http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/flower/H2702.html 【今月の薬用植物】 より
バショウ (芭蕉) Musa basjoo Siebolt ex Iinumaバショウ科(Musaceae)
今月は、薬用植物園で一昨年、花をつけたバショウです。バショウ(芭蕉)はバナナの仲間ですが、日本では食べられるような実はできません。何回か小さな実を食べたことがあるのですが皮ばかりで少ししかない実も渋くて駄目でした。
芭蕉は、花、葉、根、茎から出る水、種子を薬用とすると中薬大辞典に書かれています。日本では見たことのない「種子(芭蕉子)」は、性質:大寒で、そのまま食べると止喝し肺を潤す、蒸して仁を食べると血脈を通す、「茎から出る水(芭蕉油)」の性質:涼で、清熱、止渇、解毒などの効能があり、熱病に、高血圧による頭痛などに用いられると記してあります。根(芭蕉根)は、性質:涼で、清熱、止渇、解毒、利尿などの効果があり、高熱を清熱する等と記されています。ただし、長期に服用すると冷え、胃腸を弱らせるので注意するように記してあります。花(芭蕉花)は、性質:寒で、痰を和らげ去痰する、肝の調子を整える、月経不順を治すなどの効果があると記されています。
芭蕉・バナナの花は、タイ等の東南アジアでは、蕾の部分を炒める等して食べます、甘酸っぱくて美味しいようです。味・食感が、イタリア料理の食材のアーテチョークと似ていると言った人がいます。
沖永良部島に一昨年行った時に、芭蕉布の工房(長谷川さん)を見学させてもらいました。芭蕉の茎をホグシ、糸にして紡ぐそうです。染色には沖縄藍等が使われています。柔らかくて綺麗でした。よく話される昔のお嬢さんでした。家で美味しいミカンをご馳走になりました。 沖永良部島に"400余種の薬用植物"を小さな島の中で見つけました、スゴイですね。こんなにあるなんてと感動しました。"報告書"("写真1"、"写真2"、皆さんが有効利用してくださることを願っています。
今年は正月明けから風邪を引き、こじらせ、まだ咳が完治せずに3週間と長引いています。風邪は万病の元、気を付けないといけませんね。 私も含め、皆様の健康をお祈りします。
http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003647.php 【バショウ
Musa basjoo Siebold ex Iinuma】より
生薬名 ①芭蕉根(バショウコン),②芭蕉葉(バショウヨウ)
薬用部位 ①根茎,②葉
成分 根茎にフェノール性化合物(irenolone, 3,3’-bis-hydroxyanigorufone, 3,4-dihydroxybenzaldehyde)
産地と分布 中国南部や東南アジアの原産.
植物解説
大形の多年草.草丈約4 m.根茎は大形の塊状で,頂端に葉鞘が密に重なった偽茎を直立する.葉は大形の広楕円形で長さ2~3 m,鈍頭で基部は円形か不対相で破れやすい.偽茎の中央に花茎を出し,茎の頂に早落性の大きな苞葉に包まれた穂状花序を下垂して付ける.
薬効と用途
根茎は清熱,止渇,利尿作用があり,黄疸,水腫,脚気,出来物などに用いる.葉には解熱,利尿作用があり,脚気,出来物などに用いる.葉の生の汁は傷口に塗布すると出血が止まる.
観賞用として栽培される.バナナを小型にしたような果実を付けるが,食用にはならない.
