蓮(ハス)の花の季節!神話、香り、食べ方、特徴、睡蓮との見分け方

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蓮(ハス)の基本情報

蓮(ハス) 科名:ハス科ハス属 学名:Nelmubo nucifera 英名:Lotus 分類:多年生水生植物 草丈:水面から1.5~2m 花期:7月

 蓮の花は夏、初夏というには暑くなってから、でもうだるような真夏の暑さになる前という頃に咲き始めます。季節は7月頃です。7月の後半のこともあれば前半のこともあります。その年の気温によって変わります。 水面からすーっと伸びた茎の先に青々とした大きな丸い葉を開かせます。その葉の間から葉よりも高く、すーっと茎を伸ばし明るいピンク色の花を咲かせます。白花種もあります。 家庭で育てやすいサイズの小型の「チャワンバス」という種類もあります。

蓮(ハス)は東南アジア原産の草本性水生植物です。観賞用にも食用にもなるため世界中で育成されています。

蓮(ハス)は早朝に開花し、昼には閉じる花が美しく、世界中で愛されている花です。特に仏教では、泥の中から出てきて美しい花を咲かせるところから汚れのない花とされています。その他の宗教でも象徴的な意味合いを持つ花として愛されています。

蓮(ハス)の葉は円形または楕円形で薄く、長い葉柄をもち水面上1.5m以上になります。光沢は無く水を弾く特性があります。蓮(ハス)は、葉よりさらに上まで花茎を伸ばして咲きます。花色は桃色、白、黄色などがあります。チャワンバスと呼ばれる小型種は鉢栽培で親しまれています。

蓮(ハス)の根茎は日本人にも馴染みの深い蓮根(レンコン)です。日本では蓮(ハス)の食用部分と言えば主に蓮根(レンコン)ですが、他国では葉から茎まで食用とされます。蓮(ハス)の花の雄しべを緑茶と合わせた蓮茶も有名です。

日本で有名な蓮(ハス)の一つに大賀蓮(ハス)があります。大賀蓮(ハス)は2000年以上前に土の中に落ちた種を大賀一郎博士が発芽させたものです。2000年もの長い間発芽しなかった理由は蓮(ハス)のタネの外皮が非常に厚く、自然に発芽することがあまりないからと言われています。

蓮(ハス)の花言葉

蓮の花言葉は「清らかな心」「神聖」です。 泥の中から出てきて、清らかな美しい花を咲かせる、蓮の花らしい花言葉です。

蓮(ハス)の花が咲く時間はいつ?

原産地インドから世界中に広まり、今では様々なモチーフとして使われたりシンボリックに使われることの多い蓮(ハス)の花はいつ咲くのでしょうか。蓮(ハス)の花は咲く時間、咲いている期間に特徴があります。

朝しか見られない?

蓮(ハス)の花は早朝に咲き始め、お昼には閉じてしまいます。朝からお昼までが観賞できる時間です。お昼過ぎに開いている蓮(ハス)の花があったら、それはその日を最後に散ってしまうお花です。午後の蓮池で、ふっくらと大きく丸みを帯びた蓮(ハス)の蕾があったら、午前中に咲いていて翌日も咲く蓮(ハス)の花です。細い茎の上に乗るふっくらとした淡いピンクの蕾は、キャンドルの灯を思わせるような可愛らしさです。

蓮(ハス)の花の季節には早朝観蓮会を行っている蓮池もありますので、ぜひ早起きして足を運んでみてください。蓮の花の美しさには早起きの眠気を忘れさせてくれる喜びがありますよ。

どれくらい咲くの?

蓮(ハス)の花は早朝開きお昼には閉じる、そのサイクルで4日間。4日目は夕方まで咲き続け、そのまま花びらを落として散っていきます。4日目になると花びらは開き切り、花芯の黄色の部分が見えるようになってきます。ふっくらとした丸みのあるフォルムを楽しみたいのであれば、午前中の咲き始めの蓮(ハス)の花を眺めに行きましょう。

蓮(ハス)の花の香りとミステリアスな言い伝え

蓮(ハス)の花の香り

蓮(ハス)の花のエッセンシャルオイル、蓮(ハス)の花の香水、蓮(ハス)の花のお香など、蓮(ハス)の花の香りがモチーフとされた商品はたくさんありますが、実際の蓮(ハス)の花の香りってどんな香りなのでしょう。

