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新型コロナウイルス感染に対するイベルメクチンの効果とエビデンスについて、世界のコロナ情報を熟知しているBFLクリニックの増田陽子医師が日本オーソモレキュラー医学会のウエブサイトで解説しています。下記よりお読みください。
イベルメクチンとビタミンC,D,亜鉛はコロナの予防、治療、そして濃厚接触者となったときに合わせて摂取する、私が実践するエビデンスのある選択肢です。
https://isom-japan.org/article/article_page... 【新型コロナ予防・治療プログラムとイベルメクチン】 より
この記事の執筆者 柳澤 厚生 ( ヤナギサワ アツオ ) 鎌倉元気クリニック
一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]
目次
救命救急の専門家が提唱した新型コロナ治療プロトコル
新たなプログラム『I-MASK+』とは?
『I-MASK+』の詳細
新型コロナウイルスとイベルメクチン
イベルメクチンを用いた2つの研究
新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの「5つの作用」
最後に
今回は、救命救急医学の専門家集団が提唱した2つの新型コロナ予防および治療プロトコル『MATH+』と『I-MASK』の内容をご紹介いたします。また、『I-MASK』プロトコルで用いられるイベルメクチンは、各国の研究結果から新型コロナウイルスに有効である可能性が考えられています。本稿では、このイベルメクチンについて、2ヶ国の研究結果の概要と主な作用についてもお話ししてします。
救命救急の専門家が提唱した新型コロナ治療プロトコル
新型コロナウイルスパンデミックが米国を襲ったのは、2020年3月のことでした。ポール・マリク教授(救急医学の専門家でイースターン・バージニア大学の救命救急医療部)やピエール・コリー部長(ニューヨークのベス・イスラエル病院)が中心となり、「新型コロナウイルスから人々の命を救い、パンデミックを抑える」ための救命救急医学専門家集団『FLCCCアライアンス(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)』を立ち上げました。
<写真>ポール・マリック教授(イースターン・バージニア大学)
FLCCCは、新型コロナ入院患者に向けた治療プロトコル『MATH+』を提唱しました。このプロトコルは、これまでの臨床経験と科学的エビデンスに基づいて作成されており、軽症者から重篤患者までをカバーしています。プロトコルのメインとなる治療薬は以下の4つです。
メチルプレドニゾロン
アスコルビン酸(ビタミンC)
チアミン(ビタミンB1)
ヘパリン
『MATH+』という名称は、これら4つの治療薬「Methyl-prednisolone」「Vitamin C」 「Thiamine」「Heparin」の頭文字に加え、ビタミンD・亜鉛・メラトニンといった補完治療を「+」として組み合わせたものです。
この治療プロトコルにおいて注目すべきは、従来の薬剤一辺倒の治療とは異なり、治療のコアにビタミンや亜鉛などを追加した点にあります。
新たなプログラム『I-MASK+』とは?