http://blog.livedoor.jp/abcd1357/archives/51792908.html 【生薬・芭蕉根の薬効】
芭蕉根は中国南部、東南アジアを原産とするバショウ科
の大型多年草の根を利用する。大きいために樹木と間違えられるが、茎は木質化しない。
日本では観葉植物として暖地に広く栽培」される。漢方では芭蕉葉または芭蕉根のいずれも清熱解毒、利尿の効能があり、熱病、腫れ物、浮腫などに用いる。
民間では生(なま)の茎の絞り汁を解熱・利尿薬として用いる。
生の葉の汁は傷や腫れ物に用いる。通常は1日5~10gを煎じる。
http://tanalog.com/taiseidrug/2014/05/22/1400716718697.html 【芭蕉】 より
○芭蕉(ばしょう)
中国南部あるいは東南アジアを原産とするバショウ科の大型多年草バショウ(Musa basjoo)の葉を芭蕉葉、根を芭蕉根という。大きいために樹木と間違えられるが、茎(葉鞘)は木質化しない。日本でも観葉植物として暖地に広く栽培され、英語名ではジャパニーズ・バナナ(Japanease banana)と呼ばれる。
バナナとは近縁種で草姿もよく似ており、バナナのことを和名ではミバショウ(実芭蕉)といい、中国では甘蕉あるいは香蕉と呼ぶ。ちなみに果物のバナナの栽培は先史時代からインドで行われていたが、偶然発見された種子のない変異種を株分けで栽培したのが始まりである。またマニラアサ(アバカ)もバショウと同属植物で、その葉の繊維はマニラ麻として知られている。
バショウの葉および根の成分や薬理は明らかでない。漢方では芭蕉葉と芭蕉根のいずれにも清熱・解毒・利尿の効能があるとし、熱病、腫れ物、脚気、浮腫に用いる。日本の民間療法では葉や根を煎じて風邪や中風などに用いる。また生の茎の絞り汁は解熱・利尿薬として、生の葉の汁は傷や乳の腫れ物などに用いる。咽に骨の刺さったときに葉の黒焼きを白湯で飲むとよい。
https://blog.goo.ne.jp/yayoikaze/e/194885834b9cd581aab42317dda7b7d7 【芭蕉葉(ばしょうよう)・芭蕉根(ばしょうこん)】より
「芭蕉根」バショウ科、バショウ属の宿根性の大型多年草、学名Musa basjoo Sieb.の芭蕉の葉あるいは根茎から得られる生薬である。「芭蕉葉」の薬性は甘、淡、寒、帰経は心経、肝経で、効能は清熱、利尿、解毒である。「芭蕉根」の薬性は甘、寒、帰経は胃経、脾経、肝経で、効能は清熱解毒、止渇、利尿である。清熱解毒の対象となる実熱がない場合、あるいは陽虚や脾虚では不適である。芭蕉は夏期に大きな苞葉に包まれた穂状花序を付けるが、この芭蕉の花も生薬「芭蕉花」となる。薬性は甘、微辛、凉、効能は化痰、散瘀、止痛である。
夏の間、青芭蕉の瑞々しい葉の芭蕉は、秋になれば風雨にさらされて破芭蕉(やればしょう)の寂寞たる風情を見せる。芭蕉の精がシテである能の曲目《芭蕉》は「花も千草も散りぢりになれば芭蕉葉は破れて残りけり。」の言葉で終わる。
芭蕉葉は何になれとや秋の風 猿蓑・八十村路通
https://www.kanpoyaku-nakaya.com/mailmagazineno147.html 【江戸時代の薬(麦飯と芭蕉の葉)、薬酒の楽しみかた(仙茅酒(せんぽうしゅ))】 より
「麦飯と芭蕉の葉」
江戸も元禄から享保の頃になると、庶民の生活にゆとりが 生まれ、米を精白するようになり、江戸に脚気が急速に 広まった。
それまでは玄米か片搗米を食べていたので、 ビタミンB群の欠乏はみられなかったのであろう。
「江戸患い」とか「大坂腫れ」と呼ばれたという。
脚気の患者は先ず下肢がむくみ、それから顔面から腹部 にまで広がってくる。
循環器に障害があると浮腫が現れることが多いが、江戸期 にこんな症状が現れると、芭蕉の茎を煎じて飲ませたり、 芭蕉の葉を敷いて寝ると効くといわれたようようである。
当時から芭蕉は寺院などに観賞用として植えられていた ようである。
干した葉を煎じて飲むと利尿と解毒に 効果がある。
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