竜胆(りんどう/りんだう)仲秋

https://blog.goo.ne.jp/minami032/e/59eb968796ea3c3d45d624d8eb4ac75f 【竜胆 ( りんどう ) <季> 仲秋】より

◉ 笹竜胆 (ささりんどう)・竜胆草 (たつのいぐさ)・瘧草 (えやみぐさ)・蔓竜胆 (つるりんどう)・蝦夷竜胆 (えぞりんどう)・御山竜胆 (おやまりんどう)・朝熊竜胆 (あさまりんどう)・深山竜胆 (みやまりんどう)・筑紫竜胆 (つくしりんどう)

竜胆の花かたぶきて殊勝さよ ・・・・・ 路通

好晴や壺に開いて濃竜胆 ・・・・・ 杉田久女

雨ためて竜胆花を覆へす・・・・・ 前田普羅

秋冷の頃、山野に咲く青紫色の花は、色も深く冴えてひと際目立ちます。日が当たると開き、曇天では閉じています。素朴な中に姿勢を正した趣があり、季節を感じさせます。

古来から日本人に愛され、和歌や俳句に詠まれています。

『万葉集』に「道の辺の尾花がしたの思ひ草 今さらさらに何をか思はむ」と大伴家持が詠んでいます。思い草は、竜胆・南蛮煙管・露草・女郎花などの古名とも言われます。

『古今集』には「わがやどの花ふみしだくとりうたん 野はなければやここにしもくる」と紀友則。とりうたんは鳥打たんで、「りうたんの花」が詠み込まれています。

『拾遺愚草員外』にも「りうたんの花の色こそさきそむれ なべての秋はあさぢふのすゑ」と

藤原定家が詠んでいます。

『枕草子』では「りんだうは枝ざしなどもむつかしけれど、 こと花どものみな霜枯れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたるいとをかし」と清少納言が美しさと物哀しさを称えています。

秋の襲(かさね)の色目になっていて、表は蘇芳色・裏は青色です。

葉や花をかたどった多くの種類の紋章も見られます。

また長野県・熊本県の県花にもなっています。

  [ リンドウ科リンドウ属の多年草 ]

   広義には、リンドウ属・ツルリンドウなどの総称です。 

在りし日の母お茶花に濃りんだう ・・・・・ みなみ

リンドウ (竜胆)

本州~九州にかけて、丘や山地の日当たりの良い草地に自生します。草丈は、20~100cm。葉は、柄が無く、披針形で基部がやや丸く、縁に細かい突起があつてざらつき、対生します。花期は、9~11月。

茎頂や上部の葉腋に、青紫色、稀に白色の花を1個から数個、上向きに付けます。釣鐘状で花筒が長く、先が5裂して裂片の間に副裂片があり、外側に反り返ります。日が当たると開き、日が翳ると閉じます。

園芸品種の改良が盛んで、庭植え・鉢物または切花用としての栽培もされます。

根茎を乾燥し、生薬の竜胆(りゅうたん)として、健胃薬に用います。

葉の形が笹に似ているので笹竜胆(ささりんどう)とも呼ばれ、源氏の家紋の一つとして知られています。名は、苦味の強い根を竜の胆(きも)にたとえ、漢名の竜胆を「りうたむ」と発音し、転化して「りんどう」になったそうです。

別名 ; エヤミグサ(疫病草・瘧草)・ くたに・ササリンドウ(笹竜胆) 


https://botanicalartsalon.com/?QBlog-20141002-1 【今日の歳時花~竜胆】より

リンドウ

リンドウはリンドウ科の多年草、一年草、越年草で、茎は直立し、葉は対生または輪生します。花は主に紫色で、茎の先や葉のわきにつく。花冠はふつう5裂し、裂片の間に副片があります。世界に広く分布し、約500種ありますが、日本には13種知られています。みやま・おやま・えぞ・つくし・あさま・こけ・はる・ふでなどで、おやまりんどうが普通りんどうと称せられます。漢名「竜胆」を「りうたむ」と発音し、転訛して「りんどう」になったとか、根を噛むと非常に苦く、まるで竜の胆のようだという事から「竜胆」になったなど諸説あります。この根は漢方で健胃剤とすることから、えやみぐさ、たつのいぐさ、おこりおとし等の古い和名があります。清少納言は「枕草子」で「りんだうは枝さしなどもむつかしけれど、こと花どものみな霜枯れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたる、いとをかし」と賛美しています。秋のさびしさの中にもきりっとした美しさが心に残る季語の花です。

参考資料:新歳時記 平井照敏編

美しい季語の花 金子兜太監修

wikipedia~リンドウ

長谷川かな女(はせがわ かなじょ、1887年10月22日-1969年9月22日)は、日本の俳人。本名はカナ。東京日本橋出身。1909年、英語の家庭教師でホトトギスの俳人だった富田諧三(のちの長谷川零余子)と結婚。みずからも句作を始め、1913年、高浜虚子が女性俳人育成のために始めた婦人俳句会「婦人十句集」の幹事役をつとめる。杉田久女とともに大正期を代表する女流俳人といわれた。