2020年10月、FLCCCは『MATH+』に続き、新しいプログラムを提唱しました。新プログラムの名称は『I-MASK+』と名付けられました。『MATH+』が入院患者に向けた治療プロトコルであるのに対し、『I-MASK+』は新型コロナ予防および感染初期の外来プロトコルとして作成されているのが特徴です。著者らは『I-MASK+』について、「今後の新型コロナパンデミックに対応するための戦略として、より大きな意味を持つだろう」と考えています。
なお、『I-MASK』はイベルメクチン※1 の“I”にマスク(MASK)を付け加えたもので、「マスク・手洗い・三密の回避」を指しています。「+」に関しては、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛・メラトニン・ケルセチンの投与を意味し、オーソモレキュラー医学的治療を組み合わせています。
※1:副作用が比較的少ないことで知られる寄生虫薬。
『I-MASK+』の詳細
<表>新型コロナウイルスに対する「I-MASK+」プロトコル
表に記載したプロトコルの対象者は、以下の通りです。
1.病院・関連施設において新型コロナ感染者と接している医療従事者
2.新型コロナに感染した患者の濃厚接触者
イベルメクチンの投与法は、対象者が置かれている状況によって変わります。また、ビタミンC・ビタミンD・ケルセチン・亜鉛・メラトニンについては、以下の作用を期待してイベルメクチンとの併用を行います。
①炎症および酸化の抑制
②殺ウイルス作用
③自然免疫の維持
④ウイルス複製の抑制
⑤ウイルス変異の抑制
細胞内亜鉛を高く維持することでウイルスの複製を抑制するため、亜鉛欠乏は避ける必要があります。とはいえ亜鉛には細胞内に入りにくいという特性があります。この時に役立つのが「ケルセチン」です。
亜鉛と比べると、ケルセチンにあまり馴染みのない方もいるかもしれませんが、ケルセチンには殺ウイルス作用、抗炎症作用、抗酸化作用があると言われています。さらに注目すべき作用として、亜鉛を細胞内に運搬するサポートを行うことが挙げられます。そのため、このプロトコルのように亜鉛とケルセチンを併用するのは絶妙であると言えるでしょう。
なお、外来初期治療プロトコルは「確かに感染はしているものの症状自体は軽い自宅療養者に適用され、イベルメクチンと他栄養素の摂取量は増量されます。また、自宅での病状の把握および進行した場合の早期発見のために、パルスオキシメーターを用いたセルフチェックが含まれています。
新型コロナウイルスとイベルメクチン
前述の『I-MASK+』で治療薬として使用されている「イベルメクチン」について、少しだけ付け加えてお話ししたいと思います。イベルメクチンを発見したのは、北里大学特別栄誉教授の大村 智先生です。マクロライド系の抗生物質であるイベルメクチンには抗ウイルス活性と抗炎症作用があり、世界中で新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの効果を見極めるための臨床試験が行われています。
その数はすでに86研究となっており、実施国数としては27カ国にのぼります。これらのうち結果が公表されているのは18研究で、多くの研究においては新型コロナの予防および治療に有効であると結論付けられています。
イベルメクチンを用いた2つの研究
新型コロナとイベルメクチンに関する研究の中から、インドとペルーで行われた研究の概要をご紹介します。
<インドで行われた研究の概要>
インド国内の病院において、イベルメクチンを投与された医療従事者と投与されなかった医療従事者を比較したところ、投与された人々の感染率は低下しました。さらに、イベルメクチンを投与された患者の死亡率は有意に改善しています。
<ペルーで行われた研究の概要>
ペルーではイベルメクチンが配布された各州において新型コロナ感染者数が激減した一方、配布が遅れたリマ州では感染者が急増しました。しかしながら、ペルー国内での国民へのイベルメクチン配布という試みは、大統領交代による混乱の中で中断されました。その結果、各地の感染者数は増加したのです。
新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの「5つの作用」
イベルメクチンについて、期待される主な作用は以下の5つとなります。
(1) ウイルスの複製を阻害し、感染細胞培養において48時間でほぼすべてのウイルス物質が消失する。
