ゴールデンウィークをアンモナイトする

http://www.museum.tohoku.ac.jp/past_kikaku/ammonoidea/whats/index.htm 【アンモナイトはなんの仲間?】 より

 アンモナイト類は、絶滅した軟体動物頭足類の1グループで、古生代中ごろのシルル紀にあらわれ、デボン紀以降発展し、中生代の終わりの白亜紀末に絶滅するまで、世界の海洋に栄えました。アンモナイトは、化石として非常に多く目にすることができます。これは当時広い地域に栄えて個体数が多かったことを意味します。それに加えて、アンモナイトは年代によって殻の形に特徴的な違いがみられるため、示準化石(その化石の含まれる地層が堆積した地質時代を特定できる化石)としてデボン紀から白亜紀までの地質年代の決定に用いられます。また、各地質時代のアンモナイトの種類ごとの分布を通じて、当時の大陸と大陸の地理的関係を復元するためにも役立ちます。

 現在生きている軟体動物の中でアンモナイトにもっとも近い仲間は、オウムガイといわれてきました。なるほど、アンモナイトは古生代中ごろのシルル紀にオウムガイから分かれてあらわれています。オウムガイは5億年以上も前の古生代はじめのカンブリア紀にあらわれ、古生代の海に栄えました。最初はまっすぐな角のような細長い円錐形でしたが(直角貝)、デボン紀ころから渦巻き状に巻いたものがあらわれ、アンモナイトも渦巻き状に進化してきました。オウムガイは古生代末に急速におとろえましたが、「生きた化石」として現在でもわずかに生き延びています。一方、多くの種類を増やし大繁栄したアンモナイトは、白亜紀末に絶滅し、化石でのみ姿を知られるようになってしまいました。

 アンモナイトは、イカやタコとも似ています。似ているところは2点あります。

 1) 小型で球状の初期室をもつ (オウムガイはもたない)

 2) 7本の小さい歯からなる歯舌(*)をもつ。(オウムガイは9本)

 オウムガイと姿の似ているアンモナイトですが、最近の研究では、以上の理由から、アンモナイトはむしろイカやタコのような鞘形類とより近縁だといわれてきています。

*歯舌(しぜつ): 軟体動物の多くが口の中に持つ硬い舌のような器官。ヒトの歯にあたる器官で、やすり状に食物を削り取って食べる。


https://www.tsm.toyama.toyama.jp/_ex/public/wadai/koseibutu/no275.pdf 【アンモナイトのお話】 より

アンモナイトは絶滅してしまった生物のひとつですが、その化石は古くはヘビや

ミミズの化石だと思われていました。日本では昔、半分ほど欠けたアンモナイト(写

真左)を「せんす扇子の化石」と言い、また丸みのあるものを「かぼちゃ石」と呼んでい

ました。今でも、アンモナイトにはキクの葉のような形をした曲線模様(ほうごうせん縫合線という)が見られることから、別名「きくいし菊石」とも呼ばれています。

ヨーロッパでは 17 世紀になるまで「ヘビの死がい」だと考えられ、「へびいし蛇石」としてお守りにされていました。そう言うと、ぐるぐる巻いたアンモナイトは、とぐろを巻いたヘビにも見えますね(写真右)。またミミズだとも言われ、実際に「巻いたミミズ石」を意味する「バーミセラス」という名を付けられたアンモナイトもあります。

「アンモナイト」という言葉も、18 世紀にエジプトでアンモナイトがヒツジの角の代わりとして神「アモン」にささげられたことから、「アモンの石」という意味で呼ばれるようになった言葉なのです。

アンモナイトは、古生代デボン紀(約 4 億年前)から中生代はくあき白亜紀末(約 6500 万年前)まで生きていた動物です。特に中生代では種類も数も多く、全世界の海で急速に栄えました。最小数 cm~最大2.5 m にもなり、オスよりメスの方が大きく、現在1 万種以上が発見されています。

アンモナイトはなんたい軟体動物ですが、カタツムリやサザエなどの巻貝類ではなく、多数の足を持つイカやタコと同じとうそく頭足類に含まれます。アンモナイトに近い仲間のオウムガイが、今も熱帯の海に生きており、「生きた化石」と呼ばれています。これ

によって、以下の体のつくりや生態を知ることができます。アンモナイトの生活殻の内部には空気の部屋が多数あり、大型でも浮き易くなっています。その空気の圧力を調節して浮き沈みしていたようです。主に、浅海の外洋を自由に泳ぎ回る種、海底をはっている種、そして植物に引っ付き完全に海底で生活する種がいたと考えられています。肉食性で魚やカニなどを食べていましたが、一方で首長竜やサメのごちそうにもなっていました。

しかし、そのアンモナイトも白亜紀の終わりに恐竜と共に絶滅し、この地球上から永遠に消えました。今日ではその姿を化石でしか見ることはできませんが、科学文化センターには直径 1 mもの巨大アンモナイトや富山で発見されたもの数種類を展示しています。また 1 階質問コーナーの大理石の中にも小型アンモナイトを見つけることができます。どうぞ、太古の生き物に会いにお越し下さい。

(脇本 晃美) 

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