消えかかる昼の月かな

消えかかる昼の月かな榠樝の実  五島高資

The moon

fading into the day sky —

quince fruits         Taka Goto


https://mahoblog.com/kaneko-misuzu7/ 【金子みすゞの月の詩…「昼の月」「月のひかり」】より

金子みすゞさんは、身近なものだけでなく、遠い世界にも優しい眼差しを向けています。そうかと思えば、遥か彼方の月のような天体さえ、まるで友だちのように寄り添っています。

みすゞさんの手にかかれば、足下も大空も、ファンタジーの舞台に早変わりします。

これからみすゞさんの作品で、月にまつわる童話のような童謡を2編紹介しますね。

昼の月

昼の月 しゃぼん玉みたいな お月さま、 風吹きゃ、消えそなお月さま。

いまごろ どっかのお国では、 砂漠をわたる 旅びとが、暗い、暗いといってましょ。

白いおひるの お月さま、なぜなぜ 行ってあげないの。

昼の月を見て、「消え入りそう」と思うことはあっても、「どこかの国に行ってあげて」と思うことは、まずないのではないでしょうか。

私たちが青空を仰いでいるとき、地球の反対側は夜空に覆われているんですね。そのことに何か深い意味があるような気がして、ハッとさせられます。

みすゞさんのように、目の前の見えている処に限らず、遠くの見えない世界にまで心を飛ばすことができたら、もっと優しくなれるのかもしれませんね。

月のひかり

  一

月のひかりはお屋根から、明るい街をのぞきます。なにも知らない人たちは、ひるまのように、たのしげに、明るい街をあるきます。月のひかりはそれを見て、そっとためいきついてから、誰も貰もらわぬ、たくさんの、影を瓦かわらにすててます。

それを知らない人たちは、あかりの川のまちすじを、魚さかなのように、とおります。

ひと足ごとに、濃く、うすく、伸びてはちぢむ、気まぐれな、電燈でんきのかげを曳きながら。

  二

月のひかりはみつけます、暗いさみしい裏町を。いそいでさっと飛び込んで、そこのまずしいみなし児が、おどろいて眼をあげたとき、その眼のなかへもはいります。

ちっとも痛くないやうに、そして、そこらの破あばら屋が、銀の、御殿ごてんにみえるよに。

子供はやがてねむっても、月のひかりは夜あけまで、しずかにそこに佇たってます。

こはれ荷ぐるま、やぶれ傘、 一本はえた草にまで、 かわらぬ影をやりながら。

「昼間のように明るい夜の街を、みすゞさんが知っているなんて!」

大正時代に活躍したみすゞさんが、このような詩を書いていることに驚きました。

現代でも都会では、月や星が霞んで見えますよね。そのことを寂しく感じるのですが、みすゞさんはすでにこの寂しさを言葉にしていました。

「ひろいお空」という詩を、以前ここで紹介したときも、同じようにびっくりしました。この詩では、建物に挟まれた長細い空が描かれています。

金子みすゞの空の詩…「ひろいお空」「青い空」「雲」

これらの詩に描かれた街は、大正浪漫を匂わせています。ところが、そこに歌われている想いは、時代を先取りしています。

さて、「月のひかり」は、明るい街から暗い裏町へと移ります。そして、破ら屋に住むまずしいみなし児を見つけます。

「月のひかり」はみなし児の眼に入って、夜明けまで静かに照らします。

みすゞさんならではの、優しい詩ですね。


https://ameblo.jp/sunflower-8136168/entry-12587750089.html 【昼間の月】より

今日の夕方の空。真ん中辺りに薄っすらと丸いお月様。見えるか見えないか?

でもそこには確実に月がある。月は心の内側、感情を表すというけどどうなのだろう?

人は大人になればなるほど自分の感情を抑圧してしまいがちになる。

「言いたいことが言えない」「なんとなく淋しい」と感じるのなら、今のあなたには月の魔法が必要なのかもしれない。

忙しい日々の中で、自分を見失いそうになったときは月を眺めてみよう。

見えるか見えないかうっすらとしかない月があるように、たしかにここに私がいるしあなたがいる。

月を眺めていると不思議と優しい気持ちが溢れてくる。

たとえ月が見えなくても心の中に月が宿るのをイメージし、懐かしい思い出がよみがえると自分にとって大切なものが見えてくる。

素直な自分の気持ちをそっと見つめてみよう。

そして、月の光があなたを優しく包み込むようにあなたを守ってくれるだろう。

月が満ちかけるさまは、生まれ、成長し、土にかえっていく、生命のサイクルを暗示している。

そんなことを意識しながら生活することであなたにも、ツキが巡ってくるかもしれない。


http://koyomi.vis.ne.jp/doc/mlwa/201111130.htm 【真昼の月】 より

いきなりですが、私の愛読している漫画、海街diary(吉田秋生作 小学館刊行)の 2巻、「真昼の月」から登場人物の会話の一部を引用致させて頂きます。

(風太)何あれ・・・まさか・・・月?