(2) 感染者の家庭内感染の伝播と発症を防ぐ可能性がある。
(3) 症状が出始めてから初期・早期の治療を行うことで軽症〜中等症患者の回復を早め、悪化を防ぐ可能性がある。
(4)入院患者の回復を早め、ICU入室および死亡を回避させる可能性がある。
(5)地域住民に配布することで致死率が大幅に低下する可能性がある。
最後に
新型コロナ対策としてのイベルメクチンの使用については、2021年2月9日に行われた東京都医師会定例記者会見の中で、尾﨑治夫会長も国に対して認めてほしいと訴えていました。
イベルメクチンは寄生虫薬としての認可しか得ていないため、現時点では健康保険の適用外処方となります。各国の研究によりエビデンスが示されているものの、医師が新型コロナウイルス患者に使用しにくいのが現状です。今後、医師がイベルメクチンの投与をさらに行いやすい環境が整うことを望みます。
<参考文献>
FLCCCアライアンス(Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)https://covid19criticalcare.com
【新型コロナに対するイベルメクチン〜その効果とよくある質問への回答〜】より
8月に入り新型コロナウイルスの中でも感染力の強いデルタ株が日本でも猛威を振るっています。今後“頼みの綱”であるワクチンを多くの方が打ち、集団的なコンプライアンスが得られたとしても、このデルタ株の拡散は防ぐことができないと考えられています。
私は反ワクチン派ではありませんが、変異株に対するワクチンの効果については限定的であり有効な期間が180日であることに加えて中長期の安全性も十分に確認されていない現状です。(若者では短期のリスクベネフィットのバランスにも問題があります)
そして一番重大であり疑問に感じるのが、ワクチン以外(例えばビタミンDやイベルメクチンなど)の情報に対して悪意を持って偏った報道がされていることです。これらの点から、特に子どもや若者へのワクチン接種にはもっと慎重になるべきだと考えています。
今回は新型コロナに対するワクチンに変わる、もしくはそれ以上の効果が得られると考えられているイベルメクチンについてご紹介します。(今回の内容はFLCCCのサイトを元にまとめたものです)
イベルメクチンの効果
イベルメクチンは2015年、大村 智先生(北里大学特別栄誉教授)がノーベル賞を受賞したことで有名な抗寄生虫薬です。世界中で40年以上に渡り多くの患者さんに投与されており、医学の歴史の中で「最も安全かつ低コストで広く利用できる薬の一つ」と言われています。
実験室での研究により非常に強力な抗ウイルス作用と抗炎症作用を持つことが証明されていることから、世界中の多くの国や病院で新型コロナに対して臨床試験が行われ、患者さんの一貫した大幅な改善が報告されています。
研究室での研究結果
『Antiviral Research』に掲載された2020年6月の研究によると、イベルメクチンを1回投与することで細胞内の新型コロナのウイルス量が24時間で99.8%、48時間で99.98%減少しました。
臨床試験の結果からみたイベルメクチンの効果
新型コロナ治療に対するイベルメクチン投与を評価している臨床試験は約70件あります。これらのほとんどにおいて、高い安全性ならびに治療と予防の両方に効果があることが統計的に有意なエビデンスとして示されています。
また、新型コロナ患者にイベルメクチンを投与した場合としなかった場合を比べた試験では、以下のような素晴らしい結果が得られています。
呼吸困難に陥った患者の割合がイベルメクチンありのグループでは2.6%だったのに対し、イベルメクチンなしでは15.8%だった。
酸素吸入が必要となった割合は、イベルメクチンありで9.6%、イベルメクチンなしでは45.9%だった。
抗生物質の投与が必要となったのは、イベルメクチンありの患者で15.7%、イベルメクチンなしの患者では60.2%だった。
集中治療室に入るほど重症化した割合は、イベルメクチンありで0.1%、イベルメクチンなしでは8.3%だった。
ウイルスが陰性化するまでの期間は、イベルメクチンありで4日、イベルメクチンなしでは15日だった。
入院期間は、イベルメクチンありで9日、イベルメクチンなしでは15日だった。
死亡率は、イベルメクチンありでは13.3%、イベルメクチンなしでは24.5%だった。
予防効果も期待できる?