蓮(ハス)は池に咲く多年生水生植物です。蓮(ハス)の花の香りを楽しもうと思ったら、勇気を出して蓮池の中に入って行かなければなりません。蓮(ハス)の花の香りを確認するのは難しそうですね。

蓮池の縁に立って花を眺めていると、ふわりと優しい香りが鼻先をかすめることがあります。チャワンバスのような小型種の蓮(ハス)の花に顔を近づけると、はっきりと爽やかな芳香が確認出来ます。蓮池で蓮(ハス)の花の香りを楽しむのはちょっと難しいようですが、蓮(ハス)の花には間違いなく芳香があります。

触れられないところに咲く花が、確認できない香りを纏って(まとって)いるというのも、蓮(ハス)の花らしい神秘的な魅力の一つです。

蓮(ハス)の花の咲く音って?

「蓮(ハス)の花は咲くときにポンっという音がする」という話を聞いたことはありませんか。花が開くときに音がするなんて、気になりますよね。

子供の頃、蓮(ハス)の花が開く音を聞きたくて、まだ暗いうちから蓮池で待機したことがあります。残念ながら音は聞こえませんでした。この蓮(ハス)の花が開く時に音がするという話は嘘だと言われています。カエルか何かが池に飛び込む音だったのではないか、という説もあります。

あれだけ魅力的な蓮(ハス)の花ですから、音くらいしたって何も不思議はありませんよね。

仏教での蓮(ハス)の花の意味って?

仏教画ではよく仏陀が蓮の花の上に座っている姿が描かれています。これを蓮華座と言います。 蓮の花は泥水のような池(蓮田)の中から真直ぐに茎を伸ばし、その先に華麗な花を咲かせます。泥から出てきても泥に汚れることはありません。このことから蓮の花は清らかさの象徴と考えられ、仏教では神聖な花とされてきました。

仏教画ではよく仏陀が蓮(ハス)の花の上に座っている姿が描かれています。これを蓮華座(れんげざ)と言います。

蓮(ハス)の花は泥水のような池(蓮田)の中から真直ぐに茎を伸ばし、その先に華麗な花を咲かせます。泥から出てきても泥に汚れることはありません。このことから蓮(ハス)の花は清らかさの象徴と考えられ、仏教では神聖な花とされてきました。

仏教以外での蓮(ハス)の花の神話と象徴

仏教だけでなく、他の宗教や国々でも蓮(ハス)の花は象徴として愛されてきました。

国の花や象徴としての蓮(ハス)

蓮(ハス)の花は昼には閉じて、朝になると再び開くことから、太陽や創造、再生の象徴とされています。インド、ベトナムの国花とされています。

ヒンドゥー教の神クリシュナは「蓮(ハス)の目を持つもの」と呼ばれている他、ラクシュミや他の神々とも関わりの深い花です。

蓮(ハス)はエジプトでも象徴?

睡蓮と同様に、蓮(ハス)はエジプトを象徴する花とされています。正確にはエジプトの国家は睡蓮ですが、蓮(ハス)の睡蓮と併せて再生と復活の象徴とされているそうです。

ギリシャ神話の蓮(ハス)

蓮(ハス)はギリシャ神話にも登場します。ギリシャ神話では、ニンフのロティがプリアポスという神の求愛から身を守るために蓮(ハス)にその姿を変えたという逸話もあります。

蓮(ハス)の葉の特徴!ロータス効果と蓮っ葉女?

ロータス効果とは?

蓮(ハス)の葉は水を弾くという特徴があります。これは蓮(ハス)の葉の表面が特殊構造になっていて、表面に乗った水滴を浸透させずに落としてしまうからです。これをロータス効果と言います。蓮(ハス)の葉は水滴を弾いてしまうので葉が濡れることはありません。さらに弾く際に葉の表面上の汚れも一緒に絡めてしまうという特性もあります。

蓮(ハス)の葉の上にキラキラとして水滴が乗っているのを見たことはないでしょうか。葉の上で輝きながら転がる水滴の美しさは例えようもありません。

蓮っ葉女って何?

昔の日本では蓮(ハス)の葉は、お盆の時期になると料理を乗せたりごはんを包むのに使用されていました。蓮(ハス)の葉を売る商売はお盆の時期だけの季節もの、つまり薄っぺらい商売とされ、蓮の葉イコール薄っぺらいとされたそうです。

さらに男性の身辺のお世話をする女性を「身持ちが軽い女性」とし、蓮(ハス)の葉女と呼ぶようになったと言われています。このことから、振舞いが下品な女性のことを「蓮っ葉女」と言うようになりました。今でも「はすっぱ」という言葉は女性に対して使われる言葉です。

蓮茶って何?