(将志)ばーか、こんなまっ昼間に月なんか出てるわけねーぺや

(風太)だってさ! ほら見ろよあれ!

(将志)えっ!?あっほんとだ! うっそマジでぇー!? ありえねーっ

(すず)ン? あーホントだ

(風太)って お、おまえ驚かねーの!?

(すず)なんで? だって月って昼間も出てんじゃん

(風太・将志) え~~~っ?!

(すず)時間とか位置とか大きさなんかで見えないこともあるけど

  月はちゃんと昼間だって出てるんだよ!

登場人物、風太(♂)・将志(♂)・すず(♀)の三人はともに中学生。サッカークラブ「湘南オクトパス」のチームメイトという設定です。

◇真昼の月

 漫画の中の会話ではありますが、現実にもこれと似た会話をしたり、されているのを耳にしたことは無いでしょうか?

こよみのページに寄せられる質問メールにも「昨日、日中だというのに月が見えました。いままで、日中に月が見えたことなどありませんでした。なぜ突然、日中に月が見えたのでしょうか。なにか、特殊な現象がおこったのでしょうか?」といった驚きのメールをいただいたことがあります。

メールをくださった方にとっては「驚きのメール」だったわけですが、頂いた私にとっても別の意味で「驚きのメール」です。引用した海街diary の会話の中で、すずがいったとおり、時間や位置や大きさ(欠け具合)によって見えないこともありますが、月は昼間でもちゃんと出ているのです。そして、時間や位置や大きさの条件がそろえば、日中の青空の中に浮かぶ月が見えます。

条件がそろえばと書きましたが、何も特別難しい条件ではなくて、空がよく晴れていることと上弦の半月~下弦の半月の間くらいのお月であることくらいの緩い条件です。あとは見える位置と時間帯に気をつけさえすれば、案外簡単に見えるのです。

見える位置と時間帯ということでいうと、・上弦の半月~満月の間なら、見える位置:東~南の方向・満月~下弦の半月の間なら、時間帯:見える時間帯は午前(日出時刻から月没時刻までの間)見える位置:南~西の方向満月近くだと月出時刻と日没時刻が、日出時刻と月没時刻が近いので見えるのは夕方と朝方のの短い時間帯だけとなりますので、ちょっと「真昼の月」とは言いにくいですね。

夕方と朝方の短時間を「真昼」から除くとすると、見える頃合いの月の具合

 は、月齢で言えば 7~11 , 19~23くらいというのが大体の目安でしょう。

◇上弦の半月前、下弦の半月後の月はなぜ見えない?

これはもっぱら月の明るさの問題です。

月の輝いている部分に限って考えるならその明るさは、三日月でも満月でも同じように思いがちですが、実際にはとても大きな違いがあります。

月の輝く部分の同じ面積を切り出して比較したとすると、満月が近づくとその明るさは急激に増します。月食の時など、その欠け具合によっては満月が三日月に近い形に欠ける瞬間がありますが、それでもこの月食で出来た三日月みたいな月は、実際の三日月の何倍も明るい月なのです。このように満月に比べるととっても暗い三日月でも夜であれば、周囲の空が暗いので明るく輝いて見えるのですが、太陽が空にあって空が明るいと、空の明るさに埋もれて見えなくなってしまいます。さらに、三日月の頃は月が太陽に近い一層明るいところにあるので、ますます見えにくくなります。

半月より太った月の頃になると、月の輝く部分の明るさは大分増してきて、さらに太陽からも離れた位置に見えますから、このころになると、周辺の昼の空の明るさに打ち勝って月が見えるようになってくるのです。

◇「真昼の月」が見えない理由は思いこみ?

 既に書いた案外と緩い条件がそろえば、真昼の月は見えるはずですが、真昼の月を見たことがないとおっしゃる方が結構いらっしゃる。その最大の理由 は「月は夜しか見えない」という思いこみではないかと思います。

昼間の月は、青空の中で控え目に浮かんでいますから、その淡い月を目にしても昼間に月が見えるはずがないと思いこんでいる人の目にはそれが月だと分からない(雲か何かだと思いこんでしまう?)のではないでしょうか。

 引用した海街diary のすずのように、昼間でも月が見えることを知っている者なら昼間に月が見えることはちっとも不思議なことではないのです。

 今日(2011/11/13)の月齢は17.3。既に書いた真昼の月が見える条件に照らすと、あと2~3日すると、午前中に南~西の空に真昼の月が見つかる時期に入ります。

月は夜だけのもの、そんな思いこみを捨てて、皆さんも真昼の月を探して見てはいかがでしょう。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

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吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

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