さらにイベルメクチンは治療効果だけでなく、新型コロナへの感染予防効果もあることがわかっています。新型コロナ患者の家族にイベルメクチンを投与した試験では、新型コロナに感染したのは8%以下だった一方、イベルメクチンを投与しなかった場合は58.4%が感染したと報告されています。
イベルメクチンを巡る“きな臭い”動き
このように、多くの臨床試験によって新型コロナへの圧倒的な効果が報告されているにも関わらず、世界保健機関(WHO)は今春「イベルメクチンを新型コロナ治療に用いるべきではない」との見解を示しました。
最近でも、2020年12月16日ガーディアン紙に掲載されたイベルメクチンに関する初期の研究に科学的に誤った表現がなされていることが大きく報道されています。日本の医師に医学ニュースとして親しまれているとある情報サイトでも「イベルメクチン論文は捏造か?」といった主旨の、タイトルからして仰々しい記事が掲載されています。
もちろん、すべての科学は精査されなければなりません。しかし、この記事で訴えられている声とは逆にメタアナリシスから1つの研究を削除することで「結果が逆転する」とする科学的根拠はありません。心配なのは、この記事のタイトルはミスリードを誘うものであり、また最新の分析によると引用されたBryantによるメタアナリシスからElgazzarのデータを除外しても、これらのレビューの結論は変わらず予防・治療の両方においてイベルメクチンを支持する結果が出ていることです。
これらの非常に偏った報道は日本のみならず世界中で見かけられます。ジャーナリズムとしての誠実さに疑問を投げかけるものであると同時に人々の命に関わることですので、事実の訂正だけでは済まされません。
イベルメクチンに関するQ&A
最後にイベルメクチンについてよくある質問とその回答をまとめたいと思います。
【Q1】イベルメクチンは変異株にも効果がある?
A:イベルメクチンには新型コロナウイルスに対する5つの異なる作用機序があるため、変異株に対しても効果が期待されます。
【Q2】まだ実際に効果があるという十分なエビデンスがないため、エビデンスが明らかになるまで待つ方が良いのでは?
A:現時点で採用されている下記のいずれの治療法よりも、リスク/ベネフィットの面でイベルメクチンを使用する理論的根拠と妥当性があります。(24の対照試験より)
高コスト(レムデシビル、モノクローナル抗体、高力価免疫グロブリン、ワクチン)
重篤な副作用(レムデシビル、ワクチン)
エビデンスが弱い、矛盾している、または存在しない(レムデシビル、モノクローナル抗体、高力価免疫グロブリン)
ピアレビューされていない研究(レムデシビル、モノクローナル抗体、高力価免疫グロブリン)
より広範な科学的レビューに利用できる印刷前の研究データが存在しない(ワクチン)
【Q3】ランダム化比較試験(RCT)を行うべきでは?
A:さらなる研究は行うべきですが、現在合計3,000人を超える患者が多数のRCTに含まれており、COVID-19に関連する罹患率と死亡率を考えると被験者に重大な害を及ぼす可能性が許容できないほど高くなる可能性があります。そのため現時点でRCTを行うことは非倫理的である可能性が高く、避けるべきです。
【Q4】イベルメクチンに関する論文の多くは査読されていないもの?
A:24件の対照試験結果のうち14件、また5件の症例報告のうち2件が査読されています。
特にパンデミックなどの際に、プレプリント論文の試験結果から治療法を発見することは医学を含む多くの科学の標準でした。全ての新しい治療は、査読論文が医学界により利用されるようになる前から始まっています。
レムデシビル、コルチコステロイド、モノクローナル抗体、高力価免疫グロブリン、ワクチンはプレプリントで採用された治療法の例です。繰り返しになりますが、ピアレビュープロセスが完了される前に全てが広く採用されました。
【Q5】そもそもイベルメクチンは安全なのか?