蓮は実は花から根っこまで食用にされている植物です。蓮のどの部分をどのように食用にするのでしょうか。蓮根(レンコン)くらいしか思いつきませんよね。 美しい花を体内に取り入れたい、その美しさを自分の一要素にしたい、と望むのは人間の自然な願望ではないでしょうか。蓮茶をはじめ、蓮の葉など、さまざまな蓮の食べ方をご紹介します。 蓮茶って? 蓮茶はベトナムなどで飲まれているお茶です。緑茶に蓮の花びらや雄しべの香りを移したお茶です。蓮の花の香りかというと何ともいえませんが、ふんわりと優しい香りがするお茶です。

蓮(ハス)の葉は食べられる?

蓮(ハス)の葉はお盆の時期になるとスーパーなどでも出回り始めます。お料理の敷物にしたりして使われます。その他にも蓮(ハス)の葉を細かく刻んで炊き込んだり、蓮(ハス)の葉で包んで蒸したりという風に使われます。

ただし、お盆の時期の料理であって一般的な家庭の食事にはあまり登場するものではありません。

蓮の茎も食べてみよう

日本ではなかなか蓮(ハス)の茎を食用にはしませんが、ベトナムではサラダにして食べられています。ベトナム料理店で食べたことがありますが、特に香りやクセは無く、しゃくしゃくした歯触りで食べやすくておいしいものでした。

蓮(ハス)の茎も、中に蓮根のような穴が空いています。ここから水を吸い上げるのですが、根と茎が同じ形状をしているのが面白いとは思いませんか。実は蓮根は根ではなく、地下茎なのです。蓮根について詳しくはまたこの後お話します。

蓮(ハス)の実も根も食べられる?

蓮(ハス)の実の食べ方

蓮(ハス)の実は甘納豆のような砂糖衣をかけたお菓子として食べられるほか、蓮(ハス)の実をごはんと一緒に炊いた蓮(ハス)の実ごはんなども有名です。

蓮(ハス)の花が終わった後花芯の部分が生長し、シャワーヘッドのような形状になります。その穴ひとつひとつに種が入っていて熟すと黒くなります。黒く熟した種子は固いので食べるならまだ青く柔らかい実をごはんと一緒に炊いたり、茹でてサラダにして食べます。

蓮(ハス)の根を食べたことはある?

蓮(ハス)の根っこは言わずと知れたレンコンです。漢字でも蓮根と書きます。日本でも煮物したり炒めたり揚げたりと様々な調理方法で一般的に食べられている野菜です。蓮根のキンピラや天ぷらと言ったら家庭料理の定番メニューです。

一般的に蓮根は蓮(ハス)の根だと思われていますが、実は根ではなく地下茎が肥大したものです。蓮根は地下茎で、蓮根からまた根が出ているのです。

この蓮根は四季を問わず出回りますが、初夏の新蓮根は瑞々しく歯ごたえもいいので食べ逃してしまうのはもったいないくらいです。

蓮(ハス)と睡蓮(スイレン)を簡単に見分けるコツ

蓮(ハス)と睡蓮は、同じように池に咲く植物です。お花の形状も似ていますが、似て非なる植物です。よく混同されがちな蓮(ハス)と睡蓮の簡単な見分け方をご紹介します。

蓮(ハス)の特徴 英名:Lotus ハス科

花:水面から高く茎を伸ばした先に咲く。花の直径は20㎝くらい(チャワンバスは10㎝程度)

葉:水面から高く伸びた先に葉を広げる。光沢はなく水を弾く。丸く大きな一枚の葉。

睡蓮

温帯性と熱帯性で少しの違いはありますが、ここではとっても簡単な蓮(ハス)との違いをご紹介します。

英名:Water lilly スイレン科

花:水面に浮くように、あるいは少し水面から立ち上がって咲く。花後は水中に沈む。

葉:水面に浮いているように見える。表面に光沢があり円形で、切れ込みがある。水を弾かない。

抽象画家モネの絵に描かれているのは睡蓮

水面すれすれの位置に葉と花を広げるのが睡蓮、水面から高く茎を伸ばして花や葉を付けるのが蓮(ハス)です。さらに蓮(ハス)の葉は切れ込みが無く葉に溜まった水を弾いて落とすのに対して、睡蓮は葉の切れ込みから葉に溜まった水を落とす仕組みです。



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