古代エジプト展 天地創造の神話

https://www.asahi.com/event/DA3S14697801.html 【神々と紡いだ、生と死の物語 「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」】 より

 東京・両国の江戸東京博物館で21日に開幕する「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」は、世界有数のエジプトコレクションを誇るベルリン市内の博物館から、貴重な名品約130点を展示する。テーマは、知られざる古代エジプトの神話の世界。見どころを紹介する。

 古代エジプトは多神教世界で、八百万(やおよろず)の神々が信じられていた。天地創造の神話にはいくつかの種類があるが、重要な宗教都市ヘリオポリスに伝わった神話において、世界の始まりは光のない混沌(こんとん)とした原初の海「ヌン」だった。そこから最初の神「アトゥム」が生まれる場面から、展覧会のプロローグと第1章が始まる。

 神々が生まれ、森羅万象がつくられる様をアニメーションで分かりやすく紹介。兄妹である大地の神ゲブと天空の女神ヌウトは、仲が良く常に絡み合っていた。大気の神である父シュウが嫉妬して2人の間に入り、天を押し上げ地を引き離す。大気に挟まれた天と地はこうして誕生したという、壮大なエピソードがある。ヘリオポリスの創世神話では、これらを含む9人の神が「9柱神」として重要な役割を果たす。

 夫オシリスが殺された後、我が子ホルスを守り育てたことから、母性愛の象徴としてあがめられたイシスの彫像を展示。ライオンに猫、マングースなど様々な動物の姿をした神の像などが並び、その多神教世界が明かされる。

 第2章では、国王ファラオの神の代行者としての役割を中心に紹介する。見どころは、個性的な芸術が花開いた「アマルナ時代」の名品だ。アクエンアテン王(在位=紀元前1351~前1334年ごろ)は、他の神々の信仰を禁じ、太陽神アテンを唯一神とする宗教改革を行った。ベルリンのエジプト博物館は、10万点に及ぶ考古品と古代文書を有するが、中でも「アマルナ時代」の所蔵品の充実ぶりで知られる。エジプト美術の傑出した彫像の一つと言われる、「ネフェルトイティ(ネフェルティティ)王妃あるいは王女メリトアテンの頭部」や、アクエンアテン王の頭部を描いたレリーフ断片などが来日する。

 スカラベ(タマオシコガネ)の姿をした太陽神を描いた胸飾りなど、日本初公開品も展示される。スカラベは再生の象徴で、両側には手を掲げたイシスとネフティスが立つ。

 第3章では、古代エジプト人の死生観を文物とアニメーションで示す。人間は死後、ミイラ作りの神でもあるアヌビスによって「広間」に導かれる。神々の前で生前に罪を犯さなかったことを誓い、てんびんで心臓と羽根とを計量する審判をあおいだ。墓に副葬された「死者の書」の呪文は、死者が無事審判をくぐり、再生と復活を果たすのを助けるとされていた。本展では、死後の審判の場面が描かれた、全長4メートルを超える「タレメチュエンバステトの『死者の書』」が初来日する。

 ミイラを保護するための覆い「ネスコンスパケレドという名の女性のカルトナージュ棺」には、太陽神の朝の姿である、羊の頭部を持つハヤブサなどが色鮮やかに描かれている。

 ベルリンでは、新型コロナウイルス第2波の影響で、博物館群が一時休館中。監修を務めたエジプト博物館のオリビア・ツォーン副館長は、展示のため辛くも来日を果たした。「全ての困難を乗り越えて開幕する運びになり本当にうれしい。古代エジプト人たちの永遠への願いを体感できる、かつてない展示になっている。ぜひ心を開いて、現代世界と通じるものを探してみてほしい」と話している。

https://egypt-ten2021.jp/highlight/ 【見どころ | 【公式】古代エジプト展 天地創造の神話】より

ごあいさつ

古代エジプト神話の世界へ

世界の始まりは混沌とした原初の海「ヌン」であった。

その海から、すべてのものが生まれ、育まれた。

しかし、世界の終りがやってくると、すべてのものは再び原初の海へ飲み込まれていく…。

古代エジプトの神話には、このように壮大な生と死のサイクルが描かれていたことをご存知でしょうか?