A:イベルメクチンはWHOの「必須医薬品リスト」に含まれ、世界中でこれまで40億回以上投与されています。多くの研究から副作用の発生率が低いことが報告されており、副作用についてもその大部分は軽度で一過性(主に寄生虫の死に対する炎症反応に起因するかゆみ、発疹、リンパ節の腫れ、発熱、頭痛など)のものでした。対象者が5万人を超える大規模な研究では重大な副作用の発生率は1%未満で、主にロア糸状虫に感染した患者に投与した際に起こりました。
新型コロナウイルスとの共存の鍵にも
イベルメクチンは他の高価な治療薬が使えるようになるよりも先に、貧しい国の人々にも届けることができる薬です。アメリカ国立衛生研究所(NIH)やイギリス政府の支援を受け、オックスフォード大学ではすでに治験も始まっています。その効果を示すエビデンスは日に日に増え続けています。
このままイベルメクチンを使用する選択をしなければ、人類が新型コロナウイルスと共存できるようになるまでの期間が長くなる可能性が高いと考えられています。
【ワクチン接種前、私たちが「今」できること【前編】】より
この記事の執筆者柳澤 厚生 ( ヤナギサワ アツオ )鎌倉元気クリニック
一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]
目次
新型コロナワクチンの現況と問題点
「ワクチン打てば全て良し」ではない
ワクチンの適応と判断
今のうちにできること
新型コロナワクチンの接種がスタートしましたが、全国民がワクチンを打てるまでにはまだ時間がかかりそうです。
そこで今回は「ワクチンを待っている間に自分ができること」についてまとめてみました。
・ワクチンを打つまで、自分なりの予防を行いたい方
・ワクチンを打つことができない方
・ワクチンをできる限り打たずに対策したい方
に特にご覧いただきたい内容となっています。
こんな時代だからこそ、自分でできる対策を始めていきませんか?
新型コロナワクチンの現況と問題点
2021年2月17日、日本でもいよいよ新型コロナウイルス感染(以下「新型コロナ」と省略)予防のためのワクチン接種が始まりました。ワクチンは、パンデミックを抑え込む切り札として大きな期待を持たれています。とはいえ、全ての国民がワクチンを受けられるのは当分先のこととなりそうです。ワクチン接種の順番は最初に医療従事者、続いて重症化リスクの高い高齢者、基礎疾患を有する人、その後に一般成人となっています。
しかしながら、海外製ワクチンの入荷は予定よりも遅れているのが現状です。4月2日までの1ヶ月半に1回目のワクチン接種を受けたのは91万3千人でした。これは日本の15歳以上人口の1.2%です。このままのペースでは全ての国民にワクチンが行き渡るのは早くても今年秋頃、あるいは来年にもつれ込む可能性もあります。そうなると、ワクチンの順番が来るまで私たちはじっと耐え忍ぶことになります。
「ワクチン打てば全て良し」ではない
また、ワクチンを打てば全て問題は解決するのかというと、そう単純な話ではありません。ワクチンも万能選手ではないのです。
なお、国際オーソモレキュラー医学会では「ワクチンはパンデミックを抑え込む強力なツールの一つではあるものの、未知のウイルスに対してワクチンの力のみに任せ切るのは科学的にも常識的にみても無理がある」と考えています。ましてや変異種の度重なる出現や感染拡大が生じている現況において、先の見通しは困難です。WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長も、ツイッター上で次のように述べています。
「ワクチンは他の予防法を補完するものであり、取って代わるものではありません。ワクチンだけではパンデミックを終わらせることはできないのです。引き続き、監視、感染者の検査と隔離および治療、濃厚接触者の追跡と隔離、地域社会との協力、個人での対策の励行といった施策が必要です」
ワクチンの適応と判断
そもそも、ワクチンは全ての人が接種できるわけではありません。
過去にアナフィラキシーショックの既往がある方
他のワクチン(インフルエンザなど)でアレルギー症状が出たことがある方
上記に該当する場合はワクチンを接種できないか、接種できたとしても接種後の慎重な観察が必要になります。
また、アレルギー以外の何らかの理由でワクチンを接種しない人もいるかもしれません。その多くはワクチンの副反応が心配で、ためらっている人たちと考えられます。ファイザー社のワクチンは「RNAワクチン」というこれまでにない新しいワクチンですので、将来妊娠の可能性のある方や次世代の子どもへの影響を心配しています。未知のワクチンですから不安があるのは当然でしょう。
新型コロナに感染した人やワクチン接種により抗体を持つ人が70%以上になれば、いわゆる「集団免疫」が成立します。しかし、ワクチンを接種しない人たちを非難するのはやめましょう。国際オーソモレキュラー医学会はワクチン“絶対反対派”でも“絶対推進派”でもなく、言うなればワクチン慎重派です。
今のうちにできること
私たちは、いつ接種できるか目処が立たないワクチンを待っている間に個人個人でできることがあると考えています。それは、今のうちに自分と家族の免疫を十分に高めておくことです。そこで、今すぐ実践してほしい「新型コロナに負けないための生活習慣7か条」を紹介します。是非、家族や友達に声をかけて、みんなで一緒に始めて下さい。
“知っていること”と“実践すること”は、雲泥の差です。知識として知っているだけでは、知らないことと何ひとつ変わりません。
これまで、「運動や食習慣の改善に挑戦したけれど、三日坊主で終わってしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。それなら今度は、ご自身と大切な方を守るために、自分自身でできる対策を実践してみませんか?