出典:wikipedia~長谷川かな女


https://kigosai.sub.jp/001/archives/10105 【竜胆(りんどう/りんだう)仲秋】より

【子季語】

笹竜胆/竜胆草/蔓竜胆/蝦夷竜胆/御山竜胆/朝熊竜胆/深山竜胆

【解説】

リンドウ科リンドウ属の多年草。本州、四国、九州の山野に広く 自生する。草丈は二十センチから一メートルくらい。葉は対生し、 縁にざらつきがある。九月から十月にかけて、茎の先端や葉腋に 青紫の花を咲かせる。根茎は薬用になる。秋の山を代表する花である。

【科学的見解】

リンドウは、本州から九州・奄美大島の山野に生育する多年草である。青紫色の花の色が印象的な植物である。根茎の薬用利用のほか、花の美しさから園芸用に栽培されている。近縁の種としては、葉が線形になり湿った場所に出現するホソバリンドウが知られている。(藤吉正明記)

竜胆の花かたぶきて殊勝さよ

路通「きさらぎ」

りんだうや枯葉がちなる花咲きぬ

蕪村「夜半叟句集」

竜胆のとがりてつよき匂かな

蓮寸「はたけせり」

好晴や壺に開いて濃竜胆     

杉田久女「杉田久女句集」


https://ameblo.jp/masanori819/entry-12692506403.html  【2021.8.17一日一季語 竜胆(りんどう《りんだう》)】より  【秋―植物―初秋】

2021.8.17一日一季語 竜胆(りんどう《りんだう》)  【秋―植物―初秋】

壺に挿す星のしづくの濃竜胆   神蔵器

秋に群生はせずにひっそりと1本ずつ花を咲かせる竜胆。青紫の花が美しく、先端が五つに裂けている星形。星のしづくの措辞がとても似合います。

この壺は、竜胆の青紫の花を引き立てる渋い色でしょうね。

【傍題季語】

笹竜胆(ささりんどう《ささりんだう》) 深山竜胆(みやまりんどう《みやまりんだう》)

【季語の説明】

竜胆はリンドウ科リンドウ属の多年草で、原産地は世界各地に及び、日本では約18種が確認されています。日本のほぼ全域に生息しています。秋口の野山に釣鐘型の花を咲かせます。竜胆の色合いは青、水色、紫などの寒色ばかり、秋の青空に映える色です。光に反応して開花し、曇りの日や夜には花弁を閉じてしまう性質があります。花の直径は2cm前後。小ぶりで5、6枚の花びらを付けています。竜胆の花びらは丸みを帯びているものではなく、先端がとがって、三角形の形をしています。

秋に咲く花の代表的な存在ともいえる、竜胆。「誠実」という花言葉を持つことから、近年では敬老の日のプレゼントとしても人気が高まっているそうです。

【例句】

雲に触れ竜胆育つ美幌越       大野林火

雨ためて竜胆花を覆へす       前田普羅

風渡る伊那は七谷濃竜胆     池尻足穂

足元の深山竜胆揺れもせず     小林正史

朝の日にめざめ咲きたる蔓竜胆 坂本知子

【竜胆の種類】

リンドウ(竜胆)は青紫色の花を咲かせるというイメージがありますが、白やピンクなどの花も一般的によくみられます。リンドウは約400種あり、そのうちの18種ほどが日本でも出回っています。

リンドウ(竜胆)は花びらに斑や模様が入る品種や変わった咲き方をする品種もあります。草丈も10cm程の小さなものから1m近くまで大きくなるものまであり、種によって栽培方法まで変わってくるほど幅広い品種がある植物です。

【原産国は世界各地に】

リンドウ(竜胆)は日本だけでなく中国原産でもあります。ですので、漢名というものが存在します。リンドウ(竜胆)の漢名は「竜胆」、竜に肝(胆)と書きます。リンドウ(竜胆)は中国でも漢方薬として伝わっていました。しかし、この味がとても苦く人々に受け入れられなかったのです。苦さを強調して龍の膽(=肝)としたとする説や、葉がイヌホオズキ(龍葵)に似て、根が膽(きも=肝)のように苦いことによるとする説等があります。

【薬草として】

リンドウは、世界各地で古くから薬草として利用されており、古代エジプト時代にもその記録が残っています。主に根が生薬にされ、その味が「竜の肝のように苦い」と評されたことから、中国では「竜胆」と名づけられました。それが日本に伝わり「リュウタン」と呼ばれていましたが、いつの間にかなまって「リンドウ」となったようです。

学名は「Gentiana」で、紀元前2世紀頃のイリリア国王、ゲンティウスに由来。彼はリンドウの薬効と利用価値を発見した人物といわれています。

別名の「疫病草(エヤミグサ)」は、根が生薬となり病気を治すとされていたことから名づけられました。


コズミックホリステック医療・現代靈氣

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