本展では、そんな古代エジプト人が信じた「天地創造と終焉の物語」を、ドイツ・ベルリンにある、「ベルリン国立博物館群エジプト博物館」のコレクションの中から選りすぐった約130点の作品で展覧いたします。

展示構成は、第1章「天地創造と神々の世界」第2章「ファラオと宇宙の秩序」第3章「死後の審判」というテーマで、古代エジプトにおいて世界はどのように生まれたと考えられていたか、日本では単なる王様という印象を持たれていることが多いファラオが担った最重要の役割とは何だったのか、そして、古代エジプトの人々は死後どのようになると信じていたのか、をご紹介いたします。

また、各章で異なった空間演出を施すことで、古代エジプト時代の雰囲気を味わっていただくと共に、オリジナルアニメーションで古代エジプト神話の一部を紐解きます。オリジナルアニメーションの主役は、大人気俳優の荒牧慶彦さんが扮する「アヌビス」。皆さまが古代エジプト世界で迷子にならないよう、しっかりとご案内いたします。

さぁ、かつてない古代エジプト神話の世界を、どうぞお楽しみください。

ベルリン国立博物館群のエジプト博物館とは

ベルリン国立博物館群は、ドイツの首都・ベルリンに流れるシュプレー川に浮かぶ「博物館島」にある5つの博物館を中核とする総合博物館群です。プロイセン王国歴代のコレクションを礎とし、先史時代から現代にいたるまで、世界的な規模と質を誇るコレクションを擁しています。

さらに、第二次世界大戦や東西ドイツ分裂の時期を経て、1999年には「博物館島」全体がユネスコの世界文化遺産に登録され、2000年代からは各博物館の改築やコレクションの整理が急ピッチで進められています。

エジプト博物館は、「博物館島」にある5つの博物館のうち、2009年に改修を終えた「新博物館」内にあり、世界で最も有名な女性像の一つとして知られる「ネフェルトイティ(ネフェルティティ)の胸像」を所蔵している博物館として有名です。

紀元前3000年頃の動物の彫像から、古代エジプトに終焉を告げたローマ皇帝の肖像まで、壮大なエジプト史を網羅する同館のコレクションは、17世紀のブランデンブルク選帝侯の所蔵品を発端とし、その後のプロイセン王が主導した発掘や購入により、世界有数のエジプトコレクションとなりました。とりわけ、宗教改革によって個性的な芸術が生まれたアマルナ時代の充実した所蔵品と6万点にものぼるパピルス・コレクションは必見です。

展示構成

第1章 天地創造と神々の世界

古代エジプト社会においては、全知全能の神々の力によって、空や雲、砂漠、風などの自然や、人間や獣、昆虫などの生物、太陽や月、星ぼしに至るまで、この世の全てが創造されたと考えられていました。原初の海「ヌン」と呼ばれる暗闇が支配する混沌とした状態から神々の意思により秩序ある世界が創造されたのです。古代エジプト人は、この秩序をマアトと呼びました。この章では、神々の姿や、神々が創った森羅万象を見ていきます。

第2章 ファラオと宇宙の秩序

宇宙の全体を支配する秩序・摂理(マアト)は、絶対であり、個々の人間が遵守すべき最も重要な規範・道徳としても考えられていました。人間社会のリーダーであるファラオは、社会の中でマアトを守り、実行する最高責任者でした。異民族の侵入やファラオに対する謀反といったようなマアトを揺るがす大きな事件に対しては、「善き神」であるファラオ自身が、強いリーダーシップをもってマアトを実践していくことが必要とされていたのです。

第3章 死後の審判

死者は、墓地の守護神でミイラ作りの神でもあるジャッカルの頭をしたアヌビスにより、「二つのマアト(正義)の広間」に導かれます。ここで死者の審判が行われ、死者の心臓は天秤ばかりにかけられ、マアトを象徴する羽根と釣り合うか計られます。古代エジプト人は考えたり思ったりする器官は脳ではなく心臓だと考えていました。

コズミックホリステック医療・現代靈氣

吾であり宇宙である☆和して同せず  競争でなく共生を☆

0コメント

  • 1000 / 1000