あなたと周りの人が健康になれば、結果として多くの方のウイルス感染リスクの低下にもつながります。こうした方が増えていった先にこそ、新型コロナを終息させるための絶対条件である「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」が実現すると確信しています。
次回は、私たちが今できる具体的な対策や習慣をご紹介したいと思います。
【ワクチン接種前、私たちが「今」できること【後編】】より
目次
新型コロナに負けないための生活習慣7か条
【第1条】まずは手洗い・マスク・ソーシャルディスタンス
【第2条】カラフルな野菜と肉魚をバランスよく
【第3条】対コロナ三大栄養素は「ビタミンC」「ビタミンD」「亜鉛」
【第4条】加工食品と糖質は極力控える
【第5条】質の良い睡眠を確保する
【第6条】軽い運動やヨガ、瞑想は心身のリフレッシュに
【第7条】家族や友人とのコミュニケーションは良薬に
もし新型コロナに感染したら?万が一の時にできること
今こそ、予防意識を高める必要性が問われている?
新型コロナワクチンの接種がスタートしましたが、全国民がワクチンを打てるまでにはまだ時間がかかりそうです。
そこで今回は、「ワクチンを待つ間に自分ができること」をまとめてみました。
・ワクチンを打つまでの予防を行いたい方
・ワクチンを打つことができない方
・ワクチンをできれば打たずに対策したい方
に特にご覧いただきたい内容となっています。
こんな時代だからこそ、自分でできる対策を始めていきませんか?
新型コロナに負けないための生活習慣7か条
国民全員へのワクチン供給の目処が立っていない中、私たちができる対策を私なりにまとめてみました。計7つとなったので、『新型コロナに負けないための生活習慣7か条』と命名しようと思います。
【第1条】まずは手洗い・マスク・ソーシャルディスタンス
この記事をご覧いただいている方においてはすでに徹底されている方が多いかと思いますが、手洗いとマスクは感染症予防対策の基本中の基本です。新型コロナの拡大に伴い、マスクの有効性については大きく見直され始めています。マスクなしで自由に外出できる日が戻るまでは、自分や家族、そして私たちが暮らしている社会を守るためにも外出時や誰かと会う時は必ずマスクを着用して下さい。
「マスク」「手洗い」「ソーシャルディスタンス」の習慣化は最大の防御になるでしょう。
【第2条】カラフルな野菜と肉魚をバランスよく
家族や友人と楽しい食卓を囲むことは、心の健康にとってもプラスになります。とはいえ、ファストフードやコンビニ弁当など、いわゆるジャンクフードばかり食べていたのでは体に良い影響を与えません。
ここでおすすめしたいのが、毎日の食事にカラフルな野菜を取りそろえることです。野菜の色には、それぞれ特有の栄養素があります。例えば、トマトの赤ならリコピン、ナスの紫にはアントシアニン、ほうれん草やニンジンなどの緑黄色野菜にはβカロテンやビタミンCが豊富に含まれています。このように、野菜の色を多くそろえるだけで自然と豊富な栄養素が摂れるものです。
野菜に加えて、肉と魚をバランスよく食べることも大切です。毎日肉、毎日魚と偏り過ぎずに「今日は肉を食べたから明日は魚」「昼食は魚だったから夕食は肉にしよう」など、工夫しながら交互に食べられると良いですね。特に魚にはビタミンD、貝類には亜鉛やマグネシウムが多く含まれています。こうした食材を日々の食事に積極的に取り入れることをおすすめします。
【第3条】対コロナ三大栄養素は「ビタミンC」「ビタミンD」「亜鉛」
新型コロナに負けない体を作るために必要な栄養素として、国際オーソモレキュラー医学会では下記5つの栄養素の摂取を推奨しています。
ビタミンC
ビタミンD
亜鉛
