【ユダヤとキリスト教の対立】
キリスト教をローマの国教会に指定
テオドシウス帝は380年にキリスト教をローマ帝国の国教と宣言した。
さらに392年には帝国内の異教信仰が禁止された。
ニカヤ会議:キリスト教間の派閥の調整
キリスト教の派間の暴力抗争を解決するため、ローマ皇帝コンスタンティヌスはニカイア公会議(325年)を開いた。
ユダヤ教からのキリスト教の自立(ギリシア語の七十人訳聖書)
紀元60年代のヤコブの処刑、続くペトロやパウロの刑死、さらに第一次ユダヤ戦争(66-70年)の結果としてエルサレム神殿が崩壊した後で、(現在のユダヤ教主流派に近い)ファリサイ派がヤムニア会議で(旧約)聖書正典を決定するプロセスにおいて、ギリシア語の七十人訳聖書を主要テキストとしたキリスト教と完全に袂をわかつことになった。
ここにおいてユダヤ教とキリスト教の信条の相違は決定的となる。
これ以降「キリスト教」としての歴史が始まったといえる。
イスラム教の誕生
西暦610年頃にマホメットはメッカ郊外で天使ジブリールより唯一神(アッラーフ)の啓示を受けたと主張し、アラビア半島でイスラーム教を始めた。
アダム・ノア・アブラハム・モーセなどの預言者たちが説いた教えを、最後の預言者であるマホメットが完全な形にしたとされている。
キリスト教はユダヤ教から生まれ、イスラム教は キリスト教の胎動の中から生まれ、いずれもモーセ5書を共通の聖典としています。
そしてセムを共通の祖先としています。
キリスト教は旧約聖書のメシア出現の預言を イエスが成就した(それ故にイエス・キリストと呼ばれます)と説きますが ユダヤ教徒からみれば パンと葡萄酒で象徴されるイエスが メシアであるはずがないということになります。
(前に投降したナジル人の話をご参照ください。)
マタイによる福音書が新約聖書の冒頭に置かれているのは 新約が旧約の成就を証するものだと示すためだと言われています。
メシア・イエスという信仰が モーセ5書に照らし合わせると 眉唾だと知れば 新約が旧約の成就であるはずがないという当然の主張になります。
ところが人類の祖だとされる ノアは ぶどう酒を飲んで酔い その結果 ハムとその子カナンを呪うことになりました。
しかし出エジプトでモーセに示された「乳と蜜の流れる約束の地」はカナンでした。
新共同訳
創世記 / 9章 18節 ~
箱舟から出たノアの子らはセム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。
この三人はノアの子らで、全地の民は彼らから出て、広がったのである。
さてノアは農夫となり、ぶどう畑をつくり始めたが、彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。
セムとヤペテとは着物を取って、肩にかけ、うしろ向きに歩み寄って、父の裸をおおい、顔をそむけて父の裸を見なかった。
やがてノアは酔いがさめて、末の子が彼にした事を知ったとき、彼は言った、「カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに仕える」。
神はヤペテを大いならしめ、セムの天幕に彼を住まわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。また言った、「セムの神、主はほむべきかな、カナンはそのしもべとなれ」
ノアの長子セムは、アジア人の先祖と言われ、ユダヤ人の先祖アブラハムの父祖として系図に登場する。(ヘブライ語、アラム語、アラビア語やエチオピアの諸言語は比較言語学的に親縁関係にあることが明らかになり、アウグスト・シュレーツァーによってセムにちなみセム語と名づけられた。)
ハムの家系は 「カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに仕える」エジプト、バビロン、ぺリシテ、カナンびとの祖先とされる。
エジプト、バビロン、ぺリシテ人はいずれもイスラエルを脅かした民です。
だからカナンだけがしもべのしもべとなれと言われているのでしょうか?
中世から近代までのヨーロッパやイスラム圏ではヤペテの子孫が今の白人であるとする説が広く信じられた。
キリスト教を国教会と定めた中世ヨーロッパでは ユダヤ教徒は市民権を与えられず ゲットーに収容されるに至りました。
ウィキペディアでは「1096年の第1回十字軍遠征以降、ヨーロッパでは十字軍遠征のたびにユダヤ人は迫害を受け、また社会不安が高まるごとにユダヤ人は迫害の対象とされていった。
13世紀後半以降、まずドイツでユダヤ人の強制隔離が実施されるようになった。
こうしてできたユダヤ人の強制隔離居住区は、周囲が壁で囲まれ、出入りが制限され、また黄色の印などユダヤ人であることを示すマークを付けさせられるなどの様々な制限が課せられていた」と記しています。
これがヴェニスの商人の背景物語です。
参考ブログ
http://www2.biglobe.ne.jp/remnant/seisho4.htm
http://meigata-bokushinoshosai.info/index.php...
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