き合ってこなかったことを思い知らされました。
この経験を奇貨としなければならない、その思いで今一度、地域医療について考えなおし、さまざまな気づきを得ることができました。
正垣会長のお言葉をもうひとつ、
「人間は何のために生きているかと言ったら、一つは人の役にたつためであり、もう一つは反省するため。
ピンチの時が反省する絶好のチャンスなんです。」
致知にはいつも貴重な学びをさせていただいています。感謝です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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