セレン
マグネシウム
なかでも、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛は新型コロナの感染と重症化の予防に必須の栄養素です。全国のサプリメントメーカーの製品を調査したところ、上記の成分を満たすサプリメントの1ヶ月当たりの費用は3000円〜6000円、1日分にして100円〜200円ほどです。この金額は、健康のための投資としては決して高いものではない、と私は考えています。今日ではこうしたサプリメントもインターネットで簡単に購入できます。
ビタミンC、ビタミンD、亜鉛の補給は、新型コロナの予防のほか花粉症などのアレルギー症状やうつ病、ひいてはがん予防に有用である可能性について医学的に証明されています。そして、これらはアンチエイジング、老化を緩やかにする際にも役立つ栄養素です。この投資は、あなたとあなたの家族に「健康」という、他の何にも代え難いものを与えてくれるでしょう。
【第4条】加工食品と糖質は極力控える
普段何気なく食べている加工食品や工場で作られたパンやお菓子には、様々な添加物が含まれています。添加物は人間の体内には元来存在しないものが多く、病気の発症リスクを高め免疫力を低下させる可能性があります。自分と将来生まれてくる子どもの体に与える影響を考えると、できるだけ加工食品を控えることが望まれます。
また、加工食品だけでなく糖質の摂取に関しても注意が必要です。過剰な糖質は体内で炎症を引き起こす原因となります。新型コロナにおいては肥満傾向の人や日常的に糖質を過剰摂取している人、糖尿病予備群や糖尿病の人は回復が遅く、さらには重症化リスクも高まると言われています。
特に、空腹時に糖質だけを単体で摂取することは避けて下さい。糖質を摂るのなら、かぼちゃや芋類をふかしたものを食べるのがおすすめです。これらに関しても食べ過ぎには注意ですが、かぼちゃにはβカロテンやビタミンE、芋類にはビタミンCや食物繊維が多く含まれています。
【第5条】質の良い睡眠を確保する
睡眠は免疫力を高めるために欠かせないものです。夜更かしをせず、十分な睡眠を取るように心がけて下さい。睡眠に関しては、睡眠時間の長さだけでなく質の良さにも気を配ることが大切です。質の良い睡眠とは、以下の3点を満たしている睡眠とも言えるでしょう。
寝付きが良い
「ぐっすり眠れた」という実感がある
起床時、目覚めが良い
次に、質の良い睡眠を取るために重要な2つのポイントをお伝えします。
①就寝3時間前には夕食を済ませる
・・・夕食後、間を空けずに寝てしまうと睡眠時間が十分であっても眠りが浅くなり、疲労が抜けにくくなります。帰宅から就寝までの時間が短い時は、消化の良い食品を少量摂る程度に留めましょう。
②就寝1〜2時間前にお風呂に入る
・・・入浴は睡眠の質を高めるために効果的です。一時的に体温を上げてからもう一度下げることで眠気が誘発されます。また、湯船に浸かると体温が上昇し、血液を温めてくれるので、血液と免疫細胞の循環が改善されます。
【第6条】軽い運動やヨガ、瞑想は心身のリフレッシュに
運動をすると筋肉が動き、体温が上昇します。体温が高くなると、血液中の免疫細胞が活性化されて、結果として免疫力の向上にもつながります。軽い運動やヨガはストレス解消にも効果的です。
私たちの体には「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経があります。交感神経は激しい運動や日中などの活動時に優位となり、血圧を上げて心臓から全身の臓器に送る血液量を増やす働きがあります。一方、副交感神経は睡眠時といったリラックスしている時間に優位となる自律神経です。
免疫機能は、交感神経と副交感神経とが交互にバランスよく働くことで正常に機能します。
軽い運動をして血管が拡張すると、副交感神経が優位になります。同様に、瞑想をして心をすっきりさせることも副交感神経の働きを高めます。毎日の習慣に軽い運動やヨガ、瞑想を取り入れるのは心身の健康のためにも役立つでしょう。
注意点
ここで注意していただきたいのは、運動の強度です。適度を超えて体に大きく負荷をかける過度な運動は、コルチゾールやカテコールアミン※1 といったストレスホルモンの過剰分泌をもたらし免疫機能を低下させます。じんわりと汗をかく程度の軽い有酸素運動がおすすめです。
※1:副腎髄質から分泌されるホルモン
【第7条】家族や友人とのコミュニケーションは良薬に
ステイホームが習慣となり、以前と比べるとリモートワークの導入も進んできたように窺えます。そんな中、家で過ごす時間が増えた方もおられるかと思います。自分の時間を楽しめるというのはとても素敵なことです。しかしながら、孤独感の蓄積および増強は免疫力を下げる一因となります。もし、「最近誰とも話していなくて寂しい」と感じる方は、家族や友人などと話す機会を積極的に作りましょう。
孤独は、心臓や脳の血管系疾患の発症リスクを高める恐れがあります。また、免疫力が下がり、肺炎や呼吸器系の疾患にかかりやすくなります。そのほか、孤独は糖尿病・がん・認知症・抑うつのリスクだけでなく自殺を引き起こすという研究もあるのです。
三密を避けること・不要不急の外出を避けることは、感染予防の観点から必要であるのは明らかです。そうは言っても最低限の人との接触まで断てば、コロナに感染しなくても心の健康の損失につながりかねません。孤独が免疫力を下げる“元凶”であるなら、家族や友人、地域とのコミュニケーションは免疫力を高めるための最高の「くすり」と言えるかもしれませんね。
もし新型コロナに感染したら?万が一の時にできること
どれだけ注意しても、感染対策を徹底していたとしても、その時の体調が悪ければ新型コロナに感染してしまうことだってあるでしょう。それでは、万が一感染したらどうすれば良いのか。「医師任せ」「病院任せ」で済ませるのではなく、何か自分でできることはないのでしょうか。
初期感染の段階で自宅療養や入院治療となった時には、下記3種類のサプリメントをなるべく早い段階で摂取することを推奨します。タイミングの見極めとしては、風邪症状があるものの、新型コロナかどうかはまだわからない時点から摂るのがベストです。
ビタミンC:1回2g/1日3〜4回
ビタミンD:1回5000IU (125㎍)/1日1回
亜鉛:1回100mg /1日1回
今こそ、予防意識を高める必要性が問われている?
日本の医療機関で行われている新型コロナの治療では、ビタミンCやビタミンD、亜鉛といったサプリメントは処方されません。栄養療法は保険適用外となるためです。しかし、ビタミンCやビタミンD、亜鉛は市販されているサプリメントなので、自分で対処することが可能です。
予防の段階から自分でできることはやっておく。そして、万が一ウイルスに感染した場合は、重症化させないためにできる限りの対処を行う。こうした行動が変異を繰り返すウイルスと対峙せざるを得ない今日において、医療現場を守っていくためにも重要になっていくと考えています。こんな今だからこそ、「自分の体は守れる範囲で自分で守る」という意識が必要ではないでしょうか。
今回ご紹介した『新型コロナに負けないための生活習慣7か条』全てを実践するのは難しいかもしれませんが、「これなら今の自分でも取り入れられる」という習慣や対策を一つでも発見し、あなた自身や周りの方の健康のために導入していただくきっかけとなれば本望です。
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